高等学校の協同学習を対象とした グループ編成支援システムの試作 佐々木道史† 曽我和哉‡ 市川尚‡ 窪田諭‡ 阿部昭博‡ 岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科† 岩手県立大学ソフトウェア情報学部‡ IPSJ第71回全国大会 目次 1. 2. 3. 4. 5. 6. はじめに 協同学習 A高校における要求分析 システム設計 試作と評価 今後の課題 IPSJ第71回全国大会 研究背景 • 近年学校現場では, 生徒個人の考える力の 育成を重視して協同学習を実施[1][2] 例えば,PBL(Project Based Learning) • 小学校,中学校,大学と比べ,高校の協同学習 の研究事例は少ない – 学力向上の観点から協同学習の授業機会を提 供する必要がある IPSJ第71回全国大会 研究目的 • 仮説 – 学習者間の相互依存関係に着目した,グループ編成情報 の提示が効果的な協同学習の実施に繋がる • 研究目的 – 高校の協同学習のグループ編成支援を特徴とした,情報シ ステムのあり方を明確化する – 筆者が勤務するA高校でのニーズ調査をふまえ,グループ 編成機能のプロトタイプの実装と現場評価を行う IPSJ第71回全国大会 教員 協同学習の実施方法(Jacobs) 1.目的を決める 2.アクティビティを選ぶ 論理的な発言力 を育成する ジグソー 3.グループ編成を行う 学力レベル 適性レベル 協調的な団結力 を育成する STAD 性別 年齢 個人の勉強に対する 責任感を育成する 等に応じて グループ編成を行う 作家の輪 アクティビティ・協同学習で行われる活動の名称 IPSJ第71回全国大会 実施・評価 アクティビティ:ジグソーの例 Step1 異なる実験方法を行う生徒とグループを作る 実験A 実験B 実験C 実験方法が同じ生徒とグループを作り,結果をまとめる Step2 実験A Step3 実験B 実験C Step1のグループに戻り,A,B,Cの実験結果について理解を深める 効果・・・生徒間の学び合いの活性化,学習の理解の深化,論理的な発言力の育成 IPSJ第71回全国大会 グループ編成手法 項目 利点 欠点 等質グループ 個に応じた 学習成立 グループ間の 劣等感の導出 異質グループ 異分野間の 交流活発化 学習進捗の 平均化 指名法 • 代表的な編成手法:偶然法,希望法,指名法 • 協同学習におけるグループ編成 – 指名法による異質グループ編成 • 学力レベル,適性レベル,性別を考慮した編成[4] IPSJ第71回全国大会 関連システム研究:協同学習 •

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Transcript 高等学校の協同学習を対象とした グループ編成支援システムの試作 佐々木道史† 曽我和哉‡ 市川尚‡ 窪田諭‡ 阿部昭博‡ 岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科† 岩手県立大学ソフトウェア情報学部‡ IPSJ第71回全国大会 目次 1. 2. 3. 4. 5. 6. はじめに 協同学習 A高校における要求分析 システム設計 試作と評価 今後の課題 IPSJ第71回全国大会 研究背景 • 近年学校現場では, 生徒個人の考える力の 育成を重視して協同学習を実施[1][2] 例えば,PBL(Project Based Learning) • 小学校,中学校,大学と比べ,高校の協同学習 の研究事例は少ない – 学力向上の観点から協同学習の授業機会を提 供する必要がある IPSJ第71回全国大会 研究目的 • 仮説 – 学習者間の相互依存関係に着目した,グループ編成情報 の提示が効果的な協同学習の実施に繋がる • 研究目的 – 高校の協同学習のグループ編成支援を特徴とした,情報シ ステムのあり方を明確化する – 筆者が勤務するA高校でのニーズ調査をふまえ,グループ 編成機能のプロトタイプの実装と現場評価を行う IPSJ第71回全国大会 教員 協同学習の実施方法(Jacobs) 1.目的を決める 2.アクティビティを選ぶ 論理的な発言力 を育成する ジグソー 3.グループ編成を行う 学力レベル 適性レベル 協調的な団結力 を育成する STAD 性別 年齢 個人の勉強に対する 責任感を育成する 等に応じて グループ編成を行う 作家の輪 アクティビティ・協同学習で行われる活動の名称 IPSJ第71回全国大会 実施・評価 アクティビティ:ジグソーの例 Step1 異なる実験方法を行う生徒とグループを作る 実験A 実験B 実験C 実験方法が同じ生徒とグループを作り,結果をまとめる Step2 実験A Step3 実験B 実験C Step1のグループに戻り,A,B,Cの実験結果について理解を深める 効果・・・生徒間の学び合いの活性化,学習の理解の深化,論理的な発言力の育成 IPSJ第71回全国大会 グループ編成手法 項目 利点 欠点 等質グループ 個に応じた 学習成立 グループ間の 劣等感の導出 異質グループ 異分野間の 交流活発化 学習進捗の 平均化 指名法 • 代表的な編成手法:偶然法,希望法,指名法 • 協同学習におけるグループ編成 – 指名法による異質グループ編成 • 学力レベル,適性レベル,性別を考慮した編成[4] IPSJ第71回全国大会 関連システム研究:協同学習 •

