日本語の文法

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Transcript 日本語の文法

日本語の文法(下)
劉志昱
平成27年9月22日
平成27年9月22日
大学日本語学部
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第一回 品詞概説
第二回 動詞、形容詞
第三回 形容動詞、名詞、副詞と連体詞
第四回 接続詞と感動詞
第五回 助動詞
第六回 助詞ー助詞の特質、助詞の分類
第七回 敬語(1)
第八回 敬語(2)
第九回 敬語(3)
第十回 授受関係(1)
第十一回 授受関係(2)
第十二回 授受関係(3)
第十三回 テンス(1)
第十四回 テンス(2)
第十五回 「は」と「が」の区別
第十六回 条件を表す「ば、たら、なら、と」
第十七回 総まとめ
2015年9月22日
第一回 品詞概説
単語:
 「机」→
 「花」→


文法上の意味→?
平成27年9月22日
単語の文法上の性質

単語の文法上の意味は、それに固有の
辞書上の意味とは異なる。

単語を文法上の意味・形態・機能に
よって分類したものを単語の文法上の
性質という。
平成27年9月22日
「机、花」→共通する意味?
 →「事物の名称を表す」
 =「名詞」

「歩く、動く」→共通する意味?
 →「事物の動作を表す語」
 =「動詞」

平成27年9月22日
「机、花」・・・
 「歩く、動く」・・・
 「美しい、赤い」・・・
 「きれい、静か」・・・
 「にっこり」・・・
 文法的な意味に分類したものが品詞で
ある。
 単語は、すべて十品詞のどれかに含ま
れる。

平成27年9月22日
活用





「暖かい」→「暖かく」
「美しい」→「美しく」・・・
下接する語句の違いによって、単語がそ
の形を変えるのである。
→これを単語の「文法的形態」、すなわ
ち「活用」という。
→単語が活用するか活用しないかは、こ
の形態上の変化の有無によるのである。
平成27年9月22日
文法上の機能

文を構成する際の各単語の役割(=文
の構成要素・文節相互の関係)のこと
である。

→主語、述語、連体修飾語、連用修飾
語などということである。
平成27年9月22日
動詞・形容詞・形容動詞
(1)鳥が飛ぶ。 花が咲く。
 (2)鉄は硬い。 花は美しい。
 (3)彼は素直だ。 夜は静かです。

→ 用言
 → 用言とは、以上の動詞・形容詞・
形容動詞をいい、このように、作用を
いう語である。

平成27年9月22日
名詞(体言)
鳥が鳴く。
 「万葉集」は、古典の一つです。
 五は、三と二との和である。
 あなたはどなたですか。

→ 自立語、活用しない
 助詞や副助詞を伴って文節になることの出
来る単語を名詞、また体言とも言われる。
 →実体をいう語である。

平成27年9月22日
副詞
彼は、にっこり笑った。
 この問題は、とても易しい。
 もし雨が降ったら、行くのはやめよう
。


下の用言、または用言からなる文節を
修飾する。
平成27年9月22日
連体詞
この本は面白い。
 ある夜のことであった。
 わが国は島国である。


特に体言だけを修飾する語を連体詞と
いう。
平成27年9月22日
接続詞
山また山を越えていく。
 午後はちょっと勉強し、それから遊び
ます。


前のことばの意味を受けて、後にこと
ばを続けている。このような語を接続
詞という。
平成27年9月22日
感動詞
ああ、困った。
 もしもし、山田さん。
 はい、わかりました。
 「行きましたか。」「いいえ。」


独立した文節を作り、感動や呼びかけ
、応答に用いる語を感動詞という。
平成27年9月22日
助動詞と助詞
昨日雨が降った。
 新聞さえ読まない。
 ここにあるのは学校新聞だ。


