買物意識の違いに着目した消費者行動の分析

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Transcript 買物意識の違いに着目した消費者行動の分析

2008年卒業制作発表会
買物意識の違いに着目した
消費者行動の分析
NE17-0147G 御堂丸圭介
分析の内容

買物意識が異なれば消費行動(利用する小売
業態や購入する商品等)やメディア接触等に
も大きく影響を与えるはず
⇒買物意識の違いによる消費者のメディア接触
や消費行動の違いについて分析を行う

第1段階・・・買物意識の因子化
第2段階・・・買物意識のグループ分け(クラス
ター化)
第3段階・・・グループごとのデータ分析


買物意識の因子化

買物意識(消費価値観)に関する33の変
数について因子分析を行った結果、次の3
つの因子を抽出できた。これらの因子はい
ずれも「商品を購入する際に重視する要因
」を示している。
「安全性・品質」因子
「ブランド・デザイン」
因子
「評判・経済性」因子
買物意識のグループ分け

3つの因子からは回答者ごとに因子得点が求
められる。その因子特点のパターンから回答
者を5つのグループ(クラスター)に分類した。
さらにこのグループを因子軸上にプロットする
ことで、それぞれのグループの性格を捉えるこ
とができた。
下線の数字:「評価・経済性」因子の因子
「ブランド・デザイン」
因子
-0.44
「ブランド・デザイ
ン中心派」
1.00
「経済性・ブランド
重視派」
1.71
「品質重視・ブラン
ド追及派」 -1.00
-1.00
1.00
「こだわり無派」
クラスター
「品質重視・経済
性追及派」
0.30
-0.03
-1.00
「安全性・品質」因子
グループごとのデータ分析
グループは買物意識の違いを表しており、グ
ループごとに消費行動やメディア接触等につ
いて分析することにより、買物意識と消費者行
動の関係を明らかにすることができる。
<分析の一例>テレビ視聴時間帯

平日11-14時 平日19-22時 平日23-2時 週末7-10時 週末11-14時 週末15-18時 週末19-22時 週末23-2時
「こ だ わり無派」ク ラ ス ター
「品質重視・ブラ ンド 追及派」ク ラ ス ター
「品質重視・経済性追及派」ク ラ ス ター
「ブラ ンド ・デ ザイ ン中心派」ク ラ ス ター
「経済性・ブラ ンド 重視派」ク ラ ス ター
5.47
7.10
7.14
6.26
6.51
17.43
20.01
20.56
18.39
18.86
6.52
7.46
7.66
8.67
9.05
13.89
12.96
20.42
13.97
19.11
11.00
12.16
14.86
10.96
17.10
9.30
11.67
15.72
10.25
18.27
39.95
46.84
48.73
41.44
46.60
18.09
19.75
21.38
24.54
24.26
※その他の項目については、別途配布資料にま
とめて掲載している。
グループごとのデータ分析(続き)
「 こ だ わ り 無 派 」 ク ラ ス タ ー・ ・ ・平 均 的 な 会 社 員 で 、 情 報 系 メ デ ィ ア は あ ま り 使 わ な い 。 全 般 的 に 商 品 の 利 用 率 ・
意向は低めで、キャンペーンへの反応・興味はほとんどない。
「 品 質 重 視 ・ ブ ラ ン ド 追 及 派 」 ク ラ ス タ ー・ ・ ・平 均 的 な 会 社 員 で 、 テ レ ビ や 新 聞 な ど 各 メ デ ィ ア を 利 用 し て 情 報 収
集する習慣がある。家財品や健康・栄養食品への購入意欲が高く、特に家財品については新しい製品を積極的に購入
す る 傾 向 に あ る 。旅 行 が 当 た る キ ャ ン ペ ー ン に は 興 味 が な い 。
「 品 質 重 視 ・ 経 済 性 追 求 派 」 ク ラ ス タ ー・ ・ ・平 均 的 な 主 婦 層 で あ り 、 お 茶 の 間 で 楽 し む よ う な 内 容 ・ 時 間 帯 の テ レ
ビ番組をよく見る。基本的に買い替えは少なく、物を長く使い続けるという方針。
特にオリジナル景品が当たるキャ
ン ペ ー ン へ の 反 応 が 良 い。
「 ブ ラ ン ド ・ デ ザ イ ン 中 心 派 」 ク ラ ス タ ー・ ・ ・ 若 手 の 男 性 会 社 員 で 、 高 額 の 新 商 品 へ の 購 入 意 欲 が 高 い 。 金 融 に 興
味を持っており、メディアも金融関係のものが多い。キャンペーン反応は景品が高額であるほど反応がよく興味が高
くなる傾向がある。
「 経 済 性 ・ ブ ラ ン ド 重 視 派 」ク ラ ス タ ー・・・ 未 婚 の3 0 代 半 ば の 女 性 で 、深 夜 の 、主 に 娯 楽 ・ 音 楽 番 組 を よ く 見 る 。
各 Web サ ー ビ ス を よ く 利 用 す る 。 飲 料 ( 特 に 炭 酸 飲 料 、 ス ポ ー ツ 飲 料 ) や 菓 子 へ の 利 用 率 が 高 い主。に 高 額 の 景 品 や
金券が当たるキャンペーンへの反応が良い。
販売促進策の提案

例:「菓子の販売促進策」
菓子の消費が大きい「経済性・ブランド重視
派」に対し、娯楽番組や音楽番組、あるいは
SNS等のWebサービスに広告を出す。その際
、「経済性・ブランド重視派」の主な客層が30
代半ばの女性であるため、女性向けのメディ
アに出したほうが効率的に効果をあげること
ができる。また、高額の景品や金券が当たる
キャンペーンを実施し、商品の購入を促進さ
せる。
なお、「経済性・ブランド重視派」は菓子以外
に飲料(特に炭酸飲料、スポーツ飲料)の消費
も大きいことから、炭酸・スポーツ飲料との抱
き合わせ販促を行うことでさらに大きな売上が
期待できる。
評価と今後の展望


今回は買物意識の違いでクラスター分けを行
い分析を行ったが、当初の想定以上に綺麗に
分類することができ、また5つの買物意識には
それぞれメディア接触や消費行動が明確に表
れており、しかもそれぞれの買物意識で異な
る結果を示していたことから、かなり良い分析
ができたのではないかと思っている。
今後の展望としては、クラスター(買物意識)ご
とにさらに精細な分析を行い、よりきめ細やか
な分析結果を得ていくとともに、より効果的な
販売促進策を策定していくことに尽きると思っ
ている。そしてその研究の成果が最終的に企
業の収益向上に貢献できれば良いのではと
思っている。