オペレーティングシステム、情報倫理

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情報基礎A 第3週
オペレーティングシステム
徳山 豪
東北大学情報科学研究科
システム情報科学専攻
情報システム評価学分野
1
計算機構成(ハードウエア・アーキテクチャ)の基本
制御装置
命令
読み
出し
入出力
処理装置
主記憶装置
演算指定
演算装置
プログラム
格納部
データの読
み書き
入出力装置
これらのやり取りをする仕組み: 制御アーキテクチャ
記憶装置などを共有する仕組み: オペレーティングシステム
2
ファイルとフォルダ
• ファイル:ユーザが作業領域で利用するためのデータセット
–
–
–
–
文書ファイル (先週作った履歴書)
プログラムファイル
画像ファイル (デジカメで取った一枚の写真)
音声ファイル (CDの歌一曲)
• ファイルの大きさ、KB(キロバイト)、MB(メガバイト)
• 複数のファイルをフォルダ(LINUXではディレクトリと呼ぶ)にまと
めて管理する
–
–
画像や音声ファイルをいくつか持った、アルバムフォルダ
フォルダのフォルダ (アルバムフォルダいくつかを持つ“マイミュージック”
フォルダなど)
– ホームディレクトリ (今使っている東北大学の教育用システムであなたが
ファイルの作成をできる部分)
•
現在のほとんどのシステムで共通の手法
3
OSの仕事
• OS(オペレーティングシステム)
• 現在のコンピュータ: 複数の作業(タスク)を同
時に行う (Time Sharing)
– インターネットブラウザと音楽ソフトとエディタとメール
ソフトを同時に使う
•
一つの記憶装置をたくさんの目的のために用い
る
• 記憶装置の整理整頓と効率利用が必要
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OSの歴史
• MVS/CMS: IBM大型機のOS
–
–
–
•
•
•
•
•
Multiple Virtual Storage
Conversational Monitor System
システム360(1964)で汎用計算機の実現
UNIX: ワークステーションの代表OS
MS/DOS : パソコンのOSの実現
WINDOWS, MAC, 現在のパソコンの主力OS
TRON: 和製OS, 携帯端末のOSとして復活
LINUX: UNIXのパソコン版
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UNIXシステム
•
•
•
•
名前の由来:MULTICS → UNIX
1983、ATT ベル研究所が発表
1985、UC Berkleyが普及版を配布
特徴:
–
木構造を用いたファイルシステム
•
•
–
–
当時としては画期的なアイデア
MAC, WINDOWS等でも踏襲している
中身の公開(オープンソース)とユーザ変更の許容
多彩なツールと無料ソフトウエア
• パソコン版はLINUX (原作者リーナス・トルバーズLinus
Torvalds )
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ファイル構造
/
usr
www
home
a4b
system
local
bin
c45
a4c
/home/class/a4b/a4b1176c
a4b1176c
mydoc1
cprog
学生一人のホームディレクトリ
mail
7
WINDOWS
• ウインドーシステムが名前の由来
• Bill Gates: DOS(ディスクオペレーションズシステム)から
WINDOWS、ソフトウエアビジネスの巨人
• マウスクリックとアイコンによる操作
–
MAC OSも同様
• 一般個人ユーザ対象の操作性の容易さ
–
–
簡単なインストール
高機能のソフトウエア群(Officeなど)
• マイクロソフト社による責任を持った保守とバージョンアッ
プ (WIN95→98→・・→XP、ただし有料)
• 現在、圧倒的なシェアを持つ
• 欠点: セキュリティーの脆弱さ、有料ソフトウエア、ユーザ
による保守の難しさ
8
ファイルの名前の付け方
• ファイル名 と ファイルタイプ
–
doc1.txt
• ファイルタイプ=ファイルの種類を指す
• アプリケーションやコマンドで扱うために、特定の
ファイルタイプを要求されるものもある。
–
–
–
–
myfile.txt (テキストファイル)
myfile.doc (WORD文書ファイル)
doc2.html (WEBページ作成で)
a3502.jpg (画像ファイル)
9
ファイル操作
• 画面左上のアイコンからマイドキュメントを
選ぶ。
• 下記の名前のフォルダの作成を試す。
– 実習
– レポート
– 講義資料
• フォルダ間のファイルの移動を試す
• ファイルの作成、コピーを試す
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レポート提出
• WEB上の授業支援システム(STUDENT機能)
• レポートの有無の確認
– Assignmentを選ぶ
– 担当教官(徳山)を選ぶ。reference をクリック
– Assignmentが出ていればクリック、referenceをクリック
• レポートの提出
–
–
–
•
For Submissionボタンをクリック
参照ボタンをクリックして、提出ファイルを選ぶ
Your submission is accepted で成功
レポートの評価の確認(評価には時間掛かります)
–
Confirm of assignment evaluaton
11
LOGO
情報倫理
12
インターネットと情報
コンピュータとは
プログラムに従って演算を行う機械の総称
スーパーコンピュータや汎用コンピュータ、サーバ
などからパソコンやワープロ、あるいは電卓まで、
