PPT - 平成25年度保健事業の研修手法と評価に関する研究

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厚生労働科学研究「標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】及び健康づくりのための身体活動基準2013
に基づく保健事業の研修手法と評価に関する研究」津下班
実践者育成
研修プログラム
基礎編
1)
2)
3)
4)
5)
健診・保健指導の理念
保健指導対象者の選定と階層化
保健指導(概論) 保健指導の基本的事項
保健指導(各論) 保健指導の特徴
ポピュレーションアプローチとの連動
あいち健康の森 健康科学総合センター 津下一代
制度の全体像を把握しよう
• 特定健診・特定保健指導のめざすところ
• データヘルスの推進
• 特定健診/特定保健指導のしくみ
• 特定保健指導の効果
• ポピュレーションアプローチとの連動
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
根拠に基づく政策(EBHP)とは
1.現状を把握⇒将来予測
2.解決しうる問題を明確にする
3.結果に結びつく対策を実行(戦略)
理想
4.当事者の主体的な参加を促進する
落差
認
知
現状・
将来予測
問題
提
起
解決
介入
因
果
構
造
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
男性は5人に1人、女性は半数が
90歳まで生きる長寿社会の到来
生命表上の特定年齢まで生存する者の割合
男性(90歳 22.2%、95歳 8.2%)
女性(90歳 46.4%、95歳 23.7%)
75歳
75歳
90歳
90歳
95歳
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
男性は女性より早世している
大きな要因は三大生活習慣病
年齢別・原因別死亡者数(出典:2011年人口動態統計)
脳血管疾患
全死亡
45,000
18,000
40,000
16,000
35,000
14,000
30,000
12,000
25,000
10,000
20,000
8,000
15,000
6,000
10,000
4,000
5,000
2,000
0
0
がん
心疾患
140,000
30,000
120,000
25,000
100,000
20,000
80,000
男性
60,000
女性
15,000
40,000
10,000
20,000
5,000
0
0
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
生活習慣病は、死亡数割合では約6割を占め
一般診療医療費の約3割を占める
(参考)
一般診療医療費
計 27.2兆円
一般診療医療費(平成22年度)
生活習慣病・・・8.8兆円
糖尿病
1.2兆円
脳血管疾患
1.7兆円
虚血性心疾患
0.7兆円
高血圧性疾患
1.8兆円
その他,
18.4兆円
(出典:人口動態統計 平成23年)
悪性新生物
3.4兆円
(出典:国民医療費 平成22年度)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
増え続ける国民医療費
○少子高齢化が進行する我が国においては、医療費が毎年増大しており、平成23年度に38兆円を突破。
今後もGDPの伸びを超えるスピードで増加し、2025年度には約60兆円に達する見込み。
○国民医療費のうち、医科診療医療費の約3分の1(9.8兆円)は生活習慣病関連。
(兆円)
医科診療医療費に占める生活習慣病の割合(平成23年度)
国民医療費の見通し
70
1.6
1.57
60兆円
60
1.5
8.1
50
1.4
6.4
40
自己負担
医療費の伸び
(右軸)
39兆円
(資料公表時の推計値)
(実績値は38.5兆円)
24.5
5.8
30
1.3
1.26
16.7
14.1
公費
1.2
20
1.15
保険料
10
0
19.2
21.6
1
1
2011年度
2015年度
GDPの伸び
(右軸)
27.9
1.1
1.06
1
2025年度
※1 平成23年6月2日社会保障改革に関する集中検討会議資料で公表している将来推計のバックデータから作成。
※2 医療費の伸び、GDPの伸びは、対2011年度比。
(出所:厚生労働省作成資料)
(出典:厚生労働省 平成23年度国民医療費)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
40歳頃から医療費は上昇する
(市町村国保は他より早い年齢から上昇)
年齢階級別、制度別、1人当たり医療費(平成22年度)
協会
組合
共済
市町村
国保
国保
組合
600,000
525,902
500,000
400,000
371,830
300,000
200,000
286,830
223,747
213,836
117,136
79,067
100,000
63,075 62,82477,442
0
04
176,140
135,424
91,416 97,373 108,947
5 - 10 - 15 - 20 - 25 - 30 - 35 - 40 - 45 - 50 - 55 - 60 - 65 - 70 9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
要介護の原因の半数は脳卒中
介護が必要となった主な原因の構成割合(要介護度別)
(出典:平成22年国民生活基礎調査)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
脳卒中の危険因子
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
高血圧
喫煙
内臓脂肪型肥満
食事
身体活動度
脂質
糖尿病
飲酒
ストレス・うつ
心疾患
人口寄与リスク
90%
生活習慣そのもの
生活習慣に起因する疾病
(出典:Lancet2010:376:112-123)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
男性の肥満者が増加傾向に
日本における肥満者(BMI≧25)の割合の推移
(%)
33
31
29
27
25
Men
Women
23
21
19
17
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
2010
15
(出典:国民健康栄養調査)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
早急かつ実効力のある生活習慣病対策の必要性
•死因の主要な原因:悪性新生物(がん等)が約3割、
心疾患及び脳血管疾患(脳卒中等)の合計が約3割。
•前期高齢者要介護状態の約半数は脳卒中。
後期高齢者の生活機能にも関係。
•増大する医療費:国民医療費のうち、生活習慣病が約4割
(がんが約1割、糖尿病、脳卒中、心疾患等の循環器系疾
患が3割)。特に糖尿病は増加傾向。
•糖尿病、高血圧症、脂質異常症の有病者及びその予備群
が増加。
⇒少子高齢化社会・・・
雇用延長、社会的負担の軽減、活力ある社会づくり
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
解決策の検討
• 医学的観点
☑ 病態の理解を踏まえた解決法の検討
• 行動科学的観点:(病気につながる行動の同定)
☑ 変えられること、に着目した解決法の検討
• 社会学的な観点:ソーシャルサポート
☑ インフラなどの外部環境や制度へのアクセス
☑ 活用できる社会資源(地域特性)
• 経済学的な観点:予算規模、費用対効果
☑ 自助・互助・共助・公助
☑ 医療保険者としてすべきことは?
