かにパルサーに対する計算

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Transcript かにパルサーに対する計算

NeXT望遠鏡用硬X線偏光計
の検討
林田 清(阪大理)、三原建弘(理
研)、
郡司修一、門叶冬樹(山形大理)
NeXT衛星による偏光観測



偏光観測をNeXT衛星の目標にするか?
NeXT望遠鏡の焦点面か独立系か?
10keV以下か10keV以上か?




検出光子数は10keV以下が10keV以上より2桁程度多い。
10keV以下の偏光観測は70’に行われており、将来の衛星
計画もある。10keV以上は未開拓。
加速領域で生じる硬X線成分(=NeXT望遠鏡のターゲッ
ト)の多くは偏光していると期待される
テーマ:NeXT望遠鏡の焦点面で硬X線偏光観測す
るのはどのような検出器が適当か?
X線偏光観測

シンクロトロン放射



散乱



降着円盤による散乱、トーラスによる散乱、反射星雲
セイファート銀河の連続成分?
磁場と散乱



SNR(パルサー星雲型、SN1006型、シェル型)
ブレーザー、マイクロクェーサー
連星系パルサー
(単独パルサー、AXP)
制動放射
かにパルサーに対する計算
2つのピーク位置での
偏光方向や偏光度が
2つのモデルで大きく
違っている。
パルスフェーズ毎に
偏光度と偏光方向を
調べることで2つの
モデルのどちらが
正しいか確認できる。
polar cap model
outer gap model
J. Dyks etal Astro-ph 0303006
R.W. Romani etal Ap.J. Vol.438
バイナリーパルサー
降着柱の構造はどの様に
なっているのか?
ペンシルビームモデルと
ファンビームモデルという
2つのモデルが存在する。
紀伊先生の計算
Kii PASJ 1986
ペンシルビームモデルでは、
フラックスが弱いときに
偏光度が高い。ファンビーム
モデルではその逆。
パルスフェーズ毎の偏光度を
調べる事で、どちらのモデル
が正しいか調べられる。
Connors 1980 Vol235
シュミレーションの結果
1)ニュートン力学と
相対論では結果は
違う
2)X線のエネルギーに
より偏光方向が変化
3)X線のエネルギーに
より偏光度が変化
4)Viewing angleで
偏光度が変化する
5)シュワルツシルツ
ブラックホールと
カーブラックホール
では違う
偏光方向
10
41.4
K.B.H
偏光度
1%
K.B.H
S.B.H
S.B.H
90
10keV
30
時空の歪みに対する貴重な
90
情報を得られる。
75.5
5%
1.5 ガンマ線バースト
ファイヤーボールモデルが正しいのなら、ガンマ線はシンクロ
トロン放射で放出される。それならば偏光しているのでは
ないか? ほとんどの人は否定的だった。しかし.….
GRB021206のRHESSIによる観測結果
実際に80%という偏光が受かった!
偏光という新しいパラメーターの導入により、GRBの
発生メカニズムを探る。
GRB源では磁場は揃っているのか、揃っていないのか?
GRBの統計的
観測が必要
X-ray Rich GRB
1)遠方で起こっている為にレッドシフトして、X線リッチになる?
東工大:河合先生
2)GRBをすれすれの斜めから見ていて、ローレンツブーストが
弱まるのではないか? 京大:中村先生
斜めから見ていれば、真正面の時とは偏光度が変化するはず。
偏光観測により、どちらのモデルが正しいか分かる。
NeXT望遠鏡のデザイン



F.L.=12m
1’[email protected].
1Crab=240c/s/4HXT
fo r 1 H XT
1
A ( E ) ~ 4 0 0( E x / 2 0 ke V ) cm
G
2
F(2;10)
K
F(20;80)
C(20;80)
erg/s/cm2
photons/s/cm2/keV
erg/s/cm2
photons/s/4HXT
1.5
1E-11
0.0018
2.6E-11
0.37
2.0
1E-11
0.0039
8.6E-12
0.15
2.5
1E-11
0.0080
2.9E-12
0.06
偏光計の感度
M -fa cto r: m o d u la tio n fo r 1 0 0 % p o la rize d b e a m
M 
N m a x  N m in
N m a x  N m in
M in im u m D e te cta b le P o la riza tio n d e g re e (M D P )
Pm in 
a
S B
MS
Mh1/2を大きくすることが重要
系統誤差を考えるとMが大きいことも重要
光電子追跡型
イメージングガス検出器

