ATFの現状 2008 / 10 / 7 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 奥木 敏行 ATFの組織と国際協力 2005年8月1日から正式にMoUに基づいて国際協力を開始した。 The Memorandum of Understanding for the ATF International Collaboration ILCに向けた世界的な設計・開発研究に最大限寄与するように、 ATF、ATF2において開発研究をおこなう国際協力の組織を定義したもの。 ICB (International Collaboration Board) TB (Technical Board) KEK Director General Three Deputies with.
Download ReportTranscript ATFの現状 2008 / 10 / 7 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 奥木 敏行 ATFの組織と国際協力 2005年8月1日から正式にMoUに基づいて国際協力を開始した。 The Memorandum of Understanding for the ATF International Collaboration ILCに向けた世界的な設計・開発研究に最大限寄与するように、 ATF、ATF2において開発研究をおこなう国際協力の組織を定義したもの。 ICB (International Collaboration Board) TB (Technical Board) KEK Director General Three Deputies with.
ATFの現状 2008 / 10 / 7 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 奥木 敏行 ATFの組織と国際協力 2005年8月1日から正式にMoUに基づいて国際協力を開始した。 The Memorandum of Understanding for the ATF International Collaboration ILCに向けた世界的な設計・開発研究に最大限寄与するように、 ATF、ATF2において開発研究をおこなう国際協力の組織を定義したもの。 ICB (International Collaboration Board) TB (Technical Board) KEK Director General Three Deputies with Sub-deputies Spokesperson SGCs (System/Group Coordinators) … Research Program A Research Program B Research Program C Research Program D … ATFの組織構成 Spokesperson J.Urakawa (KEK) for Beam Operation S.Kuroda (KEK, Deputy) T.Okugi (KEK, Sub-deputy) for Hardware Maintenance N.Terunuma (KEK, Deputy) T.Naito(KEK, Sub-deputy) for ATF2 A.Seryi (SLAC, Deputy) T.Tauchi (KEK, Sub-deputy) ICBs TBs J.Corlett (LBNL) J.Choi (PAL) J.P. Delahaye (CERN) P.Ewan (SLAC, Chair) B.Foster (Oxford) J.Gao (IHEP) M.Harrison (BNL) S.Komamiya (Univ.of Tokyo) D.Miller (UCL) T.Nakanisi (Nagoya Univ.) M.Nozaki (KEK) M.Ross (FNAL) N.Sasao (Kyoto Univ.) M.Washio (Waseda Univ.) K.Yokoya (KEK) E.Elsen(DESY, Co-chair) G.Blair (RHUL) P.Burrows (Oxford) F.Zimmermann (CERN) A.Wolski (CI, Co-chair) T.Raubenheimer (SLAC) M.Ross (FNAL) K.Yokoya (KEK) N.Toge (KEK) T.Sanuki (Univ.of Tohoku) J.Gao (IHEP) E-S.Kim (KNU) SGCs H.Weise (DESY) K.Kubo (KEK) R.Sugahara (KEK) ATF の国際協力の現状 アメリカ ヨーロッパ アジア CERN DESY LAL, Orsay Tomsk Polytechnic Univ. INFN, Frascati University College London Oxford Univ. Royal Holloway Univ. SLAC KEK LBNL Waseda U. FNAL Nagoya U. Cornell Univ. Tokyo U. Kyoto U. Hiroshima U. PAL IHEP 80 Oversea co llaborators visited ATF fo r R&D2000 Persons 70 days 60 Persons 50 40 1000 30 20 500 10 0 2005 2006 2007 2008 0 Person-days Oversea collaborators visited for R&D at ATF ( 2007 ) 23 Institutes, ~60 peoples, ~1500 people-days 1500 ATFにおける最近の研究の紹介 2008年春まで、ダンピングリング、取り出しラインで、大学、海外の研究所などとILC のための開発を中心とした多くの共同開発研究を進めてきた。 