範囲の経済も既存企業の優位性
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第9章
新規参入と既存企業の優位性
帝国
9.1 既存企業の優位性
参入障壁とは・・・
新規参入企業に対する業界の魅力を低下させる要因
既存企業
参入障壁
新規企業
→ 企業間の競争的ポジショニングが不均衡になる!
では、参入障壁はどのような役割を果たすのだろうか?
9.1 既存企業の優位性
• 規模の経済性
生産量が増えるほど平均コストが低減する
【なんで参入障壁になるの?】
固定費用
企業の生産高や売上高に関わらず
発生する費用 のこと
を多くの生産量に配分することで単位コストをさげるから
変動費用と共に考えてみる
9.1 既存企業の優位性
ドル
総費用
=固定費用+変動費用合計
A+c
固定費用
c 総費用
変動費用
合計
q
総平均費用
変動費用
期間ごとの産出量
9.1 既存企業の優位性
ドル
需要
純利益=総利益-固定費用
A+c
P
純利益
総平均費用
固定費用
変動費用
c
変動費用
合計
q
期間ごとの産出量
9.1 既存企業の優位性
ドル
需要
総平均費用>価格
総費用>収入
→ 利益が減ってしまう
実際の状況はもっと厳しい!!
A+c
p
固定
費用
∵ マーケットシェアの争いに
よって価格が下がるから
総平均費用
変動費用
c
変動
費用
q/2
q
期間ごとの産出量
9.1 既存企業の優位性
MESとは・・・?( Minimum Efficient Scale )
→ 長期的な平均費用を最小化する
工場の期間あたり最小生産量
向上の規模と生産量を特定する、
長期的な視点に基づいたコンセプト
9.1 既存企業の優位性
かなりの利益
9.1 既存企業の優位性
(MES が市場の需要より大きい場合)
新規参入をするなら
大規模な参入を図り価格競争をする
この後のMESのところが
わからなかったので
質問タイムで
小規模に参入し市場での地位を限られたものにする
教えてください(>_<)
しかし
規模の経済を考えて
参入を差し控えることも!
9.1 既存企業の優位性
• 累積投資による既存企業の優位性
→ 投資の蓄積が現在の費用の削減につながっている場合
• 学習の経済
→ 経験に伴うコスト削減のこと
既存企業に優位性がある好例
【決定要因】
1.既存企業のコスト構造に追いつくために必要とされる生産量
2.コストの低減度合い
9.1 既存企業の優位性
• イノベーションの優位性
→ 企業が知識を蓄積し、現在の技術に従事している人々が
イノベーションに活かせるようにする
• プロモーションの優位性
→ 時間をかけてくり返し行い、需要を喚起する宣伝は、コストを基
盤とした、既存企業の優位性である
• 顧客ロイヤリティによる優位性
→ 使ってみなければわからない、経験財にしたがってはたらく
9.1 既存企業の優位性
• スイッチング・コストと
需要サイドの収穫逓増による既存企業の優位性
→ 製品と補完製品との間に互換性がある場合に生じる
スイッチングコストは参入障壁となる
売り手を変えると
耐久生産資産
多額のコスト
補完製品に
補完的資産
かかるコスト
設備の導入で
トレーニング
社員の教育コスト
新しい取引先と
取引コスト
の関係のコスト
ロイヤリティ・
マイレージ
など
プログラム
9.1 既存企業の優位性
• サンクコストからくる既存企業の優位性
サンクコストとは
→ 高井撤退費用のこと
VS
取り戻すことのできないコストのこと
船の費用
線路と貨物列車
船はオプション価値を持つ!が、
鉄道は線路を敷いてしまった以上撤退できない!!!
→ 船が撤退することに
9.1 既存企業の優位性
企業の事業範囲
• 範囲の経済も既存企業の優位性
→ 製品ラインが幅広いと費用をおさえられる
• フルラインでの製品提供
→ フルラインの売り手と取引をすると取引コスト削減に
どちらもそれ自体は参入障壁にならないが
他の障壁と同時に用いることで参入障壁に
9.3 既存企業による優位性の戦略的構築
戦略的投資 を行う
→ 参入障壁を築くために行動を変えること
既存企業
• 製品スペースを埋める
参
(50,40)
(80,0)
既
(45,-10)
参
(70,0)
9.3 既存企業による優位性の戦略的構築
• 参入を阻止するシグナリング
→ 既存企業にとって参入されないことが一番
→ シグナリングをする
低コスト企業であることを証明したい
しかし企業秘密は明らかにできない
制限価格設定
強硬な姿勢をみせる
9.3 既存企業による優位性の戦略的構築
• 参入障壁と反トラスト
存在意義は、競争自体の保護
既存企業が市場支配力をもつか競争市場にあるか
支配力を用いて競争を排除しただけでは
法に抵触しない