説明資料 - 月惑星研究会

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小中口径の望遠鏡と
デジタル一眼レフカメ
ラで
木星を撮影してみよう
2015年4月19日
月惑星研究会 米山誠一
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目
次
1.資料の概要と使用した機材
2.撮影時のポイント・注意点
3.REGISTAXによる画像処理
4.ステラナビゲータ7による画像処理
5.ステラナビゲータ7による光度測定
6.これから起きるガリレオ衛星の相互
食
1.資料の概要と撮影機材
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・これは、月刊天文ガイド2015年5月号の記事「見てみよう、撮ってみよう
木星&ガリレオ衛星の相互食」に協力した時に撮影した画像を利用し、
REGISTAXの画像処理とステラナビゲータVER.7の画像処理及び光度測定の
説明を目的とした資料です。
・天文ガイドの記事は、大口径の天体望遠鏡やある種、特別なWEBCAMカメラ
ではなく、天体撮影ビギナーでも比較的に入手し易い機材でも木星やガリレオ
衛星の相互食を撮影できることを示すことが目的でした。
・望遠鏡 :
VIXEN ED103S(口径103 ㎜ ,焦点距離795 ㎜ )
・接眼レンズ : 7.5MM(拡大撮影法 合成F123 F12,600 ㎜ )
・カメラ :
CANON EOS KISS X2(APS-Cサイズ)
Sモード:2256X1504ピクセル、JPEGで撮影
1.資料の概要と撮影機材
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・拡大撮影で望遠鏡にカメラをセットした状態です。フィリップミラーがあ
ると
対象の導入が楽です。
2.撮影時のポイント・注意点
2.1 電波時計やSKRWATCH(フリーソフト)などを使い、パソコンやカ
メラの
時刻を正確に合わせます。
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2.撮影時のポイント・注意点
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2.2 一眼レフデジタルカメラでの撮影は、カメラメーカーのユーティリテー
ソフト(EOS UTILITY)などを使い、PCとカメラを接続し、PCのモニターに
惑星を表示させれば、対象の確認やピント合わせが容易になります。
白い枠部分を拡大して表示も可能なのでピント合わせが容易です。
2.撮影時のポイント・注意点
2.3 ピント合わせは、ピントエイド(フリーソフト)が有効です。
対象の天体をPCの
モニターに表示させ、
ピントエイドを起動する。
起動したピントエイドの
測定枠を対象の天体の上
に移動します。
測定枠内の天体のサイズ
を値が表示されるので
その値が最も小さくなる
様にピントを調整します。
取材時の実際の画像です。
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2.撮影時のポイント・注意点
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2.4 カメラのミラーアップ状態で撮影できるライブビューで撮影すれば、ミラー
アップの振動も軽減できます。 それにカメラモニターで確認するより楽で
す。
2.5 短時間で多画像を撮影するには連写が有効です。もし、ユーティリテーソフ
トで連写ができない場合は、PCモニターでピント合わせた後、ユーティリ
3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
① 撮影した静止画層を
全て読み込む。
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3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
② Pre Filterを設定
Blur,Smoothはノイズ軽
減効果がある様です。
Stretchは画像の見た目の
輝度調整です。
(実画像に変化なし)
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3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
③ Show Framelistで処理す
る静止画像のリストを表
示し、画質が悪い画像を
処理から除外します。
除外する画像を選んでス
ペースキーを押すと
チェックが外れ、処理対
象外になります。
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3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
④ Set Alignpointsボタンで
Alignpointsを指定し、
Alignボタンをクリックし、
Align処理を行います。
Align終了後、Limit
ボタンを押します。
Limitボタンを押すと
Align によるAlign
pointsの軌跡が表示
されます 。
さらに、Stackボタン
を押してStack処理を
行います。
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3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
⑤ Align後のAlignpointsが最
初に指定した位置からず
れていた場合は、 Alignが
失敗しており、Stack結果
は悲惨な状態になります。
シーイングが悪いなどで
元画像の品質が悪いこと
が原因です。
⑥ その様な時は、画像重
心指定などでSigle
AlignpointでAlignして
Stackすると成功し易い
様です。
