厚生労働省 避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の 実施

Download Report

Transcript 厚生労働省 避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の 実施

これからの地域保健・地域栄養
~東日本大震災を経験した保健師・栄養士から~
女川町健康福祉課
栄養士 今野 恵美子
避難所・避難者数
避難所数
3月18日
3月31日
6月19日
7月4日
震災1週間後
震災3週間後
震災約3ヵ月後
震災約4ヵ月後
20
13
13
20
(箇所)
避
難
所
で
の
避
難
者
数
市
街
地
半
島
地
区
最
大
1,400
776
559
435
平
均
244
113
130
102
最
大
300
208
145
145
平
均
148
102
49
42
※3月13日が最大の避難者数で5,720人 25箇所の避難所
※避難所完全閉鎖 11月9日
震災後~1週間
町の状況
災害保健活動
24時間以内
活動できなかった
次の日の午前中に第二小
学校に移動
24~72時間
・第二小学校に災害対策
本部(役場機能)設置
・総合体育館、第二小学
校に救護所開所
食の状況
・12日から第二小学
校の共同調理場で炊
き出し開始(1日2食、
総合体育館避難所、2
小避難所)
・その他の避難所は、
各避難所で避難者で
食材調達をして炊き
だしを行った
栄養士の活動
物資・人的支援
・救護班の従事
(第二小学校の救護
所担当)
・乳児用の育児用ミ
ルク、お湯を確保
・健康状態や炊きだ
しの食事内容につい
て把握
・震災後3日後に育
児用ミルク届く
4日以降
・備蓄食品が流出してしまった
・命をつなぐための食であった(きちんとした食事が食べられない状況)
・育児用ミルクが物資ですぐに届かなかった(震災後3日目)
・一型糖尿病患者・・・自己血糖測定器がなかった
・食事量が少なかったため、減量により血圧が安定している人が思っていたよりも
多かった
糖尿病の治療を行っている人には、血糖値を下げる薬は出さなかった
第二小学校共同調理場(震災後~1週間)
<状況>
・震災後次の日から、炊き出しを開始
・ライフラインの状況
ガス(プロパン)が使用可
水は給水車対応
電気は2日間は使用できなかったが、その後は
発電機により使用可
・食数2,500人分
震災後3日間の炊き出しの内容
(第二小学校共同調理場)
3月12
日
3月13
日
午前
肉団子スープ
午後
さつまあげ
(炊き出し、調理場の在
庫と生協の家庭販の食
材提供)
(町内の水産加工会社から
提供)
さんま汁
おかゆ、みそ汁
の汁だけ
(炊き出し、さんまは水産加
工会社から提供)
(炊き出し)
チーズ蒸しパン おかゆ(野菜入
り)
バナナ
※14日から物資が届くようになった
(物資)
さんま汁(炊き出し)
3月14
日
震災後~1週間
<課題>
・食器が500人分しかなかった(食数2,500人)
・町内の加工会社からさんまや鮭のフィーレが大量に届い
たがうまく活用できなかった
・役場の職員の人の調整役が入れ替わりだったので、調整
がうまくいかなかった
震災後1週間~1ヵ月
町の状況
災害保健活動
1週間
~
2週間
2週間
~
1ヵ月
食の状況
栄養士の活動
物資・人的支援
・避難所に給水車が回る
・医療調整連絡会議を毎日実施
・在宅生活者のローラー訪問
・嘔吐、下痢患者が増え始め感
染症予防対策
・自衛隊による炊き
出し開始
・22日から朝食に
物資のパンが毎日提
供
・乳幼児対応食事支
援開始
・感染症予防対策
・要支援者への栄養
相談
・ベビーフード、ア
レルギー用食品の物
資が届く
・水道復旧
・3月27日~夕食
に副菜が入り始める
・ボランティアの炊
き出しが多くなり1
日3食になる日が増
える
・自衛隊と夕食の食
事について連絡調整
し、食事内容を検討
