Transcript 発表 - MFERとは

MFER記述による
生体信号処理の検討
松元 恒一郎1,2，
堀川 宗之2,3，山内 一信2,4
日本光電工業㈱ 1，MFER委員会2
東海大学開発工学部医用生体工学科3
名古屋大学大学院医学系研究科4
02 Oct．2004
第20回心電図情報処理ワークショップ
目 的

医用波形データ（以下医用波形という）
は，生理検査，カルテなどで臨床情報と
して広く利用されている．しかし，医用
波形全般を記述する標準規約はまだ存在
せず，各メーカ毎，各医用波形毎に独自
の規約を利用しているのが現状である．
研究分野においても生体信号処理系がこ
の規約に依存されている．今回MFER記述
における処理系を検討した．
方 法

独自の規約の場合，たとえばサンプリン
グ周波数が固定であるためそれに合わせ
た処理を行う．しかしMFER記述の場合，
サンプリング周波数が記述されるため補
間などのデータ数での処理や制御論理で
処理を行うかその目的に応じて処理系を
構築することが可能となる．今回心電計
の処理を例にとり，その検討を行った．
独自の規約の場合
サンプル値
Y
ΔT
サンプリング周波数
固定処理
解像度 = 2.5μV/digit
サンプリング
周波数 = 500Hz
処理の拡張性が少ない
MFER規約の場合
固定処理
サンプル値
Y
記述されている
解像度・周波数
で処理
ΔT
サンプリング周波数
ｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞ可変
解像度
サンプリング
周波数
可変処理
処理系可変
間引
補間
ﾌｨﾙﾀ
判定ﾛｼﾞｯｸ
・・・
心電計における例
AD変換
制御部
記録器
表示器
ハムフィルタ
時定数フィルタ
ハムフィルタ
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理
1.0
1
0.9
0.8
0.7
0.6
Ga1000f
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
Ff
40
60
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理
10
10
0
10
20
Ha1000f
30
40
50
 60 60
10
10
Ff
100
100
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(紫)
と
500Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(赤)
10
10
0
10
Ha1000f
20
Ha_500f
30
40
50
 60 60
10
10
Ff
100
100
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(紫)
と
500Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(赤)
と
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞ用ﾌｨﾙﾀを500Hzに修正し，500Hzﾃﾞｰﾀを処理(青)
10
10
0
10
Ha1000f
20
Ha_500f
Hb_500f
30
40
50
 60 60
10
10
Ff
100
100
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(紫)
と
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞ用ﾌｨﾙﾀを500Hzに修正し，500Hzﾃﾞｰﾀを処理(青)
1.0
1
0.9
0.8
0.7
0.6
Ga1000f
0.5
Gb_500f
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
Ff
40
60
時定数フィルタ
INPUT
＋
OUTPUT
－
k
＋
＋
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理
0.039Hz：時定数4.096秒
0
0
1
0.039
2
3
4
5
6
Ha1000f
7
8
9
10
11
12
13
14
 15 15
0.01
0.01
0.1
Ff
1
1
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(紫)
と
500Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(赤)
0
0.039Hz：時定数4.096秒
0.019Hz：時定数8.192秒
0
1
0.019
0.039
2
3
4
5
Ha1000f
Ha_500f
6
7
8
9
10
11
12
13
14
 15 15
0.01
0.01
0.1
Ff
1
1
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(紫)
と
500Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞﾃﾞｰﾀを1000ｻﾝﾌﾟﾙ用ﾌｨﾙﾀで処理(赤)
と
1000Hzｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞ用ﾌｨﾙﾀを500Hzに修正し，500Hzﾃﾞｰﾀを処理(青)
0
0
1
0.019
0.0389
2
3
4
5
Ha1000f
6
Ha_500f
7
Hb_500f
8
9
10
11
12
13
14
 15 15
0.01
0.01
0.1
Ff
1
1
MFER記述(標準１２誘導心電図)
サンプリング
フレーム
誘導名.
MFER規約のメリット
MFER記述による
医用波形
サンプル値
Y
ΔT
サンプリング周波数
解像度
サンプリング
周波数
可変処理
サンプリング可変
処理系可変
間引
補間
フィルタ
判定ロジック
・・・
結 語



心電計での処理であるハムフィルタ，時定数
フィルタを例にとり，サンプリングとフィル
タとの検討を行った．
その際，サンプリングと心電図波形の周波数
特性(心電計で組み込まれているフィルタの影
響)を理解する必要がある．
生体信号処理を行う上で，MFER記述はその処
理目的に応じて構築でき，今後さらにその可
能性が考えられる．