1 - 中原 新太郎

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Transcript 1 - 中原 新太郎

地域活性化
と観光
2010年9月23日
日本ベンチャー学会イノベーション研究部会幹事
KANSAI@CANフォーラム運営委員
IEEE Technology Management Council Japan Chapter Treasure
中原 新太郎
http://s-nakahara.com
写真は桜の上に雪が舞う
白石城、三春桜、掛川城、
久留米梅林寺
筆者撮影
序章:観光に必要なPTA
• P?
• T?
• A?
観光に必要なPTA
• Publication
• Traffic
• A?
地域だけの努力では達成不可能
観光とは?
・中小企業にとっては地域資源活用 新商品・新サービス創出
・温泉地内における共通手形の発行
健康・美容関連のツアー企画など
1.何故観光? 産業集積とイノベーションから
• 伝統産業を中核としたイノベーションに注目
燕三条の金属加工→iPod
京都発ベンチャー
富山県総合デザインセンター
• コーディネーター/プロデューサー/悉皆
• 産業集積の中核としての大学の役割
• 文化資産を活用した京都・奈良のチャレンジ
↓
観光に着目
2.観光について(2004年須田 寛氏講演@京都の内容に追記)
①観光は情報と表裏一体の関係にある。
②観光資源は情報があってこそ生きてくる。
存在や意義が知られることにより、
資源としての価値を発揮できる。
③語源は中国の「観国の光」
国の光を観る。
心を込めて観るので単なる「見る」ではない。
「地域の優れたものを見たり見せたりする」のが
元来の意味であり、 極めて重要なこととされた。
観光には「単なる物見遊山」「非生産的」
「遊びに過ぎない」という誤解もあるが、
それは間違いである。
④ブランドの大事さ
・認知度:いかに多くの人が知っているか
・浸透度:何がイメージできるか
・人気度:他と差別できるものがあるか
⑤大事なのは「悉皆(しっかい)」
・コーディネーター、プロデューサー
+最近は「コネクター」
・目利き、人脈、センス ・こだわり、えこひいき
3.地域活性化のツールとしての観光
①改めて地元の人に地元の価値を認識してもらうのが重要。
・普段近くにあるものは、あるのが当たり前であり、
その価値を見過ごしがち。
・価値認識を通じてアイデンティティーの再確立を。
②地域振興は「よそ者」「若者」「ばか者」に。
・地元の人間はしがらみが多く、動けない。
・有力者は現在の枠組みの方が居心地が良いため、
率先して変化を起こすのが難しい。
・ 「よそ者/若者/ばか者」を引き付ける道具としての観光。
・ 「よそ者/若者/ばか者」を邪魔せず見守る旦那文化を。
4. 地域活性化へのMOTの適用(1)
• 単なる事例導入では駄目
同業他社の成功例を、そのまま使用しても成功しない。
企業文化により、導入方法を変える必要。
ましてや地域は文化と資源に応じた方法が必要。
• 複数の手法の組み合わせが肝要
大学誘致、TLO設立、インキュベーション施設、
観光資源の再活性化、女性の活用、公衆無線LAN、
地域SNS、ユビキタス端末
どれか一つだけで成功する程、甘くはない。
一つのツールだけで通用するのは世界一、日本一のみ
イノベーション:新発明<既存知識体系の新結合
例:京都:観光+デジタルアーカイブ、無線LAN
三鷹:ITインフラの上にSOHO、NPO
5. 地域活性化へのMOTの適用(2)
• 「何をするか」よりも「何をしないか」が重要
新規事業成否の50%はテーマの選定による。
新商品・サービス+新規市のパラシュートは低確率。
• 絶え間ない革新、新規性の創出が肝要
仕組み・組織を作れば済むものではない。
常に意識付けすることが必要。
例:京都:夜間拝観→宿泊客の拡大
閑散期の集客
