QCサークルの基本

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Transcript QCサークルの基本

平成19年度 品質月間テーマ
☆ 品質経営で 築く信頼感
☆ 標準守って 足元固め
講演テーマのねらい
家電や自動車など「リコール問題」多発
保険年金や介護など「経営上の問題」など
信頼感にまつわるトラブルが山積している
そこでQC活動も経営に直結させる必要があります
<講演テーマ>
業務に密着した改善活動の進め方
業務に密着した
改善活動の進め方
<主な内容>
◆中堅企業におけるQC活動の課題
◆品質管理の基本 再確認
◆QCサークル活動の基本 再確認
◆職場に合せた問題解決の進め方
◆目で見て分るQC活動の進め方
QC‐NET研究所
所長 高橋 博
中堅企業における
QC活動の実態と課題
① トップ~現場の意思疎通
<トップ>
会社方針
・利益向上
・生産性向上
・不良低減
課題1
方針があいまい
未設定が多い
<管理監督者>
ほとんど丸なげ
課題2
管理監督者が
仕事をしていない
<現場>
職場方針
・コスト削減
・工数削減
・不良低減
課題3
現場は具体性なく
これでは動けない
QCが苦しい活動になっている
② QCとQCサークルの違い
Q C
業績向上のため
改善活動を
QC的に進める道具
改
善
活
動
QCサークル
改善活動を通して
人材育成をはかる道具
目的が
違う
具体的問題<例>
①QCの名のもと、現場の小改善に終始
⇒上位者がQC活動をやっていない
②発表会、報告書などは立派だが、事実と乖離
⇒業績(品質、生産性、コスト等)に直結していない
親会社の要請に、付き合っているだけ
QCは形だけで、経営に役立っていない
③
QCとQCサークル
混同の背景
QCサークル活動発足当初の目的:
真のねらい
全社的品質管理活動の一環として
現場第一線監督者の管理能力向上
(QCサークル活動の改善効果のみに着目)
混同の原因
QCサークル活動を導入する過程で:
QCサークル活動を全社的に展開することが
全社的品質管理活動と誤解している
事技部門にも製造部門と同じ進め方をしている
(その結果、多くの企業でーーー)
全社的品質管理活動があいまいのまま
経営者・管理者の品質管理活動もあいまいで
QCサークル活動だけが負担となり、
その結果
混迷している
実効が?
④
サービス産業における推進上の課題
業務内容からか? QCとQCサークルの混同も多く
QC活動は個別改善のツールとして定着してきたが
課題①トップ~第一線まで全社的活動の展開
<トップダウン活動・業務一体の活動>
課題②一部の人のやらされ感の改善
仕事とQCは
<ボトムアップ活動の見直し>
課題③形骸化した活動からの脱却
別もの!?
<形にとらわれない活動の展開>
パソコン化が最先端活動と思い込み社内展開した結果
・活動状況の良し悪しが見えにくくなり
・活動内容も定型化し、形骸化に拍車
課題④活動状況の見える化の工夫
進化したQCサークル活動
<e‐QCC>
e‐QCCのビジョン
<2002年本部提唱>
1:個の価値を高め、感動を共有する活動
2:業務一体の活動の中で、自己実現をはかる活動
3:形式にとらわれない、幅広い部門で活用される活動
e=evolution(進化)の略
<背景>職場や組織の環境変化
変化1:従来に増して確実な成果が求められる
変化2:着実な能力向上、ノウハウの蓄積活用が求められる
変化3:幅広い部門における活動が求められる
QC活動も、QCサークル活動も
目標、目的でなく道具です
QCのためのQCはやめて下さい
・まずは、仕事をシッカリやって下さい
・仕事の中で困ったら、QCで解決して下さい
・QCサークルでみんなの力を結集、挑戦を!
◆1人の知恵より、みんなの知恵◆
QCだからとデータをとらないで下さい
・まずは、現場現実現時点でシッカリ判断して下さい
・どうしても判らなかったら、
データをとり、QC手法を使い、的確な判断を!
課題①トップ~第一線まで全社的活動の展開
品質管理の基本 再確認
TQC
☆品質管理の基本
☆日常管理と方針管理
☆重点指向の進め方
QC-NET研究所
所長 高橋 博
品質管理の基本
品質とは
品物またはサービスが、使用目的を満たしているか
どうかを決定するための評価の対象となる固有の
性質・性能の全体のことである
製品の品質 業務の質(仕事やサービスの質)
管理とは
ある目的(仕事)を、継続的・効果的・効率的に
達成するための活動である
維持管理・改善
管理のサイクル
QC的ものの見方・考え方
お
客
品質優先
様
指
向
後工程はお客様
事実に基づく管理
管理のサイクル
現場は宝の山
P→D→C→A
重
点
指
向
プロセス管理
二兎追う者は
先手の管理
標
準
化
みんなで 守るべきことを決め
決めたことを みんなで守る
基本中の基本
A
P
A
S
C
D
C
D
管理のサイクル
標準なくして
標準化のサイクル
改善なし
日常管理と方針管理
日常管理
毎日の仕事を
着実に進めていくための
維持管理・改善活動
方針管理
日常管理の活動だけでは改善困難な
重要問題を重点的に取り上げ
改善をはかる活動
方針展開のステップ
社是・理念
社外動向
基本方針
長期計画
年度計画
活動実施と評価
経営課題
会社・職場の実情に合わせた
QCとQCサークル活動の進め方
大企業、先進企業のマネでなく
自社に合った進め方を!!
