コンピュータネットワークの意義

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Transcript コンピュータネットワークの意義

コンピュータネットワーク
2012年度
電子情報工学大系
4月27日(金) 担当: 成田明子
内容
 コンピュータネットワークとは
 コンピュータネットワーク技術の歴史
 技術的な特色
 コンピュータネットワークの意義
 コンピュータネットワークのしくみ
 コンピュータネットワークの構成要素
 通信プロトコル
 標準化
 コンピュータネットワークの課題
 利便性
 安全性
 低消費電力性
2
コンピュータネットワークとは
3
コンピュータネットワークとは
複数のコンピュータつないで通信できるようにしたもの
※こんなイメージで使っていても本当の接続形態はこうではない
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コンピュータネットワーク
※網を形成しているのは主にコンピュータではなく中継器
5
コンピュータネットワーク技術の歴史
データ通信SAGE(1958)
semi-automatic ground environment
コンピュータネットワーク
ARPAnet(1969)
Advanced research projects agency network
ネットワークアーキテク
チャ標準化OSI(1978)
Open system interconnection
TCP/IPの普及
・ 遠隔地からのコンピュータ利用
・集中処理から分散処理へ
・資源の共有
・異機種間での通信
・コンピュータネットワークどうしを
接続…インターネット
・インターネットの規模拡大
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コンピュータネットワークの技術的な
特色
コンピュータ技術
通信技術
2値(0/1、L/H、真/偽)でデータを
表す
電子回路でデータを処理
データの記憶(蓄積)と取出しの
繰り返し
同時に複数のプログラムを実行
同時に複数のユーザにサービス
伝送媒体にあわせた信号への変
換(電気、光)
適切な周波数への変換
遠距離通信のための中継
回線の効率的な利用…多重化
通信経路の変更…交換
融合
コンピュータネットワーク技術
7
コンピュータネットワークの意義





遠隔地からの利用
 銀行のキャッシュサービス
 航空券や列車の座席予約、指定券の購入
情報資源の共有
 高価なコンピュータやデータベースを多数のユーザで共用…コスト
削減
負荷分散
 並列処理による処理効率の向上
情報資源の信頼性向上
 同じ機能のコンピュータや複数の通信路を設け、ある箇所が故障し
ても全体としてはサービスを継続できるようにする
コミュニケーション
 電子メール、電子掲示板、その他
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遠隔地からの利用/資源の共有
計算サーバ
データベースサーバ
9
負荷分散/情報資源の信頼性の向上
迂回
代替
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コンピュータネットワークのしくみ
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コンピュータネットワーク技術の要素
利用者
アプリケーションプログラム
端末
システムプログラム(OS)
通信網
プ
ロ
ト
コ
ル
ス
タ
ッ
ク
ソフトウエア
ハードウエア
情報資源
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一般的なハードウェア構成
中継器
(リピータ/ブリッジ/
スイッチ/ルータ等)
※ホストが中継器を兼
ねる場合もある
ホスト: 通信のエンドポイントになる機器。端末または情報資源
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交換方式…パケット交換(蓄積交換)
あて先
分割
送りたいデータをパケットに分割、そ
れぞれに宛先をつける
データ
14
交換方式…パケット交換(蓄積交換)
同時には通せない
15
交換方式…パケット交換(蓄積交換)
待たせる
16
相手にデータが届くまで
④
アプリケーション領域
データ
メインメモリ
①
コピー
データ宛先のホスト、
アプリケーションを示
すヘッダ
システム領域
データ
+
② 転送
Network Interface
Card (NIC)
データ
中継地を指すための
ヘッダ
+
物理アドレス・他
データ
③
ハードウエア
(回線)
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相手にデータが届くまで
信号の橋渡し
スイッチ
データ
経路選択
(どの出口?)
ルータ
POPサーバ
SMTPサーバ
HTTPサーバ
FTPサーバ
システム
どのプログラムに渡す?
データは壊れていないか?
宛先はここ?
データ
データ
データ
NIC
18
中継器の役割

