デジタル式運行記録計を用いたエコドライブ推進に関する事例研究

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Transcript デジタル式運行記録計を用いたエコドライブ推進に関する事例研究

デジタル式運行記録計を用いた
エコドライブ推進に関する事例研究
流通情報工学課程
2003734 野尻春喜
指導教官 鶴田三郎
黒川久幸
1
エコドライブの必要性
地球温暖化問題
エコドライブへの期待
□ 環境負荷削減効果
□ 省エネ効果
京都議定書
改正省エネ法
エコドライブ普及委員会
の発足
エコドライブ普及・促進
アクションプランの作成
2
エコドライブの具体的手法・効果
1年間の CO2換算 ガソリン
節約量 (kg・CO2) 節約額
(L)
(円)*2
*1
エコドライブ項目
余分な荷物を減らす
(約10kg)
2.5
6
301
タイヤの空気圧を適正にする
23
54
2,760
暖機運転をやめる
(1日4分間)
急発進・急減速をやめる
(1日それぞれ10回)
なるべく等速運転をする
(1年間で1000km走行)
経済速度で走る
(1年間で1000km走行)
エンジンブレーキを効果的に使う
(1日1分間)
アイドリングストップ
(1日10分間)
合計
21
50
2,520
51
120
6,121
2.2
5
264
11
26
1,320
5
12
600
58
166.7
137
393
6,961
20,847
出所)(財)省エネルギーセンター資料を一部改変
3
デジタル式運行記録計を用いたEMSとは
エコドライブの更なる
普及・促進が必要
デジタコを用いたEMSの導入
(エコドライブ管理システム)
4
出典)国土交通省
デジタコの今後の市場予測
約8倍!
[
販
売
予
測
台
数
台
]
販売年度[年]
出典)高度技術集約型産業等平成17年度開
発調査報告書
5
デジタコの問題点
デジタコを用いた
エコドライブの評価基準が明確
でない
デジタコによって記録できる
項目が異なる
エコドライブが行われているか
どうかが分からない
使用するデジタコによって
エコドライブの評価の方法が異なる
ドライバーに対する
適切な運転評価・指導が行えない
使用するデジタコによって
エコドライブ推進方法が異なる
6
検討①
研究目的
デジタコを用いたエコドライブの視点から視た
運転評価の妥当性に関する検討・考察
検討②
目的①
デジタコを用いた
エコドライブの視点から視た運転評価基準
に関する提言を行う
デジタコを用いた
エコドライブに影響を与えている項目
に関する検討・考察
目的②
デジタコを用いた
エコドライブ推進における提言を行う
7
本研究で使用する乗務日報について
物流企業A社から提供していただいたB社製
デジタコの乗務日報
トラック53台(4t冷凍車、共同配送便)
各1か月分(2006年7月1日~7月31日)
トラックに乗車するドライバーは同一
東京17台、北海道9台、九州7台、大坂20台
8
検討手順
乗務日報の
数値集計
(データ作成)
乗務日報から得られた各記録項目の値
の抽出
乗務日報から得られた各記録項目の値
の集計
各記録項目間の相関関係の確認
相関分析
無相関検定による相関係数の有意性
の確認
回帰式の算出
回帰直線・回帰係数の有意性の確認
単回帰分析
相関関係の確認
考察
9
各記録項目の抽出
乗務日報から抽出した記録項目
抽出した記録項目より算出した項目
 地域(東京、北海道、九州、大阪)
アイドリング時間
 車番
 走行距離 [単位:km]
 燃料消費量 [単位:l]
 燃費 [単位:km/l]
急発進回数
走行距離
 配送数量
[単位:c/s]
 一般道走行時間 [単位:分]
 高速道走行時間 [単位:分]
 積み込み時間 [単位:分]
急加速回数
燃料消費量
 荷卸し時間 [単位:分]
 停車時間 [単位:分]
 アイドリング時間 [単位:分]
 納品件数
[単位:件]
各種作業時間
急減速回数
 急発進回数 [単位:回]
 急加速回数 [単位:回]
 急減速回数 [単位:回]

エンジン回転オーバー [単位:回]
エンジン回転オーバー
 日報評価点 [単位:点]





