重力波検出器による ガンマ線バーストの研究

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Transcript 重力波検出器による ガンマ線バーストの研究

重力波検出器による
ガンマ線バーストの研究
産業技術総合研究所
寺田聡一
東京大学・宇宙線研究所
山元一広
阿久津朋美
内山 隆
三代木伸二
大橋正健
黒田和明
Contents
• 重力波と重力波検出器の原理
• 重力波検出器の現状と計画
• ガンマ線バースト起源の重力波とその検出
• まとめ
重力波と重力波検出器の原理
重力波
•
•
•
•
アインシュタイン方程式の波動解
光速で伝播
横波
2つのPolarization
1

 0
g   h  
0

 0

0
0
1
0
0
1
0
0
0 0
 
0 0

0 0
 
1   0
0
0
h
h
h
 h
0
0
0

0
0

0 
重力波は平坦な時空からの摂動として表される
(記号として h が通常もちいられる)
重力波と重力波検出器の原理
重力波の発生
質量密度の四重極変化から放出される
重力波と重力波検出器の原理
重力波の発生
質量密度の四重極変化から放出される
重力波と重力波検出器の原理
重力波の発生
質量密度の四重極変化から放出される
2つのPolarization
重力波と重力波検出器の原理
重力波の発生
質量密度の四重極変化から放出される
2つのPolarization
h
h
重力波と重力波検出器の原理
球対称な質量密度の変化からは放出されない
重力波と重力波検出器の原理
球対称な質量密度の変化からは放出されない
× 重力波放出無し
重力波と重力波検出器の原理
重力波による時空の歪み
重力波と重力波検出器の原理
重力波による時空の歪み
h
重力波と重力波検出器の原理
重力波検出器
共鳴型重力波検出器
重力波の振動エネルギーを弾性
体の弾性振動エネルギーに変換
して検出
レーザー干渉計型重力波検出器
干渉計を構成する鏡間の距離の
変化を測定
重力波検出器の現状と計画
初期の共鳴型重力波検出器
共鳴型アンテナ
Weber バー (1969年)
「最新 アインシュタイン論(学研)」より
直径66cm 長さ150cm 質量1400kg アルミ合金製
共振周波数 1660Hz
重力波検出器の現状と計画
現在の共鳴型重力波検出器
NAUTILUS
LNF - FRASCATI
直径60cm 長さ291cm 質量2270kg
共振周波数935Hz 温度130mK
重力波検出器の現状と計画
現在のレーザー干渉計型重力波検出器
LIGO(Hanford, Washington)
基線長4km
Power Recycled FPMI
重力波検出器の現状と計画
日本のレーザー干渉計型重力波検出器
TAMA300
三鷹/国立天文台
CLIO
神岡鉱山/宇宙線研
基線長300m
低周波防振装置SASを導入中
基線長100m
低温鏡を用いたLCGTのプロトタイプ
重力波検出器の現状と計画
重力波検出器の感度曲線
共鳴型重力波検出器
重力波検出器の現状と計画
重力波検出器の感度曲線
レーザー干渉系型重力波検出器
10 -15
CLIO (100m) 2006/12/13 [1/rHz]
LIGO (4km) S5 2006/6 [1/rHz]
VIRGO (3km) C7 [1/rHz]
GEO600 (600m) 2006/7 [1/rHz]
10 -16
10 -17
h [1/rHz]
10 -18
10 -19
10 -20
10 -21
10 -22
10 -23
10 1
10 2
10 3
Frequency [Hz]
10 4
重力波検出器の現状と計画
宇宙空間レーザー干渉計型重力波検出器(計画)
LISAプロジェクト
地球公転軌道の
基線長5百万kmのレーザー干渉計
mHz帯の重力波を狙う
重力波検出器の現状と計画
レーザー干渉計型重力波検出器の計画
Advanced LIGO
現在のLIGOを改良
LCGT
日本の大型計画
神岡鉱山地下に建設
鏡を冷却しノイズを下げる
ガンマ線バースト起源の重力波とその検出
地上の検出器のターゲット
連星中性子星の合体
放出される重力波の振幅、波形が
予測されている
→ Matched filtering 解析が
使える
→ 観測されれば距離がわかる
頻度が不確定
LCGTでも数個/年か?
超新星爆発
放出される重力波の振幅、波形が
不確定
→ 他の観測から発生時刻が絞れる
→ 観測から超新星爆発の内部構
造を知ることができる
他の観測から頻度はわかっている
ガンマ線バースト起源の重力波とその検出
連星中性子星の合体からの重力波
h(t)
C hirp 1.4-1.4 S olar-M ass
0.000
0.020
0.040
0.060
0.080
0.100
0.120
T im e (sec.)
超新星爆発からの重力波(Dimmelmeierのシミュレーション)
signal_A1B1G1_N
h(t)
h(t)
signal_A 3B 2G 1_R
0.08
0.09
0.10
Time (sec.)
0.11
0.12
0.08
0.09
0.10
T im e (sec.)
0.11
0.12
ガンマ線バースト起源の重力波とその検出
CLIOとLIGOの連星中性子星からの重力波レンジ
ガンマ線バースト起源の重力波とその検出
ガンマ線バーストのセントラルエンジン
•Hypernova?
共に重力波放出が十分に期待される!!
•Compact Binary merge?
ガンマ線バーストからの重力波
• 波形、振幅がわかっていない
• GRBからのディレイがわかっていない(GRBより先に放出?)
• 一般的には遠い
重力波検出器が観測中にGRBは発生している
例) LIGO S2 run 期間にGRB030329(SN2003dh) z=0.165 (800Mpc)
例) LIGO S5 run (~2006/11/27)期間に、129 GRB (内 s-GRB は9)
データ解析
• GRB時刻付近の2台の検出器の相関
ガンマ線バースト起源の重力波とその検出
シミュレーション
• 検出器の実データ(ノイズ)に擬似信号を埋め込みUpper Limit を算出
擬似信号としては、Sine-Gaussian(SG)や
Dimmelmeierのシミュレーション波形(DFM)
Upper Limit は、LIGO S2 run のときで、
B. Abbott et al, Phys. Rev. D72 ,042002(2005)
SG: 5×10-21 [1/rtHz]
DFM: 1×10-20 [1/rtHz]
(LIGO S5 run は感度が一桁強よくなっている)
波形に依存!!
GRBからのディレイの範囲が狭められれば、Upper Limit はよくなる
まとめ
まとめ
• GRBは重力波源として期待される -振幅、波形等は不明-
• GRBからの重力波が観測されれば、中心エンジンの解明につながる
• GRBからの重力波の振幅、波形、遅延を予測していただきたい
• 日本の大型計画LCGTを建設させていただきたい
• 近傍でGRBを起こしていただきたい