高等学校の協同学習を対象とした
グループ編成支援システムの試作
佐々木道史† 曽我和哉‡ 市川尚‡ 窪田諭‡ 阿部昭博‡
岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科†
岩手県立大学ソフトウェア情報学部‡
IPSJ第71回全国大会
1
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
はじめに
協同学習
A高校における要求分析
システム設計
試作と評価
今後の課題
IPSJ第71回全国大会
2
研究背景
• 近年学校現場では, 生徒個人の考える力の
育成を重視して協同学習を実施[1][2]
例えば,PBL(Project Based Learning)
• 小学校,中学校,大学と比べ,高校の協同学習
の研究事例は少ない
– 学力向上の観点から協同学習の授業機会を提
供する必要がある
IPSJ第71回全国大会
3
研究目的
• 仮説
– 学習者間の相互依存関係に着目した,グループ編成情報
の提示が効果的な協同学習の実施に繋がる
• 研究目的
– 高校の協同学習のグループ編成支援を特徴とした,情報シ
ステムのあり方を明確化する
– 筆者が勤務するA高校でのニーズ調査をふまえ,グループ
編成機能のプロトタイプの実装と現場評価を行う
IPSJ第71回全国大会
4
教員
協同学習の実施方法(Jacobs)
1.目的を決める
2.アクティビティを選ぶ
論理的な発言力
を育成する
ジグソー
3.グループ編成を行う
学力レベル
適性レベル
協調的な団結力
を育成する
STAD
性別
年齢
個人の勉強に対する
責任感を育成する
等に応じて
グループ編成を行う
作家の輪
アクティビティ・協同学習で行われる活動の名称
IPSJ第71回全国大会
実施・評価
5
アクティビティ:ジグソーの例
Step1
異なる実験方法を行う生徒とグループを作る
1
実験A
1
1
実験B
実験C
2
2
実験方法が同じ生徒とグループを作り,結果をまとめる
Step2
1
2
実験A
Step3
2
1
2
実験B
1
2
実験C
Step1のグループに戻り,A,B,Cの実験結果について理解を深める
効果・・・生徒間の学び合いの活性化,学習の理解の深化,論理的な発言力の育成
IPSJ第71回全国大会
6
グループ編成手法
項目
利点
欠点
等質グループ
個に応じた
学習成立
グループ間の
劣等感の導出
異質グループ
異分野間の
交流活発化
学習進捗の
平均化
指名法
• 代表的な編成手法:偶然法,希望法,指名法
• 協同学習におけるグループ編成
– 指名法による異質グループ編成
• 学力レベル,適性レベル,性別を考慮した編成[4]
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7
関連システム研究:協同学習
• 授業
• グループ編成
– CSCLシステムを導入した研
究は多数報告
• 教員教育
– 協同学習を対象とした教員
教育プログラム(大黒)
– 高校「情報」のグループ学習
に関する形態と条件の検討
(西野)[6]
– 遠隔学習環境の意思決定を
効果的にするグループ形成
支援システム(埴生)
• 考察
– 高校をフィールドとした対面の協同学習のグループ編成
に着目した研究は少ない
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8
現状分析:概要
• 学校現場での調査
• 期間
– 岩手県盛岡市 A高校
– 2008/6/9~7/31
• 調査方法
– A高校教員に対するインタ
ビュー
• 調査内容
– ①現場の教育課題
– ②教務情報システム
利用状況
– ③協同学習の実践例
• 人数
– 6名に対して実施
• 数学科 4名
• 情報科 1名
• 英語科 1名
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9
現状分析:考察
• A高校の課題
• A高校における課題の解決
– 協同学習を通した授業実践
– ①教育課題
• 生徒の社会性育成,基礎学力定
着,授業の工夫
– ②教務情報システムの情報提供
• 授業改善における情報提供が行
われていない
• 考察
– ①協同学習の利点を理解し
てもらう情報システムの導入
– ②相互依存関係が期待され
– ③協同学習実践
• 単純なグループ編成では個を埋
没するグループが出来る
るグループ編成情報の提示
IPSJ第71回全国大会
10
システム設計方針
• 類似システム
– 協同学習の理論と実践の習得を支援するシステム
