おおいたにおける農業情報化に関する活動について

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大分における農業情報化に関する
活動について
財団法人ハイパーネットワーク社会研究所
青木栄二
[email protected]
農業のIT利活用研究会
• 目的
①農業従事者の高齢化や後継者不足
②農業技術の継承やIT利活用の情報不足
③課題整理の必要性とIT利活用の可能性(見える化)
• 日程
①10月豊肥振興局(竹田),②11月東部振興局(国東),
③12月南部振興局(佐伯),④1月西部振興局(日田),
⑤2月シンポジウム(大分)
• 対象
①振興局地域における農業生産法人及び農業従事者
②農業情報化を推進する行政担当者・指導員、企業担当者、大学研究者
• 内容
①意見交換と課題抽出(現在困っていること)
②IT活用事例紹介(栽培管理、圃場管理、経営管理)
(経緯)おおいたIT利活用の有効性実証のための事業
• アクトいちごファーム
平成22年度から大分県産業創造機構助成金を受け、九州大学及び大分県
農林水産研究指導センターと共同研究開始。ハウス内にセンサーやフィール
ドサーバを設置し、高品質なイチゴ栽培を目指す。
• サニープレイスファーム
平成23年度から大分県産業科学技術センターとの共同研究により、ハウス
内環境制御盤のデータ集中管理のための試作機を製作。
• アクティス
平成23年度から農業生産法人として、IT企業が竹田市においてトマト栽培に
参入、ITの利活用を目指すとともに、安価なフィールドサーバの開発や農業
支援システムの構築を実施。
• 杵築茶園
平成23年度からSCOPE(総務省研究開発事業)に採択され、九州大学及び大
分CEC、ハイパーネットワーク社会研究所などとともに実証実験を開始。
フィールドサーバの試作・開発・設置、また栽培管理のためのデータベース
構築を目指す。
1 研究目的
ICTとエナジーハーベストの活用による環境情報
のネットワーク化と農業情報のナレッジ化を確立
2 研究開発の概要
(a) 多様な環境・利用者ニーズに対応した環境モ
ニタリングシステムの開発
(b) 農業情報の表示・共有・分析のためのプラッ
トフォーム開発とその妥当性評価
(c) 実証実験によるプロトタイプ・システムの検証
3 期待される研究成果及びその社会的意義
<期待される研究成果>
①センサーネットワークの高度化・汎用化
②ICTによる農業知識の情報共有の手法確立
③学会等発表等における標準化の確立
<社会的意義>
①地域振興のための農業情報化の支援
②農業者及び営農組織のモチベーションアップ
③環境を重視した基盤確立による農作業の効率
化と社会参画及び消費者への食の安全情報
発信
●Agri-Informaticsの実践、センサー活用による農産業分野の革新
慶應義塾大学 神成氏
センサーの活用により農産物の生育環境を24時間計測解析してデータベース化。失われつつある
栽培技術の伝承に役立てるとともに、消費者、流通業を含めたネットワークを通じて共有することで、
食の安全と農産業の最適化を実現する社会システムとしてのITの活用を目指している。
●子ども達を介した Youth Mediated Communicationモデルの農業展開
特定非営利活動法人パンゲア 理事長 森氏
ネットを通じた途上国の自立支援の課題のひとつである大人の情報リテラシーや識字率の低さを、
子ども達の向上しつつある情報リテラシーを生かすことで補い、農業や医療に関する情報を子ども
達を介して保護者につなげようという構想を提案する。
●食と農を育てるこだわり自然食品通販“じんわり村”奮闘記
じんわり村 村長 木本氏
ネット通販を生かして、作り手の顔が見える、安心安全で美味しいこだわりの食べ物を全国から厳選
して提供。どのように作っているか、どのような人がどのような思いでつくっているかなど、栽培の情
報や生産者の声を届けることを通じて消費者と生産者を結び日本の食と農を育てることに取組んで
いる。
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日本の農業にITがどのように寄与できるのか、具体的な取組み事例をもとに紹介
●講演:「農業の情報化と安全・安心の推進」
九州大学大学院 農学研究院生産環境科学部門 准教授 岡安氏
【内容】農業白書から見る農と食の現状、環境保全型農業とは?、精密(情報化)
農業、圃場の気象データを観測、作物の生育・品質評価を圃場で行う、圃場作業
の履歴情報を収集など
「ITを活用した農作業支援・農商連携の実践」 應義塾大学 環境情報学部 神成氏
【内容】ITを用いた農業の高収益化、生産者に着目した熟練技能の継承、高付加価値
社会の成立へ向けて
●パネル討論:「次世代農業はITがサポート」
株式会社アクトいちごファーム 代表取締役 小野氏・・・いちご栽培について