☑ 行政としてすべきことは?
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
国としての戦略として
国民の「健康寿命」の延伸
日本再興戦略 -JAPAN is BACK- 平成25年6月14日
戦略市場創造プラン(安倍内閣)
• 世界や我が国が直面している社会課題のうち・・・
☑ 「日本が国際的に強み」を持ち、
☑ 「グローバル市場の成長が期待」でき、
☑ 「一定の戦略分野が見込めるテーマ」
として、以下の4テーマを選定
・テーマ1:国民の「健康寿命」の延伸
・テーマ2:クリーンかつ経済的なエネルギー需給の実現
・テーマ3:安全・便利で経済的な次世代インフラの構築
・テーマ4:世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
目指すべき社会システムの姿
○生活習慣病にかかる費用を早期の予防・健康管理に対する投資へとシフト。
○これにより、公的保険外の予防・健康管理サービス市場の創出、
国民のQOL(生活の豊かさ)の向上、国民医療費の抑制を目指す。
健
康
・
医
療
分
野
へ
の
支
出
現状の医療費のイメージ
生活習慣病
の治療
今後目指すべき健康投資+医療費のイメージ
生活習慣病の治療費から
予防・健康管理分野への
投資シフト
○重症化予防サービス、
生活支援サービス等の提供
○公的保険外の運動・食事指導サービス等の
提供による予防・健康管理の徹底
選択肢の提供
誕生
個人の一生
選択肢の提供
疾病治療に加え、個々人
の生活環境等を踏まえた、
多様性のあるサービスの
供給
死
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
生活習慣病の治療費から予防・健康管理分野へ
医療保険者の役割の変化
データヘルスの推進に関する政府の方針
◇日本再興戦略
☑全ての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の
健康保持増進のための事業計画として「データヘルス計画」の作成・公表、事業
実施、評価等の取組を求めるとともに、市町村国保が同様の取組を
行うことを推進する。
◇ 健康・医療戦略
①加入者の健康づくりや予防活動の促進が保険者の本来業務であることを周知、
②医療費分析システム利用を促進するとともに、医療費分析に基づく事業に
関して国が定める指針の内容を充実させる等により、保険者の取組を促進する。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
データヘルス計画(厚生労働省)
「データヘルス計画」
レセプト・健診情報等のデータの分析に基づく効率的・効果的な保健事業を
PDCAサイクルで実施するための事業計画
Plan(計画)
Act(改善)
・次サイクルに向けて修正
・データ分析に基づく事業の立案
○健康課題、事業目的の明確化
○目標設定
○費用対効果を考慮した事業選択
(例)- 加入者に対する全般的・個別的な情報提供
- 特定健診・特定保健指導
- 重症化予防
Do(実施)
・事業の実施
Check(評価)
・データ分析に基づく
効果測定・評価
H25
事デ
例ー
集タ
作ヘ
ル
成ス
る健「
健
指事康
針業保
」
のの
険
改実法
定施に
等基
にづ
関
すく
保
H26
モデル的「データ
ヘルス計画」作成
(実証事業その他実施準備)
H27
H28
H29
「データヘルス計画」の実施
(第1期の終期はH29年度)
(H30以降は
5年サイクル)
普及・指導事業
全ての健保組合で
「データヘルス計画」の作成に着手
「データヘルス計画」の実施
(第1期の終期はH29年度)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
「データヘルス計画」の特徴
~被用者保険の持つ強みや特性を踏まえた展開~
1.レセプト・特定健診データの活用による
① 組合や事業所における全体的な健康状況・受診状況・医療費状況の把握
② 保健事業の効果が高い対象者の抽出
2.身の丈に応じた事業範囲
① 加入者に対する全般的・個別的な情報提供(一次予防)
② 特定健診・特定保健指導
③ 重症化予防
3.コラボヘルス (事業主との協働)
4.外部専門事業者の活用
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
特定健康診査・特定保健指導の概要
基本的な考え方
○ メタボリックシンドロームに着目した健診及び保健指導を医療保険者の義務とすること
により、生活習慣病の予防及び医療費の適正化を目指す。
主な内容
○ 医療保険者は、40歳以上74歳以下の被保険者・被扶養者に対して特定健診を実施。
○ 健診の結果、一定の基準に当てはまる者に対して特定保健指導を実施。
【一定の基準】
腹囲が基準以上(男性85㎝、女性90㎝)でかつ、血糖・血圧・脂質の検査値が
基準に当てはまる者。
注)リスクの程度によって指導内容が変化(喫煙者は一部の指導レベルが上昇する)
医療保険者
に特定健康
診査の実施
を義務付け
一定の
基準に
該当す
る者
医療保険者
に特定保健
指導の実施
を義務付け
生活習慣
病のリスク
要因の減
少
生活習慣病
に起因する
医療費の減
少
後期高齢者
医療支援金
の加算・減
算
40-74歳の医療保険加入者=約5,600万人
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
生活習慣病のイメージ
レベル1
●不適切な食生活
(エネルギー・食塩・脂肪の過剰
等)
●身体活動・運動不足
●喫煙
●過度の飲酒
●過度のストレス
レベル3
●肥満症 (特に内臓脂肪型肥
満)
●糖尿病
●高血圧症
●脂質異常症
レベル2
●肥満症
●高血圧
●高血糖
●脂質異常
レベル4
●虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症等)
●脳卒中(脳出血・脳梗塞など)
