3.不渡手形の基礎知識

Download Report

Transcript 3.不渡手形の基礎知識

手形・小切手用法と手形・小切手法
トラブル処理
流通目的
手形・小切手が円滑
に安心して流通する
為の約束事
問題発
生!
国会で定められた法律
手形訴訟という形で裁
判所で、是非を争う。
不 渡 り と は ?
「約束したお金が渡らない」
(手形や小切手が支払期日に決済されない)という意味です。
お金が渡らない状況とは「資金不足」や詐欺、形式
不備等により事由は様々だが、その事由により処
理方法が異なってくる。
不渡り返還
手形・小切手が呈示され不渡りになると、支払銀行は「不渡り事由」を記載して持出
銀行へ規定時限までに返還することになります。通常は、翌日行われる手形交換で持
出銀行へ返還します。
①不渡り事由の記載
手形の場合・・・付箋に事由を記載し手形表面に貼付する。
小切手の場合・・・小切手裏面に直接記載する。
銀行取引停止処分
6ヶ月以内
1回目の不渡り後6ヶ月以内に2回目の不渡りを出すと手
形交換所から取引停止処分を受けます。
そうすると、この後2年間はすべての銀行と当座取引・貸付
取引ができなくなり、事実上の倒産と言うことになります。
不渡り届けに対し異議申し立てがなされたり、不渡り報告
の取り消しなどがあった場合は別扱いになります。
不渡の種類?
第0号不渡
第1号不渡
第2号不渡
手形が不渡りになる事由には3つあります。
第0号不渡りとは?
振出人の信用に関わりのない不渡り
手形法により適法な呈示でないことを理由とするもの。
①形式不備
②裏書不備
③引受なし
不備な部分を補充して呈示期間内
に再提示をするか、振出人に直接
提示し、支払ってもらう。
④呈示期間経過後
⑤期日未到来
⑥依頼返却
⑦振出人等の死亡
⑧破産法、和議法、会社更正法、商法による財産保全処分中
不渡届はでない(不渡り処分にならない)
第1号不渡りとは?
振出人の信用に関する不渡り
① 資金不足・・・銀行に取引口座はあるが、口座にある残金では不足していること
② 取引なし・・・銀行に取引口座がないこと。よくあるケースは、すでに銀行取引停
止となっている場合があります。
不渡届が出る(異議申立不可)
仮差押え
遡 求
手形訴訟
遡求とは
満期に支払が拒絶された場合または満期前における支払の
可能性が著しく減退した場合に原則として拒絶証書を作成し
所持人が自己の前者(裏書人等)に対して手形金額、利息、拒
絶証書作成費用、通知費用等の弁済を請求することをいいま
す。
要するに、裏書した人や手形を振り出した人にお金を請
求すること!
第2号不渡りとは?
支払について異議ある場合の不渡り
①契約不履行
②詐取
③紛失
④盗難
⑤印鑑相違
⑥偽造、変造
異議申立とは、不渡り処分を猶
予するため満期日から2日間の
間に、交換所に不渡手形金額相
当額(異議申立提供金)を提供し
て異議の申立をすることをいい
ます。
⑦金額欄記載方法相違
⑧取締役会承認等不存在
不渡届が出る(異議申立可)
不渡り事由と不渡り届及び交換所の取扱い
不渡り事由
・形式不備
・期日未到来
・裏書不備
・呈示期間経過後(手形に限る)
・呈示期間経過後かつ支払委託の取消し(小切
手に限る)
・その他適法でない呈示の事由
・引受けなし(為替手形の場合)
・依頼返却(持出銀行からの依頼があった場合に
限る)
・振出人等の死亡、会社更正法、商法、破産法等
による財産保全処分中など
・資金不足
・取引なし
・契約不履行
・詐欺
・紛失
・盗難
・取締役会承認不存在等
・偽造
・変造
・印鑑相違
・金額欄記載方法相違
・約定用紙相違
不渡り届
異議申立提供金の要否
手形交換所の取扱い等
不要(0号不渡り届)
資金不足の事由がある場合
も不要
上記に同じ
第1号不渡り届
異議申立はできない
不渡り処分
第2号不渡り届
ただし、「資金不足」、「取引
なし」の事由と重複する場合
は、第1号不渡り届が優先。
要 なお、「契約不履行」以
外の場合は、一旦積んだ
提供金の返還を請求するこ
とができる。
詐取・紛失・盗難については、警察