取り出しラインでの研究は、ATF2ビームラインの建設に伴い、今後は場所をATF2に 移して、引き続きおこなう予定。 XSR beam-size monitor(東大物性研, KEK) Real time beam monitor for ATF DR beam tuning X-Ray Telescope using Zone Plate at 3.2KeV magnification : 20 – Non destructive measurement – High resolution (< 1mm) – 2D direct imaging of the electron beam – Real time monitoring (< 1ms) image of 1ms exposure sx = 48.2 ± 0.5 [mm] sy = 6.4 ± 0.1 [mm] Zone plate SR X-ray beam line Cavity Compton ( 広島大学, KEK ) R&D for pol.e+ All equipments are installed into the DR on 12th Sep. 2007. The first signal was detected on 30th Jan. 2008. λ [Observed] λ [Simulated with CAIN] Used Bunch # 3.1 20 20-bunch 3.27 4.5 1-bunch DR BPM upgrade ( FNAL, SLAC, KEK ) 200nm resolution Pulsed Laser Wire R&D (RHUL, Oxford, KEK) ILC design requirement: < 1 um laser wire scanner 2007/Jan 2008/May s ~8um s ~3.8um Realize the 1 um beam size scanning in FY2008, by implementing improvements in the electron beam optics and improved laser diagnostics. FONT4 - Digital feedback for ILC ( Oxford, Daresbury, QMUL, SLAC, KEK, DESY, CERN ) (Single bunch) x 3 Train Extraction 0.2 154ns spacing 0 BPM Signal -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -1.2 -600 -400 -200 0 200 400 600 800 Time (nsec) 3 bunches, 154ns spacing nm-BPM (Cavity BPM) R&D ( SLAC, LLNL, PAL, KNU, KEK ) 2 cavity BPM triplets in the ATF Extraction line Different idea of support and position control 現在のATFでの問題 Vertical Emittance 8.0 y emittance (run B) y emittance (run D) simulation (0.4% coupling) y emittance [10-12 ] 7.0 GLC Design ATF では、約4pmの垂直方向エミッタンスを達成 したが、2006年頃から、測定されるエミッタンスの 値が20~30pmと大きな値を示しだした。 エミッタンスの値は、種々のビーム実験に影響が 大きいので、この原因追及、及び、元の低エミッ タンス化は急務である。 6.0 5.0 原因として、 4.0 Single bunch 3.0 2.0 Measured in DR 0 2 109 4 109 6 109 8 109 1 1010 bunch intensity [electrons/bunch] - オプティクスの異常 - アライメントの変化 - BPMの設置位置などの変化 などが考えられる。 計算上でのBeam Opticsのズレ 最近は下流の装置での実験が主になったため、とりあえずビームが廻る ように場当たり的な調整をしていたため、以前とOpticsがかわってしまっ た。 2008年秋のランからは、ビーム光学系を以前のものに戻して、新たに時 間をかけて調整しなおう予定。 Beam Opticsの誤差 最近のβ関数の測定では、モデルと測定値の間での不一致がみられる(特に水平方向)。 また、垂直方向のDispersion関数も、以前よりも補正できなくなってきている。 アライメントの変化 長期間の運転を経て、アライメントが崩れてきた。 特に、ATF2ビームラインの床工事に伴い、西曲線部のレベルのズレが顕著。 西曲線部 2008年10月に再アライメント を予定している。 BPMのアライメントの影響 BPMの中心と四極電磁石の中心位置がずれていると、 小さいエミッタンスへビームをtuning出来ない。 BPMの六極からのズレがカップリングを生み出 すので、エミッタンス増大に特に影響が大きい。 BH1R ( simulated by K.Kubo ) QF1R SD1R ATFダンピングリングの電磁石配置 QF2R SF1R BBA ( Beam Based Alignment ) 六極電磁石のTrim Coilを利用して、BPMと六極電磁石の磁場中心とのズレ測定の試験をおこなった。 試験の結果、BPMの位置は30mm程度の精度で測定でき、約500mm程度ずれているものもあった。 +I SD1R - I /2 - I /2 BPMs BPMs - I /2 - I /2 +I 2008年秋からの運転で、この測定を全数の六極電磁石でおこなう予定。 今後のATFでの大きな研究課題 1. Fast Kicker の開発 2. Fast Ion の研究 3. ATF2 における最終収束系の研究 - 黒田氏の発表を参照。 ATFでのFast Kickerの開発 ILCでは主リニアックでのバンチ間隔は150-300nsだが、ダンピングリングの周 長を短くするためにダンピングリング内でのバンチ間隔を短く設計されている。 ~60 trains ダンピングリングから主リニアックへのビームの取り出しに は、Fast kickerが必須のアイテムになっている。 ATFでのビーム取り出し試験 キッカーを置く空間の関係でILCと全く同じレイアウトでの試験が出来 ないので以下の方法でビーム取り出しの試験をおこなう。 現在のレイアウト 改造後のレイアウト 1. ビームがリングに溜まったら最大約4mmのバンプをたてる。 2. Stripline kickerで特定のビームを蹴り出す。 3. 蹴り出されたビームはセプタム電磁石(真空内)の軌道を通ることにより、更に大きく軌道が曲 げられ取り出される。 Stripline型 Fast Kickerの試験 ダンピングリング南直線部に Stripline キッカーを置いて、 ビームキックの試験をした。 30cmのstriplineキッカーに+/-10kVの入力電圧をかけ たとき、約0.44mradとほぼ予定通りの蹴り角が得られた。 実際の取り出し実験では、この4倍の長さの Stripline キッカーを使う予定になっている。 Local Bump試験 The pulse current control, which is synchronized with the beam injection, is required for the steering magnets of the local bump orbit to keep a stable beam condition. Striplineキッカー、Local バンプの個々のビーム実験はおこなわれ、予定通りの性能が確認された。 セプタム電磁石は現在制作中で、2009年1月に最初のビームけり出し実験を行う予定。 ATFでのFast Ion効果の測定 2004年にLaser Wireモニターでバンチ毎のプロファイルを測定することに よって、Fast Ion と思われるビームサイズ増大が測定された。 dipole 振動によるビームサイズへの影響のシ ミュレーションと実験結果は定性的に一致した。 現在の研究課題 低エミッタンスビームを再度実現して、Fast Ion効果の微細な研究を進める。 Laser Wireの測定はシングルパス測定ではなく、長時間の積算なので、ビームサイズ が大きくなったのか、dipole振動によって膨らんで見えているのかが判断できないの で、ATFで起こる Fast Ionが、どちらの影響かを調べる必要がある。 Laser Wire では、1回のプロファイル測定に約10分かかるため、不安定性の Growth Timeの測定が出来ない。 今後の研究計画 真空度バンプをつけることによって、精度の良い真空値の同定を可能にする。 Laser Wireでビームサイズを測定すると共に、バンチ毎のビームの位置を測定するこ とによって、ビームの振動とエミッタンス増大を独立に評価する。 不安定性のGrowth Timeの測定をすることにより、Fast Ion効果をより精密に調べる。 真空度バンプ生成装置(南直線部) Gas I nject-subtract-071210 Delta-P (Pa), CCG 1.2 10 -5 1 10 -5 8 10 -6 6 10 -6 4 10 -6 2 10 -6 CCG 1 CCG 2 CCG 3 CCG 4 CCG 5 CCG 0 y = 1.7802e-7 + 2.206e-7x R= 0.9985 0 0 • • • Continuous gas leak into the beam chamber. We can control the leak rate of N2 gas. Pressure range: 10-7 Pa ~10-3 Pa. 10 20 30 40 Flow Controller % 50 60 バンチ毎のビームの位置を測定 BPM の信号をOscilloscope (DPO7254, 0.1ns time resolution)で10000ターン分の軌道をメモ リーに蓄えることでビームの振動を測定できる。 2番目のバンチにのみ振動を与えたとき、1、3番 目のバンチの位置は揺れていないことが分かる。 水平方向位置 (w/o kick) 水平方向位置 (with kick) 1st bunch 2nd bunch 3rd bunch 2.8ns 間隔の3バンチのビームのBPM の一つの電極の信号 (図は拡大してあるが、実際はメモリーに1000ターン分のデータが残ってい ATFに関する現状のまとめ -ATFは2005年8月1日からMoUに基づいて、国内外の大学、研究施設と国 際 協力を進めている。これらの国際協力は今後も続けていく。 - 2006年頃からエミッタンスが小さくならないという問題が表面化し出した。 これに関しては、オプティクスの再構築、再アライメント、BBA等で対処する。 - ATFの今後の大きな研究課題として、Fast Kickerの開発、Fast Ionの研究、 ATF2ビームラインを通した最終収束系の研究がある。 BPMのゲインの変化 BPMのゲインの変化を、 Local BumpとOrbit Response Matrixの2つの 方法でビームを使って調べた。 どちらの測定でも、幾つかのBPMの著しくゲインが下がってい ることがわかったので、その結果をデータベースに反映させた。