●糖尿病の合併症(失明・人工透析等)
レベル5
●半身の麻痺
●日常生活における支障
●認知症
(出典:厚生労働省資料)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
生活習慣病の自然史と保健・医療サービス
情報提供
(津下:厚生労働省健診保健指導の在り方検討会提出資料)
動機づけ支援(減量)
積極的支援
生活習慣
要因
過食
運動不足
MetS予備群
内臓脂肪蓄積
MetS
薬物治療等
動脈硬化性疾患
救命・救急医療
心血管疾患
糖尿病
糖尿病性腎症
網膜症
喫煙
禁煙支援
遺伝など
その他の
要因
内臓脂肪型肥満を伴わない
メタボリックシンド
ロームの自然史
糖尿病
高血圧
脂質異常症等
その他の生活習
慣病の自然史
糖尿病・高血圧等
固有疾患予備群
(内臓脂肪型肥満なし)
保健・医療サービス
薬物治療等
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
メタボリックシンドロームに着目した戦略とは
☑ わかりやすい
☑ 生活のなかで、対策を考える
☑ 目標設定が具体的である
☑ セルフモニタリング(チェック可能)
☑ ポジティブな解釈
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病予防のための
健診・保健指導の基本的な考え方
(出典:標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
特定健康診査の検査項目等
対象者
実施年度中に40-74歳となる加入者(被保険者・被扶養者)
実施年度を通じて加入している(年度途中に加入・脱退がない)者
除外規定(妊産婦・長期入院・海外在住 など)に該当しない者
○
○
○
○
基本的な健 ○
診の項目
質問票(服薬歴、喫煙歴 等)
身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
理学的検査(身体診察)
血圧測定
血液検査
・ 脂質検査(中性脂肪、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール)
・ 血糖検査(空腹時血糖又はHbA1c)
・ 肝機能検査(AST、ALT、γ-GT)
○ 検尿(尿糖、尿蛋白)
○ 心電図検査
詳細な健診 ○ 眼底検査
○ 貧血検査(赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)
の項目
(注)一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施
(出典:標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
特定健診 検査項目と判定値
検査項目名
保健指導判定値
受診勧奨判定値
収縮期血圧 (mmHg)
130
140
拡張期血圧 (mmHg)
85
90
150
300
HDLコレステロール (mg/dL)
39
34
LDLコレステロール (mg/dL)
120
140
空腹時血糖 (mg/dL)
100
126
HbA1c (%) (NGSP)
5.6
6.5
AST(GOT) (U/L)
31
51
ALT (GPT) (U/L)
31
51
γ-GT (γ-GTP) (U/L)
51
101
13.0(男性)
12.0(女性)
12.0(男性)
11.0(女性)
中性脂肪 (mg/dL)
血色素量(ヘモグロビン) (g/dL)
(出典:標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
「標準的な質問票」から特定保健指導対象者を選択
服薬の有無、治療の有無、喫煙習慣の有無をチェック
番 号
1-3
質
問
項
目
現在、aからcの薬の使用の有無
1 a.血圧を下げる薬
2 b.インスリン注射又は血糖を下げる薬
3 c.コレステロールを下げる薬
4
医師から、脳卒中(脳出血、脳梗塞等)にかかって
いるといわれたり、治療を受けたことがありますか。
5
医師から、心臓病(狭心症、心筋梗塞等)にかかっ
ているといわれたり、治療を受けたことがありますか。
6
医師から、慢性の腎不全にかかっているといわれた
り、治療(人工透析)を受けたことがありますか。
7
医師から、貧血といわれたことがある。
8
現在、たばこを習慣的に吸っている。(*「現在、習慣的に喫煙している者」とは、
「合計100本以上、又は6ヶ月以上吸っている者」であり、最近1ヶ月間も吸っている者)
(出典:標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
「標準的な質問票」から特定保健指導対象者の状態を知る
9
20歳の時の体重から10㎏以上増加している。
10
1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施。
11
日常生活において歩行又は同等の身体活動を1日1時間以上実施。
12
ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い。
13
この1年間で体重の増減が±3㎏以上あった。
14
人と比較して食べる速度が速い。
15
就寝前2時間以内に夕食を取ることが週に3回以上ある。
16
夕食後に間食(3食以外の夜食)を取ることが週に3回以上ある。
17
朝食を抜くことが週に3回以上ある。
18
お酒(清酒、焼酎、ビール、洋酒)を飲む頻度。
19
飲酒日の1日あたりの飲酒量。
20
睡眠で休養が十分とれている。
21
運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか。
22
生活習慣の改善について保健指導を受ける機会があれば、利用しますか。
(出典:標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
保健指導対象者の選定と階層化
ステップ1
