長時間透析体験者として― 橋村 大成

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Transcript 長時間透析体験者として― 橋村 大成

長時間透析の素晴らしさと普及の考
察
―長時間透析体験者として―
橋村 大成
(かもめ日立クリニック)
<人工透析との出会い>
No
1
区
分
内
容
会社生活時代 H社の安全衛生係長(従業員の健康
(S50~55 管理の指導担当)
※透析者は5年以内に死亡
年)
隣りのご主人、下側の奥さんが透析
団地生活時代
2
(S53~現
在)
者
※親交があり透析の大変さを毎日見て
いた
私自身が透析 腎不全から人工透析導入
3
(H20.2月
~)
日立総合病院⇒かもめ日立クリニック
<かもめクリニックの紹介>
No
クリニック名
住所
設立
透析人員
1
かもめ・クリニック
福島県いわき市
平成8年12月
141名
2
かもめ・大津港クリニック
茨城県北茨城市
平成10年12月
125名
3
かもめ・日立クリニック
茨城県日立市
平成14年9月
117名
4
かもめ・みなとみらいクリニック
横浜市西区みなとみらい
平成20年8月
95名
※透析時間 7~8時間
<短時間透析と長時間透析の体験比較>
短時間透析=二度と受けたくない
①透析不均衡症候群が発生、苦しい
(4時間 : 血流量230)かゆみ・吐き気・頭
痛・低血圧
②食事や水分に厳しい制限、
人間らしく
生きられない
塩分6g/日、水分、食べ物に強い制限!
③医師や看護師に叱られてばかり
(水分の摂りすぎ、食べ過ぎ、君死にたい
か)
<短時間透析と長時間透析の体験比較>
長時間透析=素晴らしい!-普通に生活-
①不快な症状が発生せず、透析を自然に受けられ
る
長時間透析(現在)
短時間透析(体験時)
項☆透析条件が緩やかで、体がほんとに楽だよ☆
目
4時間(一部3.5時
8時間(6⇒7⇒
透析時間
8)
間)
160mL(120
血流量
平均230mL/min
から)
除 水 量 3.5kg(1日平均) 2.0kg(1日平均)
注:血流量はほとんどの人は120~130m
L/min
:除水量は個人差が大きい
②家族と一緒に普通に食事、楽しい生活がで
きる
区
分
☆可愛い孫と回転寿司、ラーメンもOK☆
長時間透析(現在)
短時間透析(体験時)
塩
分
特に制限なし
水
分
特に制限なし
6g/日以下(味噌・醤油は少量だ
け)
・みそ汁、ラーメン、なま寿司・
カレー
ライス等はダメ! 刺身は2切れ
ペットボトル(500CC)1本ま
で
・コーヒー1杯・お茶も少量に
5.9mEq/ℓ以下程度 5.0mEq/ℓ以下に
カリウ
※高カリウム品は注 ・バナナ・果物・果汁・生野菜等
ム
意
はダメ
リ
ン
6.0mg/dℓ以下程度
※普通であればOK
5.7mg/dℓ以下に
・乳製品・レバー・卵・干し魚は
かもめ・日立クリニックでの食事①
かもめ・日立クリニックでの食事②
③透析効果が高く、体調が非常に良くなる
☆毎日、散歩もできるし、ゴルフもOK☆
項
目
クレアチニン
尿素窒素
無機リン
8時間透析(現在)
透析前 透析後
10.
8
56.
7
4.5
3.3
7
12.
0
2.1
効 率
68.9%
78.8%
53.3%
基準値
短時間透析
0.61~1.0
4mg
測定データが知
8.0~20.0 らされないので
mg
不明
2.5~4.5
mg
透析効率:Kt/V 2.0(4時間透析1.2)
注:測定データは24/12月(ダイアライザーⅣ型・血流
量160)
<私の運動量>毎日かかさず散歩
透析日:朝40分 透析日以外:朝夕1.5時
間
④服用(投与)していた薬がいらなくなる!
☆あれっ?
薬
区
分
エリスロポエチン製剤
鉄剤
降圧剤
高カリウム血症
剤
高リン血症剤
あの症状どこへいったの!☆
短時間透析(8時間当初)
使用量
単位
頻
度
現在(25/4
月)
3,00
0
IU
3回/週
不要
40
mg
1回/週
不要
1
錠 180以上時 不要
1
錠
透析ない日
不要
2
錠
毎食時
1錠
・
毎食時
①うまい食事をたくさん食べて⇒栄養たくさん摂取
②運動を毎日行ない
⇒骨や筋肉を強く
して
③ストレスも解消され
⇒心にいつもゆ
とりを持つ
<そば打ち
・
ピザ作り体験>
<温泉・リンゴ狩り>
<クリニックでの勉強会>
<長時間透析の課題>
Ⅰ.医師で長時間透析の長所を理解している人が少な
い
・塩分を摂取すると必ず高血圧に (ウソ⇒降圧剤は不要になっ
た)
・水はペットボトル1本(500CC)まで、コーヒー1杯、
お茶少量に
(ウソ⇒水もコーヒーもお茶も普通でOK)
・食べ物は制限して、量も控えめに(ウソ⇒偏食、過食しなけれ
ばOK)
Ⅱ.長時間透析の医療環境が厳しい
(診療報酬は毎回ダウン)
・診療報酬は5時間まで。回数も制限。
・医師も開業すれば経営者として経営効率を重点
<普及の考察>
Ⅰ.長時間透析研究会の拡大発展
①医師や看護師・技士等へのいっそうの浸透
②長時間透析研究による透析効果のさらなる
発展
Ⅱ.長時間透析患者会の結成
①情報交換、合同発表会、合同研究会の定期開
催
②H25結成予定(かもめ草木台・大津港・日
立)
<普及の考察>
Ⅲ.長時間透析の積極的PR
①茨腎協の役員会、総会等でのPR
②定期刊行誌、機関誌等への積極的PR投稿
Ⅳ.腎友会運動のさらなる強化
①国会請願など中央政府への働きかけ
(100万人の署名国会請願)
②透析医療制度、診療報酬の後退阻止
<最後に一言>
全国に人工透析患者
31万人
(茨城県だけでも 7,500人)
・新規透析者の高齢化
・介護透析者の急増
・透析施設までの送迎
―新たな問題が発生している―
透析環境の改善にご尽力ご協力