自律分散協調システム論 無線技術と自律分散協調

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Transcript 自律分散協調システム論 無線技術と自律分散協調

自律分散協調システム論
無線技術と自律分散協調
平成19年6月21日
慶應義塾大学
政策・メディア研究科
三次 仁 ([email protected])
1
ポイント
• 無線通信では
– 多元接続(マルチプルアクセス)
– アドホックネットワーキング
において分散協調制御が有効である。
• 分散協調制御における性能評価、安定性評
価が重要である。
– ALOHA方式スループット
– CSMA/CAによる周波数利用効率
2
無線通信の応用分類
通信距離
衛星通信
100km
http://www.jaxa.jp/press/2007/05/20070509
_sac_kiku8.pdf
10m
無線中継
1km
携帯電話
100m
http://www.nttdocomo.c
o.jp/product/foma/
アクティブタグ
ミリ波レーダ
http://www.nttat.co.jp/product/nire/index.
html
10m
無線LAN
1m
http://buffalo.jp/products/catalog
/network/whr-hp-g54_ek/
リモコン
10cm
高速PAN
1cm
非接触ICカード/パッシブ無線タグ
10kbps
100kbps
1Mbps
10Mbps
要求通信速度/帯域
100Mbps
1Gbps
3
無線ネットワークトポロジの分類
IEEE 802.11
インフラストラクチャモード
アドホックモード
メッシュネットワーク
MPP
STA
AP
STA
AP: Access point
STA: Station
MPP: Mesh portal
MP: Mesh point
MAP: Mesh Access Point
STA
STA
STA
MP
MP
MAP
4
STA
STA
無線ネットワークトポロジの分類
IEEE 802.15.4
FFD:Full Function Device
RFD: Reduced Function Device
PAN: Personal Area Network
スター・トポロジ
ピアツーピア・トポロジ
クラスタツリーネットワーク
FFD
FFD
Pan coordinator
RFD
5
無線ネットワークを構成するために必要な機能
1.変復調:デジタル信号を電磁波に重畳する、電磁
波からデジタル信号を取り出すこと
2.多重化:1つの通信路に複数の情報を同時に伝送
すること(APやFFDなど複数のチャネルを有するデ
バイス)
3.多元接続:1つの通信路に複数の通信チャネルを
確保し、通信チャネルでの混信を回避すること
4.経路制御:所定のあて先に情報を届けること
6
変調方式(Modulation)
• 振幅変調ASK (Amplitude Shift Keying)
• 位相変調PSK(Phase Shift Keying)
• 周波数変調FSK (Frequency shift keying)
7
多重化(Multiplexing)
• 時分割多重 (TDM: Time Division Multiplexing)
– 周波数利用効率が高い
– 端末側が最大通信速度に対応する必要がある
• 周波数分割多重(FDM: Frequency Division Multiplexing)
– 端末は自らが必要とする帯域分処理できればよい
– チャネル間の漏れこみが起こり易い
• 符号分割多重(CDM: Code Division Multiplexing)
– 遅延波のエネルギー合成ができる
– 符号数、多重度に限界がある
• 空間分割多重(SDM:Space Division Multiplexing)
– 周波数の再利用が可能
– 指向性アンテナが必要
8
変調・多重化の実際
デジタル信号処理可能
2
0 1 0 1 1 1 0 0 1
1.2
1.0
0.8
0.6
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0.4
0.2
Ch1
波形成型
フィルタ
0.0
414
914
1414
1914
2414
2914
変調
デジタル信号処理可能
Ch2
波形成型
フィルタ
変調
9
多元接続
• TDMA(時分割多元接続)
– 複数アクセスを時間的に分割
• FDMA(周波数分割多元接続)
– 複数アクセスを周波数的に分割
• CDMA(符号分割多元接続)
– 複数アクセスを符号で分割
端末に固定的なスロットが定められていない状態で動的
にチャネル割り当てを行う
Demand Assignment⇔Pre-assignment
収容できる端末数を大幅に増大することができる
10
多重化/多元接続/複信
多重化
多元接続
複信:双方向通信の実現方式
たとえば
