第三回 名詞、副詞、連体詞

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Transcript 第三回 名詞、副詞、連体詞

劉志昱 第三回 平成32年5月6日 名詞、副詞、連体詞

名詞――

 活用がない

一、名詞の特質

 自立語  それだけで主語となる  助詞「ガ」「ハ」などを伴って主語文節を作る ことができる  体現とも言われる

二、名詞の種類

       ①普通名詞 犬 虫 魚 山 桜 川 紙 家など 事物における同類に共通する名称・呼称を表す 語 ②固有名詞 大阪 京都 聖徳太子 夏目漱石 地名・人名・書名・山の名・川の名 源氏物語 そのものに固有の名称・呼称を表したり、ほか に同じようなものがあっても、他と区別する意 義の元に用いられる語

二、名詞の種類  ③数詞  一人 二つ 三グラム 四日 七つ目  事物の数を表す語、数によって順序や等級を 表す語  ④代名詞  私 彼 これ それ どれ どこ どちら  事物の名を言う代わりに、話し手、聞き手の 関係に基づいて直接事物を指し示す語

三、形式名詞  名詞⇔形式名詞  一定の実質概念を持たず、名詞としての形式 概念しか持たないものを形式名詞(不完全名 詞)という

 ①私の言うとおりにしなさい。  ②ここは風の通りが悪い。  ③ぼんやり立っているところを写真に取られ た。  ④ところ変われば品変わる。  ⑤友人のために努力した。  ⑥ためにならない。

形式名詞  ①とおり  ②ところ  ③ため  ④はず→確かに帰ったはずだ。  ⑤とき→勉強するときは、一生懸命やりなさい。  ⑥わけ→そこへいけないわけがあるのです。  ⑦まま→服を着たまま、眠ってしまった。  ⑧こと→すばらしいことが起こりました。  ⑨うち→考えているうちに、時間がたってしまっ た。

四、複合名詞  ①名詞+名詞  山道、本箱、柱時計  ②動詞+名詞  忘れ物、出口、つり橋  ③名詞+動詞  月見、火消し、芋ほり  ④動詞+動詞  立ち話し、受け取り、書置き

四、複合名詞  ⑤形容詞の語幹または語幹相当形+名詞  遠山、浅瀬、嬉し涙  ⑥形容詞の語幹+動詞  苦笑い、長患い  ⑦名詞+形容詞の語幹  足早、気短、夜長  ⑧形容詞の語幹が重なる  遠浅、細長

四、複合名詞  ⑨接頭語+名詞  お菓子、ご飯、小山  ⑩接尾語のついたもの  親たち、五本、高さ  ⑪名詞+名詞=畳語  人々、我々、誰々  ⑫三語からなるもの  茶の間、竹の子

副詞と連体詞  一、副詞の特質  自立語  活用がない  主語となることができない  単独で用言や用言を含む文節を修飾する連用 修飾語となることのできる語

副詞  すっかり、きわめて、めっきり、しば らく、にっこり、ほのぼのと、そっと、 けっして、たぶん、どうか…

副詞  ①私は 今朝 帰ったばかりです。  ②弟は、参考書を 二冊 買った。  ③文法の本を、 繰り返し 読んだ。  ④桜の花が 美しく 咲いた。  ⑤廊下は、 静かに 歩きなさい。  副詞は連用修飾語になるが、連用修飾語にな るものがすべて副詞であるとは限らない

二、副詞の種類  (一)、状態の副詞  ①彼女は しくしく(と) 泣いた。  ②生徒たちは、 がやがや(と) 話した。  ③佐藤君が、 にっこり(と) と笑う。  ④富士山が はっきり(と) 見えた。  ⑤旅の一行は ゆっくり(と) 歩いていた。  用言の動作、作用の状態を詳しく定めている ――状態の副詞

擬声語、擬態語  「しくしく」「がやがや」は、音声をまねて いるところから、擬声語という。  「にっこり」「はっきり」「ゆっくり」は、 状態、態度を模していっているところから、 擬態語という。  「しくしく」「がやがや」は、同じ音を言う ところから、畳語ともいう。

