7月7日の配布資料

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スルツキー方程式
• 財i価格の変化の効果を所得効果と代替効果に
分解
x j
pi
x j
 pi
I
pi
 xi
U
x j
I
所得を一定として pi が変化したときの効果
I
x j
pi

x j
U
効用を一定として pi が変化したときの効果
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スルツキー方程式
•
•
x j
pi
:代替効果
U
 xi
x j
I
:所得効果。最初の部分に
 xi
が
かかっていることと、シェパードの
補題との関連に注意。
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補償需要曲線と通常の需要曲線
• 補償需要曲線は、効用を一定にしている需要
曲線(ヒックスの需要曲線とも呼ばれる)
• 通常の需要曲線は、所得を一定にしている需
要曲線(マーシャルの需要曲線とも呼ばれ
る)
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補償需要曲線と所得一定の需要曲線
P1
補償需要曲線1
(U=u1)
p10
p11
代替効果
所得効果
所得一定の需要曲線
補償需要曲線0
(U=u0)
x1
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消費者余剰
P1
p10
補償需要曲線1
(U=u1)
p11
所得一定の需要曲線
補償需要曲線0
(U=u0)
x1
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消費者余剰
• 以前の説明では、需要曲線と価格水準の水
平線で囲まれた部分の面積を定義。
• この説明をするときには、「部分均衡」で説明
した(1つの財のみを考えるケース)。しかし、
部分均衡の考え方は、所得効果の大きな財
については、正しいとはいえない。
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消費者余剰(続き)
• 価格が低下したときの消費者余剰の増加分
は、通常の需要曲線の内側と、価格水準に
対応する水平線で囲まれた部分の面積。
• 以下の関係から、補償需要曲線の内側と価
格水準に対応する水平線で囲まれた部分の
面積は、支出関数に対応していることに注意。
E E ( p1, p2 ; u )
x ( p1, p2 ; u ) 

pi
pi
C
i
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補償変分
• そもそも、価格の変化に応じた効用の変化を
金銭価値するとは、効用が変化をそれに対
応する支出の変化で評価することになる。た
1
0
(
p
,
p
とえば効用の変化を 1 2 ) という価格での
支出で評価すると;
CV  E( p11, p20 , u1 )  E( p11, p20 , u0 )
• しかし、所得が一定で p2 が変化しないことか
1
0
1
0
0
0
E
(
p
,
p
,
u
)

I

E
(
p
,
p
,
u
).
ら
1
2
1
2
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補償変分
• こうすると、以下のように変形が可能:
CV  E( p10 , p20 , u0 )  E( p11, p20 , u0 )
• 上記の表現は、支出関数をp1で微分して補
償需要関数を導出していたのと類似。
• 以下のようにして、異なる価格での評価もで
きる:
EV  E( p10 , p20 , u1 )  E( p10 , p20 , u0 )
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補償変分
P1
p10
補償需要曲線1
(U=u1)
p11
所得一定の需要曲線
補償需要曲線0
(U=u0)
x1
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等価変分
• 以下のようにして、異なる価格での評価もで
きる:
EV  E ( p10 , p20 , u1 )  E ( p10 , p20 , u 0 )
 E ( p10 , p20 , u1 )  E ( p11 , p20 , u1 )
• 補償変分と等価変分の違いは、定義としては、
どの価格水準で評価しているか、ということ。
効用の変化を金銭評価するのが目的だが、
実際には上記の変形により、それは価格で
積分することで求めることができる。
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等価変分
P1
p10
補償需要曲線1
(U=u1)
p11
所得一定の需要曲線
補償需要曲線0
(U=u0)
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x1
補償変分と補償需要関数
• 補償変分の数学的表現
CV  E ( p10 , p20 , u 0 )  E ( p11 , p20 , u 0 )
p10
=
p11
E ( p1, p2 ; u )
0
p1
dp1 
p10

x1C ( p1, p2 ; u 0 )dp1
p11
• 上記から、補償需要関数を価格で積分したも
の(「横方向に」積分したもの)が補償変分で
あることがわかる。
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等価変分と補償需要関数
• 等価変分の数学的表現
EV  E ( p10 , p20 , u1 )  E ( p11 , p20 , u1 )
p10
=
p11
E ( p1, p2 ; u )
1
p1
dp1 
p10

x1C ( p1, p2 ; u1 )dp1
p11
• 補償変分の場合と同様、補償需要関数を価
格で積分したもの(「横方向に」積分したもの)
が等価変分であることがわかる。
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消費者余剰との関連
• 補償需要関数と価格が一定の水平線で囲ま
れた部分は、価格変化による効用の変化を
金銭評価したものと一致する(これらを、等価
変分・補償変分とよぶ)。
• 消費者余剰は、等価変分・補償変分の中間
になる。
• 所得効果がゼロならば、消費者余剰=等価
変分=補償変分となる。
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消費者余剰
• そのため、消費者余剰は、厚生の変化を表
す適切な指標にならない。厳密には、貨幣の
限界効用が一定という状況のときにのみ、消
費者余剰が適切な厚生変化の指標となる。
• 効用の変化を金銭価値で表そうというのがこ
のような指標の考え方であって、補償変分・
等価変分はそれを、特定の価格体系のもとで
それを測っている。
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消費者余剰
• しかし消費者余剰は、一般的には、補償変分
とも等価変分とも異なる。
• 上記のことを例を用いて説明したよい例が、
『ミクロ経済学 : 戦略的アプローチ』 梶井厚志,
松井彰彦著 2002年、Chapter 9 消費者理論
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スルツキー方程式と支出関数
• 以下の等式が成立することに着目:
xi ( p1, p2 ; E( p1, p2 , u))  xiC ( p1, p2 ; u)
• 上記を p1 で微分し、所得効果の項を移項す
ると、スルツキー方程式を得る:
x j

 C
xi ( p1, p2 ; I ) 
xi ( p1, p2 ; u )  x1 
p1
p1
I
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授業中の書く課題
• (1)談合に関する分析について、そこで示されている
事実(データに基づくもの)のうち、重要と考えられる
点の要点をまとめなさい。複数にわたる場合には、列
挙して説明すること。
• (2)(1)に挙げた事実を、複数企業が共謀して高い価
格を維持する行動として理解するとしよう。その場合、
何社程度の企業が、それぞれどのような個別のイン
センティブに基づいて行動していると考えられるかを、
具体的に例示して説明しなさい。
• (3)談合の社会的コストとは何かについて、具体的に
説明しなさい。
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参考図書
• シェパードの補題、支出関数、については、
以下の本に明快な説明がある:
• Dixit, Avinash Optimization in Economic
Theory, 2nd Edition, Oxford University Press,
1990, Chapter 5 (邦語訳もあり)
• 等価変分・補償変分については:西村和雄『ミ
クロ経済学』東洋経済 1990年 第3章、第4
章
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