冷却活性炭によるダークマター検出器の高感度化

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Transcript 冷却活性炭によるダークマター検出器の高感度化

冷却活性炭による
ダークマター検出器の高感度化
2009/07/29
京大宇宙線研究室
中村 輝石
★ ダークマターを見る!
★ μ-TPCで見る!
★ ラドンのバックグラウンド!
★ 冷却活性炭システムで除去せよ!
★ まとめ!
WMAPのCMB測定
→ 宇宙のエネルギーの23%は
非バリオン(ダークマター)
WMAP/NASA
WIMP (Weakly Interacting Massive Particle)
ダークマターの有力候補 (質量:10~100GeV)
原子核を反跳する!(反跳エネルギー~100KeV)
反跳エネルギーを検出 → WIMP
WIMPの計数は多くても ・・・ 1 [count/kg/day]
( J.D. Levin, P.F. Smith 1996 )
少ない
→ バックグラウンドを抑えることが重要
[count/3m3/year/bin]
M=80GeV,σ=0.1pb
40
シミュレーション
20
0
-1
0
cosθ
風向を見る!
原子核
θ
WIMP
→ 原子核の飛跡を検出する!
1
①WIMPが原子核を反跳
μ-TPC
1)
μ-TPC
CF4ガス
2)
μ-PIC
電子
②電子を電離(飛跡)
WIMP ③TPC内をドリフト
原子核
ドリフト時間から一次元
読み出し
④μ-PICで検出
読み出し
ピクセル状の検出器から
二次元
→ 合わせて三次元の飛跡!
2)μ-TPC
1)μ-PIC
・・・ Time Projection Chamber with μ-PIC
・・・ Micro Pixel Chamber
神岡の地下で実験!(2009年3月西村博士論文)
散乱断面積の
制限曲線を引いた
飛跡を捉える実験の
中で唯一!
他の実験の方がアッ
パーリミットが低い
σ[pb]
104
102
1
さらなるバックグラウンドの
低減化
10
102
mass [GeV/c2]
バックグラウンドの中ではラドンの寄与が大きい
103
地上でラドンのバックグランドを取り除く実験中
μ-TPC
読み出し
・
・
・
・
ラドンの確認
除去システム作成
システムの試験 ← now
運用
・ 検出器の壁などに微量に含まれるウランなどが崩壊
・ 気体なのでチェンバー内に進入
・ α崩壊してバックグラウンドとなる
壁
U
検出領域
Rn
α崩壊
Rn
ラドン数の変化 ・・・
壁
6000
6MeVピークの時間変化
CF4ガス入れ替え直後
10日後
[count/keV/kg/day]
102
rate [count/kg/days]
[count/keV/kg/day]
102
10
1
0
4000
・・・実験データ
10
・・・フィッティング
2000
1
5
0
0
4
10
[MeV]
0
8
5
12
16
[day]
~6MeVに数日のタイムスケールで成長するピークあり
→ ラドンがα崩壊している
10
[MeV]
活性炭 ・・・ ラドンを吸着する
冷却(183K) ・・・ ラドンを液化させる
CF4
Rnの沸点:211K
CF4の沸点:145K
CF4
検出器
μ-TPC
Rn
ポンプ
これを作りました!
CF4
Rn
CF4
冷却機
活性炭
Rn
活性炭
Rn
Rn
CF4
室温293K
圧力・温度の時間変化
300
温度
温度[K]
200
2
目標値183K
100
圧力[Pa]
ラドン
沸点
CF4
沸点
3
1
圧力
0
0
200
400
温度 ・・・ ラドンの沸点(211K)より低
CF4の沸点(145K)より高
圧力 ・・・ 真空漏れなし
0
600 [min]
→ OK
ラドンのレートをリサーチ
冷却活性炭システムを製作
低温真空試験
これからは・・・
・
・
・
・
循環ポンプの真空試験
常温で運用してラドンの除去能力を確認
冷却してのラドンの除去能力を確認
システムの長期運用試験
スライド ショーの最後です。 クリックすると終了しません。
・バリオンでない(普通の物質ではない!)
・光で観測できない(電磁相互作用しない)
・質量がある
そんなモノは存在するのか?
銀河の回転速度が遠方でも落ちない
→ 銀河ハローには見えない質量が存在
WMAPのCMB測定
→ 宇宙のエネルギーの23%は
非バリオンの質量
・・・etc
ダークマターの候補
ニュートリノ
アクシオン
WIMP
標準理論から予言される。
質量が小(~10eV) → 相対論的な速度
銀河回転の脱出速度を超えてしまう。
銀河形成シナリオを説明できない。
量子色力学から提案される。
質量が小(~μeV)
崩壊してγ線を出すので、これを観測する実験
がなされているが、検出されていない。
超対称性理論から予言される。
質量が大(10~100GeV)
原子核を反跳する!(反跳エネルギー:~10KeV)
この反応を検出したい
WIMP を 狙 え !
WIMPは銀河内をランダムに運動している。
銀河内を回っている太陽系には、WIMPが風のように
吹き付けてくる。
この方向をとらえることによりWIMPを検出する。
WIND
of
WIMP
シミュレーション
[count/keV/kg/day]
2
季節変動を見る
1
0
0
100
recoil energy [keV]
エネルギー変化だけで季節変動を追うのは大変
→ 飛跡も検出する!
200
WIMPの計数は多くても ・・・ 1 [count/kg/day]
[J.D. Levin, P.F. Smith 1996]
検出するため
には・・・
少ない
バックグラウンドを低くする
環境γ線
・・・104[count/kg/day] @地上
環境中性子 ・・・104[count/kg/day]
→ 神岡の地下にもぐる
検出器を大質量化
→ XMASSグループなど
NEWAGE
飛跡の情報も利用
→ これから紹介します!
角度分布
反跳原子核の角度分布(反跳エネルギー:100~120[keV]のとき)
原子核
θ
WIMP
[count/keV/kg/day/cosθ]
0.04
シミュレーション
0.03
0.02
0.01
0
-1
0
1
[cosθ]
(2009年3月西村博士論文)
μ-TPC模式図
ドリフトプレーン
検出領域
GEM
μ-PIC
ラドン計算
これらを解く
・ 検出器の壁などに微量に含まれるウラン
などが崩壊
・ 気体なのでチェンバー内に進入
・ α崩壊してバックグラウンドとなる
参考
スーパーカミオカンデの空気中のラドンを冷
却活性炭で除去
「2000Bq → 40Bq」
( Nuclear Instruments and Method in
Physics Research A 501 pp.418-462)
バックグランドの内訳
実験データ
102
[count/keV/kg/day]
10
200
400
[keV]
[count/keV/kg/day]
ラドン(上)
ラドン(下)
0
102
10
実験データ
γ線
中性子
1
0
200
400
[keV]
(2009年3月西村博士論文)
中性子のバックグランド
地上 ・・・ ~104 [count/kg/day]
地下 ・・・ ~10-1 [count/kg/day]
(2009年3月西村博士論文)
検出器の性能とダークマター
(2009年3月西村博士論文)