CDM/CDMA/FDD: W-CDMA
TDM/TDMA/TDD: IEEE801.11
11
無線ネットワークにおけるアクセス制御
無線固有の問題
AP
STA
STA
一つの物理チャネル
にアクセスする送信
要求を制御すること
・通信帯域幅が限定されているので他の無線システ
ムと周波数共用することが多い。
・端末が電池駆動していることもあるので、消費電力
を極力抑圧することが望ましい。
・通信距離や、基地局/端末の種類によって電力が大
幅に異なる。
12
アクセス制御方式
• ランダムアクセス方式
– パケット生起が統計モデルであることを前提とし
た分散協調制御
• ノンコンテンション方式
– 制御局が集中的にアクセスを制御して、輻輳を避
ける
13
多元接続方式とアクセス制御
• 多元接続:無線チャネルの接続方式の違い
• アクセス制御:同一無線チャネル内での複数
アクセスの制御
ランダムアクセス
共通無線(無線)チャネル
データ量が少ないトラヒック
個別無線(物理)チャネル
送信データが大量にある場合
14
W-CDMAの場合、コードと周波数で決まる
ランダムアクセス方式
• Pure ALOHA
– 勝手なタイミングでパケット送信を開始する
– 簡単だがスループットが低い
• Slotted ALOHA
– 送信時間スロットを区切ったALOHA方式
– 比較的簡単でスループット改善
• CSMA(Carrier sensing Multiple Access)
– 送信する前に、チャネルの利用状況を確認する
– すべての無線機からの送信を受信できることが
前提
15
Pure ALOHA方式
時間
STA1
パケット衝突
STA2
送信成功
STA3
• 送信頻度を減らす=衝突は少ないが情報が少ない⇔送
信頻度を増やす=衝突が増えるが情報量は多い
• 性能を最適化する分散協調制御が必要
• 性能評価のためには送信頻度と衝突確立のモデルが必
要=ポアソン分布
16
二項分布とポアソン分布
• 二項分布
総端末数
ある時間でn台のうちk台の
端末が同時に送信する確率
ある時間に1台の端末が送
信する確率
n台の端末あたりの送信率μ=npのほうが測定しやすい(総端末数
がわからなくともいい)
端末数nが多いと近似して確率をμを用いて表す=ポアソン分布
17
ポアソン分布
衝突数
n台あたりの送信確率
1
1
二項分布
ポアソン分布
0.1
0.1
二項分布
ポアソン分布
0.01
0.01
確率
確率
256台の端末がp=1/128
の確率で送信する場合
0.001
0.001
0.0001
0.0001
64台の端末がp=1/128
の確率で送信する場合
0.00001
0.000001
0.00001
0
2
4
6
x (送信タイミングが重なる台数)
8
10
0
2
4
6
x (送信タイミングが重なる台数)
8
ポアソン分布は測定が容易で近似精度がよいため、よく用いられている
10
18
Pure ALOHA方式のスループット計算
1
送信パケット
送信開始時間
パケット損失となる他パケット
2
送信タイミング2つ連続で他パケットが送出されない条件
送信確率はμなのでスループットは
19
Slotted ALOHA方式のスループット計算
1
送信パケット
送信開始時間
パケット損失となる他パケット: 同一スロットのみ
送信タイミング2つ連続で他パケットが送出されない条件
送信確率はμなのでスループットは
20
スループット比較
1
Pure ALOHA
Slotted ALOHA
0.9
0.8
スループット
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
1.8
2
送信頻度
分散送信制御であってもトラヒック量に基づく協調の有無によって性能が異なる
Slotted ALOHAでも40%程度の周波数利用効率である。
21
最適値の物理的意味
1
0.9
衝突
パケットなし
送信成功
0.8
0.7
P(2以上)=衝突
確率
0.6
0.5
0.4
P(1)=送信成功
0.3
0.2
P(0)=パケット無
0.1
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
送信確率
1.2
1.4
1.6
1.8
2
スロット数とパケット数が同一(送信確率1)とするとパケット損と
パケット無しの割合が最適化されてスループットが最大となる
22
ALOHA応用例
無線タグのマルチリード
アンテナ
無線タグ
ゲートを通過している時間内に荷物の自動読み取りをする
無線タグ(パッシブタイプ)に特徴的な課題
・読み取り可能な領域が限定されているのでできるだけ早く読みたい
・無線タグ同士はお互いの信号を聞き取ることができない
・読み取りが終わったタグは休止するので、トラヒックが減じていく
23
無線タグ読み取りにおけるALOHA方式
Frame1
Reader
Tag1
Select
Query
ACK
RN16
QueryRep
