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第二回 肝臓病教室 ‐肝疾患に対する薬剤投与‐ 担当:薬剤師 宮崎奈緒子 腹水•黄疸•脳症•食道静脈瘤 肝癌 慢性肝炎 肝硬変 正常肝 肝炎鎮静目的 :姑息的治療(肝保護療法) ウルソ 強力ミノファーゲン 根治療法 インターフェロン 抗ウイルス剤 抗ウイルス薬と肝庇護薬 HBV HCV 肝臓庇護薬 商品名:ウルソ® ウルデナシン® ・ウビロン®・ウルサミック®など 肝機能の改善。 肝硬変や肝癌への進行を抑える 可能性もあり 肝臓から肝汁を流しやすくする 主な副作用:下痢や軟便の消化器症状 医師の始めるタイミング 主に、肝炎ウイルスによる肝細胞障害出現時 具体的にはALT値が上昇しているとき 肝臓庇護薬 強力ミノファーゲン ネオファーゲン静注® 肝機能の改善 肝細胞の増殖促進 主な副作用:低K血症 医師の始めるタイミング 主に、肝炎ウイルスによる肝細胞障害出現時 具体的にはALT値が上昇しているとき 抗ウイルス薬 インターフェロン 商品名:フエロン® ・ペグイントロン® ペガシス® ・スミフェロン® ウイルスの増殖を抑える 毎日または週2~3回注射 副作用:寒気・発熱などのインフルエンザ症状 眠れなくなる・イライラするなどのうつ症状 抗ウイルス薬(C型肝炎) レベトール® インターフェロンと併用することでより ウイルスの増殖を抑える 24週間毎日服用 副作用:息切れ・たちくらみなどの貧血 抗ウイルス薬(C型肝炎) テラビック® インターフェロン・レベトール® と併用することで、 よりウイルスの増殖を抑えることができる 12週間毎日服用 副作用:皮疹・食欲不振・だるさ 抗ウイルス剤(B型) ・ゼフィックス®(ラミブジン) B型肝炎ウイルスの増殖を抑える 副作用:筋肉の痛みなど ・バラクルード®(エンテカビル) B型肝炎ウイルスの増殖を抑える 副作用:脂肪肝など ※肝硬変でも少しの量を続けて飲むこと があります。 肝臓における合併症に対して 食道・胃静脈瘤 ⇒内視鏡、血管治療 腹水 ⇒利尿剤 肝性脳症 ⇒NH3を下げる・ アミノ酸補正 低アルブミン血症 ⇒アミノ酸補正 腹水で水分が溜まる 体内のアルブミンが減ると血管内に水分 を保持できなくなり、お腹や手足に水分 が移動 →お腹に水が溜まる:腹水 手足が浮腫む:浮腫 利尿薬 アルダクトンA ® アポラスノン® ・スピラクトン®など 高血圧・浮腫・腹水に使用 副作用:高K血症・低Na血症・倦怠感等 ラシックス® フロセミド®など 高血圧・浮腫・腹水に使用 副作用:低K血症・低Na血症・貧血等 タンパク質補給 肝硬変になると肝臓でタンパク質を作りにくくなり、 筋肉でアミノ酸を原料にしてエネルギーを作る。 →体内で作ることのできない種類のアミノ酸を 補給することが大切。 アミノ酸補正 リーバクト® アミノバクト®など 栄養状態を改善 タンパク質(アルブミン)を増やす 血清中のアミノ酸の組成を 正常化 副作用:便秘、下痢などの消化器症状 アミノ酸補正 アミノレバン® へパン® 分岐鎖アミノ酸を多く 含み、糖質・脂質・ ビタミン、微量元素を含む 200kcal/袋 副作用:下痢・吐き気・発疹など フレーバー・プラム・アップル・抹茶・フルーツ・コーヒー・パイナップル アミノ酸補正 アルブミン製剤 アルブミナー® 体内のアルブミンを補充 腹水や浮腫のある人に使用 副作用:発熱・顔面潮紅 悪寒など 肝硬変の合併症 アンモニア 肝臓 門脈 肝硬変でアンモニア上昇 治療の基本 肝臓がうまく働かなくなると肝臓 ・アンモニアの生成を抑える で処理されるはずのアンモニアが 体内に溜まる。 ラクツロース カナマイシン →アンモニアが脳へまわり、ぼーっと ・アンモニアを筋肉で分解 する、興奮する、意識がなくなる などの症状がでる。 小腸 胃 アンモニアを下げる ラクツロース® モニラック® 腸管内でのアンモニアの 産生や吸収を抑制 主な副作用:下痢などの消化器症状 医師の始めるタイミング 初期の肝硬変でも、採血でアンモニアが上昇して いれば最初に使用 アンモニアを下げる カナマイシン® 腸内でのみ抗菌作用があり アンモニアを作る菌をやっつける 医師の始めるタイミング 末期の肝硬変で、ラクツロース等の薬剤でも改善が 得られない場合にラクツロースと一緒に使用。 ご清聴ありがとうございました