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3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
⑦Stack終了後、Wavelet処
理を行います。
Waveletsのパラメータ設
定は多種多様なので試行
錯誤で最適値を探すのが
ポイントです。
私は、シーイングが良い
時はLinearを使い、シー
イングが悪い時はDyadic
を使います。
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3.Registaxによる画像処理
3.1 Registax Ver6.1の処理
⑧最後に仕上げ処理を行い保
存します。
RGBAlignで大気分散によ
る色ずれを軽減します。
Flip and Rotateで傾きを
修正します。
Save Imageで画像を穂保
存します。
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3.Registaxによる画像処理
3.2 Registax Ver.5の処理
シーイングがかなり悪い
などでVer.6ではAlignが
失敗する時は、Ver.5で
処理すると上手く行く
事が多い様です。
①Ver.5では動画や画像の
容量とサイズの指定が
必要です。
②Align using Center of
gravityでAlignします。
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3.Registaxによる画像処理
3.2 Registax Ver.5の処理
③Ver.5では、Align終了
後
Limitボタンを押すと
Reference frame作成
処理が行われます。
④Reference frame作成後
Optimze処理、Stack
処理を行います。
⑤Stack処理が終了した
段階でTiff形式で保存し
Wavelet処理は、Ver.6
で行います。
Ver.6でTiffファイルを
開くと、自動的に
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3.Registaxによる画像処理
3.3 私のホームページ「星への
誘い」の天体望遠鏡TIPSに
Registax Ver.5やVer.6を
使った画像処理のより詳し
い情報を掲載しているので
参考にして下さい。
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http://www.asahi-net.or.jp/~dy7s-ynym/myhp15.htm
4.ステラナビゲータ7(SI7)による画像処理
ガリレオ衛星の相互食を撮影
した複数の画像から組画像を
作成する手順を示します。
4.1 SI7のワークフロー機能
で組画像に使う短冊状の
画像を作成します。
① 1画像を開く
② 設定-ワークフロー選
択
③ 記録開始をクリック
④ソフトビニングで縮小
⑤回転で傾き修正
⑥記録終了をクリック
⑦画像は保存せずに閉じる
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4.ステラナビゲータ7(SI7)による画像処理
4.1 SI7のワークフロー機能
で組画像に使う短冊状の
画像の作成します。
⑧ バッチ実行をクリック
⑨ ファイルから追加を
クリック
⑩ 元画像のフォルダーを
開き、処理する全画像を
選ぶ
⑪ 「別のフォルダに保
存」を選び、処理画像の
保存先フォルダーを指定
する
⑫ OKボタンクリックで
バッチ処理が行われ、処
理画像が保存される
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4.ステラナビゲータ7(SI7)による画像処理
4.2 SI7の合成機能で組画像
を作成します。
① 処理する画像を読み込む
② 各画像を必要最小限の大
きさに切り抜く(切抜き
サイズは多少違っていて
も構いません)
③ 先頭の画像の高さを全画
像分、下に伸ばす
④ 合成のコンポジットで次
の画像を選び 差の絶対値
で位置合わせを行う
⑤ 2画像の位置が揃ったら
比較明で次の画像を下に
下げる
⑥ 以上の処理を繰り返す
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5.ステラナビゲータ7による光度測定
5.1 SI7の光度測定で衛星の
光度を調べます。
① 測定する画像を読み込み
編集の光度測定ツールを
選ぶ
② 光度測定のメニューが表
示されるので、対象とし
て標準星を選択する
③ 標準星として光度一定の
イオをクリックし、標準
星の光度枠に5.0を入力
④ 次に対象を天体にして
ガニメデをクリックする
と結果欄にガニメデの光
度(4.556)が表示されるの
で、その値を記録する。
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5.ステラナビゲータ7による光度測定
5.2 SI7で調べたガニメデの光度変化をExcelなどを使いグラフ化します。 23
イオによるガニメデの光度変化(2015/3/13)
画像No.
8428
8429
8431
8432
8433
8434
8436
8437
8438
8439
8440
8441
8442
8443
8444
8447
時刻
18:51
18:52
18:53
18:54
18:55
18:56
18:57
18:58
18:59
19:00
19:01
19:02
19:03
19:04
19:05
19:06
光度
4.56
4.60
4.58
4.59
4.76
4.85
5.10
5.26
5.25
5.09
5.10
4.84
4.70
4.53
4.43
4.40
ガニメデの光度変化
6.これから起きるガリレオ衛星の相互食
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今シーズンの木星は既に終盤ですが、ガリレオ衛星の相互食はまだ起きま
す。
黄色着色が
お勧めです
終わり
なお、本資料は、月惑星研究会の
サイトにアップロードし、本日の
例会報告にリンクを記載します。