内臓脂肪蓄積に着目してリスクを判定
・腹囲 M≧85cm、F≧90cm
→ (1)
・腹囲 M<85cm、F<90cm かつ BMI≧25 → (2)
ステップ2
①血糖 a 空腹時血糖100mg/dL以上 又は b HbA1c(NGSP)の場合 5.6% 以上 又は c 薬剤治療を受けている場合(質問票より)
②脂質 a 中性脂肪150mg/dL以上 又は b HDLコレステロール40mg/dL未満 又は c 薬剤治療を受けている場合 (質問票より)
③血圧 a 収縮期血圧130mmHg以上 又は b 拡張期血圧85mmHg以上 又は c 薬剤治療を受けている場合(質問票より)
④質問票
ステップ3
(1)の場合
(2)の場合
喫煙歴あり (①から③のリスクが1つ以上の場合にのみカウント)
ステップ1、2から保健指導対象者をグループ分け
①~④のリスクのうち追加リスクが
2以上の対象者は
1の対象者は
0の対象者は
①~④のリスクのうち追加リスクが
3以上の対象者は
1又は2の対象者は
0の対象者は
積極的支援レベル
動機づけ支援レベル
情報提供レベル
とする。
積極的支援レベル
動機づけ支援レベル
情報提供レベル
とする。
ステップ4
○服薬中の者については、医療保険者による特定保健指導の対象としない。
○前期高齢者(65歳以上75歳未満)については、積極的支援の対象となった場合でも動機づけ支援とする。
(出典:標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
保健指導対象者の選定と階層化
ステップ1
腹
囲
ステップ3
ステップ2
追加リスク
対
象
④喫煙歴
40-64歳
65-74歳
1つ該当
あり
積極的支援
動機付け支援
1つ該当
なし
①血糖 ②脂質 ③血圧
2つ以上該当
≧85cm(男性)
≧90cm(女性)
動機付け支援
3つ該当
上記以外で
BMI≧25
2つ該当
あり
2つ該当
なし
積極的支援
動機付け支援
動機付け支援
1つ該当
<追加リスクの判定基準>
①血糖:空腹時血糖100mg/dL以上 又は HbA1c(NGSP)の場合 5.6% 以上
②脂質:中性脂肪150mg/dL以上 又は HDLコレステロール40mg/dL未満
③血圧:収縮期血圧130mmHg以上 又は 拡張期血圧85mmHg以上
<治療中の者の取扱い>
高血圧、糖尿病、脂質異常症に対する服薬治療を受けている者については、特定保健指導の対象としない。
(厚生労働省 特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
情報提供
■対象:健康な人も含めすべての人に対して、健診後におこなう。
■方法:全員に画一的な情報を提供するのではなく、
健診結果や問診から対象者個人の生活習慣の
見直しや改善に必要な情報を提供するとよい。
■例:
• 健診の結果をわかりやすくグラフ化。
• 現在の生活習慣→将来疾病を引き起こす可能性。
• 健康的な生活習慣へのご褒美。
• 食事バランスガイドや運動指針など、積極的に健康づくりに取り組むこと
ができるような具体的な方法の紹介。
• 地域・職域で参加可能な健康づくりサークル、
施設紹介など、身近な情報を盛り込む、など。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
情報提供(例)
動脈硬化の危険度を示す図
リスクの
重なり度をチェック
リスク数
35.8倍
発
症
の
危
険
度
5.1倍
5.8倍
1.0倍
0個
1個
2個
3~4個
危険因子の数
検査データの推移
健診・検査のコメント
※自動出力
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
動機付け支援
■対象:メタボリックシンドローム予備群など
■目的:健診結果から自らの生活習慣を振り返り、生活習慣改善の
必要性を理解し、行動目標を立てることができる。
■内容:内臓脂肪増加と健康状態との関係について理解を深める。
体重が増加してきた背景(生活習慣)を考える。
食事・運動などの面で、すぐに実行できる行動目標を立て
る。
「あなたは何からはじめますか?」と問いかけ、行動目標の
優先順位をつけていく。
実行計画を立てる(次年度健診まで)
■形態:1人20分以上の個別支援、または
1グループ80分以上のグループ支援
■評価:6ヵ月後:電話ないし e-mailで身体状況・生活習慣の確認
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
積極的支援
■対象:主にメタボリックシンドロームと判定された人
■目的:初回面接で立てた行動目標の達成を支援し、新たな習慣獲得をめ
ざす。内臓脂肪減量のための行動目標をどのように実現し、継続す
るのか、対象者の生活や支援法について具体的に検討する。
■例:3か月~6か月の一定期間、個別面接・グループワーク・実技・
実習・IT活用などの支援方法を組み合わせる。
対象者の利便性を考慮し、継続的に参加しやすい方法を工夫する。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
積極的支援における支援形態のポイント数
支援形態
基本的な
ポイント数
最低限の
介入量
上限
120P
個別支援A
5分
20P
10分
個別支援B
5分
10P
5分
グループ支援
10分
10P
40分
120P
電話A
●e-mail、FAX、手紙等により、初回面接支援の際に作成した
行動計画の実施状況について記載したものの提出を受け、
それらの記載に基づいた支援
5分
15P
5分
60P
電話B
●行動計画の実施状況の確認と励ましや出来ていることには
賞賛をする支援
5分
10P
5分
20P
e-mail A
●e-mail、FAX、手紙等により、初回面接支援の際に作成した
行動計画の実施状況について記載したものの提出を受け
、それらの記載に基づいた支援
1
往復
40P
1往復
e-mail B
●行動計画の実施状況の確認と励ましや賞賛をする支援
