Transcript PP1δ
Signal transduction of smooth muscle contraction (2)
CycLex Co., Ltd. All Rights Reserved.
Smooth muscle contraction
PKC
Active form
Inactive form
p
CPI-17
CPI-17
p
p
MLC20
Active form
Rho kinase
MBS
PP1δ
M21
MLCK
Active form
Rho kinase
p
Activate
Rho-GTP
p
MLC20
PKC
Inactive form
Activate
Ca2+
DAG
IP3
eNOS
Guanylate cyclase
Rho GAP
IP3 Receptor
NO
PLCγ
Rho-GDP
Gq
Rho GEF
CAM
Inactive form
MBS
PP1δ
M21
cGK
Ca2+
GPCR
Agonist
PIP2
Signal transduction of smooth muscle contraction (1)
CycLex Co., Ltd. All Rights Reserved.
・Noradrenaline
・Histamine
・Serotonin; 5-HT (5-hydroxytryptamine)
・Thromboxan A2 analog; U46619
・Endtherine-1
・Angiotensin II
Vasoactive substance
NO
hANP
G-coupled Receptor
BNP, CNP
2+
Ca channel
GTP
G 12/1
p
115
Inctive Form
Rho-GDP
active form
Rho-GTP
ZIP-kinase
MDCK, MRCK
Rho kinase
P T697
P S854
MBS
Myosin Phosphatase
MBS
NO
PP1δ
cGK
CNG
channel
Ca
2+
PLC
Rho GEF
Rho GEF
Arachidonic acid
SPC
M21
PDE
3
Tyrosine kinase
?
Gq
cGMP
M21
PP1δ
PIP 2
IP3
DAG
CPI-17
Inctive Form
[Ca2+]i ↑
PKC
Rho kinase
CAM・MLCK
P S19
P T38
CPI-17
Active Form
MLC 20
Inctive Form
MLC 20
Acitive Form
Actin
Inctive Form
Acitive Form
[Ca2+]i ↓
P
HSP20
P
Guanylate
cyclase
telokin
cGK
telokin
GTP
cGK
cGMP
PDE
HSP20
Smooth muscle
contraction
Smooth muscle
relaxation
Smooth muscle
contraction
血管平滑筋の収縮機構 ---RhoA/Rho kinaseを中心として
・神経伝達物質やホルモンなどの血管作動性物質は細胞膜7回貫通型G蛋白質共役型受容
体を介して作用する。
◎アゴニストの受容体結合による血管収縮の今までの流れ
アゴニストが受容体に作用
↓三量体G蛋白質Gq/11を介しPLC、Ca2+チャネルを活性化
↓活性化PLCはPIP2を加水分解し、IP3とDAGが産生し、IP3により細胞内Ca2+貯蔵
プールからの
Ca2+放出が引き起こされる
↓Ca2+チャネルの活性化により細胞内へのCa2+流入が増加
↓急激な細胞内Ca2+濃度[Ca2+]iの上昇
↓[Ca2+]iの上昇がカルモジュリン依存性ミオシン軽鎖キナーゼを介してMLC20をリン
酸化する
↓MLC20のリン酸化により、アクチンフィラメントとミオシンフィラメント間の相互作用が
可能になり、
収縮が開始する
◎アゴニストの受容体結合による血管収縮の最近の流れ
上記の流れに加え、[Ca2+]i上昇に対するMLC20リン酸化のCa2+感受性を高めることにより、