非常に広い範囲のものを指す
コンピュータの歴史
13
ENIAC (Electronic Numerical Integrator and Computer)
1946年、ペンシルバニア大学のムーア校で、モークリー
(John William Mauchly) と エッカート (John Presper
Eckert) によって作られた
最初の電子計算機とされている
プログラムの格納方法で
現在のコンピュータの仕
組みとは異なっている部
分もあり、コンピュータの
定義によっては必ずしも
世界最初のものではない
ABC
●
1942 米国
Colossus
●
1943 英国
14
http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/history/eniac.html
ENIAC
真空管18,800本
床面積は 100m2、全長30m、重量 30トン、消費電力は
150kW
弾道計算や暗号解読といった軍事目的で極秘裡に研究
ENIAC開発の背景には大砲の砲弾の軌跡(弾道)を
もっと高速に計算したいという米軍のニーズがあった
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http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/history/eniac.html
ABC (Atanasoff - Berry Computer)
1942年にアイオワ州立大学のアタナソフ (John Vincent
Atanasoff) と ベリー (Clifford Edward Berry) によって作られ
た最初の電子計算機
真空管は約300本で、装置全体の大きさは大きめの机程度
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http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/history/eniac.html
コンピュータの利用形態
計算機としての利用
ワープロで文書作成
Webページ,電子メール
音楽,映像,ゲーム
マルチメディア機器として利用
近年のコンピュータ利用形態変化の背景
インターネットの一般家庭への普及
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インターネットの利用
インターネットの利用により
大量の情報流通が可能
情報の選択肢が拡大
利用する個人の価値基準の多様化
大量の情報から必要な情報選択
情報選択に関する正しい認識が必要
情報利用や操作を誤ると
誤った情報を正しいと思い込む
不適切な情報を無批判的に受け入れる
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いろんなホームページ
情報検索
Google: http://www.google.co.jp
Yahoo: http://www.yahoo.co.jp
行政
仙台市役所: http://www.city.sendai.jp/
買い物
楽天市場: http://www.rakuten.co.jp/
就職活動に役立つ情報
リクナビ : http://www.rikunabi.com/
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情報倫理の必要性
倫理は
社会における人間の正しいあり方の認識
社会的存在としての人間が社会で共存する
ための規範
情報倫理を考えることは
人間の情報の生産,流通,利用における正
しいあり方を考えること
「他人の権利の侵害を避けるために,最
低限守るべきルール」を個人個人が確
立する必要
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自己責任と自己防衛の必要性
インターネットのスケールは地球規模
空間的・時間的な制約を受けない巨大メ
ディアを個人で利用できる環境
情報は利用されることにより,さらに大き
な価値を生み出す
インターネットで公開し互いに自由に活
用することで情報は価値が高まる
反面
個人の行動が巨大な影響を生む
多くの悪意あるユーザと直面する環境
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自己責任と自己防衛の必要性
悪意を持った人がインターネットを利用し
他人のコンピュータに不正侵入
大事なデータを破壊する行為が行われている
データの改ざん
情報の伝達の途中で何らかの不正行為によっ
て生じる
このような危険性を持つインターネットを上
手に利用する必要がある
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自己責任と自己防衛の必要性
不正行為に対処するための技術
ユーザIDやパスワード認証によるアクセス制御
ファイアウォールによりパケットを選別し不正侵入を
防ぐ
データの暗号化
しかし,その盲点を突くような新たな不正行為
の発生
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自己責任と自己防衛の必要性
犯罪行為は法律で禁止
情報倫理の必要性を強調しても
● インターネットの世界では,悪意を持った人によ
る不正な事態やトラブルが発生している実態
人権侵害
著者権侵害
無意識で違法行為を行った場合
知らなかった,認識が無かっただけでは済
まない
認識不足は自己責任
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インターネット利用上のルール
インターネット上では
Webや電子メール等の便利なサービス利
用できる
利用において
情報倫理を個人個人が認識
