ネットビジネス論(第4回) - DATA BOX
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ネットビジネス論(杉浦)
第4回 ネットビジネスにおけるIT戦略
1CRM顧客関係管理の考え方
-顧客定義から顧客関係維持、そして顧客分析へ-
①ストラテジカルCRM(戦略的に目指すべき顧客関係を定義する)
・顧客は誰か?顧客価値は何か?
⇒顧客満足の向上の原動力は「不満」と「後悔」。顧客の「不満」とコンタクトパーソンの「後悔」
に耳を傾けることがCRMの原点。CRMは顧客関係管理であり、コミュニケーションこそ本質!
⇒形のないサービスでは有名人などエンドーサーによるイメージ発信が不可欠!
②オペレーショナルCRM(業務上で顧客関係を強化する)
・顧客情報は維持できているか?
⇒情報誌の郵送(住所有効性の確認)、招待メール(アドレス有効性の確認)、ご機嫌伺いはがき・
電話(状況変化の確認)、・・・
・顧客やコンタクトパーソンとの対話は十分か?
⇒アンケート、お客様相談窓口、フリーダイヤル、ソーシャルメディア(FaceBook、Twitter、
LINE公式ページ)、モニタ制度(フォーカスグループインタビュー)、QCサークル、・・・
③アナリティカルCRM(顧客行動を分析して顧客関係を強化する)
・顧客行動を把握できているか?
⇒定量分析(RFM分析(最新購入日/購買頻度/累積購入金額)、オッズ比分析(カード客対通常客
購入差異)、・・・)
⇒定性分析(ロジスティック回帰分析、テキストマイニング、行動追跡、・・・)
2アナリティカルCRMの事前準備
-相関と回帰-
・相関とは、2 つの変数の間の類似性の度合い。相関係数は−1 から 1 の間の実数値をと
り、1 に近いときは正の相関、−1 に近ければ負の相関となる。
・回帰とは、 2 つの変数があるとき一方の数値によって他方の数値を予測すること。
y=βx+α
散布図に隠れるトレンド
(集計表ではわからない)
y顧客全体の特徴を決定する
β主要因(ベータ:価格、品質、おいしさ等)
と
一部の顧客グループだけに影響する
α補助要因(アルファ:納期、親切↔煩わしさ等)
を
見つけるだけでも大きな競争優位になる!
3オッズ比、ロジスティック回帰
-データベースマーケティングからの進化-
オッズ比
男女それぞれ100人に先週ビールを飲んだかどうか聞いてみる。男性は80人が、女性は20人が先週ビール
を飲んだと答えるとしよう。男性がビールを飲んだオッズは80(飲んだ)対20(飲まない)つまり
4/1=4で、女性は20 (飲んだ)対80 (飲まない)つまり1/4=0.25である。4 / 0.25 = 16で、オッズ比
は16となる。
男性は飲酒しやすさが女性に対して16倍倍高いこととなる
ロジスティック回帰
・○○な人はハンバーガーとポテトを
いっしょに買いやすい。
・対数をとれば線形回帰(y=βx+α)
・0と1との間をとるため二値判定に適している
4RFM分析(最新購入日/購買頻度/累積購入金額)
-優良客、離脱客を先読みする-
5データマイニングの考え方
-バラバラに見えるものにも法則がある-
ピッチャーやバッターにはいくつかのタイプがある。
数え切れないほどのケース(事例)をこつこ
つと集めて、そこからモデルとなる選手を特
定し、基準となる特徴をまとめる。
ピッチャーやバッターのタイプをきちんと識
別し、タイプ別の対応策を考える。
6クラスター分析
-顧客のタイプをあぶり出す-
氏名
加工食品 乳製品
都道府県
林 千春
320
315 佐賀県
河本 なみ
326
410 沖縄県
山久 良美
186
171 富山県
和辺 義隆
267
163 三重県
渡川 秀人
319
315 京都府
小田 勝也
204
114 徳島県
池林 裕香
152
134 東京都
池山 剛司
148
100 群馬県
木山 勇
335
127 長野県
鈴藤 哲也
136
58 千葉県
佐本 久明
354
329 秋田県
坂田 由利
214
53 北海道
園村 真一
320
299 北海道
田本 千賀
288
45 北海道
山水 伸俊
148
97 宮城県
清岡 裕美子
343
307 宮城県
武島 友子
211
75 宮城県
大田 泰江
321
338 大阪府
島中 和明
330
293 大阪府
統計解析ソフトJMP
得意先名 部署
喫茶たいむましん
店長
小料理なんごく
料理長
割烹ふじい 料理長
海鮮料理くじら
料理長
居酒屋ななべえ
料理長
酒蔵でん 料理長
寿ストアー 店長
温泉レストラン
料理長
大和マーケット
店長
東海道スーパー
店長
小町ストアー
店長
北冷マート 店長
札幌フード 店長
雪花ガーデン
営業部
城元株式会社
営業部
宮株式会社営業部
月野株式会社
営業部
葉薄ふぁん 料理長
屋台すまいる
料理長
クラスター分析によってクラスター番号
が設定された
クラスター1(両方とも多い)は店長が
多いことが一目瞭然
データウェアハウスソフトDataNature
7判別分析
-判別式を用意しておけば新しい顧客をクラスター判定できる-
購入パターンから新しい顧客がどの
クラスターに属するのかを判別する。
SPSSやJMPなどデータマイニングツールを
使えば判別式を自動生成できる。
8変動する顧客タイプと顧客ニーズ
-昨日のマイナーが明日のメジャーになるかも-
パーソ ナル
部分
パーソ ナル
部分
パーソ ナル
部分
パブリ ッ ク 部分
パーソ ナル
部分
パーソ ナル
部分
パーソ ナル
部分
パーソ ナル
部分
パーソ ナル
部分
誰もが平均的な特徴だけを持ってい
る
わけではない。
変わったこと、少数意見が当たり前のことや
多数派へと広がっていくことがある。
9t値検定で変化を察知する
-クレームはなぜ起きるのか-
・t検定とは2つのグループの平均の差が偶然誤差の範囲内にあるかどうかを調べるもの。
・t分布の外側5%の範囲にあれば同一母集団からの標本ではなく有意差があると考える。
・95%信頼区間の外側に来る確率を p とするとき、
pの値
意味
p>0.1
有意でない
有意差はない
0.05<p<0
.1
有意傾向である
p<0.05
有意である
有意差がある
・判別式による顧客タイプの判定にミスが増えてきたら変化の兆しかもしれない。
・新たに出現したニュータイプの顧客層が持つニーズに対して競合先よりも先に対応でき
れば競争優位となるはず。
10ネットビジネスにおけるIT戦略
-変化を先取りした者が勝者となる-
<演習>
-Akinatorはなぜ思い浮かべた人を当てられるのか-
Akinator the Genie