モバイルと地上波デジタル放送の融合化が 進展する中での放送のIP化

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Transcript モバイルと地上波デジタル放送の融合化が 進展する中での放送のIP化

モバイルと地上波デジタル放送の融合化が
進展する中での IP over Broadcast Network の実現に関す
る共同検討企画書(案)
2004年9月4日
慶應義塾大学
KDDI株式会社技術開発本部
協力:株式会社ネクストウェーブ
1
はじめに
総務省が設置した地上波デジタル放送の諮問委員会である情報通信審議会は先月
「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」として中間答申を提出
した。この中間答申では、「e-Japan戦略Ⅱ」上の目標を達成するために重点的に推進すべき施策と
して、「地上放送のデジタル化において、高画質・高音質などアナログ技術の段階においても提供さ
れてきた基本的サービス水準の向上に加え、デジタル化によって初めて実現可能となる高度なサー
ビスの開発・普及を進めること」を挙げており、その実現のための具体的なキーワードとして、
(1) 放送と通信の連携
(2) 携帯端末向け放送
(3) サーバー型放送
が記載されている。
言うまでもなく、ここでの通信とは「インターネットにおける通信」を指しており、放送波・地上線といった
伝送路を問わない、新しいデジタル情報の流通経路としての役割が地上波デジタル放送に期待され
ている。
インターネットを取り巻く環境は日々進化しており、今日のブロードバンドの浸透や爆発的なIP電話の
普及の例をとっても分かるように、今後我々のコミュニケーションの礎となるインフラはほぼ全てイン
ターネットに移行しつつある。更に地上波デジタル放送が完遂する2011年にはIPv6への移行に伴う
様々な情報家電の家庭への浸透とホームネットワーク化、屋外においてはユビキタス・モバイル環境
が整備されている状況が予測される。地上波デジタル放送の発展のためには現時点から上記のよう
な将来像を見据えた設計をしていく必要がある。
以上を踏まえ、本実験では放送と通信をシームレスに繋げるための方法として放送網でIPを用いた通
信を実現し、これによって可能となる新しい放送と通信の融合したサービスの実現について検証する。
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第1章 IP over Broadcast Networkについて
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1-1 伝送路としての地上波デジタル放送
コンセプト提案
•
あらゆる通信メディアを統合的に利用した、ユビキタスネットワークの構築
– 面の広がりを持つ通信メディア
• 地上波デジタル放送網(放送電波)
• Satellite
– 線、または点のつながりを持つ通信メディア
• FTTH、Metal、Mobile
•
通信網の枠組みにとらわれず、インターネット上のあらゆるコンテンツを配信
コンテンツ
コンテンツ
放送電波
インターネット
放送電波
Satellite
FTTH
Metal
Mobile
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1-1 地上波デジタル放送とインターネットの融合
放送網とインターネットの融合
放送コンテンツの到達可能範囲を
単一の放送網からインターネット全体に拡大
IP over Broadcast Network により、これを実現
【 従来のコンテンツ流通 】
over Broadcast Networkにより
【 IPデータリンクを意識しないコンテンツ流通
】
変換による乗換え
放送用コンテンツ
ネット用コンテンツ
放送用コンテンツ
インターネット(IP)
インターネット(IP)
放送網
FTTH・ADSL
Mobile
放送網
FTTH・ADSL
Mobile
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1-2 IP 0ver Broadcasting Network
ホームネットワーク
テレビ
IP
STB
Hub
Router
Divider
パソコン
放送コンテンツ
+
IP
情報家電
モバイルネットワーク
IP
Interne
t
In-vehicle
Router
カーオーディオ
カーナビ
特徴




インターネットとのシームレスな代替性の実現
UDLRによる双方向通信の実現
インターネットのデータリンクとしてラスト1mile/中間経路を実現
IPマルチキャストによる下流ネットワークへのコンテンツ配信
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1-2 Key Technologies for IP over Broadcast Network
Broadcast
Station
Huge Broadcast Network
Enhanced with UDLR
Broadcast
Station
Internet
– Protocol stack consideration
– UDLR scalability for
bidirectional communication
– IPv6 Deployment / Addressing
– IP multicast
– Optimized link selection
– Performance maximization on
UDL
– Easy-to-Use devices
– Practical application
