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気象海象フィールド観測実習

2003年 9月 15ー18日 京都大学防災研究所(白浜海象観測所・潮岬風力実験 所) 気象庁潮岬測候所

参加者

<教官・スタッフ> 余田成男教授、里村雄彦助教授、林泰一助教授、村田文絵研究員 <学生> 吉野純(D3)、奥勇一郎(D2)、梶野瑞王(D2)、木原直人(D1)、 横井覚(D1)、堅田元喜(M2)、塩本耕三(M2)、中前久美(M2)、 福井哲央(M2)、山根悠介(M2)、大崎晋太郎(M1)、片岡彩(M1)、 川本哲平(M1)、手嶋あかり(M1)、廣田伸之(M1)、藤原崇博(M1)、 松浦弘和(M1)、山崎仁太郎(M1)、山下和也(M1)、横木研(M1)、 米田次郎(M1)、隈部智晴(B4)、森川聖子(B4)

日程

9月15日 白浜海象観測所集合

講義1 「白浜海象観測所の気象・海象観測」

芹澤重厚 9月16日

実習1 「高潮観測塔の観測設備見学」

潮岬風力実験所へ移動

講義2 「潮岬風力実験所の気象観測」

林 泰一 9月17日

実習2 「潮岬測候所の高層・地上気象観測の見学(1)」

実習3 「潮岬風力実験所の見学(1)」

講義3 「山の影響」

里村雄彦

講義4 「構造物の耐風設計と潮岬風力実験所における 風圧観測」

河井宏允 9月18日 実習2 「潮岬測候所の高層・地上気象観測の見学(2)」 実習3 「潮岬風力実験所の見学(2)」

実習中の写真(1)

白浜海象観測所・高潮観測塔

実習中の写真(2)

潮岬測候所・ 高層気象観測用水素ボンベ倉庫 地上気象観測露場

実習中の写真(3)

潮岬風力実験所・実験模型 観測鉄塔

講義1 「白浜海象観測所の気象・海象観測」

芹澤 重厚 1.海象観測の目的 海に関する様々な現象の観測、物質の採取 風向、風速、気温、水温、波高、潮位データについては、昭和36年 から平成7年まで34年間データを取得 一点の定点観測であるが、連続的にデータが取れるのが魅力 防災、漁業、資源・エネルギー開発、自然科学などに利用 2.観測対象 風向、風速、気温、水温、波高、潮位、流向、流速 観測データを無線テレメータで観測所へ送信 3.海上観測独特の困難さ 海水中に固有の問題 水圧の問題、塩分による測器の腐食、生物の測器への付着 漁業とのかねあい 電源容量の制約

4.観測の成果 田辺湾における海象 静振の特性、長波波浪特性、海水交流 海面付近の微物理過程・物質科学 海面での熱収支、風波の発達過程、砕波による気泡の取り込み 海塩粒子観測、赤潮の発生・消滅 観測機器の開発

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実習1 「高潮観測塔の観測設備見学」

田辺湾 × 1995年、現観測塔建設 場所: 田辺湾口中央 両岬より 1.8km

塔の高さ: 海面上 23m 海面下 15m 2km 京大所有艇 「海象」 定員11名+操縦士1名 日本で唯一、 稼動中の 海象観測塔 太平洋に面するので、 外洋からの情報と沿岸 部からの情報の両方を 観測できる好立地条件 にある

<観測塔のてっぺん> 超音波風速計 観測要素は 気温、風向、風速 潮位、海面温度 など <観測塔内の測定室> 夏は室内温度が40℃を 超える <観測塔内部の様子> 電力は太陽発電で供給されており、 観測機器の設置は電力との戦い。 10日間曇り続きでも、バッテリーで駆動可能