MLC20リン酸化と収縮を増強している。
この現象には、低分子量G蛋白質Rho, Rhoキナーゼが関与している。
Rho-Rhoキナーゼ-MLCホスファターゼ系によるCa2+感受性増加は、高血圧や冠動脈攣縮など
の血管の病的異常収縮との関連も示唆されている。
◎Rho-Rhoキナーゼ-MLCホスファターゼ系によるCa2+感受性の調節
・[Ca2+]を固定した状態でα1アドレナリン受容体アゴニストのフェニレフリンを加えると平滑
筋の張力がさらに増大。
G蛋白質を不活化すると、その収縮の増強が完全に抑制される。
↓
平滑筋にはG蛋白質の活性化を介した収縮の増強機構が存在することが示唆される。
このG蛋白質はRhoである
・平滑筋においてRhoは、MLC20リン酸化レベルを上昇させることにより収縮の増強を
もたらす
・MLC20リン酸化レベルは、リン酸化を触媒するMLCKと、脱リン酸化を触媒するホス
ファターゼ の活性のバランスによって決まる。
・Rhoはホスファターゼ活性を抑制することによりMLC20リン酸化レベルを上昇させる
・ミオシンフォスファターゼは130kDa触媒ユニット(PP1δ)、130kDa調節サブユニット
(MBS)、21kDa 調節サブユニット(M21)からなる。
MBSはミオシンフィラメントへの局在化に働いている。このMBSをRhoキナーゼがリ
ン酸化し、ホ スファターゼ活性が抑制される。
Rho活性化
Rho活性化に対するチロ
シンキナーゼ阻害剤(ゲニ
スタイン)の影響
Ca2+濃度と感受性
三量体G蛋白質との共役
ノルアドレナリン
○
ヒスタミン
○
セロトニン
○
抑制
抑制
抑制
トロンボキサ
ンA2アナロ
エンドセリン
グ;U46619
ー1
○
○
抑制
アンジオテン
シンⅡ
×
抑制されず
[C a2+]i上昇作用
弱いが、M LC 20
のC a2+感受性を
高めることで、強
い持続的収縮を
引き起こす。
G 13(チロシンキ G 12(チロシンキ
ナーゼ非依存性
ナーゼ依存性
R ho活性化)
R ho活性化)
[C a2+]i上昇と収
縮は一過性。
G q/11
(P LC 活性化)
◎Rho-Rhoキナーゼ-ミオシンホスファターゼ系と病態生理
・この系は血管作動性アゴニストによる生理的な血管収縮と異常血管収縮に関与している。
・Y-27632(Rhoキナーゼ阻害剤)は、高血圧症モデルラットの血圧を大きく低下させるが、正常ラッ
トの血圧は低下させなかった。
・自然発症高血圧ラット(SHR)は、対象ラットに比べて、血管組織でのMBS S854のリン酸化が亢
進していた。
・自然発症高血圧ラット(SHR)は、HA-1077(Rhoキナーゼ阻害剤)で血管の過剰収縮や中膜肥厚、
血管周囲繊維化が抑制された。
・クモ膜下出血後の脳動脈攣縮モデル動物や冠動脈攣縮モデル動物では、攣縮部位でMLC20お
よびMBSリン酸化が亢進していて、
そのリン酸化と攣縮は、Y-27632やHA-1077で抑制さ
れる。
・血管内皮損傷後の狭窄モデルとして、バルーンにより損傷した後の頚動脈に形成される新生内
膜形成部でも、MLC20およびMBSリン酸化が亢進していて、Y-27632はこれらのリン酸化および
新生内膜形成を抑制した。
↓
Rho-Rhoキナーゼ-ミオシンホスファターゼ系は、高血圧、攣縮、血管狭窄などの異常血管病変
の発症に関与していると考えられる。
↓
Rhoキナーゼ抑制薬は、上記の治療に役だつ可能性が考えられる。
◎MBSのリン酸化
・Rhoにより活性化されたRhoキナーゼがMBSのリン酸化レベルを増加させ、ミオシンホスファターゼ活性
を 抑制することが、平滑筋収縮に重要な役割をはたしている。
・しかし、刺激を受けていない弛緩状態の平滑筋細胞でもRhoキナーゼ活性は高く、MBSはかなりリン酸化
されている。
・MBSをリン酸化する内因性のキナーゼは、Rhoキナーゼ以外に、ZIP様キナーゼ、筋ジストロフィープロテ
インキナーゼ(MDPK)、MDPK-関連Cdc42結合キナーゼ(MRCK)がある。