発表資料 - 東京都市大学 横浜キャンパス

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福島原発事故による自治体の家庭へ向けた
省エネ対策と持続可能性
~世田谷環境大学連合の活動を通して~
東京都市大学 環境情報学部 環境情報学科
中原 秀樹 研究室
0831048 折原 義明
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発表内容
 研究動機
 研究目的・方法
 研究実施概要
 結果と考察
 世田谷区への提案
 まとめ
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研究動機①
世帯数の増加・自動車保有率の上昇
PCや携帯・ゲーム機器の普及
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研究動機②
 日本の部門別二酸化炭素排出量における、「家庭部
門」の排出量が、大幅に増加している。
 3月11日に発生した東日本大震災・福島原発事故
以降、ライフスタイルの中での電力との向き合い方
を考え直す必要があると実感。
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研究目的・方法①
世田谷環境大学連合として、世田谷区と協働で東京都地球
温暖化防止活動推進センター(通称:クール・ネット東京)
が行う「緊急節電チャレンジinとうきょう」事業に参加す
ることで・・・
①家庭へ向けた節電事業の有効性の検証
②世田谷区環境計画課への省エネ活動の提案
を行う。
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研究目的・方法②
• クール・ネット東京が主催する「節電チャレンジinとうきょ
う」に世田谷区と協働で参加。
• 世田谷区内において計3か所で節電講座を実施。
• 受講した住民の方に節電後チェックシートへの協力依頼。
• 節電後チェックシート(使用電力量データ・節電後アンケート)の
集計
• 独自に節電事業を行っている自治体へのインタビュー調査
• 節電講座の効果の検証
• 今後の節電講座へ向けての改善策の提案
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研究実施概要
クール・ネット東京とは
①都民や中小事業者へ向けた地球温暖化防止の取り組
みや省エネ対策の支援
②市区町村と連携して環境普及啓発活動
「緊急節電チャレンジinとうきょう」とは
昨夏の夏場の電力不足回避の為に、クール・ネット東京が家
庭部門へ向けて行った節電啓発事業。
都内7市区と、その地域で活動しているNPOが参加。
(対象期間:7-8月)
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研究実施概要
「緊急節電チャレンジinとうきょう」参加自治体・NPO一覧
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自治体
NPO・その他
東久留米市
東久留米市市民環境会議
八王子市
NPO法人環境活動センター八王子
豊島区
NPO法人としまNPO推進協議会
武蔵野市
むさしのエコアップ協議会
文京区
NPO法人エコ・シビルエンジニアリング
大田区
大田区地球温暖化対策地域協議会
世田谷区
世田谷環境大学連合事務局(中原研究室)
NPO法人えこひろば
東京農業大学ISO14001関連学生団体いそべや
研究実施概要
クール・ネット東京
チェックシート
勉強会ノウハウ提供
勉強会実施
学校・幼稚園
など
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勉強会会場の提供
周知協力
NPO
実績報告
自治体
実績報告
集計結果報告
町内会・自治会
マンション管理組合
企業
緊急節電チャレンジinとうきょう結果(全体)
「緊急節電チャレンジinとうきょう」全体における
電力削減率の割合(昨年比)
15%削減失敗
7月
(n=3065)
8月
(n=2918)
平均削減率
7月 12%
8月 21%
全体 17%
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15%削減達成
61%
36%
39%
64%
・経済産業省が発表した「電力使用量昨年比一律‐15%」
・7月に節電アクションを行い8月により改善して取り組んだから。
・節電講座は7月中旬まで行われていた。
取り組みに特徴のある3地域
八王子市
n=4,116枚
電力削減量 26,121kWh
CO₂削減量 99,366kg
• 地域の町内会へ協力を求め、地域の町内会が各戸へ個別訪問、
節電を呼びかけ、チェックシートを配布・回収。
• アンケート参加者最多、電力削減に最も寄与した。
東久留米市
n= 391枚
電力削減量 31,148kWh
CO₂削減量 11,899kg
• 学校の生徒を対象とし、小・中学校と連携を図った。小中学生
だけでなく、保護者会でも勉強会を開催し、ファミリー層への
取り組み拡大を促した。
武蔵野市
n=388枚
電力削減量 42,568kWh
CO₂削減量 16,261kg
• 他の市民団体と連携を図り、団体の集会等の場を活用し勉強会
を開催。そこからの水平展開を図った。
• 意思統一の図りやすい地元企業でも勉強会を実施。
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世田谷区における活動とその特徴①
6月19日
夏の節電チャレンジinエコフェスタちとふな
• 開会場所‐世田谷区立船橋小学校 対象‐船橋地区住民
• 「NPO法人えこひろば」による節電講座