– 方針1 協同学習の条件の選択によるアクティビティ
検索及び情報提示
– 方針2 協同学習における効果的なグループ編成の
提示
– 方針3 協同学習を実施する際の複数のグループ
登録,管理
– 方針4 協同学習の指導案,授業資料の登録,管理
IPSJ第71回全国大会
11
学習情報
教員
システム概念図
教員入力情報
教員入力情報
(人数,クラス)
サーバー
アクティビティ
検索部
グループ編成部
WEB
グループ管理部
アクティビティ
情報
Webブラウザ
グループ
編成結果
指導案情報
グループ編成情報
IPSJ第71回全国大会
指導案
DB
アクティ
ビティ
DB
目的
DB
生徒
DB
教科
DB
12
試作システム概要
• 高校の協同学習におけるグループ編成を支援するシステム
を開発
– 「ジャンル検索機能」と「グループ編成機能」を中心に開発
• アクティビティ
– 目的別に全54項目が閲覧可能
• 開発環境
– OS Linux
– Webサーバ Apache
– データベース MySQL
– 開発言語 PHP
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13
システム利用手順(1)
ジャンル検索機能
グループ編成目的選択画面
アクティビティ情報表示画面
教員
①指導目的を
具体化する
②アクティビティを
決定する
IPSJ第71回全国大会
14
システム利用手順(2)
グループ編成機能
グループ編成画面
グループ編成表示画面
④生徒を
グループに
割り振る
③グループの
大きさを決める
教員
IPSJ第71回全国大会
15
異質グループ編成アルゴリズム
• Jacobsのグループ編成手法[4]
を参考に実装
• 編成アルゴリズム
– ①学力レベルと適性レベルを加算
して平均値を求める
– ②生徒をソートしてグループに割り
当てる
(参考文献:協同学習の基本原則とテクニック)
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アクティビティと適性レベルの重み付け
レベル
アクティビティ
学力
外因性
協調性
リーダー性
○
ジグソー
○
○
STAD
○
○
作家の輪
○
○
○
• 学力レベル - 定期テスト(数学)の点数
• 適性レベル - やる気の好感度アンケートの点数
• 適性レベルの取得方法
– やる気の好感度アンケート
(石桁)[7]
– 生徒の性格を5つの因子で
数値化
• 対象者
– A高校 計155名に実施
• 1年生 3クラス(120名)
• 2年生 1クラス(35名)
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17
プロトタイプ評価
• 1次評価
– 期間:2008年10月17日
~20日
• 2次評価
– 期間:2009年1月26~
27日
• 対象者
– 6名: A高校教員
– グループ編成を実施し
た生徒を知る教員は3名
• 目的
– システムの有用性調査
– アルゴリズムの妥当性
を確認する
• 方法
– 職員室に設置されたPC
のWebブラウザ上で,
ジャンル検索機能とグ
ループ編成機能を利用
してコメントをもらう
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18
評価結果
•有用性:6名中5名から高評価
•妥当性:3名中3名から肯定的意見
利用場面
人数
妥当性に関するコメント
人数
数学の授業のグループ学習
1名
研究授業
1名
グループにはリーダー候補が選ばれ 1名
ている
修学旅行での班構成
1名
高校のグループ編成全般
1名
小学校,中学校のグループ学習
2名
学力差の少ないグループ編成だと感 2名
じる
リーダーには教員の代役としての役
割が期待される
1名
• 考察
– A高校を対象とした,グループ編成支援システムの具体的
な利用場面が明確化した
– グループ編成結果が,授業において一定の利用価値があ
る点が明らかになった
IPSJ第71回全国大会
19
まとめ
• A高校をフィールドに, 効果的なグループ編成
支援システムの試作と現場評価を行った
• グループ編成情報が,A高校での効果的な協
同学習の実施に繋がる点が明らかになった
• 今後の課題
– グループ編成アルゴリズムの修正
– 授業実践を通じた教育効果の検証
– 高校以外の教育機関でのグループ編成支援シス
テムの適用可能性の調査
IPSJ第71回全国大会
20
参考文献
• [1]文部科学省科学技術・学術審議会基本計画特別委員会:第3
期科学技術基本計画の重要政策 (2005).
• [2] 文部科学省: 新時代に対応した高校教育改革推進事業実施
要項 (2007).
• [3]沼野一男:教育の方法と技術,玉川大学出版部(1986)
• [4] George M. Jacobs: 先生のためのアイディアブック-協同学習
の基本原則とテクニック-,ナカニシヤ出版 (2005).
