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LDL-C代謝機構の
新たなパスウェイ PCSK9
監修:金沢大学大学院
医薬保健学総合研究科
脂質研究講座 特任准教授
野原 淳 先生
2015年5月作成
SAJP.ALI.15.04.1193
サノフィとRegeneron社は、脂質管理の重要性の認知
向上とLDLコレステロール治療におけるアンメット
メディカルニーズの研究に寄与してまいります。
PCSK9はLDL受容体と結合し分解する
蛋白分解酵素です1)
PCSK9
PCSK9: proprotein convertase subtilisin / kexin type 9;前駆蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型
1)Abifadel M et al .: Nat Genet 34 :154-156, 2003
2
PCSK9は2003年に発見されたLDL-C代謝機構の
新しいパスウェイです1-2)
PCSK9
LDLR
PCSK9の発見からわずか数ヵ月で
LDL-C代謝との関連が明らかになりました
1)Abifadel M et al.: Nat Genet 34 :154-156, 2003
2)Lagace TA et al.: J Clin Invest 116 : 2995-3005, 2006
3
PCSK9はLDL受容体数を減らすことで
血中のLDL-Cを増加させます1-3)
PCSK9は肝細胞の表面に発現したLDL受容体と結合後、複合体を形成し、LDL受容体の分解を促進することでLDL受容体
数を減少させます。LDL受容体数の減少により血中からのLDL-Cクリアランスが低下し、血中LDL-C濃度を上昇させます
1)Abifadel M et al.: Nat Genet 34 :154-156, 2003
2)Lagace TA et al.: J Clin Invest 116 : 2995-3005, 2006
3)Mayna J et al.: Clin Chem 57 : 1415-1423, 2011
4
PCSK9機能喪失型の遺伝子変異例では、一般人に比べ
LDL-C値が低く、その結果、心血管系疾患を発症しにくい
ことが示されています4-5)
PCSK9遺伝子変異有無別
平均LDL-C値
(mg/dL)
160
変異なし
変異保有
p<0.001
PCSK9遺伝子変異例の
虚血性心疾患発症リスク
(%) Benn M et al
0
Cohen JC et al
p<0.0001
120
‐
L
D
L 80
C
値
131
137
112
116
リ
ス
ク
減 -40
少
率
40
0
(n=45,699)
(n=1,204) (n=9,232)
(n=301)
Benn M et al
95%CI,
0.58-0.86;
p=0.001
vs 変異なし群
(メタ解析)
95%CI,
0.32-0.79;
p=0.003
vs 変異なし群
(Cox比例ハザード分析)
-80
Cohen JC et al
4)Benn M et al.: J Am Coll Cardiol 55:2833-2842, 2010
5)Cohen JC et al .: NEJM 354 :1264-1272, 2008
5
PCSK9機能獲得型遺伝子変異は、ヘテロ接合体FH、
LDL-C高値、高率の心血管系疾患発症の原因となります1)
LDL-C
高値
FH:Familial Hypercholesterolemia ; 家族性高コレステロール血症
1)Abifadel M et al.: Nat Genet 34 :154-156, 2003
6
PCSK9はスタチン投与によりアップレギュレートされ、
これがスタチンを増量しても十分な脂質低下作用が
得られない要因だと考えられています6)
スタチンによる
PCSK9の
アップレギュレーション
脂質低下作用
6)Raal F et al.: J Am Heart Assoc, 2013 Apr 24;2(2):e000028. doi: 10.1161/JAHA.112.000028
7
現在の標準的治療を行ったとしても
ヘテロ接合体FH患者や心血管イベント高リスク患者では、
十分なLDL-Cのコントロールができていません7-8)
スタチン治療を行ってもLDL-Cコントロール不良な患者割合
100
80
60
79%
76%
40
20
0
n=103,800
n=1,249
心血管イベント高リスク患者
ヘテロ接合体FH患者
7)Jones PH et al.: J Am Heart Assoc, 2012;1:1-10. doi: 10.1161/JAHA.112.001800
8)Pijlman AH et al.: Atherosclerosis 209:189-194, 2010
8