6月29日
太子堂地区 節電講習会
• 開催場所‐三茶しゃれなぁど 対象‐太子堂町内会役員
• クール・ネット東京派遣エコアドバイザーによる講義。
• 講義後、学生とのフィードバック。
7月19日
砧地区 緊急節電講座
• 開催場所‐砧まちづくりセンター 対象‐砧地区住民
• 中原研究室学生による講義
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世田谷区における活動とその特徴②
①学生が事業に参加している
本事業に参加していた市民団体で唯一学生が活動に
参加していた。
(世田谷環境大学連合・東京農業大学いそべや)
②本事業への参加者数が極端に少なかった
初めての取り組みであり、本事業の有効性をしっか
り見極めたかった。
③独自に勉強会の内容を作成
「ピークカット」中心の内容から、「減らす・切り
替える」中心の内容の教材に変えた。
「何をどうすればどれだけ削減できるか」を提示。
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事業実施概要④
参加7地域の一世帯当たりの使用電力量と平均削減率
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一世帯当たりの
平均電力使用量
(2010年7-8月)
一世帯当たりの
平均電力使用量
(2011年7-8月)
平均削減率
大田区
467kWh
325kWh
31%
世田谷区
477kWh
363kWh
24%
豊島区
430kWh
362kWh
21%
文京区
401kWh
316kWh
21%
八王子市
438kWh
372kWh
15%
東久留米市
455kWh
375kWh
18%
武蔵野市
493kWh
382kWh
18%
7地域全体
440kWh
366kWh
17%
事業実施概要④
全7地域
(n=6178)
世田谷区
(n=88)
八王子市
(n=3990)
東久留米市
(n=389)
武蔵野市
(n=384)
事業全体と4地域における電力削減率の割合
(7月8月)
15%削減失敗
15%削減成功
49%
51%
49%
51%
54%
46%
34%
一世帯当たりの平均電力使用量
(2010年7-8月)
全7地域
440kWh
世田谷区
477kWh
八王子市
438kWh
東久留米市 455kWh
武蔵野市
493kWh
15
46%
54%
66%
一世帯当たりの平均電力使用量
(2011年7-8月)
全7地域
366kWh
世田谷区
363kWh
八王子市
372kWh
東久留米市 375kWh
武蔵野市
382kWh
平均削減率
全7地域
世田谷区
八王子市
東久留米市
武蔵野市
17%
24%
15%
18%
18%
結果と考察
 節電目標▲15%を達成
⇒東京電力管内の家庭部門における平均削減率▲6%
本事業全体における平均削減率▲17%
 勉強会の有効性
⇒勉強会に重点を置かなかった八王子市は平均削減率・
▲15%達成率が低い
勉強会は節電啓発に有効な手段
課題
 勉強会の内容
「緊急」であったため「ピークカット」が中心
⇒節電・省エネする意味とは?
「持続可能な社会構築」のための勉強会へ
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世田谷区への提案
「やらされる節電」から「考えてする省エネ」へのシフト
昨夏は夏場の電力不足回避のため、政府主導で強制的な節電が行われた。
⇒節電・省エネ問題の解決策を改めて提示する必要がある。
来夏は昨夏以上に節電の必要性が高まる。
⇒電力と改めて向き合い、自発的に省エネを行っていくよう促す必要がある。
エネルギーの「見える化」の実現
「何をどうすれば、どれだけ削減できるか」という具体例がなかった。
⇒スマートメーターを用いた節電モデルの提示や、スマートメーターの設置
の促進を行う必要がある。
情報発信方法の多様化
区報・区のHPのみでの周知では限界がある。
若年層への節電の情報提供が出来なかった。
⇒ケーブルテレビやfacebookなど興味が無い若年層でも無意識に情報にアクセ
スできるようにする必要がある。
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まとめ
今後の電力事情
•
•
•
•
福島原発事故によって、日本国内では原子力発電所は減少していくと予想。
応急措置として火力発電、企業毎に自家発電施設を設置。
二酸化炭素排出係数は現在の2倍以上になる。
来夏以降、今まで以上に節電・省エネ啓発活動が必要。
チャレンジ25達成へ
・2009年に日本政府は2020年までに温室効果ガス25%削減を目指すと発表した
・温室効果ガス排出量は増加している。
・東日本大震災をきっかけに、もっと本格的に節電・省エネキャンペーンを
行っていくべきである。
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主要参考文献
・クール・ネット東京HP
http://www.tokyo-co2down.jp
・世田谷区HP
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/index.shtml
・経済産業省HP
http://www.meti.go.jp/
・節電go.jp
http://setsuden.go.jp/
・緊急節電チャレンジinとうきょう実施概要
・緊急節電チャレンジinとうきょう結果報告書
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ご清聴ありがとうございました。
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