194_213_4 - 徳島ABA研究会コミュニティ

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小学2年生自閉症児の
口を閉じて話している教師を見る行動に対する
強化スケジュールを用いた指導の効果
1
標的行動

口を閉じて話している教師を見る
2
現状のABC分析
教師の
注目(↑)
教師の話
発言をする
教室
友だちの
注目(↑)
友だちと
話す
支援学級の
友だち
担任
教師の
回答(↑)
教師の
注意(↓)
3
3
解決策のABC分析
教師の
注目なし
(-)
教師の話
教室
友だちの
注目なし
(-)
教師を見る
よくできま
したカード
(↑)
支援学級の
友だち
担任
言語賞賛
(↑)
4
4
方法
【対象】
2年生 自閉症児
( FIQ=53 ,VIQ=52,PIQ=64 )
【指導場面】
朝の会で教師が話をしている時
授業で教師が話をしている時
【教材】
よくできましたカード
ポケットモンスターのシール
5
手続き(1)
【介入1】定時隔強化スケジュール
1. 教師の話が始まると同時に「よくできましたカード」を渡す。
2. タイマーが振動するまで、口を閉じて話をしている教師を見ることができ
たら言語賞賛をし、「よくできましたカード」を渡す。
3. タイマーが振動するまでに発言をしたり友だちと話をしたりしたら「よくで
きましたカード」をもらう。
【記録】
発言をした回数+友だちと話をした回数
×100
教師が話した時間
【達成条件】
記録した数値1以下が5日間連続であらわれる
→タイマーの設定時間を15秒間のばす
【中止条件】
記録した数値1以上が3日間連続であらわれる
→タイマーの設定時間を15秒間縮める
75秒間の定時隔強化スケジュールでも達成可能
6
→カードでの強化をなくし、言語賞賛だけにする
定時隔強化スケジュール(FI)
前回の好子の出現から一定時間経過後の最初の
行動の直後に好子が出現する強化スケジュール。
(産業図書出版 行動分析学入門引用)
 本研究の場合(FI30秒とは)
• カードと言語賞賛をした後、30秒経過してから標的
行動を行った場合にカードと言語賞賛をする。

7
結果(1) 1分あたりの話した回数
(回)
ベースライン
介入1(カード+言語賞賛)
介入1(言語賞賛)
3
2.5
2
1.5
60秒
75秒
1
45秒
0.5
30秒
0
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
1 2 3
4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
記録日
1
2 3 4 5
6 7 8
8
考察(1)

•
•
•

•
•
定時隔強化スケジュールを用いた結果
タイマーを見ながらではあったが、口をとじて教師の方を見る
という行動を形成することができた。
教師の話と同時に「先生、口はとじる。」と確認するようになっ
た。
「手を上げて教師に当てられたら発言をする」という行動が身
についた。
言語賞賛のみにした結果
言語賞賛されて笑顔が見られることがあったが、話が長くなる
と行動の維持が難しかった。
口をとじていたが、友だちのほうを見て笑ったり指差したりす
る行動が見られてきた。
9
冬休み後
教師の話を静かに聞くことはできていたが、
カードを要求するようになった。
→カードを渡すことの開始
 教師の話よりタイマーを見つめることが増え
てきた。
→変時隔強化スケジュールで強化する。

10
手続き(2)
【介入2】変時隔強化スケジュール
1.
教師の話が始まると同時に「よくできましたカード」を渡す。
2.
タイマーを教師がもち、タイマーが振動するまでに口を閉じて話をしてい
る教師を見ることができたら言語賞賛をし、「よくできましたカード」を渡す。
3.
タイマーが振動するまでに発言をしたり友だちと話をしたりしたら「よくで
きましたカード」をもらう。
【記録】
発言をした回数+友だちと話をした回数
×100
1分間
【達成条件】
記録した数値1以下が5日間連続であらわれる
→タイマーの設定時間を15秒間のばす
【中止条件】
記録した数値1以上が3日間連続であらわれる
→タイマーの設定時間を15秒間縮める
11
変時隔強化スケジュール(VI)
前回の好子の出現からある時間経過後の最初の行
動の直後に好子が出現する強化スケジュール。
(産業図書出版 行動分析学入門引用)
 本研究の場合(VI30秒とは)
• カードと言語賞賛をした後、平均して30秒経過して
から標的行動を行った場合にカードと言語賞賛をす
る。

12
結果(2)1分あたりの話した回数
ベースライン
介入1(カード+言語賞賛)
言語賞賛
介入2(カード+言語賞賛)
3
2.5
2
1.5
30秒
1
60秒
45秒
0.5
14
12
10
8
6
4
2
7
5
3
1
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
9
7
5
3
1
0
13
考察(2)

•
•
•
変時隔強化スケジュールを用いた結果
タイマーを気にしなくなり、ほとんどずっと教師の方
を見ることができるようになった。
教師の話の途中、カードが欲しいと静かに手を出す
ことが何度かあった。
授業中などの指導場面以外では、友だちを見て
笑ったり指差したりする行動が見られている。
14
考察(3)
•
•
•
本研究を通して、教師が話をしている場面で
はほとんど話をしなくなっている。
担任がいない場面では、友だちと話をする行
動が見られており課題になっている。
まだ学習場面では友だちに話しかけること行
動が見られており、今回の研究の応用が可
能であるか実証してみたい。
15