μMEGASの開発

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Transcript μMEGASの開発

Micromegas-PMTの
開発
2004-12-3
東京都立大学 修士1年
中川 尊
•
Introduction
現在(株)浜松ホトニクス(以下HPK)と都立大におい
て共同開発中であるMicromegas-PMTに関して説
明する。
ガス増幅
MESHによる増幅
Gainは10^4~5程度
•
本来はキャピラリー(鉛ガラス)を組み込んだPMTを
作成する予定であったが、問題としてキャピラリーに
含まれる鉛がアルカリ金属に対し還元剤として働き
光電面活性を妨げる事が判明した。
• よって現状ではキャピラリーを用いないPMTを作成・
評価した。
⇒使用した光電面(バイアルカリ):SbーKーCs
Micromegas-PMTの特徴
ガス増幅
MESHによる増幅
Gainは10^4~5程度
利点:
• 磁場中で安定した動作をすることが出来る。
• 磁場に対し傾きをつける事でイオンフィードバックを
抑えることが出来る。
• 従来のPMTと比べ増幅段を減らせるので安く製作
する事が出来る。
問題点:
• 耐久性が弱い。
• 真空のときと比べて量子効率が落ちてしまう。
HPKで行った検査及び説明
①新型PMTの現状、及びHPKで試験した結
果の説明
②光電面感度測定
③uniformity測定
④量子効率の測定
HPKで今回試作したPMT概略図
1200[V]
-1066[V]
533[V]
0[V]
5MΩ
20MΩ
20MΩ
ファインメッシュ型PMTとガスを組み合わせた物。
HPKによるMicromegas-PMTの説明及び結果
 測定条件:
• ガス圧(1atm、0.5atm)
• ガスの種類(Ar+CF4,orCH4)
Unit:ミクロン
直径:約2.6cm
• メッシュ間間隔(0.16mm、0.5mm)
• メッシュの細かさ(#750、#1000、#2000)
(*#750という表記は1inch当たり隙間が750個あるという意味)
これらの条件を変えて測定
1.ガスの種類に関しては特に違いは無し。
Gain
ガスの種類の比較
10000
1000
100
10
1
Ar+Ch4
Ar+CF4
400
450
500
メッシュ間電圧
550
2.メッシュ間間隔に関して、0.2mmの方が増
幅率が高い。
メッシュ間間隔による比較
間隔:0.5mm
間隔:0.2mm
2000
0.2mm
Gain
1500
Or
1000
500
0.5mm
0
400
450
500
550
メッシュ間電圧
600
650
mesh1
mesh2
3.メッシュの粗さに関して、
粗いメッシュの方が増幅率が高い。
Gainとメッシュの細かさの比較
10000
イオンフィードバックの
影響?
Gain
1000
100
#750
#1000
#2000
10
1
電子アヴァランシェのサイズがメッシュのサイズより大
400
450
500
550
600
650
きく、#2000メッシュではアヴァランシェを制限してし
メッシュ間電圧
てしまうのではないか?
QE測定
SPECTRAL REASPONSE CHARACTERISTICS
量子効率 真空状態
量子効率 ガス封入状態
PHOTOCATHODE RADIANT SENSITIVITY [mA/W]
QUANTUM EFFICIENCY [%]
100
SERIAL NO. : ZX 978
TUBE TYPE : 2"バイアルカリ光電管
K-A間距離 : 5.5 mm
封入ガス
: Ar + CH4(10%)
封入ガス圧 : 1気圧
•真空状態とガス封
入状態のQEを比較。
10
•波長420[nm]の所で
真空状態→ガス封入
状態:
1
約20%→約14%
と低下している。
0.1
0.01
200
300
400
500
600
700
WAVELENGTH [nm]
800
900
1000
Uniformity測定
RELATIVE OUTPUT[%]
Cathode(single-cathode)
Y
120