1
往復
5P
1往復
20P
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
積極的支援
【現状の概要】
特定保健指導における積極的支援では、対象者自らが生活習慣を振り返り
行動目標を設定し、目標に向けた行動に取り組むことができるように、
特定保健指導の実施者は次の支援を行うこととされている。
○ 初回に面接による支援を行うとともに、以後3ヶ月以上の継続的な支援を
行う。
○ 3ヶ月以上の継続的な支援については、支援A(積極的関与)及び
支援B(励まし)によるポイント制とし、支援Aのみで180ポイント以上、
もしくは支援A(最低160ポイント以上)と支援Bの合計で180ポイント以上
の支援を行うことを最低条件とする。
○ 支援Aを支援Bに、あるいは支援Bを支援Aに代えることはできない。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
積極的支援例
(面接・電話・e-mail を組み合わせたパターン例)

初回面接
1ヶ月後
20
分
B
1
往
復
5P
B
1
往
復
支援A:計画の進捗状況の評価など
支援B:励ましや賞賛など
60P
支援A
160P
個
別
支
援
A
6
ヶ
月
後
の
評
価
10
分
次
年
度
健
診
結
果
で
の
評
価
)
)
10P
6ヶ月後
(
5
分
中電
間話
評A
価
20
分
3ヶ月後
e-mail
電
話
A
(
電
話
B
2ヶ月後
e-mail
20 又 80
分は分
の の
個 グ
別 ル
支 ー
援 プ
支
援
2週間後
60P
+
5P
支援B
20P
40P
=
合計
180P
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
「支援」において大人に新たなことを学んでもらうには?
(成人学習の基本)
•本人の気持ちを尊重する;
ex:どうして自分が呼ばれたんだろう??
•大人としての敬意を払う。
•本人が意味があると感じる内容を提供する。
•できることに着目、明確・適切な目標設定。
•指導よりも支援(サポーティブな雰囲気)。
•失敗する場面、恥をかく場面のないよう配慮。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
「支援」において求められる、心のうごき、気づき
健診結果の理解=自分の体の中で起こっている変化を理解
あっ!そうか!(納得)
やらないとまずいな!(危機感)
心のうごき・気づき
☑
☑
☑
☑
食生活
運動・身体活動
改善のノウハウ
社会資源の情報
何からはじめますか?
行動目標設定
Positive feedback
行動変容
できた!(自信・達成感)
体調がいいな!(感覚)
実行支援
評価・励まし
習慣形成
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
行動変容を促すために・・・
危機感
行動のきっかけ
応援
デメリット
困難さ
痛み、不安
メリット
有益性
行動変容
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
セルフマネジメント
目的
目標設定
セルフ
モニタリング
行動契約
セルフトーク
ソーシャル
サポート
健康でいたい理由、したいこと、続けたいこと
段階的に行動の目標を設定する。
目標は明確で数量化でき、短期的なもの。
行動の記録、自己評価、言い訳・自慢
体重・歩数・行動目標の評価など
指導者と行動契約書を交わすことにより、行動実践への拘
束力を高める。
内部的な対話。自分自身に教示。
肯定的思考を増やし、否定的思考を減らす。
家族や友人が一緒に行動してくれたり、応援してくれる。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
保健指導事業を評価するための指標
理解・意欲の変化
生活習慣の変化
データの変化
MetSに対する理解
自己管理に対する意欲
・歩数
・運動習慣
・食事摂取
・食行動
肥満度、体重
BW、BMI 腹囲
糖代謝指標:FPG、HbA1c
脂質代謝指標:トリグリセライド、LDL、HDL
肝機能検査:AST、ALT、γ‐GT
MetS判定
保健指導
QOL
医療費
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
6ヶ月後の評価
支援
形態
●個別支援
支援
内容
●身体状況や生活習慣に変化が見られたかについて確認する。
●継続的な支援の最終回と一体的に実施してもかまわない。
●グループ支援
●電話
●e-mail
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
保健指導の効果①
積極的支援により1年後の健診で
MetSは42.5% →21.9%へ減少
積極的支援の1年後のメタボリックシンドローム判定有所見率の変化(初回、
6,285人)
(%)
(%)
収縮期血圧 n=6,285
MetS該当率
(%)
100
7.7
80
>=140
n=6,285
>=130
60
非該当
拡張期血圧 n=6,285
19.5
40
80
60
40
13.1
80
44.7
20
33.6
20.9
14.6
20
25.4
0
49.8
>=90
>=85
24.2
18.1
前
12ヵ月後
0
前
12ヵ月後
60
Pre-MetS
40
33.4
(%) トリグリセライド n=6,285
80
>=300
>=150
60
7.7
21.9
20
49.7
31.0
60
0
12ヵ月後
20
0
0
前
<35
<40
5.4
42.5
MetS
HDL-C n=6,285
40
40
20
(%)
80
前
12ヵ月後
4.1
10.9
3.0
8.3
前
12ヵ月後