・各避難所を巡回し、
食事実態調査、栄養
相談、感染症予防指
導実施
・食改善に向けて要
望する
①朝食を菓子パンか
らおにぎりへ
②冷蔵庫設置
・感染症予防対策と
して石川県の職員の
派遣があり、各避難
所巡回(車の確保)
・保健所栄養士来所
物資班が感じた事、苦労した事
・県は生ものの物資を受けつけなかったため、生鮮食品は、直接市町
村へ持ってきていただいた。
・途中から、今後も物資支援してくれるという方を登録制にして台帳
を作成した(何を支援していただけるか、連絡先)
・おにぎり、パンは初めは県が発注していた。届いた段階で消費期限
賞味期限が切れていたり、切れそうなものが多かった。
期限切れは職員が食べていた。
・外国産の物は、何か分からない物、味が好まれない物がたくさんあ
った。
・牛乳は常温保存可能であったが、夏場は高温であったため、冷蔵庫
が必要であり保存に苦労した。
・届いた物資の数により調整等が大変であった。
・ベビーフードや高齢者用の食品などは、健康福祉課で仕分けをして
もらった。
避難所ごとに食事内容を確認・食中毒予防の重要性
<調理する場所がある避難所>
おにぎりやパンの物資と調理した料理(おか
ず)を食べていました
・食中毒予防
・食事内容の確認(過不足している食品、栄養はないかどうか)
4月11日~各避難所の巡回開始
各避難所でチェック、記入をして意識を高めてもらう
①感染症・食中毒予防対応リスト
②食事状況調書(県に月1回提出)、食事献立
・平成23年4月1日 宮城県保健福祉部長
避難所における食事状況・栄養関連ニーズのアセスメントについて
県では、被災者の栄養・食生活改善を把握し、今後の支援活動を
効果的に実施するため、別紙のとおり各避難所に対する調査を実施
1回目 4月1日~12日の状況(震災後21日~32日)全避難所
2回目 5月1日~20日の状況(震災後51日~70日)全避難所
3回目以降 6月~毎月11日~20日まで連続して2日間
50人以上の避難所対象 10月まで実施
震災後1~2週間の食事
(調理施設のない避難所:
総合体育館避難所 800人)
調理者:自衛隊、共同調理場、おにぎり握り(町民)
3/21 3/22 3/23 3/24 3/25 3/26 3/27
朝食
9:30~
・コンビニ
おにぎり
・オレンジ
・パン
・魚肉ソー
セージ入り
スクランブル
エッグ
・あんぱん
・飲むりん
ご
・厚切り
ロールパン
(400キロカロ
リー)
・ゼリー
・シフォンケー
キパン
(440キロカロ
リー)
・りんご
・ジャムパン
・りんご
ジュース
・フルーツロー
ル(460キロカ
ロリー)
・みかん
・野菜
ジュース
・カレーラ
イス
・おにぎり
・でこぽん
・さけの具
だくさん汁
・雑炊(ね
ぎ、さけ入
り)
・おにぎり
・ゆで卵
・きゅうり
の和え物
・みそ汁
(豆腐・ね
ぎ)
・レトルト丼
(カレー、牛
丼、ハヤシラ
イス、中華
飯)
・おにぎり
・豚汁
・おにぎり
・野菜スー
プ
・さつま揚
げの煮物
・トマト
昼食
夕食
16:00
~
朝
食
震災後1~2週間の食事
(調理施設のある避難所:
第一小学校避難所 210人)
調理者:保育所給食調理員
3/21 3/22 3/23 3/24 3/25 3/26 3/27
朝食
・ウエハース
・ソーセージ
・ソーセージ
・シフォン
ケーキ
・あんぱん
・牛乳
・オレンジゼ
リー
・ジャムパン
・チョココロネ
・みつ豆
・パン
・バナナ1本
・チョコパン
・バナナ1本
・パインジュース
・チョコサンド
・オレンジゼリー
昼食
・みそおでん
(こんにゃく、
大根、人参)
・クラッカー
・ドーナッツ
・笹かま
・ゼリー
・牛乳
・フレンチトー
スト
・コーヒー牛
乳
・バナナ
・がんづき
・ナイスステックパ
ン
・りんご1/4
・おにぎり1
個
・コーヒーサンド
・牛乳
みかん
・カップラーメン
・大福4個
・ゆで卵
・おにぎり3個
・ソーセージ
・みかん
・おにぎり1
個