スイッチング
…転送経路の確保
(スイッチで切り替える機能)
進むべき道と今来た道は切り離されて
いるので乗り換えなければならない

ルーティング
…転送経路の選択
(スイッチをどちらに倒すか)
あの目的地にたどり着くには
今どの道を選べばよいのか?
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構成とルーティング
並列コンピュータのプロセッサ
相互結合網
区画が整備されている
構成は固定
行き先が決まれば経路は簡
単に決められる
インターネット
区画が整理されていない
構成がどんどん変わる(どこにどんな道
があるのか把握しにくい)
行き先が決まっても経路が簡単に決
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められない
経路の選び方
ルータはルーティングテーブルを参照
して次の経路を選択
ルーティングテーブルは、最終目的地
がどこかによって次の経路を選択
A
B
a
ルータ
ルーティングテーブル
目的地
出口
A
a
B~D
b
b
出口
A,C
f
B
g
D
h
c
d
C
目的地
e
g
f
目的地
出口
A
c
B,D
e
C
d
h
D
例: CからDへ送る…C→d,ルータはeを選択、e→f,ルータは hを選択
21
コンピュータネットワークの課題
22
現在の課題

利便性の追求



安全性の保証


性能向上…短時間で届く、単位時間にたくさん届く
利用分野の拡大 …いつでもどこでも何にでも
「いつでもどこでも」は「誰にでも」
低消費電力

中継器は24時間稼働
23
ネットワークの性能

伝送速度(帯域の広さ) [bps(bits per second)]


スループット[bps(bits per second)]



ネットワーク機器が単位時間に伝送できるデータ量
ネットワークを介して単位時間に伝送できるデータ量
伝送速度よりも小さくなる
 コンピュータの処理速度、OSの性能、アプリケーションの性
能、パケットヘッダのオーバーヘッド、ネットワーク機器の性能
遅延時間

送信したデータが相手に届くまでの時間
 物理的距離、ネットワーク機器の性能、混雑度、コンピュータ
の負荷
24
性能向上のためには




伝送技術の向上
インフラの整備
ホストと中継器のハードウェア性能の向上
ソフトウェア性能の向上



効率のよいプロトコル
効率のよいオペレーティングシステム
使いやすいアプリケーションプログラム
25
セキュリティ

技術的な側面


回線がつながっている以上、信号は誰にでも見える
(解釈できるかは別の問題)
第三者にわかりにくくすると



利便性が損なわれる…使いにくい、遅い
コストがかかる
制度的な側面

これまでなかったタイプの被害が発生


どのように補償するのか
どのような法整備が必要か
26
情報の価値

個人




ID
パスワード
クレジットカードの番号
銀行口座

企業






プライバシーの侵害

取引先情報
財務情報
人事情報
開発情報
銀行データ
仕入れ情報
顧客データ
業務への影響/信用失墜
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セキュリティ対策





ファイアウォールの設置
 不正アクセスの防止
 ハッキング防止
 アクセス監視
アクセス権の設定と認証
 特定ユーザへのアクセス許可
IDとパスワード、バイオメトリックス
 ファイルやフォルダ単位のアクセス権
暗号化
 送受信データやファイルの暗号化
 電子署名
 電子証明書
ウィルス対策
意識の向上
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コンピュータネットワーク まとめ


通信技術とコンピュータ技術の融合技術
意義









遠隔地からの利用
資源の共有
負荷分散
情報資源の信頼性向上
コミュニケーションの支援
ハードウェアの構成要素は情報資源、通信網、端末
ソフトウェアの構成要素はプロトコルスタックを実現する
プログラム
コンピュータネットワークを支えるのは標準化技術
現在の課題は利便性の向上と安全性と低消費電力化
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レポート課題(1)
2台のルータR0、R1と3台のホストコンピュ
ータH0、H1、H2が図のように接続されて
いる。図示された装置のどれがR0、R1、
H0、H1、H2であるか、ルーティングテーブ
ルから判断しなさい。
R0のルーティング
テーブル
R1のルーティング
テーブル
目的地
出口
目的地
出口
H0
b
H0
c
H1
a
H1
e
H2
a
H2
d
30
レポート課題(2)
3台のルータR0、R1、R3と3台のホストコンピュータH0、H1、H2が
図のように接続されている。ルーティングテーブルとしてうまく機能し
ないものを(A)~(C)から選び、選んだものではどのような不具合が
発生するか説明しなさい。
H0
H1
R0
R1
01
10
11
00
02
20
12
21
R2
22
H2
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レポート課題(2)つづき
ルーティングテーブル(A)
ルーティングテーブル(B) ルーティングテーブル(C)
ルータ
目的地
出口
ルータ
目的地
出口
ルータ
目的地
出口
R0
H0
00
R0
H0
00
R0
H0
00
H1
01
H1
02
H1
01
H2
02
H2
02
H2
01
H0
10
H0
10
H0
12
H1
11
H1
11
H1
11
H2
12
H2
12
H2
12
H0
20
H0
20
H0
20
H1
21
H1
20
H1
20
H2
22
H2
22
H2
22
R1
R2
R1
R2
R1
R2
32