100
80
X
Y
60
X
40
20
0
0
10
20
30
POSITION[mm]
40
50
RELATIVE OUTPUT[%]
ANODE(single)
120
100
80
60
40
20
0
X
Y
0
10
20
30
POSITION[mm]
40
50
•Anode出力はス
ペーサがある位置
では出力が遮られ
ている。
このPMTを用いて取られたCs137のPulse
Height
Cs137
NaI PMT
AMP
Delay
Discri.
ADC
まとめと今後
•
•
•
Gainは10^3程度
粗いメッシュの方が増幅率が高い?
イオンフィードバックが起こっている可能性がある。
•
キャピラリー・プレートを使用していない事が問題
の発生原因のひとつ!?
•
ソーダガラスのキャピラリー・プレートを組み込ん
だPMTを試作・評価する予定。
BACKUP
End of talk
光電面と鉛ガラス
• 光電面の反応式としてごく一般的な表示は
Sb+K→SbK3
SbK3+Cs→SbK2Cs
(バイアルカリ光電面組成)です。
• 又、ガラス中に含まれる酸化鉛(PbO)は
PbO+R(アルカリ金属)→Pb+RO
(酸化アルカリ)の反応が考えられています。
•
よって光電面の活性時にPbOのようなアルカリ
金属を吸着しやすい金属や酸化金属を多く含ん
だ部品を使うと光電面活性に支障がでてくる。
MCP+GAS
• MCPではフォトカソードを作るときにアルカリ金
属を蒸着させますがそれがMCPの抵抗値を変
えてしまい、使えませんでした。
• ソーダガラスのキャピラリーは絶縁体?。
高抵抗ですが完全な絶縁体では有りません。
ソーダガラスのキャピラリーではアルカリ金属を
蒸着しても抵抗値が変わらないと思っています。
ファインメッシュ型PMT
• メッシュ状のダイオードを積み重ねた構造
をしている。リニアリティに優れ、磁界の影
響を受けにくくなっている。クロスワイヤア
ノードやマルチアノードを利用すれば入射
光の位置を知ることも可能。
Capilaryを組み込んだPMT報告
1. 作業場の隣の部屋にある電気炉からと
思われるノイズがひどく、データにもその
ノイズが入っている可能性がある。
2. 蒸着された電極用金属がCapilaryの穴に
入り込み耐電圧を下げている?
Capilaryを組み込んだPMT報告
2
3. 技術的にはイスラエルが進んでいる。
4. イオンフィードバックが起こっている可能
性が高い。
正イオンが発生しエレク
トロンを出してしまい、
それがメイン信号と重な
ることもある。
Capilaryを組み込んだPMT報告
3
5. カプトンを用いた実験に見られるような、
真ん中がくびれている様な穴が重要では
ないか?
量子効率QE
量子効率QEは光電面から出る光電
子数を入射光子数で割った値で表
す。
放射感度と量子効率の関係
QE 
S  1240

 100
放射感度(S)
放射感度(S)
ある波長における入射光量を放射エ
ネルギーで〔W」で表し、そのときの
光電面からの電流をこの放射エネル
ギーWで割った値をしめす。
S(A/W)
QE測定2
S P E C T R A L R E A S P O N S E C H A R A C T E R IS T IC S
PHOTOCATHODE RADIANT SENSITIVITY [mA/W]
QUANTUM EFFICIENCY [%]
100
放 射 感 度 A r+C F 4 # 1000
量 子 効 率 A r+C F 4 # 1000
放 射 感 度 A r+C H 4 # 1000
量 子 効 率 A r+C H 4 # 1000
放 射 感 度 A r+C H 4 # 750
放 射 感 度 A r+C H 4 # 750
•ガス、メッシュ
の隙間を変化さ
せた時の比較
10
1
•結果、ガス、
メッシュの細か
さに関しての依
存性は少ない
0.1
0.01
W A V E L E N G T H [nm ]
0.001
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900