情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考

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情報処理教育におけるコンピュー
タ不安の再考
原田章 鳥居稔 中西通雄
(大阪大学)
研究の目的
 情報処理教育において、授業によってコン
ピュータ不安はどう変動するか?
 変動傾向は習熟度によって異なるか?
 仮説

習熟度の低い学生


操作そのものに対する不安
習熟度の高い学生

要求水準の高さに対する不安
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
2
調査対象
 大阪大学人間科学部と文学部の1年生
学部名
人間科学部
文学部
男性 女性 合計
55
85 140
56
85 141
(有効回答数)
 平成13年度「情報活用基礎」の授業
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
3
情報活用基礎
 一般情報処理教育の授業
 第1セメスタ
 1教室あたり、学生50名、教官1名、TA2名
 3教室並行授業
 学生用端末はLinux+X-Window
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
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授業スケジュール(人間科学
部)
4月
6月
習 中
熟 間
度+試
調 験
査
ア
ン
ケ
ー
ト
編成
9月
文書作成
電子メール
描画
WWW閲覧
表計算
プレゼン
Webページ作成
LaTeX
習
最
熟 終
度+試
調 験
査
再編成
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受講前アンケート
 コンピュータの利用経験(12項目)
 コンピュータ操作の習熟度自己評価(12項
目)
 コンピュータに対する態度(16項目)
 コンピュータ不安(39項目)
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
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コンピュータ不安項目
 昨年度まで用いていた全18項目
コンピュータは近寄りがたい
 コンピュータを扱うのは不安だ

+
 ACAS(平田 1990)全21項目
私は、コンピュータの前に座っただけで、とても緊張
してしまうだろう
 コンピュータを操作している人を見ると、自分も早くそ
うなりたいと思う

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不安項目の因子分析
 最尤法、プロマックス回転
 項目選択にSEFA(Kano & Harada 2000)
 18項目と21項目の両方で同様の因子構造が見ら
れた



オペレーション不安
(非)接近願望
テクノロジー不安
 平田(1990)とほぼ同様の結果
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8
オペレーション不安得点の
変動(人間科学部)
17
A
B
C
16
15
14
13
12
11
10
9
受講前
中間
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
9
オペレーション不安得点の
変動(文学部)
17
A
B
C
16
15
14
13
12
11
10
9
受講前
中間
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
10
中間試験の結果
 60
人間科学部
50
40
30
20
10
0
Class A
Class B
Class C
情報処理教育におけるコンピュータ不安の再考
11
中間試験直前の習熟度
自己評価(1)
 30
基本操作(人間科学部)
25
20
15
10
5
0
デスクトップ
キーボード
Class A
日本語入力
ファイル・フォルダ
Class
B Class C
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中間試験直前の習熟度
自己評価(2)
45アプリケーション(人間科学部)
40
35
30
25
20
15
10
5
0
ワープロ
電子メール
ドロー
Class A
ペイント
Web
表計算
Class
B Class C
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まとめ
 習熟度の高い学生群で不安が増加



試験結果は良好
自己評価も高い
「成長不安」か?
 より詳細な結論を導くには期末試験時の
データ解析が必要

現在進行中
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スケジュールの問題
 学習内容が多い

学生に負荷をかけて習熟度の差による違いを
明瞭にするのが目的
 将来はこれぐらい可能?

高等学校での必修化によって、できることは増
える?
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不安調査の実施時期
 第1回目の授業時

受講前アンケートの一環
 セメスターの中間時


人間科学部:中間試験の直前
文学部:人間科学部と同じ週
 セメスター終了時



人間科学部:期末試験の直前
文学部:授業の最終回
2学部間で1週間のずれあり
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