動詞(用言)や体言そのほかの語の下に付いて、過去
や否定など、いろいろの意味を添えたり、叙述の意
味を備えたりする語を助動詞という。

いろいろの語の下に付いて、その後とほかの語との
関係を示したり、その後にある意味を備えたりする
語を助詞という。
平成27年9月22日
品詞分類表
品詞
自立語
付属語
活用の
ない語
活用のあ
る語
活用のな
い語
平成27年9月22日
活用のあ
る語
付属語
活用のある語
活用のない語
助動詞
助詞
主に動詞に付いて意味を
添え、叙述の働きを与え
る
いろいろの語に付いて関
係や意味を添える
(が・の・に・を・へ)
(た・そうだ・だ)
平成27年9月22日
自立語
活用のな
い語
主語となる
もの(体言)
活用のあ
る語
主語となら
ないもの
述語となる
もの(用言)
名詞
物事の名称、指
示や数量を示す
修飾語となる
もの
(花・私・冊)
平成27年9月22日
修飾語となら
ないもの
主語とならないもの
修飾語とならないも
の
修飾語となるもの
接続詞
副詞
連体詞
用言を修飾する
体言を修飾す
る
(ごく・ちょっ
と)
(この・その)
接続語となる
(前後の文節や
文を接続する)
(しかし・それ
に・だから)
平成27年9月22日
感動詞
独立後となる
(感動や応答を
示す)
(ああ・もしも
し)
自立語
活用のな
い語
主語となるも
の(体言)
名詞
物事の名称、指
示や数量を示す
活用のあ
る語
主語とならな
いもの
修飾語となるも
の
平成27年9月22日
述語となるも
の(用言)
修飾語とならな
いもの
自立語
活用のある語
動詞
形容詞
形容動詞
言い切るとき「ウ」段音
で終わる(動作・作用・
存在を示す)
言い切るとき「イ」段音
で終わる(性質・状態を
示す)
言い切るとき「ダ・
デス」で終わる
(よい・美しい)
(素直だ・静かだ)
(走る・流れる・行く)
平成27年9月22日
品詞
付属語
(辞)
活用の
ない語
自立語
(詞)
活用の
ない語
活用の
なる語
主語とな
らないも
の
修飾語と
ならない
もの
感動詞
助詞
助動詞
活用の
ある語
主語とな
るもの
(体言)
修飾語と
なるもの
接続詞
連体詞
副詞
名詞
平成27年9月22日
形容動
詞
形容詞
動詞
品詞の転成
(1)よく考えてみたい。
 (2)その考えは間違っている。

(3)よく勉強するけれど、試験の結果
は芳しくない。
 (4)よく勉強する。けれど、試験の結
果は芳しくない。

平成27年9月22日
品詞の転成
(1)の「考え」は動詞である
 (2)の「考え」は名詞である
 (3)の「けれど」は接続助詞である
 (4)の「けれど」は接続詞である


ある品詞がその意味や用法を変えてほ
かの品詞になることを、品詞の転成と
いう
平成27年9月22日
品詞の転成の種類
(一)名詞になったもの
 (1)動詞の連用形から……
 光、教え、試み、覚え、助け、悟り、
遊び、乱れ・・・
 (2)動詞の終止形から……
 向こう、(人名)進む、勝、茂る・・・
 (3)形容詞から……
 近く(の家)、遠く、多く(を望む) ……

平成27年9月22日
品詞の転成の種類
(二)形容詞になったもの
 (1)名詞から
 大人らしい、男らしい

(2)動詞から
 騒がしい、望ましい、勇ましい

平成27年9月22日
品詞の転成の種類

(三)副詞になったもの
(1)動詞から
 あまり、たとえ

平成27年9月22日
品詞の転成の種類
(四)接続詞になったもの
 (1)動詞から
 及び
 (2)副詞から
 また
 (3)助詞から
 が、けれど、けれども

平成27年9月22日
品詞の転成の種類
(五)感動詞になったもの
 (1)名詞から
 あれ、なに、それ
 (2)副詞から
 ちょっと、さて
 (3)助詞から
 ね、え、よ

平成27年9月22日
品詞の転成の種類

(六)助詞になったもの
(1)名詞から
 ほど、くらい

平成27年9月22日