平成21年度八代市教育研究所「年頭研修会」 資料 支援を必要としている子どもへの 効果的な手だてをさぐる 特別支援教育研究部会 ばんぺいゆ 1 主題設定の理由 特別支援教育アンケートより 児童への対応で困ったこと (小学校) (平成17年度実施) 生徒への対応で困ったこと (中学校) 研究主題 支援を必要としている子どもへの 効果的な手だてをさぐる 2 研究の仮説 仮説1 仮説2 児童生徒の実態把握 校内支援体制の整備 その実態に応じた手だて 他の機関との連携 児童生徒の力を伸ばす 効果的な手だて 3 研究構想図 支援を必要としている子どもへの効果的な手だてをさぐる 仮説1 実践研修 特別支援教育 ワークショップ の開催 ①児童生徒の実態把握 中学校区ごとの ②支援の実際 ネットワーク活用 仮説2 ③校内支援体制 ④関係機関との連携 特別支援教育に関する意識調査(アンケート) 4 実際の取組 (1)学級集団作りを通して ~通常学級の担任と 特別支援学級担任との協働~ ①児童の実態把握 ア 通常学級担任と 特別支援学級担任で実態を把握 ・授業中の行動観察 離席の頻度 課題への集中時間 姿勢の保持の様子 課題へ取り組むまでの表情の変化 こだわりの中身 等 ・授業中以外(休み時間等)の行動観察 何に興味・関心があるか お気に入りの場所はどこか 誰と過ごしているか 気持ちの切り替えはスムーズか 等 *授業中にすぐ相談し、その場その場で 対応の仕方を決める (待つ/促す 声を掛ける/計画的に無視する 課題の量 を減らす/発展的な課題を付加する) *対応した結果をみて、有効な手だてで あったか、他の方法はないか再び話し合う (授業後 休み時間 放課後) イ 就学前の情報や保護者との面談を通して特性の理解 ○就学前に相談に行った専門機関からの情報提供書 ○家庭訪問 ○授業参観後懇談 ○来校時 ・保護者と共通理解ができ、特別な手だてが可能になった ・保護者同席で、個別の教育支援計画を作成した ・保護者が理解を深め、専門機関と連携するようになった *いずれの場合も、二人で同じ話を聞く ようにする (一方が対応した時は後日情報を共有する) ②支援の実際 (相手を尊重する気持ちを大事に) ア.

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平成21年度八代市教育研究所「年頭研修会」 資料
支援を必要としている子どもへの
効果的な手だてをさぐる
特別支援教育研究部会
ばんぺいゆ
1 主題設定の理由
特別支援教育アンケートより
児童への対応で困ったこと
(小学校)
(平成17年度実施)
生徒への対応で困ったこと
(中学校)
研究主題
支援を必要としている子どもへの
効果的な手だてをさぐる
2 研究の仮説
仮説1
仮説2
児童生徒の実態把握
校内支援体制の整備
その実態に応じた手だて
他の機関との連携
児童生徒の力を伸ばす
効果的な手だて
3 研究構想図
支援を必要としている子どもへの効果的な手だてをさぐる
仮説1
実践研修
特別支援教育
ワークショップ
の開催
①児童生徒の実態把握
中学校区ごとの
②支援の実際
ネットワーク活用
仮説2
③校内支援体制
④関係機関との連携
特別支援教育に関する意識調査(アンケート)
4 実際の取組
(1)学級集団作りを通して
~通常学級の担任と
特別支援学級担任との協働~
①児童の実態把握
ア 通常学級担任と 特別支援学級担任で実態を把握
・授業中の行動観察
離席の頻度 課題への集中時間 姿勢の保持の様子
課題へ取り組むまでの表情の変化 こだわりの中身 等
・授業中以外(休み時間等)の行動観察
何に興味・関心があるか お気に入りの場所はどこか
誰と過ごしているか 気持ちの切り替えはスムーズか 等
*授業中にすぐ相談し、その場その場で
対応の仕方を決める
(待つ/促す 声を掛ける/計画的に無視する 課題の量
を減らす/発展的な課題を付加する)
*対応した結果をみて、有効な手だてで
あったか、他の方法はないか再び話し合う
(授業後 休み時間 放課後)
イ 就学前の情報や保護者との面談を通して特性の理解
○就学前に相談に行った専門機関からの情報提供書
○家庭訪問
○授業参観後懇談
○来校時
・保護者と共通理解ができ、特別な手だてが可能になった
・保護者同席で、個別の教育支援計画を作成した
・保護者が理解を深め、専門機関と連携するようになった
*いずれの場合も、二人で同じ話を聞く
ようにする
(一方が対応した時は後日情報を共有する)
②支援の実際
(相手を尊重する気持ちを大事に)
ア 具体的な手だての提案
イ 個人への支援と共に、学級全体への支援
・特別支援学級担任としての専門的立場から
離席の頻度
・・・課題の内容検討
課題への集中時間 ・・・タイムタイマーの活用
姿勢の保持の様子 ・・・クラス全体の約束事
課題へ取り組むまでの表情の変化・・・
興味を示す瞬間の声掛け