(出典:H24年度厚生労働科学研究「生活習慣病予防・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究」)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
保健指導の効果②
3%以上の減量達成者は36.6%、4%以上は28.6%
達成率(%)
積極的支援実施例における減量達成者割合(1年後)
(n=6,285)
体重減少率(%)
(出典:H24年度厚生労働科学研究「生活習慣病予防・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究」)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
積極的支援後1年間の体重変化率と検査値変化
収縮期血圧の変化
(mmHg)
(n=6,285)
(n=6,285)
拡張期血圧の変化
(mmHg)
*
*
*
*
*
*
n=500,
804,
1334,
1347,
960,
610,
730
トリグリセライドの変化
(mg/dl)
*
*
(n=6,285)
(mg/dl)
HDLコレステロールの変化
(n=6,285)
*
*
*
*
(mg/dl)
変
化
量
*
*
*
空腹時血糖の変化
*
*
*
(n=6,285)
*
(%)
HbA1cの変化
(n=5,269)
*
*
体重減少率
*
*
*
一元配置分散分析、Bonferroni法、* ±1% 群と比較して有意差あり
(出典:H24年度厚生労働科学研究「生活習慣病予防・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究」)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
初年度積極的支援該当者について
2年間で1回以上積極支援実施が服薬率に及ぼす効果
(1年、2年後)
実線:支援あり、破線:支援なし
35
受診勧奨判定値
30
29.7
保健指導判定値
25
P<0.001
合計
20
17.5
15
17.8
14.6
P<0.001
10.8
10
8.4
8.1
5
0
4.5
3.7
P<0.001
7
4.9
1.5
00
ベースライン
1年後
2年後
(出典:H24年度厚生労働科学研究「生活習慣病予防・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究」)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
<健康日本21>循環器疾患の目標設定の考え方
〈循環器疾患の予防〉
脳血管疾患の減少
虚血性心疾患の減少
(年齢調整死亡率の減少)
男性15.7%の減少、女性8.3%の減少
(年齢調整死亡率の減少)
男性13.7%の減少、女性10.4%の減少
〈危険因子の低減〉
4つの危険因子の目標を達成した場合
脂質異常症
高血圧
収縮期血圧4mmHg低下
高コレステロール血症
者の割合を25%減少
喫煙
40歳以上の禁煙希
望者がすべて禁煙
糖尿病
有病率の増加抑制
4つの生活習慣等の改善を達成した場合
収縮期血圧
2.3mmHgの低下
栄養・食生活
・食塩摂取量の減少
・野菜・果物摂取量の増加
・肥満者の減少
1.5mmHgの低下
0.12mmHgの低下
(男性のみ)
身体活動・運動
・歩数の増加
・運動習慣者の割合の増加
飲
酒
・生活習慣病のリスクを
高める量を飲酒している
者の割合の減少
0.17mmHgの低下
降圧剤服用率
10%の増加
〈生活習慣等の改善〉
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
特定健診・保健指導の医療費適正化効果の検証のための
ワーキンググループ 中間取りまとめ(案)概要
平成26年4月18日保険者による健診・ 保健指導等に関する検討会
特定健診・保健指導の効果検証の概要
○
特定健診・保健指導による検査値の改善状況や行動変容への影響、医療費適正化効果等を検証するため、
「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の下に、有識者により構成されるワーキンググループを設置し、
レセプト情報・特定健康診査等情報データベース(NDB)を活用しつつ、これまで検討を行ってきた(平成25年3月から計
6回開催)。
<ワーキンググループ構成員>(50音順・敬称略)
北村 明彦
大阪大学大学院医学系研究科准教授
津下 一代
あいち健康の森健康科学総合センター長
三浦 克之
滋賀医科大学教授
○
多田羅 浩三
福田
敬
日本公衆衛生協会会長
国立保健医療科学院統括研究官
今回、平成20年度から23年度の特定健診等の4年間分のデータを用いて、特定健診・保健指導による検査値の改善状況及び
喫煙行動の影響について、当該ワーキンググループで中間的な結果として取りまとめた。
なお、特定健診・保健指導による医療費適正化効果については、平成26年度中に検討を行い、その結果を取りまとめる予定
【参考】
である。
○特定健診・・・ 医療保険者(国民健康保険、被用者保険)が40歳から74歳の加入者(被保険者・被扶養者)を対象
として、
毎年度、計画的に実施する、メタボリックシンドロームに着目した検査項目での健康診査のこ
と。
○特定保健指導・・・ 医療保険者が特定健診の結果により健康の保持に努める必要がある者に対し、毎年度、計画的
に
実施する指導のこと。特定健診の結果に基づき、腹囲以外の追加リスクの多少と喫煙歴
の有無により、
積極的支援の対象者と動機付け支援の対象者に階層化される。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
1.特定健診・保健指導による評価指標等の推移
中間取りまとめ概要
①
<分析内容>
○ 特定健診の結果、特定保健指導の対象と判断された者のうち、特定保健指導終了者とそれ以外の者について、翌年度の検査データの差を、それ
ぞれの度 ごとに、性・年齢階級別に比較
○ 分析対象者数 約200万人(各年とも)
<分析結果>