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1-3 放送のIP化がもたらすメリット
KDDIとしては
地上波デジタル網を自主型放送の媒体として取り込むことで、EVDO上でのBCMCS
のみの場合に比較して、より安価にブロードキャスト/マルチキャストサービスを可能
とするインフラを構築していくことが可能となる
インフラ投資の抑制効果
サービスの早期実現による競争力/アドバンテージの確保
モバイルのメディア化を実現していく上で、・・・
サービスの多様化
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産業全体としては
視聴者層の拡大
インターネット市場を対象とすることにより膨大な数のインターネットユーザをターゲッ
トに。
開発・制作コストの削減
地上波デジタル放送が独自で必要なサービスや技術を開発していかなければならな
いのであればその開発コストは膨大になるが、既存のインターネットテクノロジーをそ
のまま転用できれば、開発に必要なコストは格段に抑えられ、新しいサービスなどの
展開なども容易になる。
サービスの多様性
インターネットとの融合によってインターネットに接続された情報機器を全て受信対象
とすることが出来る。受信機器が多様性を増せばそれだけ地上波デジタル放送の提
供するサービスの幅も増える。もし放送波がIP対応であれば一つの受信機からホー
ムネットワーク上の情報機器に対して透過的にコンテンツを配信することが可能となる。
放送分野における国際競争力の強化
IPという国際的にスタンダードなプロトコルを導入することによってこれから実現されて
いくサービスやテクノロジー、その他ノウハウの一切は輸出可能なものとなり(特に国
土の広い中国などでは放送市場の拡大が今後急速に加速化するものと思われる)、
国際市場における優位性をもつことになる。
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1-4 放送のIP化を実現していく上での課題
Issues(暫定版)
• 総論
– どこまでインターネットなの
か
• 例) 家庭で利用する場合
– インターネットで地上波デ
ジタル放送を受信する際の
要求事項はなにか
• ハードウェア
• ソフトウェア
• 各論
– Protocol stack consideration
– UDLR scalability for
bidirectional
communication
– IPv6
– IP multicast
– Optimized link selection
– Performance maximization
on UDL
– Easy-to-Use devices
– Practical application
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第2章 モバイルと地上波デジタル放送の融合化が
進展する中での IP over Broadcast Network の実現
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原則として各IP Nodeは何らかのネットワーク接続性を持ち、
コンテンツ配信システムや他のアプリケーションサーバと双方向のやり取りを行う
ユーザの位置情報や嗜好など、あらゆる情報が任意のプロトコルによってやり取りでき、
地上波デジタル放送網が他の通信網とが協調した広域Broadcast Networkが構築できる
あるコンテンツの
• 受信者数とネットワークへの接続状況
• 品質(エンコードレート/消費帯域)
• 特性(緊急度の有無、地域性の有無)
などといった条件に基づいて、コンテンツ配送に用いる通
信路や通信形態を最適化
• 地上波デジタル放送網 + IP Multicast or Broadcast
• 地上波デジタル放送網 + Satellite + Multicast
• FTTH + Unicast
配信制御
DRM
Encoder
コンテンツ配信システム
Multi-link IP Node
Multi-link IP Node
Multi-link IP Node
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2-1 モバイルにおけるアーキテクチャ
サブ
コンテンツ配信システム
既存携帯網
ユニキャスト
端
末
課金系
認証系
エ
ン
コ
ー
ダ
ー
DRM
BCMCS on EVDO
BCMCS on WiFi
マルチキャスト
ブロードキャスト
配信制御
BDLAP
メイン
IPv6を付与
地上波デジタル網
ブロードキャスト
ダウンロード
ストリーム
複数のネットワークとその特徴に応じて使い分け、
モバイル向けの放送のIP化を実現
UP
コンテンツ
(KDDI自主型)
コンテンツ
(放送局)
ex.EZチャンネル
ex.デジタル放送
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2-2 モバイルならではの考慮事項
エリア外であったり、弱電解強度をハーチングの中に考慮する必要がある
複数のネットワークでの補完を可能とする必要がある
さらにエンドユーザーにはネットワークの切替を意識させないことが
必要であり、それらを可能とするクライアント及びサーバ上での配信制御
(BDLAP:Broadcast・・・)を考慮する
移動機側が次に位置情報を有している
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2-3モバイル向けの放送のIP化により実現されるサービス例
その①
EZチャンネル関係
IP化により何が高度化するか?!
