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日・独・英語の口頭における慣用句の表現比較
英語英米文化専攻
佐藤祐梨
ー共通の表現
例1)犬を用いた表現
日・・・犬畜生
英・・・Sun of a bitch
独・・・Hundisch
(犬の名前から由来)
('Hund'から発生した形容詞)
犬に対するイメージの一致
一般的に、慣用句における犬のイメージはネガティブなものが目立つ。
ー共通の表現
例2)“嘘吐き”を表す表現
日・・・二枚舌を使う
英・・・double tongue(二枚の舌)
独・・・Doppelzuengig(二枚舌を使う、不誠実な)
説1、西洋から日本に伝わった表現。
→西洋では嘘吐きのイメージを持つ、蛇の割れた舌から連想。
説2、日本独自の文化から生まれた表現。
→嘘吐き者は、閻魔様に舌を抜かれる
ー共通の表現
例3)”敬意、感服”を表す表現
日・・・脱帽する
英・・・take one's hat
独・・・den Hut abnehmen
”帽子をとる”という動作は、共通して相手に敬意を
表す動作。
西洋から日本に入ってきた、帽子を身につける習慣
から同じ表現の慣用句が生まれた。
ー英・独に共通する表現
例1)ひどく仲の悪い様子、関係
日・・・犬猿の仲
英・・・fight like cat and dog
独・・・leben wie Hund und Katz
ー英・独に共通する表現
例2)”無駄なこと”を表す表現(諺)
日・・・馬の耳に念仏
(馬には念仏が理解できない)
英・・・ It's like a casting before swine.
(それは豚に真珠を与えるようなものだ)
独・・・ die Perlen vor die Staeue werfen
(豚(die Sau)に真珠を与える)
宗教的背景
念仏
・・・仏教文化独特のもの
豚に真珠・・・キリスト教聖書からの引用
ー英・独に共通する表現
例3)自分の欠点に気がつかず、他人のことを笑う
日・・・ どんぐりの背比べ
英・・・ The pot calling the kellte black
(やかんを黒いと呼ぶ鍋)
独・・・ Der Topf lacht ueber den Kessel
(鍋がやかんを笑う)
ー各言語独特の慣用表現
例)他人の過失をことら探し出すこと
日・・・重箱の隅を楊枝でほじる
英・・・Nitpicker(シラミ探し)
独・・・Ein Haar in der Suppe finden
(スープの中から一本の毛を探す)
重箱、楊枝→日本の文化独特のもの
スープ →西洋の食事としてごく一般的なもの
ーまとめ
口語における慣用表現(諺)には、各言語の文化背景が影響。
日本語に比べ、比較的結びつきの強いドイツ語、英語の慣用句には
共通点が多くみられる。
それぞれ独自の表現を作っているなかでも、共通のイメージをもつ
動物や動作を用いた場合、全く同じもしくは似た慣用表現になる。