有限会社育葉産業 代表取締役 栗田氏・・・みつば栽培管理、GAPのすすめ
農業生産法人 有限会社西日本農業社 代表取締役 後藤氏
・・・土地利用型農業とICT、「新しい農業スタイル」育成
大分県農林水産研究センター 野菜・茶業研究所 久住試験地 主幹研究員 藤谷氏
・・・試験研究におけるIT化について、野菜栽培の「聞ける化」
(コーディネーター) 大分県副知事 平野氏
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エンジニアとユーザが協働し作品をつくる共生プログラミングキャンプを開催。この中で農業の課
題テーマとして、「消費者と生産者が会話できるGroup Farm」、 「シカとヒトの共生」がアップ。
● 「消費者と生産者が会話できるGroup Farm」
農業生産者と消費者をうまく結びつけ、お互いにとって有効なコミュニケーションづくりとして、
定点カメラによる生育状況の発信や生産者によるコメント、予約購入による計画的生産や安
定収入の仕組みづくりを作成、発表。
● 「シカとヒトの共生」
被害額が大きく、農林業や樹木など広範囲に甚大な被害を及ぼしている鹿対策として
低コストでシンプルなアプリの開発。
キャスト
:京都大学 情報学研究科社会情報学専攻・教授 石田氏
アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役/プロデューサー 岡本氏
慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 神成氏
Nota Inc. 代表 洛西氏
慶應義塾大学SFC研究所 上席研究員 須子氏
(株)教育測定研究所 主席研究員 吉川氏
お茶の水女子大学 特任助教 塚田氏
イソガワスタジオ株式会社 代表取締役 五十川氏
和歌山大学 システム工学部・教授 鯵坂氏 ほか
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コメンテーターに大分県副知事平野氏を招き、九州大学/NEC/NTTドコモ/富士通による農業情
報化ケーススタディ発表と意見交換。
●ケーススタディ①
九州大学大学院 農学研究院生産環境科学部門 准教授 岡安氏
九州大学知的財産本部 総合調整グループ 学術研究員 平野氏
糸島地域の農業者、JA糸島、九州大学大学院農学研究院、糸島市及び福岡県福岡農林事務所福岡普及指導
センター等が連携し、情報交換や交流を深め、知的財産や地域資源を活かして農業者ニーズと大学研究シーズ
を結びつけた共同の研究や活動、また、携帯電話等で撮った害虫の写真を自動解析するとともに2次解析では、
専門家などからコメントが可能となる。システムの研究など九州大学における取り組み事例を紹介。
●ケーススタディ②
農業生産法人 有限会社西日本農業社 代表取締役 後藤 氏
富士通株式会社 センシング企画部 山崎氏
西日本農業社におけるICT活用の実践と、富士通における
農業クラウドの取り組みについて事例紹介。
●ケーススタディ③
株式会社NTTドコモ フロンティアサービス部
フロンティアサービス 担当課長 大藪氏
家庭向け「園芸サポートサービス」の取り組みについて紹介。
●ケーススタディ④
日本電気株式会社 ネットワークソフトウェア事業本部 副事業本部長 奥屋 氏
NECの農業ICTの取り組みと事例紹介。
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サービスグリッド型農業支援システム
ベトナム
日本
コミュニケーション機能(GUI、BBS等)
農業教材/農業辞書
協力
翻訳(日英越)
採択
サービスグリッドPF
(様々な言語や知識、データベースを結ぶ基本機能)
総務省
MARD、農協等
インターネット
他地域へ展開
ベトナムNW
国内NW
農業専門家
農業従事者
子供
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今後の課題整理に向けて
<10月17日>第1回農業のIT利活用研究会
(意見交換の抜粋)
・困っていることは漠然とはたくさんある。いつもITでどうできるかを考えてい
るが、本当に困っているのは何かを考えてみる必要がある。
・農家が得すること、農家が必要に応じて採算がとれるレベルのコストで利
用できるのであれば役立つ。
・ネガティブだけではなく、ケータイによるデータ蓄積は便利で有効である。
東京本社にいても現地の状況が把握できるのは、クラウドの良い点である。
・プロ農家の勘としてやっていること、それをいかに論理回路に移せるかが
課題。太陰暦、農業カレンダーの活用、ナレッジデータベース化及びデー
タの結びつけを誰がやるのか、本当は農家なのだが。
・各作物に担当を分けている。そのため、自分のことしか分からないことがあ
る。情報共有として、言葉(状況、対処内容)+写真を使うと分かりやすい。