QC‐NET研究所
所長 高橋 博
日常管理・方針管理の具体的展開
自社のレベルを知り、目標を決める
レベル
S
A
B
C
D
活動の重点 全社展開型 製造中心型 重点指向型 個別改善型 悪さ退治型
*略号
管理項目
の整備
方
針 方針点検
管
の実施
理
重要課題
の方針展開
日 慢性問題
の改善
常
管 突発問題
理
の対策
TQM
TQC
QC
Q
C
○
△
製造中心
○
○
△
一部
○
○
○
△
一部
○
○
○
○
△
一部
○
○
○
○
○
QCとQCサークルを組み合せた展開例
階層
日常管理
方針管理
職制
PQC
日常のQCDMS
P型サークル
スタッフ
PQC
職制の指定テーマ
テーマ:方針
従業員
C型サークル
テーマ:やりにくさ改善
T型サークル
個別テーマに挑戦
PQC:パーソナルQCの略で、一人一人がテーマを持って、解決する
ひとりQC
C型 :自工程の課題を、職場単位で編成したサークルで、継続的に解決する従来のタイプ
T型 :工程間にまたがる課題を、得意なメンバーで編成し、解決する テーマ先決型活動
P型 :全社にまたがる課題を、専門技術者を人選し、解決する
プロジェクト的活動
会社や職場の実情に合わせた
元気のでるQCサークル活動
職制・スタッフの進め方
職制・スタッフは「方針展開」がメインテーマとなるが
活動内容が幅広く多枝にまたがる為、以下の進め方を
推奨します
方針展開報告書
目で見る管理
とするため
概要を整理する
個別改善資料ーA
個別・具体的問題を
問題解決3型を使い
確実に改善する
個別改善資料ーB
方
針
展
開
報
告
担当する方針
目標未達項目
書
所属氏名
目標達成状況
解決すべき課題
具体的実施事項
実施計画・実績
結果・評価
この用紙はトヨタ車体のものを
一般企業用に改造したものです
この用紙の使用目的は
全体の概要把握と進度管理が目的で
詳細は個別改善資料で進めて下さい
・進捗状況の見える化
・上司の月々フォロー
上司確認
アドバイス
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月
課題②一部の人のやらされ感の改善
QCサークル活動の基礎
<重点の再確認>
本物のQCサークル活動とするため
☆QCサークル活動は誰のため?
☆良いテーマの見つけ方
QC‐NET研究所
所長 高橋 博
管理者の役割
TQM活動
人
事
管
理
TQC活動
業績向上
TPM活動
TPS活動
職場活性化
人材育成
人材育成
人材活用
職
場
外
活
動
QCサークル活動
人を育て
人を活かし
業績を上げる
QCサークル活動の基本理念
• 人間の能力を発揮し、
無限の可能性を引き出す。
自分のため
• 人間性を尊重して、
生きがいのある明るい職場をつくる。
仲間のため
• 企業の体質改善・発展に寄与する。
会社のため
QCサークル活動は 誰のため?
サ
ー
ク
ル
活
動
自己啓発
自分のため
仲間のため
相互啓発
結果として
仕
事
みんなで
改 善
会社のため
(業績・人材)
ネ
タ
職場の問題
本来は
職制の仕事
活動を通して
自分自身の知識技能を高め、よりよい仕事をする
よいテーマの見つけ方<一般論>
ジョハリの窓
判
ら
他な
い
人
難しい
テーマ
不具合項目
緊急
慢性
も 判 判りやすい
る
テーマ
判る
判らない
自 分 で
職制の サークルの
テーマ
テーマ
よいテーマ ⇒ 身近かで、具体的なテーマ
改善活動の着眼点(仕事とは?)