• [5] 亀田達也:合議の知を求めて-グループの意思決定,共立出
版 (2000).
• [6] David W. Johnson: 学習の輪―アメリカの協同学習入門, 二
瓶社 (1998).
• [7] 西野和典,西端律子,石桁正士:情報教育においてグループ
学習を効果的に成立させる形態と条件の検討: 日本教育情報シ
ステム学会論文誌, Vol.10, No.4,pp. 21-32 (1995).
• [8]石桁正士:「やる気」の管理学,講談社(1988).
IPSJ第71回全国大会
21
ご清聴ありがとうございました
IPSJ第71回全国大会
22
IPSJ第71回全国大会
23
適性レベル
• 適性レベルの取得方法
– やる気の好感度アン
ケート(石桁ら)
内因性
– 1人の生徒に関して各項 外因性
目が0~100点まで数値
化
協調性
• 対象
リーダー性
– A高校 計135名
やる気の
高感度
– 1年生 3クラス
IPSJ第71回全国大会
– 2年生 1クラス 実施
利点
欠点
1.ねばり強い
2.持続的
3.マイペース型
1.自己中心的な
所がある
1.環境への適応度
が高い
2.柔軟に仕事が
出来る
1.ムードに弱い
2.人の行動に
左右されやすい
1.共同的に仕事が
出来る
2.周りに歩調を
合わせられる
※明記なし
1.自ら率先的に
能動的に仕事が
出来る
※明記なし
1.やる気と言う言葉
(雰囲気)が好きで
ある
※明記なし
24
プロトタイプ評価:1次評価
• 1次評価
– 期間:2008年10月17日~
20日
– 対象者:A高校教員6名
• 生徒を知る教員は3名
• 目的
•
• 評価結果
– 有用性:
• 6人中5名から好意的な意
見
– 妥当性
• 3名中3名から肯定的な意
見
– システムの有用性
• 改善点
– アルゴリズムの妥当性を確認する
– 目的選択数の削減, 目的名称
の修正
– アクティビティ情報の追加
評価方法
– 適性データの修正
– グループ編成機能の画面表示の
キャプチャ画像を閲覧してコメント
– インターフェースの改良
をもらう
– 評価手法の修正
IPSJ第71回全国大会
25
A高校における教育課題
• A高校の教育課題
– 教員から寄せられたコメ
ント(約40件)を関連する
ものを集め,結果として5
項目に分類(右図)
• 考察
– 協同学習による課題解決
が可能と考えた
10%
5%
29%
28%
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28%
生徒の社会性育成 授業運営の工夫
生徒の基礎学力定着 授業の共通目標設定
授業資料の共有
26
教務情報システム利用について
• A高校教務情報システムの利用形態
– 生徒個人情報の入力
– 生徒関連書類(例:調査書等)印刷
• 考察
– A高校で導入されている情報システムは,授業改
善における情報提供がなされていない
– 開発システムとの連携の必要性も確認
IPSJ第71回全国大会
27
A高校における協同学習の調査
• 授業での協同学習の実践に関するインタビュー
– 6人中4人の教員 経験あり
– グループ編成手法
• 偶然法(座席番号順)
• 希望法(生徒の希望による仲良しグループ編成)
• A高校における協同学習の課題
– 単純なグループ編成しか適用していない
– 個を埋没する可能性が高いグループの形成
• リーダーへ全権一極集中のグループ
– カリキュラム進度の遅延
IPSJ第71回全国大会
28
評価結果
•有用性:6名中5名から高評価
•妥当性:3名中3名から肯定的意見
利用場面
人数
妥当性に関するコメント
人数
数学の授業のグループ学習
1名
研究授業
1名
グループにはリーダー候補が選ばれ 1名
ている
修学旅行での班構成
1名
高校のグループ編成全般
1名
小学校,中学校のグループ学習
2名
学力差の少ないグループ編成だと感 2名
じる
リーダーには教員の代役としての役
割が期待される
1名
• 考察
– A高校でのグループ編成支援システムの一定の導入可
能性が示唆された
– グループ編成結果が授業において一定の利用価値があ
る点が明らかになった
IPSJ第71回全国大会
29
システム設計方針
• 類似システム
– 協同学習の理論と実践の習得を支援するシステム
課題
教員が普段の授業で利用可能な
アクティビティ情報の提示
• 協同学習のアクティビティ検索及び情
報提示
複数パラメータによる効果的な学
習者グループ編成情報の提示
• 協同学習を対象とした効果的な異質
グループ編成の提示
グループ情報の登録,管理
• 複数のグループ情報の登録,管理
指導案,授業資料のアーカイブ化
• 指導案,授業資料の登録,管理
IPSJ第71回全国大会
30