他人の権利を侵害しない
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Web利用上の注意
Webを利用して情報を発信する際の
プライバシー侵害
●
他人のプライバシーを勝手に公開するような行為
名誉毀損
●
非難の言葉や差別的な上限等により他人を誹謗中傷する
こと
著作権,知的財産の侵害,肖像権の侵害
●
●
他人のホームページで公開された文書,絵,写真等を無断
で使用
タレントの写真やアニメをホームページに掲載
わいせつ画像の掲載
賭博行為,詐欺行為,ねずみ講等第三者に不利益
を与えること
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プライバシー侵害と名誉毀損
インターネットを利用して発信される情報から充
実感が得られるとは限らない
嫌がらせのメールを個人に送信
個人の名誉を傷つける内容をメーリングリストや
ニュースグループ,チャットに投稿
他人を誹謗中傷する内容をWebページに掲載
インターネットを利用すると,他人に被害や損害
を与えることが簡単にできる
逆に,私が被害者にされてしまう可能性もある
言論の自由は「人権を尊重する者」に与えられ
た権利
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知的財産の法的保護
著作権法
著作物に生じる著作権を保護する法律
著作権侵害行為
映画,テレビ番組,CD,DVDから映像や音楽を無
許可で自分のWebページに取り込んだり,配布す
る
新聞や雑誌からスキャナで取り込んだ映像を無許
可で自分のWebページに取り込んだり,配布する
ソフトウェアを不正にコピーして配布する
ソフトウェア
フリーソフトウェア
●
●
無料で提供
著作権者の同意が無くても複製,改変,再配布が可能な
ソフトウェア
シェアウェア
●
試しに使ってみてよければ購入して使う
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インターネット犯罪
不正侵入
コンピュータウイルス
インターネット・ショッピング詐欺
なりすまし
...
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不正侵入
ハッカー
自分の能力を誇示するために,ネットワークやコン
ピュータ技術の限界に挑むことを面白がる人
クラッカー
特に悪意を持った侵入者
コンピュータに不正侵入し,システムを乗っ取る,重
要なデータ盗み,システム破壊,データを改ざん
成りすまして他のコンピュータを攻撃する
他人のユーザIDを不正使用し,コンピュータシ
ステムを利用することは犯罪
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不正侵入
対策
ネットワーク管理者は
● 強固なネットワーク環境構築
● 通信を監視
● コンピュータ内の情報を暗号化
個人ユーザは
● パスワードを頻繁に変更
■ パスワード管理
● 重要なデータはバックアップ
● 何らかの対策をとる必要がある
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コンピュータウイルス
コンピュータウイルス
コンピュータに侵入し,コンピュータ上で実行されているプログ
ラムに寄生し,システムを破壊したり,いたずらする不正なプ
ログラム
ワーム
単独で自己繁殖を繰り返しながらシステムを破壊する
ウイルス侵入経路
記憶媒体
インターネット
●
●
●
ダウンロードしたファイル
メールの添付ファイル
ファイル交換ソフトウェア(Winny)
ウイルスやワームを除去するワクチンソフトを入手し感
染を防ぐ
OSを常に最新のものに更新する
(Micro Soft Windowsは更新が必要)
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インターネット・ショッピングにおける注意点
ショッピングやオークション商品の購入
本,CD,衣類等の買い物
インターネットショッピングのトラブル
代金を払ったのに品物が届かない
注文された商品を送ったのに,支払いがされない
消費者,商人どちらもリスク
クレジットカードに決済
送信途中でクレジットカードの情報が盗まれる
暗号化,電子署名システム等の導入
大学のIDでは絶対に禁止です
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迷惑メール
スパムメール
広告や勧誘のため,何度も送られてくる
詐欺メール
フィッシングメール
● 個人情報等を要求
逆援助交際や「旨い話」
見覚えのない請求
マネーランドリーや宝くじメール
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被害に遭わないための対策
対策
自己の個人情報の管理を徹底する
● 個人情報を発信するときは,内容を吟味する
● 自分のホームページに不要な個人情報を掲載し
ない
メールアドレスの公開に注意
掲示板,Webページ等において,トラブルに
巻き込まれるような行為,不用意な発信は
慎む
警察庁サイバー犯罪対策室
http://www.npa.go.jp/cyber/index.html
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レポート
情報倫理に関する事例を調べてください
インターネット,新聞,雑誌,本等で調べる
調べたものを簡単にまとめて提出
●
●
●
●
内容は事例の紹介と自分の考えを述べる
300~1000字程度
エディタで作成して提出
同一レポートと認定した場合は、点数を人数で割
ります。
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