こだわりの中身等 ・・・ 気持ちの切り換えが可能か
*リマインダー、コミック会話、認知行動療法等の活用
視覚的支援で 声の大き さ に気づく
視覚的支援で声の大きさに気づく
声のも のさ し
姿勢の保持
子どもに分かり
やすい言葉
掃除の上達
掃いた後は
ここへ
時間の管理
教室内の時計
と比べながら
自習の時
分かりやすい
進め方の提示
コースの選択
学習進度のモ
ニター
名前の磁石を
動かす
授業の予告
今日の音楽でど
んなことをするか
移動前に予告
今日の式で何
が行われるか
特性に合わ
せて
役割は先生の
助手
対応の工夫
いつまでに
何を
どのくらい
この状態で終わり
終わったら 何をする
目
に
見
え
る
よ
う
に
示
す
③校内の支援体制
校内委員会での情報交換や特別支援教育支援員の
活用
○各学年毎に、学年コーディネーターを配置
○優先順位を検討し、特別支援教育支援員2名を活用
・個別に対応が可能になった(集中できる別室で)
・同じ教室内で個別に課題を進めた
・保護者が理解を深め、専門機関と連携するようになった
ある子どもに支援していることが
他の子どもの支援にもなっている
通常学級の担任の気づき
(2)不登校児童への支援を通して
~八代市立八竜小学校の実践~
①児童の実態把
握
ア 専門機関での検査
結果を通して本人の特
性を理解する
イ 本人の好きなことや
得意なことを聞いたり、
難しいと感じていること
を聞いたりする
オカヤドカリ
②支援の実際
ア 本人の特性に合わ
せた居場所つくりを
する
イ 本人の実態に応じ
たスモールステップ
づくりをする
< ○○さんのステップ・ステップ表>
平成19年11月30日作成
段階
課
題
評
価
1 学校の先生と話ができる。
19年9/14
2 「すぎの子教室」で1時間程度の活動ができる。
10/24
3 他の人(くま川教室など)と活動ができる。
11/20
4 「すぎの子教室」で2時間程度の活動ができる。
5
6 「すぎの子教室」以外の教室に行ける。
7
8 「すぎの子教室」で5年生と話をすることができる。
9
10
11 学校に週3回は、来ることができる。
12
13
14 週2回は、午前中に学校に来ることができる。
15
16
17 午前中来て、給食を食べることができる。
18
19
20 週に3日決められた時間に登校できる。
21
22 6年生と共に活動ができる。
23
24
25 修学旅行の学習を6年生と一緒にできる。
26
27 修学旅行に行くことができる。
28
29 掃除や昼休みを6年生と一緒にできる。
30
31 朝、みんなと同じ時間に登校することができる。
32 帰りは、バスでみんなと一緒に帰ることができる。
33
34 ○○さんの6年生の卒業式にはみんなと卒業式に出ること
ができる。
☆目標を持って、いっしょに進んで行きましょう!
< ○○さんのステップ・ステップ表>
平成21年2月26日更新
段階
課
題
評
価
1 学校の先生と話ができる。
19年9/14
2 「すぎの子教室」で1時間程度の活動ができる。
10/24
3 他の人(くま川教室など)と活動ができる。
11/20
4 「すぎの子教室」で2時間程度の活動ができる。
12/7
5 「すぎの子教室」で学習課題ができる。
20年1/28
6 「すぎの子教室」以外の教室に行ける。
2/5
7 「すぎの子教室」に午前中来て、学習をすることができる 。
2/7
8 「すぎの子教室」で5年生と話をすることができる。
2/12
9
10 新しい担任と話をすることができる。
4/8
11 学校に週3回は、来ることができる。
○
12
(*3学期は行事が多くて、3回を確保することが
13
できなかった。
)
14 週2回は、午前中に学校に来ることができる。
○
15
16
17 午前中来て、給食を食べることができる。
3/10
18
*5年生数名とすぎの子教室で食べる。
○
19
*途中で止める
20 週に3日決められた時間に登校できる。
○
21 給食を食べることができる。
○
22 6年生と共に活動ができる。
○
23 運動会当日、本部テントで見学することができる。
9/28
24 6年生の教室で1時間過ごすことができる。
10/1
25 修学旅行の学習を6年生と一緒にできる。
○
26 週に4日決めた時間に登校できる。
○
27 修学旅行に行くことができる。
10/23
28 6年生と給食までの時間、一緒に過ごすことができる。
○
29 掃除や昼休みを6年生と一緒にできる。
○
30 帰りは、バスでみんなと一緒に帰ることができる。
12/12
31 朝、みんなと同じ時間に登校することができる。
○
32 朝から一日6年生と同じに過ごすことができる。
○
33
34 ○○さんの6年生の卒業式にはみんなと卒業式に出ること
ができる。
☆目標を持って、いっしょに進んで行きましょう!
