Transcript フロー分散 - 早稲田大学

2009年度卒業論文発表
OpenFlowスイッチを用いた
フロー単位の負荷分散
早稲田大学 理工学部 CS学科
後藤研究室 B4
石井 翔
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
1
研究の背景
• 広域イーサネットの普及により
レイヤ2ネットワークの適用範囲が拡大
• 回線を複数接続し、トラヒックをレイヤ2で
分散させる回線負荷分散への注目
Router
L2 Switch
L2 Switch
Router
回線負荷分散
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
2
既存技術で用いられる分散
• フレームごとの単純ラウンドロビン
– パケットの順序が逆転する問題
• 特にVoIP (Voice over Internet Protocol)
のようなUDP通信では致命的
• 入力ポート、MAC/IPアドレス、
ポート番号ごとの分散
– 特定ポートやアドレスのトラヒックの集中に
対応できない問題
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
3
研究の目的
• 既存の分散手法はどれも一長一短である
偏りを最小限に抑え、かつ順序の逆転
が起きない分散ができないか？
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
4
研究テーマ
OpenFlowスイッチを用いた
フロー単位の負荷分散
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
5
OpenFlow
• スイッチ本体と制御部を独立させることで
高速かつ柔軟な動作を可能にした技術
• フローで通信を扱うことができる
– レイヤ4以下の情報の組み合わせで定義
Controller
OpenFlow Switch
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
6
提案手法 (1) 概要
OpenFlowを使い、フロー単位で
通信を振り分ける
パケットの順序入れ替わりがない
特定ポートやアドレスからのトラヒックも
分散可能
ポートの流量を監視し、分散先を
動的に決定する
回線を最大限活用できる
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
7
提案手法 (2) 概要図
• 上位レイヤの通信に影響を与えず、
フロー単位でトラヒックを分散する
OpenFlow Switch
& Controller
Gateway
OpenFlow Switch
& Controller
Gateway
フロー分散
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
8
実験の概要
• Webトラヒックをiperfで疑似的に再現する
– 生起間隔 : 指数分布
– ファイルサイズ : 対数正規分布
• 分散する各回線の使用帯域を計測し、
公平性評価のためユークリッド距離を計算
– 公平性とは、より均等にトラヒックが
分散されている程度のこととする
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
9
実験に用いるシステム (1) 既存手法
• 既存技術はBondingを用いる
– Linuxの回線負荷分散の技術
• MACアドレスの組で分散する手法を使う
Bonding トラヒック生成
使用帯域計測
Bonding
Wire 1
使用帯域計測 Wire 2
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
10
実験に用いるシステム (2) 提案手法
• LinuxマシンにOpenFlowを用いた
提案手法を実装し、評価を行う
• 既存手法と比べて優位性を評価する
OpenFlow Switch
OpenFlow Switch
使用帯域計測
& Controller
& Controller
トラヒック生成
Wire 1
使用帯域計測
Wire 2
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
11
実験結果 (1) 使用帯域の比較結果
14
既存手法
Bandwidth [Mbyte]
12
10
8
6
Wire 1
4
Wire 2
2
Time [s]
600
560
520
480
440
400
360
320
280
240
200
160
120
80
40
0
0
×輻輳を解決できていない
14
提案手法
Bandwidth [Mbyte]
12
10
8
6
Wire 1
4
Wire 2
2
2010/2/1
600
560
520
480
440
400
360
320
280
240
200
160
120
○フロー単位の分散で
輻輳を解決!!
Time [s]
2009年度卒業論文発表
80
40
0
0
12
実験結果 (2) ユークリッド距離計算
既存手法
8.851192
提案手法
3.635014
2分の1以上距離が縮まっている
すなわち、負荷が2倍以上公平に分散されている
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
13
結論
• フロー単位の回線負荷分散を行うことで、
パケットの逆転が起きず、
より偏りが小さくなることがわかった
⇒提案手法の優位性が示された
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
14
今後の課題
• 要求スペックが高い問題
– 常時高いCPU使用率であった
• より広帯域な回線での実験
– OpenFlowの処理能力の評価
• 実機による実験
– 本研究の実験は仮想マシン環境で行った
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
15
• ご清聴ありがとうございました
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
16
iperf
• ネットワークのスループット測定ツール
– TCP
• 最大スループットの測定
– UDP
• パケットロスの測定
– パケットサイズ、通信時間の指定が可能
• サーバ/クライアント方式で動作
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
17
OpenFlowにおけるフローの定義
• 以下のパラメータの組み合わせ
– 受信したスイッチのポート
– 送信元MACアドレス
– 宛先MACアドレス
– VLANのタグID
– 送信元IPアドレス
– 宛先IPアドレス
– 送信元ポート番号
– 宛先ポート番号
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
18
ベクトルとユークリッド距離
w1  w11 , w12 , ・・・ , w1i , ・・・ , w1n 
w 2  w21, w22 , ・・・ , w2 i , ・・・ , w2 n 
d w1 , w 2  
n
 w
1i
 w2i 
2
i0
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
19
対数正規分布
•群馬大学社会情報学部の青木繁伸氏のサイトより引用
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
20
参考文献
• [1] The OpenFlow Switch Consortium,
http://www.openflowswitch.org/
• [2] 金海好彦, 高島正徳, 鈴木順, ビラウォンミナイサイ, 田中仁, 太田善
之, 下西英之, 岩田淳「JGN2plus 上でのOpenFlow 実証実験」
2009 年電子情報通信学会総合大会, 2009.
• [3] 小上賢一
「東工大LAN 測定データに基づいたWeb トラフィックモデル」
東京工業大学情報理工学研究科数理・計算科学専攻2001 年度修士論
文, 2002.
2010/2/1
2009年度卒業論文発表
21