・いわし煮魚
(レトルト)
・さつま汁
炊き出しボラ
ンティア
炊き出しボラ
ンティア
個
・牛乳
夕食
・ゆでいも
・ブルーベリー
寒天
・いなり3個
・納豆
・お浸し
・トマト
大根とにんじ
んのみそ汁
・いなり3個
・納豆
・わらびと人
参の炒め煮
・漬物
・ごはん
・カレー
・味噌炒め
・漬物
・平成23年4月21日 厚生労働省
避難所における食事提供の計画・評価のために当面
の目標とする栄養の参照量について
エネルギー・栄養素摂取不足の影響による栄養不
良や体力低下が顕著になってくる時期にあること
から、避難所生活の長期化を視野に入れ、必要な
栄養量の確保のために安定的に食事提供を行う条
件の整備が急務となっています。
被災後の3ヶ月までの当面の目標として、避難所
における食事提供の計画・評価のための栄養の参
照量を算定しましたので、管理栄養士等行政栄養
関係者の関与の下、留意事項を参考に、地域や避
難所の実情を十分に考慮し、食事回数や食事量の
確保・調整を行い、必要な栄養量の確保に努める。
・平成23年6月14日 厚生労働省
避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の
実施について
避難所によっては、以前として、野菜の摂取不
足など食事内容に改善が必要な状況も見受けら
れており、避難所生活が長期化する中、日々の
食事は栄養不足の回避、生活習慣病の予防・改
善、さらには生活の質の向上のために、一層重
要となっています。
被災後の3ヶ月以降の避難所における食事提供
の評価・計画のための栄養の参照量をお示しす
るとともに、食事提供に係る配慮事項をとりま
とめましたので、避難所の運営において管理栄
養士等行政栄養関係者の関与の下、地域や避難
所の実情を十分に考慮し、適切な栄養管理の実
施に努める。
<総合体育館避難所>
●エネルギ-摂取の過不足の回避
<総合体育館避難所>
●栄養素の摂取不足の回避
総合体育館避難所
対象特定に応じて配慮が必要
●栄養素の摂取不足
の回避
総合体育館避難所
対象特定に応じて配慮が必要
●生活習慣病一時予防
4月分の総合体育館の栄養価
年齢構成:乳幼児2%、小学生6%、中・高校生7%、65歳以上25%、その他60%
エネル
ギー
タン
パク
質
PE
脂質
kcal
g
%
g
%
平均
1,290
42
13
35
24
食事
摂取
基準
男 I
2,200
65
食事
摂取
基準
女 I
1,700
カリウム
カルシウ
ム
鉄
レチ
ノール
当量
ビタミ
ンB1
ビタミ
ンB2
ビタミン
C
コレス
テロー
ル
食物
繊維
食塩
mg
mg
mg
μg
mg
mg
mg
mg
g
g
1,349
200
4.6
302
0.49
0.58
43
179
7.7
6.7
7.5
600
1.2
1.3
750
未満
19
以上
50
12
50
FE
40
20
~
25
2,900
650
100
9
500
1.1
1
9
未満
600
未満
17
以上
不足が気になる栄養素はカリウム、カルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維であり、今
後エネルギー、脂質、食塩の過剰摂取も気になった。
そのため、今後は手軽に食べられ、長期保存、常温保存できるもの(人参、玉ねぎ、か
ぼちゃ、じゃがいも、きゅうり、トマト)の物資の確保を要望した。
その他、菓子パンから食パン、ロールパンに出来ないか。常温保存できる牛乳、長期保
存できる豆腐なども物資の確保を要望する。
食事状況・栄養アセスメントからの課題と要望
①食事回数を2食から3食へ
→食料班、物資班へ自衛隊の方々に調理や、昼食にお弁当を提供
できないか要望
②パン食について(パンが食べられない高齢者がいる。パンを食べた
くないという人が増えている)
→物資班へ要望し、朝食のパンを米飯(おにぎり)にできないか
③炊き出しで子どもが食べられないメニュー(カレー、マーボー豆腐)が