③校内での支援体制
ア 役割分担とチームでの支援
○校長・・・児童への支援、保護者相談、
他機関への連絡・調整
○担任・・・保護者連絡、児童との関わり
学級児童への対応
○養護教諭・・・児童への関わり
○特別支援教育コーディネーター・・・
児童への支援、保護者対応、専門機関との連携
など
<支援計画シート>№1
1
児童の様子
事前にわかることは記録をしておく。
ケース会議の中では、あまり児童の
現状に時間をかけない。
2
児童名 (
)
支援計画
<学級担任として>
作成日
3
平成20年5月14日
目標
<一年間の目標>
学校として本人にどんなこと
をさせたいか、達成可能な目
標を考える。
<校長として>
それぞれができることを考え
てくる。できるだけ具体的な
ことを考える。やることを共
通理解する。ケース会議に参
加する人だけ、記入する。家
庭へお願いすることなどは、
誰が連絡するかでその担当者
の所に書く。次の会の時にや
れたかの確認をする。
<養護教諭として>
<特別支援教育コーディネーターとして>
<本人の願い・目標>
できるだけ、本人と話し合い
ながら、本人に考えさせる。
<保護者として>
*毎回全部の欄を埋める分けではありませ
ん。学期初め(目標つくり)や終わり(評
価)に使います。
*この形に慣れてもらうと、シートを使わな
「 自分のできること 」
いケース会議の時にも 、
を考えてもらうことが 、スムーズになります 。
④他機関との連携
個別の移行支援計画
八竜小学校
児童氏名(
)
平成
年
月
<保護者氏名及び連絡先>
<家族構成>
<児童の様子及び支援の実際>
健
康
面
ア スクールカウンセラー
等を活用して、本人や
保護者の相談会をする
イ 中学校と連携した移行
支援を行う
日生まれ
*支援や配慮を要する項目のみ記入する
情
関緒
係・
等対
人
こ多
だ動
わ・
り衝
等動
認
学知
習・
面
運
作動
業・
面
本
人
願の
い
保
の護
願者
い
相
談
歴
と専
の門
連機
携関
<同意書>
貴校で作成した(馬場 詠里)の個別の移行支援計画を(八代市立坂本中学校)へ
引き継ぐことに同意します。
平成
年
月
日
八竜小学校 校長
様
(
)印
(3)アンケートの実施
○平成17年度のアンケートを受けて本研究主
題を設定したので、その検証として、
平成21年1月に八代市の小中特別支援学校
の職員を対象に再度アンケートを実施した。
○3年間の意識変化が比較できるように質問項
目をほぼ同じ内容にした。
アンケートの質問項目
○配慮の必要な児童生徒がいますか?
○児童生徒の対応で困ったことは何ですか?
○どのように対応しましたか?
○今後、校内でどのような対応を望みますか?
○特別支援教育に関する研修はどのような内容を
望みますか?
○どのような対応の研修を望みますか?
5 結果と考察
(1)【仮説1】について
○スモールステップの
目標を設定し、成果
を実感しながら実践
することができた
○実態把握を十分し
たことで、児童理解
が深まり、手だてが
より効果的になった
(日)
(2)【仮説2】について
○ケース会議等を行い、支援の成果や課題を
確認し合ったことで職員の意識が高まった
本年度は学年の特別支援教育コーディネー
ターとして、学年全体へ昨年度の取組を広げ
ている
○保護者を交えて情報を共有したことで、中学
校への移行がスムーズにできた
(3)アンケートの結果より
どのように対応しましたか?
人
人
117
120
100
120
100
87
80
70
80
H17
60
40
40
H20
H17
60
43
H20
33
40
20
20
0
0
支援体制 専門機関
小学校
17
19
支援体制 専門機関
中学校
児童生徒に対応するなかで困ったことは
ありませんか?(複数回答可)
支援上、教師が困ったこと
人
人
103 101
100
100
80
80
60
H17
H20
40
60
43
20
0
0
小学校
H17
H20
40
20
友だち関係
72
友だち関係
中学校
6 今後の方向性
・特別支援教育ワークショップの輪を広げる
2,4,6月開催
実践報告、教育課程の編成、通常学級におけ
る取組
・中学校区単位のネットワークを生かした取
組 の推進
特別支援教育の進捗状況において学校間の
差をなくす取組
特別支援教育総合推進事業に伴う拠点校制度の導入
ブロック毎にコーディネーター会議
拠点校のリーダーコーディネーター
日奈久中・二見中
学校区
小学校
泉中、東陽中学校区
幼稚園・保育園
五中・坂本中
学校区
鏡中・千丁中
学校区
巡回相談員
三中・六中
学校区
二中・八中
学校区
一中学校区
四中・七中
学校区
平成21年度 特別支援教育研究部会
指導委員
重本 公茂(八代養護)
部
高橋 佳奈子(松高小)
嶋田 聖子(植柳小)
村山 紀美子(鏡 小)
桑原 俊夫(二見小)
藤原
荒木 博幸(二見中)
員
棋聖(第三中)