仕事 = 作業 + 考える
みんなで「考える」ことがQCサークル活動の原点
作業 = 正味作業 + 付随作業
良い仕事をするための着眼点
正味作業⇒お金になる作業
例:ボルト締付、溶接、塗装吹付
付随作業⇒お金にならない作業
例:歩行、運搬、工具を持つ、部品を持つ
諸悪の根源
品質・生産性などの諸悪の根源は
やりにくい作業
<補足説明>
★不良が多いと、困るのは職制や会社
中には、不良が多いと仕事が増え、喜ぶ人も
★作業者は、不良が原因で
突発残業や手直し作業に、困っている
職場の元気の源
★やりにくい作業の改善で
自分の仕事が少しでも楽になれば
さらに改善意欲が増す
結果として
生産性や品質向上など業績向上に大きく貢献
実践ではQCのためのテーマ探しはしないこと
職場の問題
・品質不良
・生産性(出来高)未達
・コスト(工数)未達
諸悪の根源
仕事のやりにくさ
サークル 平成
メンバー
4人の例◆サークルスローガン◆
◆サークルメンバー紹介・抱負など◆
やりにくい仕事を
・各自1件提案し
◆サークルス年度目標◆
・サークル全員で
・1ヶ月で改善する
活動内容
担当
4月
改善活動
目標: 件/年
計画
○○○○
実績
●●●
サークル会合
目標: 回/月
計画
実績
年度活動計画
全員のテーマが
・すべて完了したら
・リセットして進める
5月
6月
根深いテーマ
7月
8月
○○○○
9月
10月 11月 12月
根深いテーマ
●●
1ヶ月で解決できない
根深いテーマは
3ヶ月かけて、確実に改善
○○○○
1月
2月
3月
根深いテーマ
●●●
課題③形骸化した活動からの脱却
職場の問題と
それに合せた問題解決の進め方
QC‐NET研究所
所長 高橋 博
職場に合せた 問題解決の進め方
今まで経験した
ことのない
新たな問題
課題追求の活動
職場の問題
5
5~10
現場に多い
開発に多い
80~90%
根の深い
難しい問題
原因も対策も
分かっている
ような問題
対策優先の活動
原因追求の活動
どこにもある
慢性的問題
内容に合せ、進め方を選ぶ
問題解決の3つの型と使い分け
<問題解決のための3つの型>
あるべき姿に近づけるために
問題解決型
悪さを追及する活動
ありたい姿に近づけるため
課題達成型
良さを追求する活動
施策実行型 対策が見えているなら、先ず対策を優先
<3つの型の使い分け方>
テーマの内容により、次のように使い分けて下さい
テーマ
経験のない仕事
取り組むテーマ
の対象は?
従来からの仕事
対策の見当が
ついているか?
見当がついている
要因も対策も
見当がつかない
できない
要因の解析が
できるか?
できる
課題達成型
問題解決型
施策実行型
良さ追求の活動
悪さ退治の活動
対策重視の活動
事実(現場・現物・現時点)にもとづく管理が最重要
問題解決3型のステップ
№
1
課題達成型
テーマ選定
2
3
攻め所の明確化
4
目標設定
問題解決型
施策実行型
テーマ選定
テーマ選定
現状把握
現状把握
対策のねらい所
目標設定
5
活動計画作成
6
要因解析
目標設定
7
方策の立案
8
成功シナリオの追求
対策検討
対策検討
9
成功シナリオの実施
対策実施
対策実施
10
効果確認
効果確認
効果確認
11
標準化
標準化
標準化
12
管理の定着
管理の定着
管理の定着
特徴 ・理想の追求
・真因の究明
・対策の重視
懸念 ・現状から遊離
・形骸化
・真因追究の軽視
詳細は、各型別QCストーリー活用のコツを参照下さい
課題④活動状況の見える化の工夫
QCサークル活動活性化のポイント
目で見てわかる
QCサークル活動のすすめ
QCサークル活動
停滞・沈滞の主要因
★活動状況が目に見えない
★見えないため上司も放任
QC‐NET研究所
所長 高橋 博
“見える化”のポイント
<手段>
みんなで
情報を
共有する
全員の
ベクトルを
合せる
現状のレベルを
見えるようにする
会社目標を
達成させる
結果が
出る
現状が
見える
改善が
進む
異常が
判る
目標達成に向け
改善を継続する
総力を
結集する
<目的>
目標、計画に対して
異常が判るようにする
見せるのが目的ではありません
みんなで改善を進めるための道具です
①目で見る帳票
4点セット
全社、部門ごとの
サークルごとの
年間推進計画
年間活動計画
全社、部門ごとの
改善テーマごとの
テーマ進度管理
改善経過報告
留意点:現場の書物を減らす
②目で見て分かる
全社、部門ごと
現場のサークルごと
掲示板
(ベニヤ板)
年間推進計画
その都度
記録
掲示
テーマ進度管理
職場掲示
年間活動計画
改善経過報告
世話人の
フォロー
アドバイス
掲示の効用:手形を切る
お互い勉強
③留意点
①掲示するのは
サークルの責任
②進まないのは
世話人の責任
③発表会や報告は「現場の生の資料」で
・現場の書き物はお金にならない
・少しでも書き物を減らす工夫を
<講演ポイントまとめ>
★QCのためのQC活動でなく
仕事に密着したQC活動で
結果を出すこと
★自社に合せた実践活動で
人を育て、人を活かし
結果を出すこと
TQCは人を創る