スライド 1 - 横浜国立大学建築学教室

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視覚障害者の空間認識と
音環境の重要性について
横浜国立大学
建築環境工学研究室
太田篤史
なぜ空間認知?

音(聴覚情報)がふだんどのように使われて
いるのか?

聴覚情報からどのように周辺環境が認知さ
れているのか?
聴覚情報(音)の特徴





視覚-広範囲・一時に多数の情報収集・定位が確実
触覚-定位が確実、具体性強・能動的
狭い範囲・限られた量の情報収集
聴覚-広範囲・一時に多数の情報収集・受動的
定位が不確実、経験が必要
嗅覚-広範囲の情報収集・受動的
定位が不確実
味覚??
モビリティとオリエンテーション

モビリティ ー 可動性・移動性
段差、障害物を避ける
危険を避ける

オリエンテーション ー 方向付け
周辺環境の認知
自分の位置・自分と環境との関係を認知
モビリティ確保のための
聴覚情報利用
エコーロケーションによ
る障害物認知
サウンドシャドウによる
障害物認知
聴覚情報利用と都市のイメージ
人はどんな風に
まちをイメージしているの?
都市イメージを構成する
5つのエレメント
 パス
 ノード
 ランドマーク
 エッジ
 ディストリクト
パスの認知のための聴覚情報利用
ノードの認知のための聴覚情報利用
!
エッジの認知のための聴覚情報利用
ランドマークの認知の
ための聴覚情報利用
!
商店、住宅
パスの
ランドマーク的利用
微細なランドマーク
消え行くランドマーク
ディストリクトの認知の
ための聴覚情報利用
八百屋
魚屋
視覚障害者は
どんなイメージを持って
歩行しているのか?
美術館
ポール
マンホール
段差
学校
視覚表象(視覚的イメージ)
図形イメージを持たない
↓
目印を時系列的に記憶
サーヴェイマップを描く事が不可能?
空間イメージのタイプ
スタート
目的地
目印1・右折
目印2・左折
目印3・左折
目印4・右折
目印5・右折
目印・左折
目的地
偽一次元的
時系列的
スタート
二次元的
偽一次元的・時系列的把握の特徴
スタート
準拠枠が自己的(身体的)
認知の中心はパス、ノード、近傍のランドマーク
目印1・右折
目印2・左折
目印3・左折
目印4・右折
目印5・右折
目印・左折
目的地
メリット
・道順を人に説明しやすい、してもらい易い
・探すべき目印が明確
デメリット
・道を間違えると補正が困難
・工事、通行止めなどの不測事態へ対処不可
・複雑な経路(曲がりが多い)は記憶が困難
・一箇所に対し複数の経路記憶が必要
二次元的把握の特徴
目的地
準拠枠が外的
パス,ノード,ランドマーク,エッジ,ディストリクト
メリット
・図形的認知
・パターン認知
・探索的歩行
・優先的情報収集
スタート
デメリット
・視覚表象・図形的イメージ処理の能力
・誤って形成されたメンタルマップの修正困難
図形的認知
スタート
目的地
目印1・右折
目印2・左折
目印3・左折
目印4・右折
目印5・右折
目印・左折
目的地
スタート
・パターン認知
実際の歩行経路
推測した道路
探索的歩行
目的地
現在地
優先的情報収集
スタート
目印1・右折
目印2・直進
目印3・左折
目印4・右折
目印5・左折
目印6・右折
目印7・直進
目印8・直進
目印9・直進
目印10・目的地
二次元的把握の特徴
目的地
都市イメージを構成する5つのエレメントの内
全てもしくはほとんどを利用
メリット
・図形的認知
・パターン認知
・探索的歩行
・優先的情報収集
スタート
デメリット
・視覚表象・図形的イメージ処理の能力
・誤って形成されたメンタルマップの修正困難
先天盲の人は地図のイメージを持たないのか?
外的準拠枠
方向を定める情報がないと…
(外的準拠枠の欠如)
歪曲するパス
(外的準拠枠
の欠如)