Frame2
QueryRep
QueryRep
QueryAdjust
ACK
QueryRep
ACK
QueryRep
EPC
Collision
Tag2
RN16
Tag3
RN16
Slot 1
Slot 2
RN16
EPC
RN16
Slot 3
Slot 4
Slot 1
EPC
Slot 2
1フレームですべてのタグを読み取るのではなく、複数フレームで読み取りを実現
24
現実の読み取り時間に影響を与える要因
• キャプチャ効果:パケットが衝突しても信号強度に十分な差分があれば、
パケット損失を回避することができる
• 空きスロットと衝突スロットの検知時間の差分:衝突スロットの方が早く検
知できる
理論的にはアクセス数(タグ数)とフレーム長を同一とすればよいが
実際には詰めたほうが早く読みとりを行うことができる
25
無線タグの読み取り時間実測
32個のタグ
1000
Complete Capturing
Complete Collision
Experimental
900
700
600
ms
読み取り時間
800
500
400
300
200
100
0
4
5
6
Q
7
8
フレーム数= 2^Q
フレーム数をタグよりも少し小さくすると読み取り時間が短縮できる
26
乱数の生成
• ランダムアクセスでは、生成する乱数の相関に性能が影響される。
• 乱数生成の代表的な手法
– Congruential generators
xo = 1, a = 37, b = 1, k= 6とすると
{1, 38, 63, 28, 13, 34, 43・・・・}
どのくらいランダムか定量化する方法=自己相関(Auto-Correlation)
時間τ離れた位置での自己相関
平均
τ時間離れて同じ事象が起こ
るのであれば、自己相関は大
きくなる
27
Congruential generatorの自己相関
1
64
64
0 .8
128
0 .6
正規化自己相関
6bit mod
7bit mod
0 .4
0 .2
0
- 0 .2
- 0 .4
64
- 0 .6
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
時間間隔
乱数発生といっても現実的には有限の周期を有する
周期は割り算のビット数に依存する
28
乱数の生成
LFSR(Linear Feed Back Shift Register)
• Congruential generatorの課題
– ハードウェア処理の面から掛け算は避けたい
– moduloの割り算母数を効率的に大きくしたい
• LFSR
– nビットの数値を特定のビット列(生成多項式)で割り算したときの余り
で乱数を表す
– フィードバックとシフトで繰り返す(XORとシフトレジスタで対応可能)
111010
101001
b0
余り相当10011 ビット毎のXORで求めることができる
b1
b2
XOR
b3
b4
生成多項式=x5+x3+1
29
LFSRの自己相関
6bit congruential generator
1
6bit LFSR
64
0 .8
63
正規化自己相関
0 .6
0 .4
0 .2
0
- 0 .2
- 0 .4
- 0 .6
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
時間間隔
簡単なハードウェアで長周期の乱数を作れるためLFSRはPN符号生成法として一般的
30
フレームアロハにおける乱数生成ビット数の影響
256タグの読み取りを128スロットのフレームアロハで行う場合のス
ロット選択に用いる乱数生成ビット数による残留タグ数
300
250
残 留 タグ 数
200
150
100
50
0
5
6
7
8
9
10
乱 数 生 成 ビット数
31
CSMA/CA
Carrier Sensing Multiple Access/Collision Avoidance
Busy
STA1
STA2
Busy
STA3
Busy
Busy
時間
Busy
Busy
使用するチャネルの使用状態を受信し、一定のレベル以下であれば送信を開始する
要求条件
・すべてのSTAの送信を実質的に受信することができること。
・Busyから回復した後の複数STA送信の衝突を回避できること。
・優先して送信する端末(チャネル)を設けることができること。
32
CSMA/CA
無線システム毎に優先度
を変える
Busy回復後の同クラスのトラヒック衝突を回避
キャリアセンス 一定待ち時間 ランダムバックオフ
トラヒックに優先度をつける
制御信号や免許局を優先
データ送信
システムに応じて定義
33
CSMA/CAの実際
IEEE 802.11(無線LAN)
時間
送信
STA1
Busy
STA2
IFS バックオフ
IFS
バックオフ
Busy
STA3
Busy
IFS(Inter Frame Space) :一定待ち時間、バックオフ: ランダム待ち時間
• 11a:
• 一定待ち時間 16μs, 25μs, 34μs
• ランダム待ち時間 15~1023 (スロット), 1スロット9μs(衝突した場合には待ち時
間が延びる)
• 11b:
• 一定待ち時間 10μs, 30μs, 50μs
• ランダム待ち時間 31-1023(スロット), 1スロット20μs(衝突した場合には待ち時
間が延びる)
34
CSMA/CAの実際
IEEE 802.15.4(Zigbeeの物理/MAC層)
CAS: Contention access period
Beacon
Beacon mode
Slotted CSMA
16スロット
CAS
Inactive
16スロット
CAS
Inactive
ランダムバックオフ
16スロット
CAS
Inactive
他キャリア無し送信
他キャリア発見
Non-Beacom
CSMA
他キャリア発見
ランダムバックオフ
他キャリア無し送信
35
CSMA/CAの実際
UHF帯無線タグシステム(日本・欧州の電波法令)
連続送信可能時間
TX _O N
送信停止時間
TX _O FF
デ ュー テ ィ制 御
キャリアセンス時 間
LST N
バ ックオフ時 間
BCK
送信制御
最 低 限 の キャリアセンス時 間
キャリアセンス時 間 経
過後の送信衝突を避
けるための時間
LST N 経 過 後 に 一 定
の 長 さの スロットをラ
ンダムに選択
日本の電波法令
出力(EIRP) 4Wの場合:キャリアセンスレベル -74dBm, キャリアセンス時間 5msec, TX_ON 4秒、 TX_OFF 50msec
出力(EIRP) 20mWの場合:キャリアセンスレベル -64dBm, キャリアセンス時間 10msec, TX_ON 1秒、TX_OFF 100msec 36
CSMA/CAによる重み付き分散協調制御の例
高出力RFIDリーダと低出力RFIDリーダの周波数共用
1
2
3
y
4
5
6
10
7
8
5m
Reader1-9は高出力型
Reader10は低出力型
全部でチャネルは13.高出力はch1 – ch9まで、低出力はch4-ch13が使える
9
x
チャネル使用シミュレーション
低出力型チャネル
高出力型チャネル
低出力型(Reader10)は高出力型と競合する場合には、低出
力型専用帯域を利用。分散制御によって周波数の有効利用
が実現している。
37
CSMA/CAによる周波数利用効率
1
2
3
f2
4
f2
f6
11
12
13
21
22
23
31
32
41
42
5
f4
15
24
25
34
35
f1
f2
f8
f7
f0
f5
33
AFA:Automatic Frequency Allocation (開き
チャネルを探す)
Non-AFA: 各RFIDリーダは固定チャネル
f3
f1
f7
43
ランダムな方向を指向している25台のRFIDリー
ダがCSMA/CAで分散協調制御している
f5
14
44
45
f8
分散協調制御によって公平なリソース割り当てができる
自動チャネル割り当てによって大幅に周波数利用効率を改善できる
30000
AFA
Total Transmission Time (msec)
25000
20000
15000
10000
Non-AFA
5000
38
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13 14
Reader
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
CSMA/CAによる優先トラヒックの実現
シミュレーションモデル
優先リーダ
出力 36dBm
キャリアセンスレベル -74dBm
キャリアセンス時間 5msec
リーダ/ライタのボアサイトは水平
面(xy面)内でランダムに与える
1
2
3
4
5
11
12
13
14
15
21
22
23
24
25
31
32
33
34
35
41
42
43
44
45
非優先リーダ
出力 13dBm
キャリアセンスレベル -64dBm
キャリアセンス時間 10msec
y
x
20m
80m
非優先リーダがリーダ23の近接に配置される
優先リーダも非優先リーダもチャネル1-9を利用する
39
CSMA/CAによる優先トラヒック検討結果
30000
25000
総送信時間
20000
15000
10000
非優先リー
ダ
5000
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
リーダ番号
キャリアセンス時間に差分をつけることで、自律分散制御によって優先トラヒッ
クを実現することが可能
40
3基本チャネルを用いる非優先リーダ
が14chまで使う場合
非優先トラヒックの
チャネル
低出力型リーダ
優先トラヒック
のチャネル
→3基本チャネルを用いる非優先トラヒックは自動周波数選択により競合する優
先トラヒックのない11チャネルへ分散協調制御によって移動する