イタリアグループ




シミュレーションによる最適化;
Arガス4atm,3cmで
Mh1/2~0.07@20keV (Mは0.3)
山形グループ
京都グループ
η1/2M

4気圧、
デプス 3cm
CCD


12mmピクセルCCDで
M=0.16,h=5x10-4@27keV
空乏層厚10倍100mmのCCD
を使えればMh1/2~0.01
Pacciani etal 2002 SPIE
散乱型

実験室では容易にM>0.9が実現できる。ビー
ムラインの偏光度較正に利用している。
検出器B
回転
カウント数
散乱体
E
6 00
検出器A
検 出 器 A Ex=10keV
4 00
2 00
0
0
90
180
270
360
回転角度
阪大グループ 2002/11 KEK-PF BL14C
散乱偏光計のデザイン
材質
(a)トムソン長[cm] (b) [keV]
Li
10.8
15.1
Be
3.06
17.9
ポリエチレン
4.86
グラファイト
2.22
25.5
LiH
6.06
14.2




散乱体はBe 4mm直径x
長さ60mm
CdTe検出器2mmx2mmx
0.5mm厚の場合、全部で
12x24=288個/1HXT
2mmx20mmx0.5mmの
検出器を利用できれば
12x3=36個/1HXT
Active Shieldは必要
20keV
6 10
4
5 104
4 104
3 10
30度ごとのカウントから偏
光方向と偏光度を測定する
4
2 104
1 104
0
60
120
180
Angle(phi)
240
300
M,h,Mh1/2 (シミュレーション)
11
0.1
0.1
0.7
0.7
10
10
Ex (keV)
(keV)
Ex
100
100
0.6
0.6
0.5
0.5
0.4
0.4
0.5
0.5
10
10
Ex (keV)
(keV)
Ex
100
100
0.4
0.4
0.3
0.3
0.2
0.2
10
10
Ex (keV)
(keV)
Ex
•散乱体の周りに鉛ワッシャをいれて
散乱角を制限する。白抜きが、ワッ
シャ入りの場合の値
•Mは増加、hは減少するがMh1/2は
ほとんど変わらない
•Mが高い方が望ましいければワッ
シャを入れる
100
100
左図のシミュレーションは全てのX
線がBeターゲットの真ん中に入射
した場合であるが、ターゲットの断
面に一様に入射した場合の
Mh1/2と0.01以下の違いしかない
硬X線偏光観測の対象

点源
ブラックホール連星系
 連星系パルサー
 活動銀河核
 ブレーザー


ひろがった天体

SNR
 パルサー星雲
 シェル型

銀河団
ハード成分が検出されている銀河団


Reference: Nakazawa, 2002 and references therein
銀河団の中でハード成分がどこまでひろがっているかは不明
z
F(20;80)
Lx(20 C(20;80)
;80)/L Whole
x(2;1 cluster
0)
erg/s/cm2
1arcmin fraction
radius
c/s
C(20;80)
1arcmin
radius
@center
c/s
Coma
0.0232
2.2E-11
0.09
0.38
44kpc
0.06
0.02
A2256
0.0581
1.2E-11
0.23
0.21
95kpc
0.30
0.06
A2199
0.0303
1.0E-11
0.14
0.17
50kpc
0.08
0.01
HCG62
0.0146
(4.2E-12)
---
0.073
25kpc
0.02
0.001
注)ビグネッティングは考慮していない
•コアの内外での積分強度の比は典型的に1:2
•そもそもこれらの銀河団をNeXTの1回のポインティングでカバーするのは不
可能(視野を大きくはみでる)
超新星残骸のパワーロー成分