 語尾に「に」「と」のついた、次の状態の副詞は、 その「に」「と」がなくても副詞として使えるも のである。  直ぐにできる→直ぐできる  たちまちに完成した→たちまち完成した  ぽっかりと浮かんでいる→ぽっかり浮かんでいる  「に」「と」は助詞ではなく、副詞の一部である。  状態の副詞は、その一般的傾向として、「に」 「と」を省略して使う場合が多いようである。

程度の副詞  ①今日は ずいぶん 寒い。  ②これは たいそう 立派だ。  ③体が めっきり 衰えた。  用言の動作、作用の程度を詳しく定めている ――程度の副詞

 ①もっと ゆっくり 歩こう。  ②よほど はっきり 見える。  ③至極 のんびり している。  下線の副詞は他の副詞を修飾する

 ①もっと 前 を見なさい。  ②ずっと 昔 のことだ。  ③もう 三日 待ってください。  体言(場所・方向・時間に関するもの)を修飾 する

状態の副詞と程度の副詞の識別法  ①大変美しい。  ②大変静かだ。  ③かなり早い。  ④かなり異常だ。  ⑤きわめて厳しい。  ⑥きわめて健康だ。  形容詞、形容動詞の前に位置することができ るのは程度の副詞である

 ①しばらく待っていた。  ②×しばらく遅い。  ③×しばらく遅鈍だ。  ④たちまち消えてしまった。  ⑤×たちまち速い。  ⑥×たちまち俊敏だ。  動詞の上にしか位置しないのは状態の副詞で ある。

叙述(陳述)の副詞  ①あの人はうそを決してつかない。  ②まさか、そんなことはないだろう。  ③お会いできるとは、まるで夢のようだ。  述語となる文節に対して、一定の言い方(表 現、叙述)を要求している。このような副詞 を叙述の副詞、陳述の副詞とも言う。

三、副詞の呼応  副詞の呼応(副詞の照応)とは、すでに述べた ように陳述の副詞と呼応して、次のようない ろいろな意味の表現を要求して導くことを言 う。  (1)肯定の表現を要求するもの  ①明日はきっと雨だ。  ②もちろん、僕も行く。  →必ず、ぜひ

 (2)否定の表現を要求するもの  ①決して、そんなことは許さない。  ②とうてい、そんなことはできない。  →少しも、ちっとも  (3)推量の表現を要求するもの  ①たぶん、明日は晴れるでしょう。  ②おそらく、来ないだろう。  →さぞ、まさか

 (4)疑問の表現を要求するもの  ①なぜ行かないのか。  ②どうしてこなかったのか。  →なにゆえに、どうして  (5)希望の表現を要求するもの  ①どうか、写真を撮ってください。  ②どうぞ、おいでください。  →ぜひ、なにとぞ

 (6)比況の表現を要求するもの  ①まるで絵のようだ。  ②ちょうど海みたいだ。  →あたかも、さも  (7)仮定の表現を要求するもの  ①もし失敗したら、大変だ。  ②たとえ(たとい)おいでになっても、無駄 足になるだけです。  →万が一、仮に

 (8)禁止の表現を要求するもの  ①断じて行ってはならない。  ②決して負けるな。  →絶対に  (9)反語の表現を要求するもの  (*反語=本来の意味とは反対の意味を強く にじませる表現法)  ①どうして心配せずに要られようか。  →なぜ

 (10)否定、推量の表現を要求するもの  ①まさかそんなことはあるまい。  ②とてもそんなことはできない。  →よもや

連体詞  特質  ①自立語  ②活用なし  ③主語、述語にならない  ④それだけで連体修飾語となるもの

連体詞の種類  ①「~の」  この、その、あの、どの、わが  ②「~る」  ある、いわゆる  ③「~な」  大きな、小さな  ④「~た」  たいした、たった