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その②
緊急放送関係
同じくIP化により何がより便利になるか?!
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その③
教育放送関係
SOIとの連携
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2-3-1 緊急放送
(Feed Back from the Internet)
I am alive!
Connecting via someone’s uplink!!
(Feed Back from the Internet)
I am alive!
My network is also alive!!
Emergency!!
Anybody answer me!!
I am alive!
Connecting via
someone’s uplink!!
I am alive!
Connecting via
someone’s uplink!!
I am alive!
My network is also alive!!
Internet
Emergency!!
Anybody answer me!!
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(参考) BREW上での放送のIP化のイメージ
小西さん手持ち資料のコピペです。
机上資料をご参照下さい。
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第3章 共同実験企画案
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3-1 モバイル上での放送のIP化に関する検証事項
モバイルにフォーカスし放送のIP化に関する検証すべき内容を
整理する
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上記の続き
システムイメージなどを記載
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3-2 共同実験の進め方
Phase1(今年度内)
研究調査を基本とし、モバイルにおける放送のIP化を推進していく上での
課題整理、来年度に計画する実証実験のための各種検討を主な目的とする。
Phase2(来年度)
Ph1を踏まえ、実際に実験システム上での実証実験を行い、モバイルに
おける放送のIP化のプロトタイプを評価し完成させる。
またその上で可能となる各種サービスについての実証実験を行う。
さらに、総務省が来年度に予定している
「地上デジタル放送の公共アプリケーションパイロット事業」にも積極的に
働きかけ、口との連携も図った実証実験として進めていく。
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補足資料(どこに入れるか悩み中)
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デジタルラジオの特徴と収益・制作モデル
放送局
新しい収益モデルや
制作体制
コンテンツ
制作者
視聴者
広告主
デジタルラジオの特徴
広域
マルチキャスト
視聴者コンテクスト別
コンテンツ配信
視聴者からのフィードバック
によるインタラクティブ放送
補完データ
の送信
高音質・高画質
ストリーム&アーカイブ
マルチメディア
再生機能
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放送局の役割
全体としてのコンテンツ
放送局
放送用
コンテンツ
広告
商用コンテンツ
広告主
視聴者からの
フィードバック
コンテンツ
制作者
セグメント化
視聴者
音楽
現在位置
特典
映像
視聴者属性
アンケート
文字
車両情報
告知
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車両情報とネットワークの可能
性
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フィードバック情報と配信コンテンツ
EVDO(Up Link)
デジタルラジオ放送
(Down Link)
車両情報(位置・スピード・ワイパー等)
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実験を予定しているサービス
•ロケーション別番組配信
•視聴者からのフィードバックによるコンテンツ自動生成
•遠隔ネットワークによる同時多発ライブ放送
•番組連動型電子クーポン配信サービス
ロケーション別番組配信
ロケーション別番組配信
• デジタルラジオの特性として、全国放送が出来る
というメリットがある。
• しかし、従来の地域別の放送には、電波の受信
到達性によって身近な地域の情報を受けられる
というロケーションアウェアな機能もあった。
• デジタルラジオではデジタルの特性を活かして、
ロケーション情報、ユーザ情報等を使い、より精
度の高いセグメンテーションが可能となる。
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ロケーション別コンテンツ配信
コンテンツDB
ロケーション別
ランキングDB
トロイ
大黒ふ頭をカーシアターに
いとしのエリー
中央フリーウェイ
中央道
R134
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視聴者からのフィードバックによる
コンテンツ自動生成
視聴者からのフィードバックによる
コンテンツ自動生成
• これまでの一方向型の放送では、パッケージ化
された自己完結型のコンテンツを視聴者に届け
ることが主体であったため、コンテンツ制作側と
視聴者側は明確に分かれていた。
• インタラクティブ放送では、視聴者は各地に点在
する情報モニターとしても捉えることが出来る。
• ここでは、各地に点在した視聴者から集められた
フィードバック情報によって自動的に生成される
コンテンツの実験を行いたい。
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フィードバック情報によるコンテンツ作成例
車から送られるデータを利用すれば、
交通情報やアメダスをリアルタイムで提供できる!