総走行時間 [単位:分]
1kmあたりの
高速道利用割合 [単位:%]
待機・休憩時間
[単位:分]
アイドリング時間
エンジンOFF時間 [単位:分]
1kmあたりのアイドリング時間 [単位:分
/km]
 納品先1件あたりの走行距離 [単位:km/
件]
 危険運転回数 [単位:回]
エコドライブの評価を行うのに
 平均速度 [単位:km/h]
適した項目が少ない
危険運転回数
ドライバーの努力によって値が増減する
エコドライブの評価を行える
項目の追加の検討が必要 10
各記録項目の数値集計
集計上の留意点
給油が不定期に行われている
燃料を使用した分だけ給油しているかどうか
分からない
燃費並びに燃料消費量の短期的な変動を視
ることができない
各記録項目の数値集計は1ヶ月単位で行う
11
検討結果1-1
積み込み時間
荷卸し時間
待機・休憩時間
アイドリング時間
危険運転回数
日報評価点
日報評価点
1kmあたりの
アイドリング時間
燃料消費量
平均速度
総走行時間
走行距離
配送数量
燃費
燃費
エンジンOFF時間
高速道利用割合
納品先1件あたり
の走行距離
納品件数
12
検討結果1-2
10
燃
費 8
相関関係なし
[
6
k
m
4
/
l 2
]
0
0
20
40
60
日報評価点[点]
80
100
13
検討結果1-3
日 100
報
80
評
価 60
点 40
[
点
負の相関関係
y = -0.3337x + 93.116
2
R = 0.6916
20
]
0
0
50
100
150
200
危険運転回数[回]
14
検討結果2-1
積み込み時間
荷卸し時間
待機・休憩時間
アイドリング時間
危険運転回数
日報評価点
燃料消費量
燃費
燃費
平均速度
走行距離
走行距離
1kmあたりの
1kmあたりの
アイドリング時間
アイドリング時間
総走行時間
高速道利用割合
配送数量
エンジンOFF時間
納品先1件あたり
納品先1件あたり
の走行距離
の走行距離
納品件数
15
検討結果2-2
10
燃
費
[
k
m
/
l
8
y = -0.8196x + 5.3479
R2 = 0.2557
6
4
負の相関関係
2
]
0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
1kmあたりのアイドリング時間[分/km]
16
検討結果2-3
燃 10
費 8
[
k
m
/
l
6
]
0
y = 0.0289x + 4.0555
R2 = 0.376
4
2
正の相関関係
0
20
40
60
80
100
120
140
納品先1件あたりの走行距離[km/件]
17
結論
検討結果①
 デジタコはエコドライブとい
う視点からの運転評価は適
切に行われていないことが
分かった
 デジタコは安全運転という
視点からの運転評価が行
われていることが分かった
目的①に対する結論
 エコドライブの評価を行うた
めには、新たにエコドライブ
を評価する項目の追加の
検討を行うべきである
検討結果②
 燃費に影響を与えている項
目はアイドリング時間、納
品先1件あたりの走行距離、
走行距離であった
目的②に対する結論
 エコドライブを推進するため
には、アイドリング時間の
削減、納品先1件あたりの
走行距離の増加による加
減速の回数の削減をする
べきである
18
ご清聴ありがとうございました
19
検討結果2-2(補足)
出典)(財)省エネルギーセンター
20
検討結果2-3(補足)
21
出典)(財)省エネルギーセンター
検討結果2-4(補足)
走行距離が最も燃料消費量に影響を与えているこ
とが分かった。したがって、走行距離が多くなるとそ
の分無駄な燃料を使用することになる。
無駄な燃料を使用しないためにも、配送ルートの最
適化を行い、最短ルートで納品先に着くよう、ドライ
バーと管理者の協力が必要であると考えられる。
走行距離だけでなく、走行時間や速度にも配慮し、
荷主の都合やドライバーの安全を考慮して配送を
行うべきである。
22
今後の課題
エコドライブの評価を行う項目の追加の検討
燃費並びに燃料消費量の短期的な変動を視
た場合の運転評価基準についての検討
他社のデジタコを用いた場合の比較検討
23
デジタコの技術基準の見直し①
• 道路運送車両の保安基準の細目を定める告
示(平成14年7月15日国土交通省告示第
619号)の別添89「運行記録計の技術基準」
の一部を汎用メモリカードや無線LAN等の最
新の通信システムの利用が可能となるよう改
正し、平成17年10月1日より施行することとし
ます
24
デジタコの技術基準の見直し②
• ディジタル式運行記録計は、アナログ式運行記録計に比べ、
データの集計や分析がしやすく、トラック事業者の運行管理
業務の負担を軽減するとともに、運行管理の高度化を可能と
するポテンシャルを有しています。
また、近年では、平成10年(当該基準制定時)では規定さ
れていなかった汎用メモリカードや無線LAN等の通信システ
ムが広く普及しています。
このため、データ伝達の正確性やデータの改ざん防止対策
等の必要な機能を確保しつつ、最新の通信システムの利用
などが可能となるよう、新規格のディジタル式運行記録計の
技術基準を定めることとしました。
これにより、伝達方法の自由度拡大、利便性の向上及びコ
ストダウンが図られ、同記録計の利用の拡大により、トラック
事業者等の運行の安全性向上に資することが期待されます
25
アナタコについて
26
デジタコについて①
出典)DTG2 YAZAKI
27
デジタコについて②
28
デジタコ導入の効果
出典)国土交通省 29
デジタコの技術的要件

1.
2.
3.
4.
車載機(デジタコ)
時計が取り付けられており、時間情報を取得できること
瞬間速度及び走行距離についての情報を取得できること
適切なタイミングで警告音等により運転者のエコドライブが
支援することができること
以下の情報について、車載機を介して運行診断結果を出
力できること
a.
b.
c.
運行の中での急発進・急加速に関する情報
運行の中での一定時間以上アイドリングの継続に関する情報
運行の中でのあらかじめ設定した経済速度を越えた走行に関する
情報
30