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行動と社会関係
第10回
「取調室」のふりかえり
社会的ジレンマ状況
先週の結果 [A]
1
2
3
4
5
6
7
1 (-70)
2 (-40)
3 (-70)
N
Y
Y
N
Y
N
N
Y
N
Y
N
Y
N
Y
N
N
Y
N
Y
Y
N
先週の結果 [B]
1
2
3
4
5
6
7
4 (-50)
5 (-20)
6 (10)
N
N
N
N
Y
Y
Y
N
Y
N
Y
Y
N
Y
N
N
Y
Y
N
Y
N
先週の結果 [C]
1
2
3
4
5
6
7
7 (10)
8 (-50)
9 (-20)
Y
N
Y
Y
Y
N
Y
Y
Y
N
N
Y
N
N
N
Y
Y
N
Y
Y
N
先週の結果 [D]
1
2
3
4
5
6
7
10 (-20)
11 (-20)
12 (-20)
Y
N
N
Y
N
N
N
N
Y
N
N
Y
N
N
N
N
Y
N
N
Y
N
ねらい(オリジナル)
集団の意思決定
チームワーク
リーダーシップ
相互信頼
ねらい
ジレンマ状況
最悪な事態の最良化
経路のデザイン(未来の評価)
コミュニケーションの重要性
ルールの生成
リアリティの問題(ゲーム状況と現実との関係
性)
「行動と社会関係」の出発点
人々の行動は、それが集積されることによっ
て社会全体に、そして自分自身に対しても大
きな影響を与えることがある。
「合理的」な意思決定
コミュニケーションの機能と役割
組織間・組織内の相互作用
文化や慣習の維持・強化
「共有地の悲劇」(Hardin, G.)
人々の合理的な行動が、結果として社会全
体に被害を与えてしまう事態。
10人の牛飼い 各々100万円の牛を10頭ずつ
共有の牧草地に放牧
100頭までなら養うことができるが、100頭を越
えると牧草の量が不足して牛がやせてしまう。
「共有地の悲劇」 (Hardin, G.)
ある牛飼いが1頭増やすと、101頭になって、
牛がやせて、99万円の価値になる。
1頭増やした牛飼い:99×11=1089万円
他の牛飼いたちの財産は減少する。
しかし、村全体としては、
99×101=9999万円で、1万円の損失にしか
ならない。
「共有地の悲劇」として考える
熱帯雨林の減少・砂漠化
オゾン層の破壊・地球温暖化・水質汚染
進学競争
軍拡競争
自動車の普及と公共交通の衰退
社会的ジレンマの基本構造
“囚人のジレンマ”
B
▲黙秘
▲自白
▲黙秘
-2, -2
-10, 0
▲自白
0, -10
-8, -8
A
社会的ジレンマの基本構造
“囚人のジレンマ” [2]
B
▲協調
▲裏切り
▲協調
3, 3
0, 5
▲裏切り
5, 0
1, 1
A
“囚人のジレンマ”
お互いに話をすることができない。
相手がどのような選択をしようとも、(自分が
他の選択肢をとったときと比べて)自分の利
益が大きくなるような選択肢が存在する。(優
越戦略)
どちらの囚人にも、選択肢を変えるインセン
ティブがない。(均衡状態)
デートのジレンマ
カレ
▲ラグビー
▲映画
▲ラグビー
3, 4
1, 2
▲映画
2, 1
4, 3
カノジョ
チキンゲーム
オレ
▲突っ込む
▲逃げる
▲突っ込む
1, 1
4, 2
▲逃げる
2, 4
3, 3
アイツ
社会的トラップ
便利さや快適さという目前の利益のために、
環境にマイナスの影響をあたえることがある。
しかも、それを一度味わうと、それが環境を悪
化させる原因になることがわかったとしても簡
単にはやめられない。
共有地の悲劇・環境問題など
自家用車・夏場のクーラーの過剰使用
合成洗剤
社会的フェンス
何らかのコストを負担することによって、より
望ましい状態を達成できることがある。でも、
あえてコストを負担しようとしない。自分で負
担する? → 他人がコストを負担すれば、望
ましい状態が達成される?
みんなで掃除する
お金を出し合って何かを購入する
だれかを代表(=犠牲?)にする
協調する?
社会的ジレンマの回避(Messick & Brewer)
個人的方法:コミュニケーション・情報提供に
よって意識を変える。
構造的方法:社会的ジレンマという構造その
ものを変更する。
リアリティの問題
ジレンマ状況における
コミュニケーションの効果
条件
協調行動率(%)
C1
30
C2
32
C3
72
C4
71
•C1: コミュニケーションなし。
•C2: 社会的ジレンマとは無関係なことに関するコミュニケーショ
ンをする。
•C3: 社会的ジレンマに関係したコミュニケーションをする。
•C4: 社会的ジレンマに関係したコミュニケーションをした上で、各
自の選択を事前に公開する。
コミュニケーションによる
協調行動の生成 [1] (小林 & 木村)
ジレンマに関する情報が提供されることに
よって、ジレンマを避けようという集団規範が
形成され、それが協調行動へ向けた同調へ
の圧力となる。
相手に対する信頼感が高まることによって、
協調行動がムダに終わったり他者の自己利
益の犠牲になる恐れが減少する。
コミュニケーションによる
協調行動の生成 [2] (小林 & 木村)
良心への訴えかけがなされ、共通利益の達
成という社会的価値が共有される。
共通の問題に関する議論をつうじて、集団へ
の帰属意識や凝集性が増大し、その結果
人々は自分の行動を決める際に共通利益を
考慮するようになる。
社会的ジレンマの構造を変える
(小林 & 木村)
利得構造を変更する。
アメとムチ(選択的誘因)
意思決定の単位を縮小する。
集団規模が大きくなるほど、協調行動は少なくなる。
対象となる財を分割する。
集団規模を実質的に縮小
時差出勤・ゴミ収集
社会的ジレンマを
解決する試みが引き起こす問題
アメとムチの弊害
自発的に協調していたひとの動機づけを損なう。
より強力な誘因が必要となる(より厳しいルールの
生成)。
信頼関係の破綻(相互監視)
社会的ジレンマを
伝える(感じる)リアリティの問題
問題状況の近接性
どのようにして、社会的ジレンマ状況について理解
するか。
単純化と整合性
説得力(誘因としてのコミュニケーション)
学習
社会的ジレンマを
解決するためのステップ(舩橋)
 ひとりひとりの利益追求行動が集積することによっ
て、対象となる財に対してどのような影響を与えて
いるかを把握すること。
 その結果にもとづいて、利害をどのように調停する
かを判断し、利益追求行動の限度を確定する。
 制約条件を規範として示し、規範意識の共有や制
裁の制度化などをつうじて、各自を方向づけること。
「取調室」
最悪の事態を最良化
コミュニケーション
経路のデザイン
イニシアチブ
ルール(サンクション)
時間の問題
「つき合い」は、いつ終わるかによって、意思
決定のパターンは変わるか。
未来をどう考えるか。
関係の強さ・継続性
状況の多重性
ゲームにおける「つき合い」
他の場面における「つき合い」
役割
帰属する組織・集団