京都検定→集客の分散
テーマパーク:イベントの入れ替え
6.地域活性化とSOHO/NPO+ITの協働
• コミュニティーの中核としてのSOHO/NPO+IT
はりまスマートスクールプロジェクト(ネットディ)
• 地域を豊かにするNPO+IT
日本サスティナブル・コミュニティ・センター (無線LAN)
南房総IT推進協議会(地域イーサネット網・SNS運営)
• ITにより起業・情報発信が容易に
ユビキタス村・TV、佐渡お笑い島計画
• ITによるSOHO/NPO/コミュニティ支援
地域NPO法人活動へのアーカイブ提供とネットワーク化
(ベイ・コミュニケーションズ 、みあこネット )
• 女性が主役、今後はシニア層も流入
みたかシニアSOHO:地域ビジネスと協働
• 地域SNSの活況
兵庫県:ひょこむ、熊本県 八代市:ごろっとやっちろ
※NPO=安価な労働力と見なすのは間違い。
2007年度版中小企業白書より作成
7.地域資源活用の問題点
①観 光 型
・問題点は地域全体のまとまりをどうするか。
⇒観光地においては、1社の努力のみなら
ず地域全体の魅力を高めることが必要。
⇒地域一丸となって活性化に取り組む仕
組むつくりなどが容易ではない。
⇒温泉宿泊施設では、施設の新設や維
持・修繕に多額の設備投資が必要。
⇒事業化に伴う資金調達が困難。
8.地域ブランドのイメージとは
●こだわり・本物
⇒ 魅力的・健康的
●期待・信頼 ⇒ 無農薬・無添加
●差別化・高付加価値化
⇒ 高価
●手に入りにくい・期間・地域・数量限定 ⇒ 地域らしい手作り
●その他
2007年度版中小企業白書より作成
9.地域ブランド構築のポイント
● 地域イメージの価値の明確化
● 強み・弱みの徹底的な検証と統一的なコンセプトが必要
● 消費者のニーズを把握しながら顧客を選定し、販売方法を明確化
・卸し(百貨店、商社、スーパー等)
・直販(道の駅、物産展、アンテナ ショップ等)
・通信販売、オンラインショップ
● 価格戦略とマーケティング戦略が課題 ⇒ リピーター、口コミ
● 主体的に取り組む旗振り、キーマンがカギ ⇒ 地場の中小・ベンチャー
企業の役割
● 地域ブランドの取り組みが一過性のものではなく、成果を出していくことが大切
● 行政や商工団体等だけでなく、地域内の生産者や住民、NPO、中小・ベンチャー
企業、その他の団体、さらには地域外のものとも連携し、統一的なコンセプトのも
とで取り組むことが重要
10.今後の課題
(1)
(2)
(3)
(4)
地域の特色を生かした観光を
過去から現在、未来まで見通した観光。
産業という観点からの見直し。
広域展開←現在は市町村単位。
観光客の行動範囲に合わせて横のつながり
例:奈良の万燈会→京都五山の送り火
東海産業観光ネットワーク
(5) 国際展開: 外国人客の観光対象を発掘。
10.今後の課題
(6) 運営体制の整備。
・ 地域+団体間連携(産・官・学・NPO)
→ハブ機能の設置
・ 人材育成:コーディネーター/ディレクター
+コネクター
・ 産業活性化との連携(政府/自治体は部局が異なる)
・ 女性/シニア層の活用
・ 強い中小企業の利点・経営スタイルの導入
(大企業から見た)
①スピード感
② 異質な組み合わせの活用
③現場・市場との密着度
④志をベースとした水平ネットワーク
ITを活用した④の例:鹿児島建築市場
11.最近の取り組み
(7) ICTの活用。
・ 携帯コンテンツ
例;越中八尾 おわら風の盆
・ CATVコンテンツ
・BLOG /Twitter
・地域SNS:SNSを活性化させるのではない。
地域を活性化させるのだ(from掛川)
(8)新しい動きのWatchは必要だが流されないこと
(一過性のものも多い)
・パワースポット ・聖地巡礼
・B級グルメ
・ミシュラン
・歴女
・地産他消
実例:京都
課題は3つ
• 観光客の減少
阪神淡路大震災の後、客足止まる。
修学旅行生の減少<-韓国の方が安価
