natZn+40Ar反応における 高スピン状態の研究

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natZn+40Ar反応における
高スピン状態の研究
阪大理、理研A
登壇者:堀稔一
共同実験者:増江俊行、田尻邦彦、小紫順治、長澤拓、
西村太樹、佐藤昭彦、赤阪陽介、古川武A、
福地知則、小田原厚子、下田正
もくじ
• 目的
• 2006年1月、RCNPでの高スピンアイソマー探査
インビームnatZn+40Ar反応実験
• 2007年3月、RCNP、 ENコースでの高スピンアイソマー探査
リコイルキャッチャー法を用いた13C+86Kr反応実験
• まとめ
原子核の構造が変化する節目にアイソマーが現れる可能性がある。
アイソマー探査をすることで、原子核の構造が変化している様子を
効率よく観測することができる。
N=83高スピンアイソマーの場合
球形からオブレート型への変形が
長寿命の原因だと考えられる
低スピン状態では球形
(N=82,Z=偶数)のコア + 中性子1
高スピン状態ではコアの中で
ペアを組んでいる2つの中性子が
ペアを壊して、スピンが対称軸に揃う。
(N=80,Z=偶数)のコア + 中性子3
長寿命
オブレート型
N = 83 (魔法数+1) のシステマティクス
β~-0.20
oblate
146Gdの単一粒子軌道
90Zrの単一粒子軌道
excitation energy [MeV]
N = 51 (魔法数+1) のシステマティクス
odd nuclei
[ν(d5/2g7/2h11/2) π(h9/22)]39/2odd-odd nuclei
[ν(d5/2g7/2h11/2) π(p1/2-1d9/22)]20+
高スピンアイソマーは
1つ見つかっている
実験条件
• 場所 : 大阪大学RCNP(核物理研究センター)
ENコース
• 期間 : 2006年1月11日~13日 40時間
(4年生卒業研究)
• 反応 : natZn+40Ar
• ビームエネルギー : 197MeV
•
平均ビーム強度 : 1pnA
• ターゲット : natZn(1.9mg/cm2)
• バッキング : natPb(8.8mg/cm2)
• 検出器 : ゲルマニウム検出器5台
45%Ge、40%Ge、LEPS、
10segmentedGe、25segmentedGe
• 測定方法 : 同時,遅延ガンマ線測定
セットアップ
Projectionガンマ線スペクトル
Counts
17核種を確認
Energy [keV]
94Mo高スピンアイソマーの可能性
• 同時・遅延計測データの解析にて
• スピン・パリティ : 14+以上の領域
• 励起エネルギー : 7554 keV以上の領域
• T1/2 ≥ 600 nsec
(前回の学会で報告)
もっと、精度よくアイソマー探査を行うために
リコイルキャッチャー法を用いた実験を計画し、実施した。
実験条件
• 場所 : 大阪大学RCNP(核物理研究センター)
ENコース
• 期間 : 2007年 3月16日~24日 8日間
• 反応 : 13C+86Kr
• ビームエネルギー : 7.4MeV/u
• F0ターゲット : 13C(1mg/cm2)
• F2キャッチャー : natPb(~40mg/cm2)
• 検出器 : ゲルマニウム検出器14台+SSD(20μm)
• 測定方法 : リコイルキャッチャー法
セットアップ
F0~F2 ~16m
飛行時間 ~500ns
アイソマーを効率よく観測できる
14台のゲルマニウム検出器
うち11台はストーニーブルックか
ら借用。2台はBGO付き
粒子にゲートをかけたgamma線スペクトル
93Mo
T1/2 =6.85h,21/2+
91Zr
T1/2 =4.35μs,21/2+
94Mo
T1/2 =98ns,8+
粒子にゲートをかけたgamma線スペクトル(拡大)
94Mo
Level Scheme
Counts
294keV
942keV
294keV
942keV
98 nsec
Energy [keV]
Level scheme : B.Kharraja et.al.,
Phys.Rev.C57(1998)2903
98 nsec : C.M Leder
Nucl.Phys.A169(1971)449-488
まとめ
• 2006年1月、RCNPにて高スピンアイソマー探査として、イン
ビーム実験を行った。
• natZn+40Arにて、2日間。
• 94Moに、同時・遅延計測データの解析にて、高スピンアイソ
マーがある可能性。
• 2007年3月、RCNP、 ENコースにて高スピンアイソマー探査と
して、リコイルキャッチャー法を用いた実験を行った。
• 13C+86Krにて、8日間。
• SSD Gammaの解析から,94Moのアイソマー (98ns、8+、
2955keV)より上の準位間のガンマ線エネルギーと一致する
ピークを2つ確認。