(2) 日本貿易学会 第48回全国大会 (2008年6月1日青山学院大学)
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Transcript (2) 日本貿易学会 第48回全国大会 (2008年6月1日青山学院大学)
2008年6月1日
日本貿易学会第48回全国大会
多国籍企業による新市場開拓と
貧困削減への同時アプローチ
-利益追求と社会貢献の同時実現-
菅原 秀幸(北海学園大学)
http://www.SugawaraOnline.com
[email protected]
貧困層ビジネス
利益追求と貧困削減の同時実現は可能か?
ToP
利益追求
貧困削減
MoP
新たな機会
BoP
40億人
Key player = MNCs
新たな
アプローチ
世界の65%の貧困層
50年間
2兆5千億ドル
BOP市場:
40億人 5兆ドル
=Next 4 Billion
(資料) World Bank (2005)より作成。
貧困層ビジネスの本質
慈善心、義務感、哀れみの心
チャンス、チャレンジ
Serve the poor profitably.
企業が本業を通じて社会に貢献する
=CSR
貧困層ビジネスの事例
1. UNDP GSB (Global Sustainable Business) Initiative
目的は、企業が市場原理に基づいて途上国で活動して得られる商業上の利益と、途上国に
おける開発上の利益を合致させること。
16 カ国( アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カンボジア、エル・サルバドル、エチオピア、
インドネシア、ケニヤ、マケドニア、マダガスカル、マラウィー、モルドバ、モンテネグロ、セル
ビア、タンザニア、トルコ、ザンビア)
2. Center for Sustainable Global Enterprise, Cornell University
Stuart Hart, BOP Protocol(2008)
The SC Johnson Company (2005, Kenya)
The Solae Company (2006, India)
3. Hammond, et al.(2007), The Next 4 Billion
World Resource Institute & International Finance Corporation
貧困層ビジネスと従来型ビジネス
貧困層ビジネスの成功要因
「斬新なパートナーシップの構築」
1.社会的埋め込み (Social embeddedness)
or 土着化能力 (Native capability)
2.相互価値の創造
3.共創 (co-invention, co-creation)
The Base of the Pyramid Protocol
second edition (2008)
Erik Simanis and Stuart Hart,
Center for Sustainable Global Enterprise, Cornell University
BoP Protocol Business Principles
Operating Guidelines
Code of Conduct
利益と社会貢献の同時実現が21世紀の進歩?
「テーゼ(命題)とアンチテーゼ(反対命題)という
正反対の力が統合されることが歴史の進歩」
ドイツ人哲学者ヘーゲル
多国籍企業による利益と社会貢献の同時実現が21世紀の進歩
=
21世紀型ビジネス
事業外の位置付けで社会貢献活動に取り組むのではなく、
中核事業が結果として社会貢献を実現する。
ヒューレッド・パッカードの理念
大企業は社会の価値を利用したり使い果たしたりするの
ではなく、社会の価値を増大させるものだ。
「今日の市場が究極的に示すのは、今世紀に勝者となる企業は、
利益を増やし高い水準を維持するだけの企業ではなく、同時に
社会的な価値も増大させる企業だということだ。株主や顧客、関
係企業や従業員も、ビジネスを通じて社会の変化を推し進める
企業をますます評価するようになるだろう。」
(元ヒューレッド・パッカードCEO カーリー・フィオリーナ)