に被害届や告訴状を提出しておく
必要がある。被害・告訴が認めら
れれば、提供金は返還を請求でき
る。
第2号不渡り届
「資金不足」「取引なし」の事
由がある場合も第2号不渡
り届となる。
第2号不渡り届
ただし、「資金不足」、「取引
なし」の事由と重複する場合
は、第1号不渡り届が優先。
不要、ただし、手形交換所
に免除申請し、承認を得る
必要がある。
要
但し、「資金不足」「取引な
し」の事由と重複する場合
は、異議申立をすることは
できない。
警察に被害届や告訴状を提出し
ておく必要がある。
被害・告訴が認められれば提供金
は不要。
4
月
24
日
4
月
22
日
4
月
20
日
4
月
17
日
手形を持っている人は、振出人から自分に対する裏書人まで、全
ての署名者に合同して支払うことを求めることが出来ます。すなわ
ち、どの人(署名者)に対しても(早い話が取りやすいところから)、
手形金と利息、費用の全額の支払いを求めることが出来るのです。
4
月
16
日
手形・小切手の未使用用紙
の盗難・紛失
1 「未使用手形用紙喪失届」の提出
.
2 「盗難届」(紛失届)を出す
.
3
.
銀行届出印の変更手続きをとる
直ぐに
連絡しな
いと!
銀行
警察
銀行
受け取った手形の盗難・紛失届け
1 振出人に「事故届」の提出を依頼
.
2 「盗難届」(紛失届)を出す
.
3
.
警察
裁判所
公示催告の手続きをとる
正当な証書の所持人としての
権利を行使することができるよ
うにする為に、裁判所に申請し
て無効宣言を得るまでの一連
の手続を、公示催告手続とい
います。
銀行
定められた期間内に権
利の申し立てをする人
がいなければ、手形・小
切手の無効を言い渡す
判決を受けられると言う
ものです
除権判決
那覇にあるA会社に、休みの日にドロボウが入りました。金
庫には購入したばかりの未使用手形用紙と印鑑、現金等が
入ってました。このような場合には、どうすれば良いのでしょ
うか?
手形・小切手が回っても決済を止めてもらうこと
A会社
盗
難
届
事故届
届出印変更
印鑑変更
警察
役所
銀行
売掛金を回収した時の手形を紛失してしまいました。 紛失してからもう
2年近くが過ぎているのに 何の処理もしてません。得意先の買掛金残
にも残っていると思うのですが、その場合の適切な処理の方法はどの
ようになるのでしょうか?
通常は、手形や小切手を紛失した場合は、次のような処理を行います。
1.振出人に連絡をして、振出人が取引銀行に対して支払の停止を依頼
し、事故届けを提出します。
2.警察へ紛失届を出します。
3.支払地を管轄する簡易裁判所に、「公示催告の申立」をします。
4.公示期間が経過して、異議の申し立てがないと、「除権判決」が言い
渡され、手形が無効になります。
5.振出人に、再度支払いを依頼します。
ただ、この場合は、2年も経過していますから、まず振出人に連絡をして、該
当の手形が銀行で決済されているか確認をします。
まだ、決済されていなかったら、「手形を取得した人が現れて請求があった
ら支払います」という「念書」を差し入れて 、手形代金の支払いを依頼された
らよろしいでしょう。
なお、手形債権は3年で時効になってしまいます。
又、相手方は、振り出した手形が銀行に回っていない場合は、支払手形の残
として残っていても、あえて、何も行ってこないでしょう。
あるいは、誰かが手形を手に入れて、銀行を通して決済されている場合も有り
ます。 この場合は、相手方は何も気がついていません。その場合は取れる可
能性はほとんどないでしょう。(善意の第三者) 念のため弁護士事務所に相
談されて下さい。
最後に!
手形・小切手の不渡りがある場合には、資金繰り上かなり不利
になります。相手から取れる可能性は少なくなります。
そのために、初めての相手からは必ず裏書保証を貰うようにしま
しょう。
次に、常に相手の情報を掴んでおくこと
最後に、最終手段として中小企業倒産防止掛金に入っておきま
しょう。
万が一、緊急の資金繰りに役立ちます。詳しくは担当者にお尋
ねください。