ある。介護食用食品が欲しい
→食料班へ相談
→日本栄養士会に要望
④ビタミン、ミネラル摂取不足
→物資班へ野菜、牛乳の食材確保を要望
→自衛隊とメニュー検討
⑤水分の摂取不足(水は冷たくて飲めない)
→食料班へお茶の設置を要望
⑥冷蔵庫が欲しい(物資で食材が送られてくるが保存できない状況で
ある)
→県の災害対策本部に冷蔵庫を要望する
⑦食器が欲しい
→栄養士会に要望
国、県の対応
・平成23年3月22日 厚生労働省
東北地方太平洋沖地震に伴う災害発生により避難所等で生活する者
への栄養・食生活支援について
・平成23年4月1日 宮城県保健福祉部長
東北地方太平洋沖地震における被災者への栄養・食生活支援活動に
ついて
乳幼児や高齢者、慢性疾患等をもつ方への栄養的配慮が早急に求められ
るため、市町村における食品等支援物資の流通や食事の提供状況などの
課題を把握し、課題に応じた栄養改善活動を行うことで、基本的な食事
の提供体制の整備と食環境の向上を図る
・平成23年4月26日 宮城県保健福祉部長
被災地における栄養補助食品等の使用について
栄養改善に活用する栄養補助食品等について、支援物資の提供
①嚥下困難者・・・トロミ剤
②低栄養者用・・・アイソトニック飲料、蛋白、ビタミン、ミネ
ラル強化ゼリー
③ビタミン、ミネラル強化食品・・・飲料、ゼリー、粉末、強化米
④妊婦、授乳婦用食品・・・葉酸強化クッキー
・平成23年5月3日 宮城県が厚生労働省へ照会
災害救助法に係る基準額について
炊き出しその他食料の供与
「1人1日当たり1,010円以内」を「1人1日当たり1,500円以内」
(理由)
メニューの多様化、適温食の提供、栄養バランス(必要カロリー数を
含む)の確保、高齢者等要支援者への配慮された食事の提供等を行う
必要があるため
課題に対しての対応(震災後1ヵ月以降~)
①食事を2食から3食へ
・自衛隊へお願いしたが
3食に出来るのは、1食分が300人分になったら可能となる
・お弁当を発注できないか
町内では弁当業者がない、1,000食分準備できる業者がない
→ユニセフからお弁当業者を紹介してもらう
5月9日~(震災から約2カ月後)全避難所で1日3食となる
その後、石巻市にある業者も営業再開し業者変更
お弁当業者へご飯の量などの食品の使用量、エネルギー量の目
安を提示するが、お弁当の内容が高カロリー、副菜が少なかっ
たお弁当が続いた
そこで、町の麺飯飲食店組合から、町民のために自分たちがお
弁当を作りたいと要望があった
しかし、作る場所がない!
②パン食について(パンが食べられない高齢者がいる。パ
ンを食べたくないという人が増えている。)
・物資班に菓子パンをコンビニのおにぎりにできないか
要望
→賞味期限の関係や配送の関係で実施が難しいとの
回答
しかし、震災から2か月が経っても2食のままに
はしておけない。
その後、町内のお弁当業者が再開するにあたり、
6月13日から朝食におにぎりを提供してもらう
ようにした
お弁当業者へ
町内のお弁当業者2社に発注したため、お弁当の内容を統一
【曜日により主菜の内容を決めた】
(例)
昼食お弁当
そこで・・・
“調理厨房施設”の設置を決定
厨房の設置と調理器具を提供していただ
ける業者の支援を受けることになった
7月23日に施設完成
7月28日から朝食と夕食を町が麺飯
飲食店組合に委託
(献立は町の栄養士が作成)
麺飯飲食店組合による調理
【メニュー】
ごはん
鮭の焼き魚
ひじきの煮物
白菜ときゅうりの浅漬け
パイナップル
配膳の様子
朝食
6月13日~
7月28日~
避難所に掲示
<5月9日~>
調理施設なし
人数が多い
避難所
約650人
避難所の食事
調理施設あり
人数が少ない
避難所
約130人
<6月13日~>
調理施設なし
人数が多い
避難所
約500人
調理施設あり
人数が少ない
避難所
約100人
朝食
おにぎり
自分たちで調理
朝食
菓子パン
自分たちで調理
昼食
お弁当