○ 特定保健指導終了者はそれ以外の者と比較すると、
各年度、全ての性・年齢階級別において、腹囲、BMI、体重が大きく減少しており、血糖、血圧、脂質等も改善
○ 特定保健指導(積極的支援)による評価指標等の推移は以下のとおり
特定保健指導(積極的支援)による評価指標等の推移について(平成20-21年度推移)
【腹囲】
男性では約2.2cm
女性では約3.1cm
の減少
総数
【体重】
男性では約1.9kg
女性では約2.2kg
の減少
総数
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
中間取りまとめ概要
②
腹囲・体重の減少(=内臓脂肪の減少)に伴い、血糖、血圧、脂質
が改善
特定保健指導(積極的支援)による評価指標等の推移について(平成20-21年度推移)
【血糖(HbA1c)】
総数
男性では約0.04%
女性では約0.05%
の減少
【血圧(収縮期血圧)】
男性では約2.0mmHg
女性では約3.4mmHg
の減少
総数
【脂質(中性脂肪)】
男性では約27.2mg/dl
女性では約26.4mg/dl
の減少
総数
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
2.保健指導レベルの改善状況
中間取りまとめ概要
③
<分析内容>
○ 前年度の特定保健指導終了者について、翌年度の健診結果から、性・年齢階級別に、
特定保健指導を受ける前後の保健指導レベル(※)を分析。
※ 積極的支援、動機付け支援、特定保健指導対象外等。
○分析対象者数 約20~30万人(各年とも)
■積極的支援
特定保健指導対象者のうち、腹囲が一定数値
以上で、追加リスク(血糖・血圧・脂質)が2
つ以上該当か、1つ該当かつ喫煙歴がある、64
歳以下の者への支援。
■動機付け支援
<分析結果>
特定保健指導対象者のうち、腹囲が一定数値
○ 積極的支援終了者
以上で、追加リスクが1つ該当かつ
・保健指導レベルが全般的に改善傾向にあり、改善効果は年齢階層別では大きな違いはないものの、喫煙歴がない者への支援。
性別でみると女性の方が男性より強い傾向。
※ 血糖・血圧・脂質の服薬者は含まない。
○ 動機付け支援終了者
・保健指導レベルが改善した者が一定程度みられた。
【男性(総
数)】
特定保健指導(積極的支援)による保健指導レベルの改善状況について(平成20-21年度推
移)
【女性(総
数)】
42.5%
が改善
56.2%
が改善
積極的支援により、男性では42.5%、女性では56.2%が保健指導レベルが改
善
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
特定健診・特定保健指導の実施は年々増加
平成24年度
特定保健指導
70.6万人で終了
この5年間に
のべ270万人が
保健指導を終了
(出典:特定健診・特定保健指導等の実施状況)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
① 確実に医療機関受診を要する場合
(緊急度高)
☑ 特定保健指導の対象となる者であっても早急に受診勧奨を行う。
☑ 治療中断中の場合、または受診に前向きな姿勢ではない場合には、
本人の考え方、受け止め方を確認、受療に抵抗する要因を考慮したう
え、
認知を修正する働きかけが必要。
「いつまでに」受診するかといった約束や、受診した結果を
連絡してほしいと伝えるなど、期限をきめた伝え方も工夫する。
☑ 受診勧奨後のフォローアップ
医療機関を受診し薬物療法が開始された者について、その後も治療中
断に
至らないよう、フォローアップを行うことが望ましい。
(どんな指導や治療を受けたか?治療に前向きになれたか?)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
受診勧奨のための面接のポイント
☑ 過去の治療歴、健診での指導の状況を確認する。
☑ かかりつけ医/相談できる医師がいるかどうかを確認する。
☑ 健診データの重みについて、本人が納得できるように説明する。
数値データを示しただけでは、危機感を持てないことが多い。
☑ 受診するとどのようなことが行われるのか、説明しておく。薬物治
療だけ
が受診の目的ではなく、生活習慣改善をした効果を確認する、合併症が
起こっていないかを検査する、定期的に検査する、食事療法等について
継続的に指導を受けることができる、などの役割がある。
☑ 経済的な理由から受診中断をしている例も少なくない。放置するこ
とと、今治療を始めることの損得について説明する。
☑ 受診して、何か不安・疑問があればまた相談にのる約束をする。
☑ 緊急の場合には、期限を区切って受診を促す。
☑ 本人の不安がないように、適切な医療機関を紹介する。
(地区医師会等と事前協議→連携体制をとる)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
② 生活習慣の改善を優先してもよい場合
(緊急度中等度)
☑ 情報提供に際して、
・どのようなリスクがどの程度高まる状態なのか、
・具体的にどの点をどう改善するとよいのか
といったポイントを盛り込む。
☑ 健診で認められた危険因子の重複状況や重症度を含めて、
対象者本人が自らの健康状態を認識できるよう支援する。
☑ 受診勧奨判定値ではあっても(その程度、本人の希望によっては)
まずは保健指導を行って生活習慣の改善を支援したのち
結果の確認等の目的で医療機関での受療を促すという対応も考えら
れる。
☑ 血圧・喫煙に対しては、健診当日に対応することが望ましい。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
③ 健診データに明らかな問題がない場合の情報提供
☑ 健康状態が良好であったことを伝える。(賞賛)
☑ 健診データが改善している場合には、本人の生活改善の努力を
評価し、次年度も引き続き健康な状態で健診を受けるよう促す
など、ポジティブな対応が望まれる。(自信をもてる健診!)