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講義2 「潮岬風力実験所での乱流観測」

林 泰一 1.接地境界層乱流 上下の風速差・地面の加熱により発生 変動は夜間よりも昼間のほうが大 長周期変動の中に短周期変動が存在 2.Monin-Obkhov(1954) 相似則 水平一様で定常な場ではフラックスが鉛直方向に 変化しないため、大気乱流は、① 浮力パラメータ、 ② レイノルズ応力または摩擦速度、③ 顕熱フラッ クス、の3パラメータで表現できる 3.乱流解析のための補正・ノイズ除去 フェッチ・観測高度、プラットフォームの問題(真の 鉛直成分の計測が困難) 4.データ長とサンプリング周波数 サンプリング周波数が小さいと、 見かけの変動が出現

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実習2 「潮岬測候所の高層・地上気象観測の見学」

1.高層気象観測 上空の大気の状態を観測 気温、湿度、気圧、風向、風速 気球に測器をつけて飛揚させ、現場測定 気温、湿度、気圧の情報を地上に電波で送信 風向風速は、気球の位置観測から算定 毎日4回、気球を放球 8:30、20:30にレーウィンゾンデ 2:30、14:30にゾンデ(風向・風速のみ観測)

① 風船に水素をつめる ③ 秒読みをして放球 風が強いときには、 水平に飛んで木に ぶつかることも・・・ 火気は厳禁 ② 気球にパラシュート付の測器をつける ④ そして上空に・・・ 気球の影響が出な いようにするために、 測器は気球から10 数m離す 100hPaまで測らない といけない 過去に落下した気球 で被害にあったという 報告はないらしい・・・

2.地上気象観測 観測量 気温、湿度、気圧、風向、風速、 日照、雨量、雨の開始時刻(以上は測器観測) 視程、雲量、天気(目視観測) 高層・地上気象観測の結果は気象庁本庁に伝送 本庁で天気現況の把握と予想天気図の作成 測候所では予報はしない 気象観測と情報の発信

3.地上気象観測用測器 感雨器 雨量計 温度計・湿度計 追尾式日照計 全天日射計

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実習3 「潮岬風力実験所の見学」

1.二つの実験模型 強風時(台風通過時など)に、壁(写真左)や瓦(写真右)にどの程度の風圧が かかるかを測定 自然の強風は、風向・風速の細かな変動が大きいという点で風洞の風と異なる この細かな変動が風圧変化の特徴に大きな影響を与えるため、現実の強風中 での風圧の時間変動を測定することが重要

2.風速・温度、湿度・二酸化炭素の短周期変動観測装置 <赤外線湿度変動計> 湿度変動・二酸化炭素変動の測定 赤外線を発射し、途中の経路で吸収さ れた赤外線量から水蒸気変動を算出 赤外線の波長を切り替えて、二酸化炭 素変動を算出 <3次元超音波風速計> 風速変動・温度変動の測定 1950年代に構想、1960年代終わりに実用化 u,v,wの3成分の測定が可能 対の2端子から音波を発射し、伝達時間差から風速 を算出 音速が温度に依存することを利用して、温度を算出

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講義3 「山の影響」

里村 雄彦

1.山が流れに及ぼす影響 非成層(一様)回転流体 Taylor柱 2層回転流体 Rossby波の励起 成層流体 山岳波(重力波)の励起 3次元の山が存在するとき Smith (1980)

2.重力波によってできた雲 http:// www.3776m.com/gallary/fuji/fuji261.htm

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講義4 「構造物の耐風設計と潮岬風力実験所 における風圧観測」

河井 宏允

1.開口と風圧の関係 構造物の耐風設計は非常に重要 潮岬風力実験所では瓦にかかる風圧を測定

100N/m

2

600N/m

2

700N/m

2 風下のドアを開けると 風上の窓が割れる

1500N/m

2

40m/sec 1400N/m

2

700N/m

2

1500N/m

2

800N/m

2

800N/m

2 風上のドアを開けると 屋根が飛ぶ

2.屋根瓦の飛散 瓦表面の吸引力(負圧)と 瓦の内部の圧力がバランス ↓ バランスが崩れると 大きな揚力が瓦に発生 ↓ 一枚の葺材がはがれると 連鎖的に次々と飛散する 実験家屋 瓦の表面と裏面の圧力を測定する 3成分 超音波風向風速計 1.0m

0.7m

2.1m

4.1m

3.1m

軒先

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