アクティビティ:ジグソーの例
Step1
異なる実験方法を行う生徒とグループを作る
1
実験A
1
1
実験B
実験C
2
2
実験方法が同じ生徒とグループを作り,結果をまとめる
Step2
1
2
実験A
Step3
2
1
2
実験B
1
2
実験C
Step1のグループに戻り,A,B,Cの実験結果について理解を深める
効果・・・生徒間の学び合いの活性化,学習の理解の深化,論理的な発言力の育成
IPSJ第71回全国大会
31
プロトタイプ利用手順(1)
• 目的選択画面
– 協同学習の3つの目的から選択可能
• 生徒の社会性の育成の観点を重視
– グループ編成の目的に応じて実施可能なアク
ティビティ情報の対応付けられている
教員
①指導目的を
具体化する
IPSJ第71回全国大会
32
プロトタイプ利用手順(2)
• アクティビティ情報画面
– 目的に応じたアクティビティ情報が閲覧可能
教員
②アクティビティを
決定する
IPSJ第71回全国大会
33
プロトタイプ利用手順(3)
• グループ編成画面
– A高校の3クラスを協同学習グループに編成
– グループ編成人数は最小4人から最大10人まで
可能
③グループの
大きさを決める
教員
IPSJ第71回全国大会
34
プロトタイプ利用手順(4)
• グループ編成表示画面
教員
④生徒を
グループに
割り振る
IPSJ第71回全国大会
35
要求分析のまとめ
• A高校における教育課題の解決
– 協同学習を通した授業実践が課題解決に繋がるの
ではないか
• A高校における協同学習実践の留意点
– 教員に協同学習の目的,利点を理解してもらう情報
システムの導入
– 協同学習は手法のみを導入しても生徒間の相互作
用は有意に生起しないため,授業で使える効果的な
グループ編成の提示を行う
IPSJ第71回全国大会
36
今後の課題
• グループ学習自体の効果をどうするか
– 今後の大きな課題である。
• 学期の初めで行うならば分かるが,アンケートは時期的な問
題も含んでいるのではないか
– 4月の段階でのアンケートを通年で利用することも考えられる
– 理想は前期、後期での変わり目で再度アンケートを行う方法
– 学力レベルのみでのグループ編成も考える
• グループ編成自体の教育効果を明らかにする点が必要であ
ろう
• システムのうりを追加する(いかなるグループ編成なのか)
IPSJ第71回全国大会
37
• Clgs URL
– http://whitebox.si.soft.iwatepu.ac.jp/~g231f006/clgs/main.php
– http://whitebox.si.soft.iwatepu.ac.jp/~g231f006/clgs/index.php
IPSJ第71回全国大会
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プロトタイプ評価結果
• 有用性に関するコメント
– 好意的な意見が得られた
• 教務システムに無い機能なので利用してみたい
• アクティビティは事例を見たい
• 選択出来る目的数を増加してほしい
• グループ編成の妥当性に関するコメント
– 教員から相互作用が期待出来るとの意見を得た
• 他教科の先生にインタビューをする必要もある
授業での利用を通じたグループ編成の教育効果の検証を行う必要性が示唆された
39
IPSJ第71回全国大会
プロトタイプ評価
• プロトタイプ評価
– 実施日:2008年10月6日
– 場所:A高校
– 対象:教員6名
• グループ編成
– 「論理的な発言力」「協調的な団結力」「学習に対する責
任感」 の3つの目的でグループ編成を行った
• 評価項目
– システムの有用性
– グループ編成の妥当性
IPSJ第71回全国大会
40
• 1.学会発表
業績一覧
佐々木道史,曽我和哉,市川尚,窪田諭,阿部昭博 「高校の協同学習を対
象としたグループ編成支援システムの提案」:情報処理学会 情報システムと
社会環境研究発表会(第106回研究会)
• 2.学会発表(予定)
佐々木道史,曽我和哉,市川尚,窪田諭,阿部昭博 「高校の協同学習を対
象としたグループ編成支援システムの試作 」:第71回情報処理学会全国大会
• 3.PBL
「野外での人間活動を支援するウェアラブルシステム」(2007年度PBL実施)
– 米田信之 2312007018 岩永寛史 2312007002
佐々木道史 2312007006 高橋剛史 0312005096
• 4.SPA
「高校における授業改善を目的とした情報システムに対する要求分析」
(2008年度SPA実施) 佐々木道史 2312007006
IPSJ第71回全国大会
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