☑ 検査データの異常はないが、喫煙者や運動不足である等、改善の
余地がある対象者に対しては、生活習慣病発症リスクの高さ等に
言及した上で、生活習慣の改善を促す。
☑ 今後起こり得るリスクを説明し、継続して健診を受診することの
重要性を伝える(健診のリピーターを増やす!)
(*性・年代別平均値と個人の数値を比較するなどの方法もある)
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
75歳以上の者に対する健診・保健指導の在り方
☑ 糖尿病等の生活習慣病を軽症のうちに発見し、重症化を予防するこ
と
が重要。
(未治療の生活習慣病の発見)
☑ 身体状況等の個人差が大きいことに留意し、生活習慣病の予防に加
え、
ロコモティブシンドローム、口腔機能低下及び低栄養や認知機能
低下を
予防する目的も考慮。
☑ 保健指導を一律に行うのではなく、本人の求めに応じて、健康相談
や
保健指導を利用できる体制が確保されていることが重要。
☑ 高齢福祉担当課、地域包括支援センターが介護予防関連事業を
実施している。高齢者の健診・保健指導については、
データ等の相互提供等に連携を図りながら実施する。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
ポピュレーションアプローチとの連動
自治体の全庁的な健康政策への理解と推進
健康に関する
職員向け研修会の開催
(事例:愛知県蒲郡市)
健康化政策全庁的推進プロジェクト設置
「健康寿命の延伸が蒲
郡市を救う」
講師:津下一代
市長はじめ、庁内管理
職、その他職員を対象
に研修会開催。130名
出席。
策定
部会
32名
推進
部会
29名
市27課
秘書課・人事課・企画広報課・企業立地推進課・
情報ネットワークセ ンター・行政課・財務課・安全安心課・税務収納
福祉課・児童課・長寿課・観光商工課・保険年金課・農林水産課・
環境清掃課・道路建設課・水道課・下水道課・道路建設課・
土木公安課・建築住宅課・問計画課・市民病院・消防本部・学校教育課・
庶務課・部下スポーツ課(27課 43名)
健康がまごおり21第2次計画策定
8月~月1回実施
グループワーク
既存データから市の現
状を把握・市の課題と
健康戦略を考える
健康担当以外の課の職員が考えた健康戦略発表
研修会・戦略発表会
【平成25年10月29日】
「健康戦略で蒲郡市の未来を変えよう
仕掛け人は私たち」
講師:津下 一代
プロジェクトチーム:43名
【平成25年年12月19日】
1 健康戦略発表会
プロジェクトチーム:35名
2 研修会
「健康がまごおり21第2次計画策定
動かすのは私たち」
講師:津下 一代
プロジェクト・市民関係機関:70名
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
ポピュレーションアプローチとの連動
健診からはじまる 健康なまちづくり (東海市)
潤滑油(循環のための道具)
意欲を高める(気づき)
取組む環境(実践)
○○運動施設
きっかけ
○○教室
健康診断
情報提供 など
○○レストラン
○○公民館
ふりかえり
○○公園
実現要因
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
運動応援メニュー
食生活応援メニュー
あなたにあった運動を
「四つ星(星の数)」で提示
あなたにあった食事を
「四つ葉(マーク)」で提示
具体的な内容の提示
・運動の種類
・運動量、頻度
・家庭メニュー
・実践できる場所の紹介
・運動する際のアドバイス
・食事のレシピ
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
健康日本21(第2次)の概念図
全ての国民が共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現
①
健康寿命の延伸・健康格差の縮小
生活の質の向上
社会環境の質の向上
②
③
生活習慣病の
発症予防・重症化
予防
社会生活
機能の維
持・向上
生活習慣の改善
(リスクファクターの低減)
④
社会参加
の機会の
増加
⑤
健康のための資源
(保健・医療・福祉等
サービス)へのアク
セスの改善と公平
性の確保
社会環境の改善
次期国民健康づくり運動による具体的取組
健康日本21(第二次)による具体的取組
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編
特定健診・特定保健指導の今後の方向性
• 受診者にとっても保険者にとっても、価値の高い保健サー
ビスへ成長させていく必要がある(品質マネジメント)。
• 保健指導の方法や成果について情報交換を活発に行い、
より効果的・効率的な方法を開発することが重要。
• 生活習慣を修正しやすい環境づくりも重要。
• 若年者対策(20~30歳代)も今後の課題。
• 事業評価をきちんとおこない、仕組みを改善させる方法
は、他の分野にも応用可能。
実践者育成 研修プログラム ▸ 基礎編