カップラーメンや菓
子パン
昼食
お弁当
夕食
自衛隊
すかいらーく
自分たちで調理
夕食
自衛隊
すかいらーく
朝食
昼食
夕食
調理施設あり
人数が少ない
避難所
約50人
麺飯飲食店組合
(お弁当)
自分たちで調理
お弁当
すかいらーく
自分たちで調理
<8月11日~11月8日>
<7月28日~>
調理施設なし
人数が多い
避難所
約300人
お弁当
朝食
調理施設なし
人数が多い
避難所
約180人
調理施設あり
人数が少ない
避難所
約40人
麺飯飲食店組合
自分たちで調理
(お弁当)
お弁当
木・土曜日すかい
らーくそれ以外自
分たちで調理
昼食
夕食
お弁当
麺飯飲食店組合
(給食形式)
夕食の調理支援(曜日により避難所変更)
①自衛隊(主食、汁物)
・・・ 3月18日~7月27日(約4ヵ月間)
②すかいらーく(主菜、副菜) ・・・ 4月11日~8月18日(約4ヵ月間)
お弁当
自分たちで調理
③炊き出しで子どもが食べられないメニュー(カレー、
マーボー豆腐)がある。介護食用食品が欲しい。
・食料班へ相談
カレーやマーボー豆腐を調理しているのが、自衛隊
であるため、状況を伝えてもらうと、カレーは子ど
も用の甘口を今後用意してくれることになった。
・震災後1~2週間後、アレルギー対応食品の業者か
らアレルギー用・幼児用食品の提供があった
→子ども用、アレルギー用の食事への対応開始
・日本栄養士会からは、ベービーフード、介護食用食
品、スキムミルク、粉末プロテインの提供があった
→巡回栄養相談を実施し、必要な方へ配布
④ビタミン、ミネラル摂取不足
・物資班へ野菜、牛乳の食材確保を要望
→野菜の種類を提示して、全国から食材の支援をもらうこと
にした
・自衛隊と連絡調整し、メニュー検討、強化米を活用してもらう
ことにした
→4月29日から自衛隊の方が試作品を持ってくれて味付け
を確認したり、料理の食材の確認をした
(自衛隊の方が地元の味を食べられるようにという配慮があ
った)
野菜の食材が多い時は、野菜多めのメニューにしてもらう
ようにした
県と日本栄養士会から強化米の提供があり活用
・日本栄養士会から栄養補助食品等(マルチビタミン、液体食物
繊維、カルシウム・鉄強化ふりかけ)の提供があり活用
・日本栄養士会を通し、日本酪農乳業協会より6月8日から毎日
牛乳を提供していただいた
⑤水分の摂取不足
・水が冷たくて飲めないという声が多かった
→お茶を設置したいと要望を出した
日本栄養士会からエアーポットをいた
だき、4月29日から毎日自衛隊の方
にお茶を作ってもらいお茶コーナーを
設置
季節により対応を変える
夏場は、大塚製薬から提供していただい
たポカリスエットを薄めに作り設置や
ウォーターサーバーの設置も行っていた
<災害時栄養>
地震、津波などの自然災害により広域な
地域の破壊と窮迫によって避難している
被災者の健康維持のため、緊急・短期的
および中長期的に必要な栄養管理と効率
的な栄養支援を行うこと
・支援、配給物資(食料)やライフラインの状況
が影響する
・長期的、持続的な栄養支援が必要である
・支援時期や被災者によって栄養支援の内容が異
なる
災害時に特に必要な栄養素
①被災直後にも必要な水分、エネルギー
②補給しないと失われやすいたんぱく質、
ミネラル(ナトリウム、カリウム)
③避難所の主食中心の食事により、2~4
週間で欠乏症の発生する可能性が指摘さ
れるビタミン(ビタミンB1.B2.C)
町内避難所の平均
エネルギー
参照量:1,800~2,000kcal
たんぱく質
参照量:55g以上
脂質
ビタミンB1
参照量:45~55g
参照量:0.9mg以上
ビタミンB2
ビタミンC
参照量:1.0mg以上
参照量:80mg以上
食塩
参照量:男性9g未満、女性7.5g未満
穀 類
野菜類
いも類
果物類
魚介類
卵類
肉類
豆類
乳・乳製品
日本酪農日本栄養士会を通し、日本酪農乳業協会より
6月8日から毎日牛乳を提供していただいた
