プレゼン - 大阪大学法学部・大学院法学研究科
Download
Report
Transcript プレゼン - 大阪大学法学部・大学院法学研究科
法情報学から計算法理学へ
大阪大学大学院法学研究科
田中規久雄
2014.12.7 情報ネットワーク法学会(2a版)
1.法情報学~私の定義
• 法情報学とは何か(2003)■
http://www.law.osaka-u.ac.jp/~kikuo/l-inf.html
1
「法情報学」の定義
情報諸学の視点から『法とは何か』を明らかにする
2
「法情報学」の対象と方法
法源(authority)」と「法的推論(legal reasoning)」
3
「情報科学」と「法情報学」
4
「認知科学」と「法情報学」
5
法学基礎論との接合性
6
応用法情報学のひろがり
7
「法情報学」基本体系
2.計算法理学の構築へ
・Computational Jurisprudence
1)法情報科学
Legal Reasoning, Legal AI, Expert system
2)法情報DB
全文検索→オブジェクトモデル、NLP
3)計量法学
カーネマンらの指摘→DNA鑑定等
因子分析などによる行動分析
3. Jurimetrics
→ Legal informatics
1949 Loevinger: jurimetrics
→法の世界への科学の導入
1963 H.W.Baade ed.: jurimetrics
(1969邦訳、早川、碧海他)
→法への情報学の適用
・DBと検索
・行動分析
・記号論理
→Legal informatics
Cf. Nicola Lucchi https://www.ocf.berkeley.edu/~lucchi/legalinformatics.htm
4.Computational Law
Stanford Logic Group Definition
電子化された法(立法、ビジネスルール、
契約)についての、形式表現や自動推論の
研究
・AIと法
・オンライン法情報
・コンピュータの法律ツール(Filing)
http://complaw.stanford.edu/
5.わが国
1969 バーデ編「ジュリメトリックス」邦訳
・機械による正義
・サイバネティクスとソヴィエト法学
・リーガル・リサーチの利器としてのコン
ピューター
・裁判官の態度と投票行動
・判決分析における連立方程式とブール代数
・司法過程の数量的分析
・法学と行動科学
→計量法学
• 1976 法とコンピュータ学会設立
• 1978 ジュリスト「法情報学への歩み」
法情報学をComputer Lawと呼んでいた。(北川17頁)
• 1999 夏井高人、初めて情報法を外した法情報学を定義
法律情報研究会
まとめ
• 1950~70 Jurimetrics前期
法に対する科学的アプローチ
• 1965~90 Jurimetrics後期
計量法学と法情報学の萌芽
• 1985~1995 法情報学の相対的独立
情報法学と未分離 関連)ベイジアン証明(太田)
• 1990~
1)検索を中心とした法情報学(リーガルリサーチ)
田島「法律情報のオンライン検索」1992
2)法律AI:吉野「法律人工知能」2000→法令工学
おわりに:法情報学の課題
・『科学的証拠とこれを用いた裁判の在り方』司
法研究報告64輯2号(2013)
出現頻度が1 万人に1 人→一致割合99.99%?
・O.W.Holems, The path of the law (1897)
現在は太文字(black letter) が重視されるが、
将来は統計学の素養を持ち経済学を知る者が合理
的な法律研究をする者となろう。
→計量法学の継承を