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物理化学
3章
3.1
FUT
原 道寛
名列__
氏名_______
3章 気体の性質一自由な粒子-
3.1気体の諸法則
•序
• ボイルの法則
• シャルルの法則
• アボガドロの法則
• 理想気体の状態方程式
• ドルトンの分圧の法則
3.2 気体分子の運動論
• マックスエルのボルツマン分布
• 拡散と流失
3.3 実在気体
3章 気体の性質一自由な粒子-
原子や分子の内部の構造
A
• 主に波動力学から導かれる軌道の概念
• →理解できること
• →物理的および化学的性質もその概念
に基づき
B
• 規則正しく説明される
3章 気体の性質一自由な粒子-
実際に我々の身のまわりにある物質
• 原子や分子のような微小な粒子として単独で存在
A
しているわけではなく,
B
• それらが集合して異なる状態,
C
D
E
• =すなわち気体,液体,固体として存在
→これらの状態の物理的および化学的な
特徴やこれらの間で起こる変化について
述べる
3章 気体の性質一自由な粒子-
これらの特徴
• 原子や分子レベルでの性質と関連している
か?
• 上記のレベルで理解することが重要なこと。
この章では,分子間引力(分子同
士の引き合う力)が弱い気体の性
質について学ぶ。
A
3章 気体の性質一自由な粒子-
3.1気体の諸法則
•序
• ボイルの法則
• シャルルの法則
• アボガトドロの法則
• 理想気体の状態方程式
• ドルトンの分圧の法則
3.2 気体分子の運動論
• マックスエルのボルツマン分布
• 拡散と流失
3.3 実在気体
3.1気体の諸法則
A
気体での分子間引力は弱い
B
• →分子はお互いに離れている。
C
• →速く自由にあらゆる方向に動きまわっている。
D
• →このために気体の体積や形は一定しない
E
• 圧縮もされやすい。
F
無秩序に動きまわる気体の性質
G
• 体積,圧力,温度、物質量を測定
H
I
J
K
• →気体の状態を決定することができる。
3.1気体の諸法則
体積,圧力,温度&物質量の関係
三つの基本法則
A
• ボイルの法則(Boyle’s
law)
B
• シャルルの法則(Charles’s
law)
• アボガドロの法則(Avogadro’s
law)
C
D
→理想気体の状態式
(equation of state for an ideal gas)
ボイルの法則
気体の体積Vが,圧力pと温度t(セルシクス
温度,℃)あるいは物質量nとどのような関
係にあるかを調べてみよう。
• 影響を与える条件がいくつかあるとき
• →一つの条件を除いて,他は一定に保つ。
B
A
• 1.温度tと物質量nを一定
• →圧力pの体積Vに及ぼす効果
• 図3・1
ボイルの法則
装置はピストン付きの容器を恒温槽の中にいれたもの
その容器の中
に一定量の気
体をいれ,
•
•
•
•
•
それぞれの圧
力での体積を
測定
ピストンに圧力
を加えていき,
体積を測定するとき
A
ピストンに加わる圧力=気体の圧力
体積Ⅴは圧力p
D
図3・2(a)関係
C
直線関係を探していく
E
F
B
G
シャルルの法則
気体の体積に及ぼす温度の影
響を調べよう。
図3・1で表す装置を使い,
A
ピストンに加わる圧力を一定に
保ち,
B
恒温槽の温度をいろいろに変化
C Ⅴを測定
体積
シャルルの法則
A Ⅴを温度t(℃)に対してプロット
B
体積
C
図3・3:直線関係
この直線は次式
D
E
a:直線の傾き,b:切片,
F
温度が0℃のときの体積
B
シャルル
の法則
A
C
D
シャルルの法則
y=0まで、直線を外挿してみる
A
B
-273.15℃で交わる。
C
重要なこと:すべての気体が同じ挙動
Ⅴ=0まで外挿:温度軸の-273.15℃で交差
D
この点ではすべての気体が,凝縮しなければ,
E
体積が0。それより下では負の体積。
F
この温度がもっとも低い温度=絶対零度(absolute
zero)
シャルルの法則
A
絶対零度:ケルビン温度計の目盛りの0点
目盛りをケルビン目盛
B
絶対温度目盛り(absolute
temperature
scale)とよぶ。
C
絶対温度をTで表し,単位:ケルビン(K)
セルシウス(℃)との関係
D
シャルルの法則
のtに右式を代入すれば
と書くことができる。
原点をT/K=0へ移したので,切片bも 0
定圧の下で一定量の気体の体積Ⅴ
B
この関係をシャルルの法則