41
RFIDリーダを高密度に配置する際の問題
=電波干渉
被干渉電子タグシステム
被干渉リーダ
変調信号/CW
反射波
(2)
タグ
(1)タグからの反射波電
力が小さいため他リーダ
および別無線システムか
ら保護する必要がある
CSMA/CAで保護可能
(1)
干渉リーダ
変調信号/ CW
干渉電子タグシステム
(2)リーダ受信の問題が
解決しても、タグ受信干渉
が問題になる可能性があ
る。タグの受信帯域が広い
ためである。
42
タグ受信部の必要CIR
離隔距離5倍
16
T ag A sam ple 1
T ag A sam ple 2
14
離隔距離3倍
12
T ag A sam ple 3
T ag B sam ple 1
C/I (dB)
T ag B sam ple 2
T ag B sam ple 3
10
8
6
4
2
0
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
F re qu e n c y se paratio n (kH z)
近接リーダが近接チャネルを使う場合には必要CIRが大きくなる
近接リーダはできるだけ離れたチャネルを使うことが望ましい
43
タグ受信ビートの要因
アンテナ
補間フィルタ
LPF
検波ダイオード
・検波ダイオードの非線形性のためビートが発生
・LPFは最大伝送速度に対応できる帯域幅を有する
・LPF帯域幅内に生じるビートは取り除くことが難しい
44
実際のビート成分
1 .0
0 .8
0 .6
D e m o du lato r o u tpu t(V )
C / I = 1 8 dB
C / I = 9 dB
0 .4
0 .2
0 .0
- 0 .2
- 0 .4
- 0 .6
- 0 .8
- 1 .0
0
100
200
300
400
500
T im e (u se c )
近接したチャネルだとタグ復調時にビートが生じてしまう
45
空きチャネル検索アルゴリズム
• 即時法:空いているチャネルをすぐ使う
• 最小電力法:すべてのチャネルを検査し、雑
音最小なチャネルを使う
• 重み付き法:近傍チャネルの干渉状況を考慮
してチャネルを評価し、評価がもっとも高い
チャネルを使う
3つのアルゴリズムの有効性を数値シミュレーションで評価
46
重み付き法
Weight function
Carrier sense level
1
2
3
4
5
Channel
47
計算モデル
7
5m
8
9
4
5
6
y 1
2
3
x
評価法
・ボアサイトを100回ランダムに
変更して、チャネル選択アルゴリ
ズムによる15秒間の総送信時
間を比較
・選択チャネル間隔の比較(でき
るだけ離調したチャネルを選択し
ているほうが性能がよい)
EIRP 36dBmのリーダライタ9
台が5チャネルをキャリアセン
ス-74dBmで共有
48
送信時間の比較
120000
W e igh te d
S u m m e d T ran sm issio n T im e (m se c )
M in im u m P o w e r
100000
80000
60000
40000
Im m e diate
20000
0
0
20
60
40
80
100
T rial
即時法を用いると、周波数利用効率が最小電力法と重み付き法に
比して3/4程度に劣化する
49
タグ受信CIRが劣化する条件
CIRが悪くなった条件(重み付き法)
時間(msec)
最低CIR(dB) 被干渉
リーダ
干渉
リーダ
チャネル
間隔
518
4.62
4
7
3
1021
3.14
5
6
2
1526
3.78
4
7
2
2296
3.13
5
6
2
2820
3.78
4
7
4
7
5m
8
9
4
5
6
y 1
2
3
x
リーダが正対している場合よりも平
行配置している際に注意が必要
50
リーダ5,6の選択チャネル間隔比較
即時法
重み付き法
最小電力法
重み付き法によりチャネル間隔
を自律的に拡大することができる
51
まとめ
• 無線通信では
– 多元接続(マルチプルアクセス)
– アドホックネットワーキング
において分散協調制御が有効である。
• 分散協調制御における性能評価、安定性評
価が重要である。
– ALOHA方式スループット
– CSMA/CAによる周波数利用効率
52
参考文献
•
•
•
•
•
•
•
•
松江、守倉、佐藤、渡辺、”高速ワイヤレスアクセス技術”、電子情報
通信学会、第6章アクセス方式
立川、“W-CDMA移動通信方式”, 丸善、第3章無線システム
“Part15.4: Wireless Medium Access Control (MAC) and Physical
Layer (PHY) Specifications for Low-Rate Wireless Personal Area
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