パルサー星雲型
SNR中心部のパルサー周辺で加速された電子の
シンクロトロン輻射。
 パルサーの周囲高々数arcminの領域に限られる。
 パルサーから離れるほど急激に強度が弱くなり冪も
ソフトになる。


SN1006型
シェルの一部が(何故か)高エネルギー電子の加速
場所になり、シンクロトロン放射を出している。
 シェルの中で細いフィラメント状に放射(少なくとも
SN1006では)

かに星雲
右図:対角線2.24arcmin
 2-10keVの表面輝度
1.1(0.5-2.4)E-8
erg/s/cm/arcmin^2
 G=2を仮定して20-80keV
のカウントは
170c/s/arcmin^2


さすがに明るい!
かに星雲の可視光偏光マップ
かに星雲以外のPlerion


Vela Pulsar C(20;80)~0.01c/s
Kes75 C(20;80) ~0.6c/s ただし26’’x20’’のひろがり
• G292.0+1.8 C(20;80)=0.15c/s 1’程度のひろがり
 他はこれより暗い。 かに星雲の1/100以下!
 パルサーとの分離には時間分解能が不可欠
Pavlov et al., 2001, ApJ, 552, L129
Helfand et al., 2003, 582, 783




SN1006
NE-rim
 2-10keVのパワーロー成分のFlux=1.9E-11 erg/s/cm2 G=2.97
(Ozaki1997)
Chandraの観測によるとNon-thermal 成分は極めて薄いフィラメント状
<1arcmin幅
Shellにそって約10arcmin,幅0.5arcminとみつもると表面輝度は3.8E12erg/s/cm2/arcmin
Γ=2.5として見積もっても20-80keVのカウントは0.023 c/s/arcmin
ROSAT HRIのイメージに
Chandraの観測位置を表示
G347.3-0.5

軟X線データSlane et al., 1999, ApJ, 525, p367
•NW-rim
•rim全体でC(20;80) ~1.0 c/s
•30arcmin^2の領域と評価して
C(20;80) ~0.03 c/s/arcmin^2
•SW-rim
•Rim全体でC(20;80)~1.2
c/s
•30arcmin^2の領域と評価し
て0.04 c/s/arcmin^2
G266.2-1.2, RXJ1713.7-3946はこれよりも暗い
シェル型で熱的成分が卓越しているSNR、
Tychoでもハード成分がみえている

Tycho







Fink et al., 1994, A&A, 283,
635
K=7.4E-2,G=2.7からTycho
全体でC(20;80)=0.26c/s
左上図Chandra(全バンド)
左下図Chandra(4-6keV)
高いエネルギーの成分はフィ
ラメント状にローカライズして
いるようにみえる
Hwang et al.,
2002,ApJ,581,1101
直径8’
ひろがった硬X線源に関するコメント

硬X線領域でひろがった(1’以上)&明るい天体の候補は必ず
しも多くない。


銀河団に関して


非熱的電子の生まれる場所が局在しているということかも
起源がわからないという意味で重要であるが、NeXTでの偏光観測は
数例に限定されるだろう。
SNRに関して



パルサー星雲の偏光マップが得られるのはかに星雲の他は高々数例
SN1006型、シェル型は1’角あたりの表面輝度でみるとかに星雲の
1/1000以下。領域を積分することが必要。
多くのSN1006型、シェル型SNRについてChandra, XMMによりべき関
数成分の空間分布が高精度で求まりつつある。 NeXTで得られる硬X
線スペクトルだけでインパクトがあるだろうか? →ぜひ偏光測定を
偏光検出感度と天体の明るさ

図作成中
単一散乱体偏光計の長所・短所
点源に対して偏光検出感度を最適化できる
 偏光計本体はコンパクト。 (但しActive
Shieldの必要はある)
 4台の望遠鏡の焦点面で同時に観測するた
めには

アライメントを極めて正確にとる
 焦点面で2次元微動装置をつける


ひろがったソースに対してはマルチポインティ
ングが必要