• 地域の偏在:東山・岡崎に集中
• 時期の偏在:春(桜)秋(紅葉)に集中
京都;解決編
• 観光客の減少
修学旅行で先生の苦労を低減
• 地域の偏在:大河ドラマや小説の活用
義経→鞍馬、新撰組・陰陽師→西部
• 時期の偏在:春(桜)秋(紅葉)に集中
夜間拝観・京都検定を閑散期に開催
二条城デジタルアーカイブ
以下、清水宏一氏講演資料2994年より
文化財の保存と継承
襖絵のレプリカの制作
(記録する)
(展示する)
もしかの場合への備え (バックアップ)
ミュージアムグッズの制作 (販売する)
デジタル画像の活用
(新商品開発)
⇒ 文化財の修復・管理費用の捻出
⇒ デジタルアーカイブの模範例づくり
京都の特徴的産業
 「京都」の連想
歴史、文化、寺社仏閣、舞妓、京料理、京菓子、
観光地、きもの、お茶漬け、京ことば、etc
 伝統産業
西陣織、友禅、清水焼、北山杉、酒‥
 先端産業
京セラ、任天堂、ローム、ワコール‥
 観光産業
観光地、宿泊、運輸、お土産、料理‥
 教育産業
公家、家元、大本山、大学、教材‥
 仲介産業
悉皆屋、口利き(コーディネート)‥
デジタルアーカイブの商業化
 コンテンツで儲ける
儲かるコンテンツとベンチャーを見いだす
 ディファクトスタンダードで儲ける
数の力で世界を圧倒する
 ブランディングで儲ける
質の良さ、名前の通りで圧倒する
 観光で儲ける
宣伝と仕掛けで儲ける
京都の強みを生かす!
 歴史・文化力
有名寺社、由緒、家元、ノウハウ、しつらえ、‥‥
 デザイン力
友禅、西陣織、清水焼、京菓子、京料理、‥‥
 ブランド力
京もの、京風、京あしらい、京都物語、‥‥
 コンテンツ・創作力
観光物、撮影対象、文物、人物、‥‥
ブランドの大事さ
 認知度 いかに多くの人が知っているか
 浸透度 何がイメージできるか
 人気度 他と差別できるものがあるか
 大事なのは「悉皆(しっかい)」




コーディネーター、プロデューサー
目利き、人脈、センス
こだわり、えこひいき、いけず
デジタルソムリエ
デジタルアーカイブの実績(1)
 新産業育成(商業化・産業化)
歴史文化の保存と活用、伝統的デザインの利用
 デジタルアーカイブ関連企業の隆盛
ワンビシ、セラーテム、アーテファクトリー、NHK
 地域デジタルアーカイブ全国協議会
メディアの東京集中を地域からの発信に
 文化遺伝子による地域活性化
人材育成、企業創生、地域再生
デジタルアーカイブの実績(2)
 地域インターネットの新展開
続々と生まれるiDCと地域IX
 眠れる文化資産の発掘
相続税、所得税逃れで秘匿される文化財の発掘
 デジタルアーカイブ外交
海外流出文化財、渡来文化財のデジタル提供
 コンテンツ著作権管理組織
全国にまたがるNPO、NGO、財団
デジタルアーカイブの実績(3)
 人材育成(コーディネーター養成)
教育ビジネスとデジタルアーカイビスト
 雇用(将来への投資事業 ⇒ ニューディール)
コンテンツ制作は多人数による人海戦術
 電子政府、電子自治体のツール
ハード、ソフト、コンテンツ
 危機管理の重要なアイテム
セキュリティとバックアップ、分散管理
デジタルアーカイブの新展開
 科学技術の戦略的重点化
情報通信(IT)
ライフサイエンス
環境・エネルギー
ナノテクノロジー・材料
理・工・医・薬・農の自然科学系
 理工系から人文系への展開
コンテンツ(デジタルアーカイブ)
法・経・文・教・芸の人文科学系
国家的産業戦略
 コンテンツビジネス戦略
ためる、つなぐ、いかすのビジネスモデル
 新ブランド戦略
デジタル悉皆業(ファン、有印優品、世界ブランド)
 観光立国戦略
ポータルサイト、海外宣伝、産業観光
 地域戦略
国家と地方から、地域と中央に
国家戦略プロジェクト
 知的財産戦略本部(内閣官房)
デジタル著作物( コンテンツ)の知的財産化戦略
・国際知的財産取引委員会・知的財産信託制度・知的財産高等裁判所