野菜は7月28日から麺飯飲食店組合で調理する食事で多くとれるよ
うなメニューにし、250gを超えられるようになったが、果物は値
段が高いという理由からなかなか出すことができなかった。
たんぱく質源は、魚介類、肉類、卵類、豆類を偏りなくメニューに入
れるように心がけた。
やはり、港町ということで、魚を食べたいという声が多くあり、焼
き魚、煮魚を定期的に入れるようにした。
⑥冷蔵庫が欲しい
(物資で食材が送られてくるが保存できない
状況である)
・県の災害対策本部に冷蔵庫を要望したが
小さいサイズしかないと言われ
→ユニセフから難民を助ける会で冷蔵庫
を設置していただけるとの連絡をもら
い9か所に設置を要望
4月21日に冷蔵庫設置
その後物資班用の業務用冷蔵庫も設置
していただいた
⑦食器、トレー等が欲しい
・日本栄養士会に要望
→要望どおり提供していただいた
日本栄養士会、ユニセフを通して、
様々な企業やみなさんから必要な
物資をいただくことができました
☆本当にありがとうございました☆
栄養相談
・要支援者への栄養相談
(妊婦、乳幼児、慢性疾患の方)
・各避難所での巡回栄養相談
*総合体育館避難所の乳幼児、小学生高齢者への栄養相談
・在宅者ローラー作戦から栄養士の支援が必要な方への栄養
相談
※日本栄養士会、県栄養士会から7日間延べ21人の
管理栄養士、栄養士の方々の支援をいただいた
4月~7月まで
延べ 262人
妊産婦1人、乳幼児22人、小・中学生25人、高校生1人
成人29人、慢性疾患者121人、高齢者60人、その他3人
栄養相談で配布した資料
T
まとめ
“食”の大切さを実感
・生きるための“食”
(エネルギー確保、空腹感があると精神面の悪化
へつながる、疲労感・脱力感が大きくなる)
・生活習慣病予防、病気の悪化予防のための“食”
(体重低下、体重増加、高血糖、高血圧、体力の
低下、生活不活発病)
・活動するための“食”
(食生活のリズムをつける、活動量を増やす、自
立に向けての食)
・復興にむけての“食”
(食を通じたコミュニティー―づくり、食環境の
整備)
まとめ
平常時の備え、日頃からの食への意識を
高めることの重要性を実感
【体験したことから今後の災害に向けて】
①備蓄食品の保管
・保管場所の確認(避難所に保管しておく)
・使い捨て食器等も必要(割り箸、スプーン、紙コップ、サランラップ)
・施設などでは、備蓄食品だけでなく、長期保存できる米や
じゃがいもなどを食材を通常から余分に購入し、順次使っ
ていく方法もよいのではないか
・乳幼児用食品(育児用ミルク、哺乳瓶、ベビーフード)、高齢
者向け食品、アレルギー用食品はすぐに物資として届けて
もらう体制を作る
日本栄養士会
本会では、平成23年3月11日に発生した東日本大震災における
管理栄養士・栄養士の被災地支援・復興活動の経験を踏まえ、
日本栄養士会災害支援栄養チームを設立することとなりました。
第1回日本栄養士会災害支援栄養チーム(JDA-DAT)
リーダー育成研修の開催について
詳しくはホームページをみてください
② 食事に関する調整や炊き出しについて栄養士が関われ
る体制を確立する
(調理する人の確保、食材の調整、必要物品等の確保)
③支援していただける管内の保健所・市町村、管内栄養士
関係する企業等との連携強化
(早急に情報収集、物資の支援等を行うため)
平成24年1月に管内栄養士会があり、連携強化の必要
性があるとみんなが感じた
→ 早急に体制を整備することとなった
④災害時でも栄養の過不足を最小限にとどめるようにする
・住民と連携した活動を行うための支援体制づくりの強化
(地区組織団体との連携強化、新たな健康づくり実践者の
育成)
例)*地域での健康づくり事業を実践
*特定健診の事後指導を行った方
避難所の食事で野菜をとるようにしているよ
お弁当に野菜入ってないね
菓子パンはカロリー高いから血糖値があがってしまうね
・必要な関係機関にも、食の知識を高めてもらう
(役場職員、お弁当業者等)