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かなた望遠鏡・Swift/XRT,UVOT・
MAXI によるMrk 421の長期観測
伊藤亮介、深沢泰司
広島大学
ブレーザー天体 Mrk 421
2012年現在、最も良く多波長観測の進んでいる天体
TeV, X線帯域で、非常に速い(~10分)時間変動が知られているが、
GeV領域で変動は小さく、その増光メカニズムは十分に分かっていない。
軟X線
電波からTeVガンマ線までの
多波長スペクトル
時間平均スペクトルは、
One – Zone SSC モデルでよく
再現できる。
可視光
多波長同時観測による、
光度変動機構解明を
目指す。
Abdo+11
波長 [Hz]
Mrk421可視偏光先行研究
• 一般にHSP(High-Synchrotron Peaked Blazar)の可視偏光度は低い
(Ikejiri et al. 2011)
• Mrk 421は過去に高い偏光度が観測されたことのあるHSPでも特
異な天体 (Tosti et al. 1998)
多波長観測による
シンクロトロン放射
スペクトル決定
+
同時に偏光観測
Optical polarization of Mrk 421 (Tosti+98)
かなた望遠鏡 HOWPol
ISS / きぼう / MAXI
R, V band
+偏光
Swift /XRT, UVOT
0.2 keV – 10 keV X線
可視・紫外線(V,B,U,UW1,UM2,UW2)
1.5-20 keV X線
全天モニター観測
多波長ライトカーブ
2010 Jan.
2011 Jan.
MAXI/Flux(1.5-20 keV)
XRT/Flux(0.2-10keV)
XRT/Index
UVOT, Kanata/Flux
(UVW2, UVM2, UVW1, R, V)
UVOT, Kanata/Color
(UVW2-UVW1, R-V)
Kanata/Polarization degree (R, V)
Kanata/Polarization Angle (R, V)
ライトカーブの傾向
X-ray active state (2010)
2011 Jan.
2010 Jan.
MAXI/Flux
偏光度の変動 (~ 6%).
偏光度のX線・可視光光度との相関は見ら
れない
偏光方位角はほぼ一定 (-50 ~ 0 deg) .
XRT/Flux
XRT/Index
X-ray inactive state (2011)
Optical – UV/Flux
Optical color
可視光度変動のタイムスケールは2010
年のものより速い
X線での光度変化はほとんど見られない
PD
PA
偏光度はほとんど変化していないが、
偏光方位角の変動は大きい(0 – 150deg).
Systematical changes of Polarization
X-ray
2010年:
偏光方位角があまり変化せず、
偏光度も高めの値
Optical
Stokes Parameter U
PD
2011年:
偏光方位角はバラバラ
偏光度低め
Origin of QU plane
+
Stokes Parameter Q
X-ray active and inactive stateに
おいて、QU平面上で平均的に
偏光ベクトルは第四象限に位置
(図中青点は前半観測の平均
点;PD=4%, PA=-20deg)
Variability of SED
X-ray
X線帯域では
大きなスペクトル変化
Optical
PD
可視帯域では光度変化
は顕著だが、
スペクトルの傾きに大き
な変化はない
議論
X線活動期(2010年)SED変化
一領域からの単純なシンクロトロン
放射を仮定。
下表の6パラメータをフリーパラメータ
としてフィッティング
赤
B [G]
D
青
1.14 ± 0.03
0.73 ± 0.01
37 ± 2
44 ± 1
15
15
R [cm]
1.1 × 10
1.3 × 10
Ke [erg/s]
1.6 × 1048
1.2 × 1048
Rc (104 )
2.5 ± 0.2
17 ± 4
2.31 ± 0.03
2.26 ± 0.03
P
磁場、電子スペクトルのカットオフ位
置の移動(高エネルギー電子注入?)
により、X線帯域で大きく変動が引き
起こされていることが示唆される。
同時期に偏光度の変化がみられるこ
とも、同様に磁場変化を示唆している
X線非活動期(2011年)SED変化
赤
青
1.5 ± 0.3
1.45 ± 0.01
35 ± 1
39 ± 0.2
R [cm]
1.0 × 1015
1.1 × 1015
Ke [erg/s]
0.9 × 1048
1.6 × 1048
Rc (104 )
1.4 ± 0.2
1.2 ± 0.4
2.09 ± 0.1
2.31 ± 0.01
B [G]
D
P
磁場、電子スペクトルカットオフ位
置に変化は見られない。
電子スペクトルのNormalization,
ベキの値の変化によって可視光
度、X線光度が変化?
まとめ
かなた望遠鏡・Swift衛星・MAXIにより、Mrk 421の多波長・偏光同時観測を実施
X線帯域で放射が活動的とそうでない時期が存在
• X線活動期においては、偏光の変動も活発
• そうでない時期では、偏光はQU平面上でほぼ原点付近に位置
一領域からの単純なシンクロトロン放射を仮定し、それぞれの時期でのSEDを
フィッティングすることにより、ジェットパラメータの変化を調査
• X線活動期では、磁場、高エネルギー電子注入によるSED変化が示唆される
• そうでない時期に関しては、電子スペクトルのNorm, ベキが変化していることが示
唆される。