金星電離圏と太陽風の相互作用

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Transcript 金星電離圏と太陽風の相互作用

惑星と太陽風
の相互作用
The Interaction of The Solar
Wind with Planets
惑星物理学研究室 4年
深田 佳成
地球
半径 : 6370km
境界面 :
固有磁場を持ち、磁気圏が太陽風と
相互作用する惑星
金星・火星
金星
半径 : 6052km
境界面 :
火星
半径 :3390km
境界面 :
固有磁場を持たず、電離圏が太陽風
と相互作用する惑星
木星
半径 : 71400km
境界面 :
~
固有磁場を持ち、プラズマが激しく運動し、
磁気圏が太陽風と相互作用する惑星
圧力バランス
運動量保存の式
↓
太陽風
惑星
目的
 太陽風が惑星周辺の環境にどのような
影響を与えるかを、地球を中心に、磁場
のない惑星である金星、火星、磁場を持
ち速い自転に起因するプラズマがある木
星について考察する。
 太陽風の動圧を惑星側のどのような圧力
で支えているのか?
 太陽風との境界面はどのような形状をし
ているのか?
太陽風と惑星の磁場、
プラズマの圧力
太陽風
-9
10
-11
10
-11
10
地球
金星
火星
木星
0
0
0
???
-11
10
-9
10
-9
10
-11
10
-11
10
???
???
-13
10
圧力バランス
 地球
(ダイポール磁場)
 金星・火星
(Chapman 関数)
境界面
太陽天頂角変化
地球磁気圏
境界面
太陽風の動圧を変化
地球
磁場: 30000 nT
太陽風
動圧:
境界面 : 8.3
Pa
金星
電離圏
金星電離圏
境界面
境界面のノーズ : 604 km
太陽風の動圧 :
Pa
温度変化
動圧変化
火星電離圏 太陽風の動圧を変化
境界面
静圧
静圧+磁気圧
木星
磁気圏
磁場、プラズマの圧力
磁気圏の密度分布より密度を仮定
木星
磁気圏
境界面
磁気圧
: 28
磁気圧+動圧: 55
磁気圧+静圧: 55
(ダイポール磁場を仮定)
(プラズマの速度:489 km/s)
(プラズマの温度:
K)
まとめ
地球
 磁気圧が太陽風の動圧と圧力バランス
 緯度方向の境界面変化が大きい
金星
 プラズマの静圧が太陽風の動圧と圧力バランス
 静水圧平衡は成り立たない. 太陽風による圧縮が原因
火星
 プラズマの静圧、磁場の圧力が太陽風の動圧と圧力バラ
ンス
木星
 プラズマの動圧、静圧が太陽風の動圧と圧力バランス
地球磁気圏境界面
動圧 :
Pa
境界面 : 10
境界面(Ness): 10.25
金星電離圏
境界面
動圧を変化
電離圏の温度を変化
太陽風と惑星の圧力
動圧 (Pa)
太陽風
(地球周辺)
地球
金星
火星
木星
静圧 (Pa)
磁気圧 (Pa)
まとめ









地球磁気圏境界面は太陽風の動圧によって4~12
変化
する。
地球磁気圏境界面は経度方向より緯度方向に大きく変化
する。
金星・火星電離圏では静水圧平衡により求めた温度は実際
の温度より小さい。これは太陽風の圧縮が原因のひとつに
考えられる。
金星電離圏の温度を実際の観測データの値を用い計算す
ると、境界面は実際の観測データと等しい変化となる。
火星電離圏においては電離圏側の圧力が静圧のみならば
645K、磁気圧を考えた場合、静圧を静水圧平衡から求めた
403Kを用いたときに磁場強度が29nTあれば境界面を形成
する。
木星磁気圏は磁場の力のみでは実際の境界面ほどの距離
にならずプラズマの運動による力が関係してくる。
木星磁気圏の密度を観測データから仮定し、境界面を55
とすると、動圧を仮定するとプラズマの速度が489km/s、静
圧を仮定するとプラズマの温度が
Kであればよい。
太陽風と惑星磁気・電離圏は境界面で圧力バランスが成り
立っている。
Spreiter, 1970の計算方法による数値計算の結果は実際
の観測値とよく合っている。