A
アボガドロの法則
A
気体の体積と分子数の間の関係の法則。
“同じ温度と圧力のもとで
C
B
同一の体積の気体はどれも同じ数の分子を含む”
=同温同圧での気体の体積は,それがどんな分
D
子であるかは問わずに,その分子数だけに依存。
1 molの物質は一定数 “同じ温度と圧力で,気
E
体の体積は,物質量に比例。”
アボガドロの法則
単位物質量が占める体積
=モル体積(molar
volume)をVmと表せば,
A
B dm3である。
0℃,1 atmのもとで,1 molの気体の体積は22.414
アボガドロの法則も,ある理想化を行ったもので,気体の密度がほ
とんどゼロに近いときに厳密に正しい法則。
理想気体の状態方程式
観測結果は,無限に希薄な気体という極限の場合を仮定
=理想化の三つの法則
気体の体積Vは,圧力の逆数 1/p に比例
A
絶対温度Tに比例し
B
さらに物質量nに比例という関係
C
これらは下の一つの関係式にまとめる。
理想気体の状態方程式
A
比例定数尺を使って書き直すと
B
これが理想気体の状態式
一般には
B
どのような条件のもとでも式が
厳密に成り立つような気体を理想気体(または完全気体,perfect gas)。
理想気体の状態方程式
A
Rはどんな気体でも同じ値:気体定数(gas
constant)
気体はその種類にかかわらず,
B dm3である
1 molの体積は0℃,1 atmのもとで22.414
式を用いて気体定数を算出できる。
C
D
理想気体の状態方程式
気体の質量をグラム単位で表したものをw気体分子
A
のモル質量を
Mw
B
なるから,式は
C
質量がわかっている気体の体積
=特定の圧力,温度で測定すればモル質量,
D
→分子量を求めることができる
ドルトンの分圧の法則
身のまわりの気体
A
• 1種類の気体であるより2種類以上の混合気体
例:空気
B
C
• 窒素や酸素の中に二酸化炭素や水蒸気などが混合。
D
• 混合気体同士の反応を扱うことも多い。
⇒混合気体の性質を知る
E
• 混合気体の各成分の圧力
F
• 全体の圧力にどのように影響するか?
ドルトンの分圧の法則
A
Dalton:19世紀のはじめ、実験から法則を導く
B
ドルトンの法則(Dalton,slaw)
C
• 理想気体の混合物の圧力は,同じ温度で同じ体積を
D
個々の気体だけが占めるときの圧力の和に等しい。
ある気体が全圧Pに対して及ぼす寄与
E
• =その気体の分圧(partial
pressure)という。
• たとえば,気体AとBの混合気体があり,それぞれの分
圧をPAとPB。とあらわせば、全圧P
F
ドルトンの分圧の法則
ここで留意するのは,分圧pAとpB。
A
• それぞれの気体が単独で同じ体積
• 具体的にいえば同じ体積の容器を占めた
時の圧力
• ここでは2成分を例にとっている
B
• しかし,3成分以上の混合気体でも同じこと
ドルトンの分圧の法則
混合物の組成と全圧がわかっている場合
A
• 理想気体の状態式⇒各成分の分圧を計算
B
• ⇒濃度を表す方法の一つである
C
• モル分率(molefraction)を導入
モル分率
D
• 混合気体ばかりでなく,溶液などの濃度を表す
ドルトンの分圧の法則
例:気体AとBの混合気体を考え,
• それぞれの物質量をnAとnBとすれば,
• それぞれのモル分率xAとxB
A
C
B
それぞれの成分が体積Ⅴの容器を占めたとき,
理想気体の状態式から
D
が成り立つ。
E
ドルトンの分圧の法則
両方を足し合わせれば
となる。ドルトンの法則から(pA+pB)は全圧Pに等しいと
A
おける。3-8式のそれぞれを(3-9)式で割って
B
C
ドルトンの分圧の法則
すなわち,
各成分の分圧
がわかっていれ
ば,
全圧との関係か
らモル分率を求
められる
その混合気体の
全圧に
各成分のモル分
率をかければ,
逆にいえば,
それぞれの分圧
が簡単に求めら
れる
つまり
各成分の濃度
がわかることも
併せて理解可能
ドルトンの分圧の法則
ドルトンの法則=理想化した表し方
A
気体を理想気体として仮定できれば,
B
あるいは気体が非常に希薄
C
構成分子が完全に独立
⇒成り立つ
しかし,
D
実在気体では近似的にしか使えない
小テスト3章1
名列___ 氏名______
採点者 名列___
体積,圧力,温度&物質量の関係
三つの基本法則について述べよ。
(1文字 0.1pt:10pt)
絶対零度を決める要因について述べよ。
(1文字 0.1pt:10pt)
A
B