天体核実験のための膜なしHe 標的の圧力分布と厚さ測定

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天体核実験のための膜なし
He標的の圧力分布と厚さ測定
九大院理
大場希美、相良建至、寺西高、藤田訓裕、
谷口雅彦、岩淵利恵、後藤昂、中野桂樹
1
12C+4He→16O+γ反応測定
Total S factor
of 12C+ 4He→ 16O+g
●目標のE=0.3MeVでの
4He(12C,16O)γ反応の断面積は非常
に小さい
→E=2.4~0.7MeVを測定し、外挿
して求める
●膜あり標的を使った場合
①生成16Oはエネルギーが低く、
Kyushu
U.
0.3
Ruhr U.
薄膜でのエネルギー損失が大き
い。
②強い12C beamで薄膜が破損
する可能性がある。
0.7
膜無し気体標的が必要
2
厚い膜無し気体標的
Y16O = Nbeam・Ntarget・σ・ε
この反応の断面積(σ)は非常に小さいので、生成16 O (Y16O)
の検出個数を稼ぐために標的(Ntarget)には十分な厚さが必
要
測定条件:Ecm =0.7 MeV, beam 10 pμA , σ~1 pbarn
target 25 Torr × 3 cm
→測定期間 1か月
厚さの上限
許されるEnergy lossの範囲
25 Torr × 3cm の場合
Ecm =0.7 MeV → 0.66 MeV
σ~1 pbarn → 0.55 pbarn
目標
25 Torr × 3 cm
3
吹込み型膜無し気体標的の高圧化
膜無し気体標的で 標的の中心圧力を目標の
25 Torrまで近づけるために
・気体標的の冷却
→現在不使用
・排気ポンプの強化
→中心圧 12.8 Torr
・標的の出入り口にアパーチャーを設置
(Heの閉じ込め効率を上げる)
→中心圧 23.9 Torr
世界最高圧の膜無し気体標的が完成した!
4
標的厚さ測定へ
標的厚さ測定~圧力分布~
4He(12C,16O)γ反応の断面積を決めるには、気体標的のビー
ム軸に沿った厚さ(Ntarget)が必要
→標的厚さ(Ntarget )は圧力分布から決定できる
NA
Ntarget
RT
 P( x)dx
膜無し気体標的の場合、正確な圧力分布を測定できない!
この方法では標的厚さを決定できないので、
違う方法を考えなければならない。
5
ビームを用いた標的厚さ測定
1、膜あり気体標的
2、膜無し気体標
的
両者のRecoil 4Heの収
量を比較することで、
膜無し標的の厚さを求
める。
6
結果
1、膜あり気体標
的
2、膜無し気体標
的
7
結果
①膜あり標的測定
・Target
・Recoil 4He
15 [Torr] × 3.0 [cm]
7223[particle/μC]
②膜無し標的測定
・target
[cm]
・Recoil 4He
15 [Torr] × Leff
8797 [particle/μC]
8797 15
Leff 

 3.0  3.7
7223 15
[cm]
有効長
膜無し標的の厚さは
15 [Torr]×3.7[cm] となる。
23.9 Torr × 3.7 cm
厚)
(世界最高
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ターゲットモニターSSD
4He(12C,16O)γ反応測定
反跳4Heの収量は、
beam量×標的厚さ に比例
Y4He = A・ Ntarget・Nbeam
FC
FC
12C
beam
beam量
反跳 Heを検出
Y
= Nbeam/・N
・
Y16O
A) target
・σ・ε
16O =(Y4He
σ・ε
→後は、荷電割合(ε)のみ
比例定数 A 決定!
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標的厚さ測定の結果の妥当性の確認
おおよその圧力分布から標的厚さ測定の結果の確認
に使える。
14年前にも行われている。
標的出入り口の圧力が、中心圧力
の約10分の1
改造
新たに圧力分布測定を行う
測定方法
・標的入口(Alの有無)・中心・出口(Al有無)の5点の散乱pを測
定
・標的周辺を均圧にした場合と通常の場合の散乱pの収量比較
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まとめ
・差動排気系や標的の改造により、
世界最高圧 23.9 Torrの膜無し気体標的が完成した。
・p beamを用いてbeam軸上の標的の厚さを測定し、
有効長 3.7±0.1cm(暫定値)という結果を得た。
標的厚さ
23.9 Torr×3.7 cm に決定
<今後>
・圧力分布測定を行い、標的厚さ測定の結果を再現で
きるか確かめる。
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平衡荷電分布
1つの価数の16Oのみを検出するので、
生成16Oの荷電割合を正確に知る事は不可欠である。
Ecm=2.4MeV測定
16Oが平衡荷電状態の場合…
16O5+の割合45%
16Oの平衡荷電分布
生成16Oは平衡荷電状態に
なっているものが多くない
といけない。
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生成16Oの荷電割合の評価
16Oが平衡状態になるにはHe
gasの厚さが 6 [Torr・cm] 必要
thin 4He gas target
(e.g. 3Torr)
16O
12C
beam
16O5+の荷電割合の誤差
16O5+の荷電割合の誤差
(un-equillbrium)
16O
(equillibrium)
±20%
1/15×(±20%)=±1.3%
標的が厚いほど、平衡状態が多くなる。
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p + α 弾性散乱
ビーム軸に沿った気体標的の有効厚さが必要
pビームを用いてrecoil 4 Heを測定し、標的の厚
さを求める。
<求め方>
※標的厚さが分かっている膜あり標的と膜無し標
的の
膜あり標的 比較により求める。
d
YHe  Nbea m  Ntag et 
 
d
膜無し標的
d
Y He  N b eam  NBIGT 
 
d
①、②より
NBIGT
Y He Nb ea m


 Nta g et
YHe N b ea m
・・・①
・・・
②
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許されるENERGY
Mean;2.648MeV
LOSS
Target 厚さ
25Torr×3cm
Ecm=0.7MeVにおいて,
Carbon beam(2.8MeV)の
energy loss 約0.15MeV
CM系で0.038MeV
Energy lossが大きいと違ったEcmでの測定
になる為、この値を目安に。