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証明書の顔写真への 電子透かしによるなりすましの防止 200802945 木下研究室 荒木研二 背景・問題点 ・ 急速な IDカードの普及と高機能化 ・ カード社会の進展とともに、改ざん、なりすまし などの被害が深刻になっている ・ 指紋による認証も利用され始めているが、利用 者の抵抗感が大きい IDカードの偽造防止や認証システムの 信頼性強化の必要性は増加 研究目的 IDカード・証明書などにおいて、顔写真に 電子透かしを埋め込みなりすましや改ざん を防止する そのための電子透かし方法の提案と実装 実現への課題 (1) 不可視性 ・ 画像劣化 しない (2) オリジナルコンテンツの非参照 (3) アナログ耐性を持つ (4) 充分な埋め込み情報量 (5) 透かし情報読み取りの時間 (6) 透かし情報検出における信頼性 提案方法 QRコードを透かし情報として埋め込む 埋め込み方法には、2通りある ① 0,1として埋め込む ② 画像データとして埋め込む 今回は、簡単な①の方法を検証した 埋め込みによる画像の劣化がないか検討する QRコード ・ 読み取り速度が速い ・ 大容量である ・ コードの一部が汚損しても誤り訂正 符号による復元が可能 (最大で30%まで修復可能であり 15%までのレベルがよく使用される) 図:QRコード 電子透かし埋め込み方法 ロバスト電子透かしでかつ、対象をハードコ ピーに適応しても透かし情報が消えない電 子透かし 周波数成分に情報を埋め込む方法適切 その中でもウェーブレット変換を用いた電子透 かしを利用する ウエーブレット変換を用いた 電子透かし (1) 画像信号をウェーブレット変換する (2) LL成分に着目する (3) 画像データをブロックに分割する (4) ブロック内の総和を求める (5) その値に対して、埋め込み規則により 電子透かしを埋め込む (6) 変更した総和をそれぞれの係数に 反映させる 電子透かし埋め込み規則 QRコードの色により電子透かしビットを定める ・ 黒なら電子透かしビットを0とする ・ 白なら電子透かしビットを1とする 次の規則により透かし情報の埋め込みを行う ・電子透かしビットが1なら総和を奇数に変更 ・電子透かしビットが0なら総和を偶数に変更 ウェーブレット変換(ハール関数) 180 160 140 120 170 130 120 120 160 120 120 100 140 100 80 100 横 方 向 170 130 10 10 150 120 20 0 140 110 20 10 120 90 20 -10 縦 方 向 LL成分 160 125 15 5 130 100 20 0 10 5 -5 5 10 10 0 10 使った画像 QRコード 顔画像 結果 QRコードを透かし情報として埋め込んだ画像を示す 結果 埋め込んだQRコードと抽出したQRコードを示す 埋め込んだQRコード 抽出したQRコード 結果と考察 ① 画像劣化はしないという主観的評価 ・ 人が判別できればいいので問題ない ② 抽出したQRコードは問題なく読み取り可能 透かし情報抽出の作業のみで1秒以上 ・ レスポンスタイムが1秒が好ましい ・ 処理が遅い 今後の課題 ① アナログ耐性の確認とその強化 ② 透かし情報抽出の速さの改善 埋め込み方法においてQRコードを画像 データとして埋め込むためのアルゴリズム