分散メモリ型並列計算機上でのLU分解の並列化
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Transcript 分散メモリ型並列計算機上でのLU分解の並列化
分散メモリ型並列計算機上での
LU分解の並列化
280867093 澤藤 俊平
280867247 横田 昌吾
概要
・MPIによるLU分解の並列化
① ブロック列分割による計算
② ブロックサイクリック分割の列分割による計算
③ 双方向ブロックサイクリック分割による計算
・計算機環境等
・計算結果①と②と③の比較
・まとめ
① ブロック列分割による計算
ブロック列分割
Lの計算
J
K
J
K
K
A
I
A
I
J
K
2
3
0
I
4
5
L
2
3
4
5
(K)
L IK
0
1
2
3
0 ~ 5 : rank
4
5
A IK
(K)
A KK
・・・(1)
式(1)の計算を各々のプロセッサが担当し、LIK
をまとめる。
Uの計算
K
J
K
K
A
I
×K
-I
K
3
(K 1)
U IJ
4
5
(K)
2
K
J
U
I
2
2
J
K
K
3
4
0
5
2
(K)
A IJ L IK A KJ
3
4
5
の計算を各々のプロセッサが担当する。
ここで、列部分は、全プロセッサにbroadcastする必要があるが、行部分は、計算に必
要なものをすべて保有しているのでbroadcastする必要はない。そして、計算したUIJ
をまとめる。
② ブロックサイクリック分割の列分割による計算
ブロックサイクリック列分割
Lの計算
J
K
J
K
K
A
I
A
I
J
K
2
0
0
I
1
2
L
2
0
1
2
(K)
L IK
0
1
2
0
0 ~ 2 : rank
1
2
A IK
(K)
A KK
・・・(1)
式(1)の計算を各々のプロセッサが担当し、LIK
をまとめる。
Uの計算
K
J
K
K
A
I
×K
-I
K
0
(K 1)
U IJ
1
2
(K)
2
K
J
U
I
2
2
J
K
K
0
1
0
2
2
(K)
A IJ L IK A KJ
0
1
2
の計算を各々のプロセッサが担当する。
ここで、列部分は、全プロセッサにbroadcastする必要があるが、行部分は、計算に必
要なものをすべて保有しているのでbroadcastする必要はない。そして、計算したUIJ
をまとめる。
③ 双方向ブロックサイクリック分割による計算
双方向ブロックサイクリック分割
Lの計算
J
I
K
J
0
1
0
1
0
1
2
3
2
3
2
3
0
1
0
1
0
1
2
3
2
3
2
3
0
1
0
1
0
1
行列A
2
3
2
3
2
3
A IK
行列A
0 ~ 3 : rank
K
I
J
K
0
1
0
1
2
3
2
3
0
1
0
1
2
3
2
3
K
I
0
L
(K)
L IK
(K)
A KK
・・・(1)
式(1)の計算を各々のプロセッサが担当し、LIK
をまとめる。
Uの計算
K
K
I
J
0
1
0
1
2
3
2
3
0
1
0
1
2
3
2
3
K
-I
0
2
J
K
K
×K
K
0
K
J
1
0
0
1
I
U
0
2
行列A
(K 1)
U IJ
(K)
(K)
A IJ L IK A KJ
の計算を各々のプロセッサが担当する。
ここで、列部分と行部分はお互いに全体の 1 / P 個のものしか保有していないため、
両方とも P 個のプロセッサにbroadcastする必要がある。そして、計算したUIJをまと
める。
計算機の環境
・情報基盤センターのHPC2500を使用
経過時間の台数効果
経過時間 (n=4096 ,ブロックサイズ:16)
16
台数効果
12
8
4
0
0
10
20
30
40
50
60
70
プロセッサ数
ブロック列分割
双方向サイクリックブロック分割
ブロックサイクリック列分割
•サイクリック分割の方が台数効果を得やすい
通信時間の比較
通信時間 (n=4096 ,ブロックサイズ:16)
通信時間 [sec]
3
2
1
0
0
10
20
30
40
50
60
70
プロセッサ数
ブロック列分割
双方向サイクリックブロック分割
ブロックサイクリック列分割
•列分割ではプロセッサ数に伴って通信時間が増大
•双方向分割ではプロセッサ数4をピークに以降減少
計算・待ち時間、通信時間の比較 (CPU = 64)
計算・待ち時間と通信時間 [sec]
40
通信時間
計算・待ち時間
30
20
10
0
ブ ロ ック列分割
ブ ロ ックサイ クリック列分割
双方向ブ ロ ックサイ クリック分割
•サイクリック分割によって計算時間が短縮される
•列分割よりも双方向分割の方が通信時間が短縮される
まとめ
•サイクリック分割によって計算時間を短縮できた
•列分割ではプロセッサ数の増加に伴い通信時間増加
•双方向分割ではピークを超えると減少
•プロセッサ数が多いほど、双方向分割の効果は大きい
•ブロックサイズの調整によりさらなる高速化が期待される