速度情報から渋滞地図を作成
ワイパー情報から天気図を作成
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視聴者からのフィードバックによる
コンテンツ自動生成
放送と通信の融合
ラジオ局と独立した視聴者群
ラジオ局とネットワーク化された視聴者群
・広域にブロードキャストされる放送を聞いた視聴者同士が
コミュニケーションを行い、その結果が放送へ反映される
・視聴者同士のコミュニケーションには携帯電話やアドホック
ネットワークによる P2P スタイルでの通信を行い、情報を
交換する
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遠隔ネットワークによる同時多発ライブ放送
視聴者からの
フィードバック
試合会場
携帯電話の声援ボタン、
あるいはワイパー始動による
声援情報。
BK
ロケーションに応じて
見たいシーンを選択
MF
大黒ふ頭PA(フランスチーム)
CF
声援・応援歌などを
アドホックネットワーク
で近隣通信。
BK
MF
CF
国立競技場前駐車場(イギリスチーム)
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電子クーポン配信サービス
番組連動型電子クーポン配信サービス
• 本サービスは、多数の広告主から収集した膨大な広告用クーポンを
広域に配信し、かつ広告収益を瞬時に計上するためのトータルシス
テムである。
• 一連の審査を経た広告主は、GPS付きの携帯電話を使って自社の
クーポンを放送局のサーバに登録する。広告費用は、携帯電話の料
金徴収システムによって徴収される。
• 放送局は余った帯域を使い、登録されたクーポンを放送エリアに時
限的な制約をつけて配信する。
• クーポンには鍵認証機能が付加されており、番組放送内に各番組
(チャンネル)ごとの鍵を配信することによって、どの番組に付いたス
ポンサーなのかを判別することが出来る。
• 配信されたクーポンは、カーナビ等の地図上にマッピングされ、視聴
者はウォークラリーのようにドライブや散歩しながらこれらクーポンを
集めていくことが出来る。
• 放送を聴きながら自然と広告を拾い集めていることで、ラジオ特性の
「~ながら感」に沿った広告形態が実現できると考える。
• もちろん、災害時などの非常用連絡手段として活用することが出来
る。
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サービス概観
認証用サーバ
クーポン登録用DB
カーナビに表示された
クーポン
クーポンの登録
スポンサーによるクーポンの登録
認証
カーナビとの連動
放送番組ごとの鍵の配布
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UDLR Overview
• In the case of satellite
Unidirectional Satellite Link
Receivers
Feed
Internet (Bidirectional)
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What happens
in Feed and Receiver
GRE
IP Packet
GRE
Decapsulation
IP Packet
Feed
IP Packet
Encapsulation
Network Layer
Data Link Layer
IP Packet
Receiver
Physical Layer
BDL I/F
UDL I/F
UDL I/F
BDL I/F
IP Packet
Uni-Directional Link
Bi-Directional Link
GRE
IP Packet
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Broadcast Network
migrates to the Internet
Broadcast
Station
Huge Broadcasting Network
Enhanced with UDLR
Broadcast
Station
Internet
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