 文化遺産オンライン構想(総務省・文化庁)
デジタル資産活用戦略会議
文化遺産情報化推進戦略協議会
 地域文化デジタル化推進協議会(総務省)
デジタル・ミュージアム推進協議会を改組(6/13)
 国立国会図書館のデジタル化方針
「電子情報保存に係る調査研究報告書」(15/3)
国家戦略の取り込み
 観光立国戦略 (国土交通省)
インバウンドの増強、観光客5000万人構想
 産学公融合(経済産業省)
大学との連携、京都産学公連携機構
 文化芸術と科学技術の融合(文部科学省)
学術、芸術、技術(三術)の融合
 関西から文化力(文化庁)
関西マインド、関西スピリット、関西ブランド
新ブランドの創造
ブランディングの必要条件
認知度、浸透度、人気度
 京都新商標化計画
 NEOKYOTO計画、創造する伝統
 コミュニケーションビジネス
 町屋再生、無銭LAN、大学コンソーシアム
 ベンチャービジネス、第二創業
 伝統産業と先端産業の融合分野
デジタルアーカイブの実績
 コンテンツビジネス戦略
ためる、つなぐ、いかすのビジネスモデル
 新ブランド戦略
デジタル悉皆業(ファン、有印優品、世界ブランド)
 観光立国戦略
ポータルサイト、海外宣伝、産業観光
 地域戦略
国家と地方から、地域と中央に
京都デジタルアーカイブの解散
 解散総会と総括報告書の作成
平成16年3月31日
総括報告書と清算・引継ぎ
 1000日プロジェクト
常に前を見る姿勢(こころざし)
勝ち組と負け組み(新規参入)
資金・人材・組織の限界
役所の限界(公平の原則、スピード、縦割り)
 国家戦略化と京都へのこだわり
京阪奈、京阪神、京滋奈三、関西、近畿
研究センターの分割
 事業拠点を残す
京都府へのランクアップと委譲
 研究拠点を残す
(財)京都高度技術研究所への引継ぎ
 成果物(コンテンツ)を残す
(財)京都国際文化交流財団への引継ぎ
 商売(企業、儲け)を残す
ベンチャー企業の創出
観光財、地域振興財としての利用
産業観光、企業創生、地域再生のシーズ
デジタルアーカイブの必要性
 知的財産戦略と著作権管理機構
特許、実用新案、意匠、著作権、デジタル化権
 産学連携による新事業創出
自然科学・人文科学の融合、知的財産の利用
 人材育成
コーディネータ育成(クリエーター、プロデューサー)
 大学改革(独立法人化)
技術(テクノロジー)、学術(ナレッジ)、芸術(アート)の融合
デジタルアーカイブの将来
 電子政府・電子自治体のコンテンツ
国と地方から、地域と中心に(お互いに何を発信するか)
 安全保障・危機管理
分散管理(クローン)、セキュリティ
 人類・民族の文化の保全
「儲け」から、「文化」へ
 ITの進化
PDA⇒ウェアラブル⇒インティメント
デジタルアーカイブクラスター
集まれば大きな圧力 ●北海道
●青森
国を動かす力、企業を動かす魅力
●岩手
集まれば日本のポータルサイト
山形●
●宮城
●新潟
日本文化の発信、外国人観光客の誘致
石川●
ブランドの形成
●長野
岐阜●
●鳥取京都●
●島根
●愛知 ●埼玉
●岡山 ●大阪
●広島
山口●
●香川 ●三重
佐賀● ●福岡
●熊本
メイドイン・ジャパン、上質の証し
ブランドは信奉者、信者づくり
信者こそが「儲」の源泉
●沖縄
SCCJの活動(みあこねっと)
誕生
2004年 浅野令子氏講演より
1999年
2000年
2001年
視覚障害者向けインターネット講座
2002年
2003年
事業移管 視覚障害者向けパソコン講座
事業移管(販売・サポート)
音で覚えるタイピングソフトウェアの開発
「ウチコミくん」 「うちこみくん3D」
WEBアクセシビリティ講座
お宅族のすすめ
発見
いつでも、どこでも
京都研究会
第1回
エコミュニティ研究会
第2回
声で聴く新聞
「ユビキタス・ラジオ」
公衆無線インターネット「みあこネット」
miako1.0
miako2.5
第3回
毎月開催
第4回
第5回