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日本看護技術研究学会 第5回 学術集会
看護技術をどう教えるか
2004.10.9
職業能力開発総合大学校
能力開発専門学科 新井吾朗
wwww.uitec.ac.jp/~araigoro
[email protected]
背景
指導テキストは、確立されている。
学習者の学習態度、学習意欲、既習得生活
技術等が変化してきた。
以前に比べて、指導の効果が薄くなってきた。
こうした状況のなかで、技術指導の基本を再
検討したい。
目標
学習者が修得できない理由を説明できる
指導すべき技能を指導する取り組みを始めら
れる
新規入職者訓練のモデル
訓練ニーズ
訓練
訓練対象者
職場外
職場
修了者像=訓練目標
在職者訓練のモデル
訓練ニーズ
訓練
訓練対象者
職場
修了者像=訓練目標
学習指導の目的
~ができるようになる
学習を支援する環境を整える
動
機
付
け
の
原
理
学
習
の
原
理
指導員の責任
ある人材を 目標とする人材にする責任
ある人材
= 入試で選抜した人材
目標とする人材 = 職場が求める人材
学生ができないのは、教員の責任
技術とは何か 技能とは何か
客観的
主観的
文書化された
人間の活動
文書化できる
人間の活動
人間の活動
文書化できない
人間の活動
抽象的
具体的
科学
作業標準
教科書
取扱い説明書
技術
ノウハウ
作業手順
カン・コツ
作業分解
技能
技能が文書化され抽象化されて技術・科学となる
技能とは
技術を生産・サービスに適用するために
人間が発揮する能力
技術
道具・機械
方法・手段
判断基準
教科書
技能
技術を生産に
適用する能力
生産
サービス
良い訓練の三条件
訓練の内容
目的・目標に合った内容
学習のしやすさ
あるテーマを学習しやすく計画する
訓練の構成
1時間、興味と関心を維持させる
目的
その訓練は何のために実施するのか
単位が設定されているから
卒業するため
試験に受かるため
その作業をするのに必要
よい作業結果をえるため
職場の問題を解決するため
目的に記載すべき事項
解決すべき
問題
建設業の公共事業で電子入札が開始された。
中小の建設業事業主は、従業員の給与計算など定型
化された事務処理の一部でPCを利用しているだけ
で、電子入札には対応できない。
訓練
修了者像
小規模な事業者が電子入札に参加できるようにする
ことを目的に実施する
対象者
前提能力
前提能力は、事務職員で一応ワープロ、表計算ソフ
トを操作できる程度とする。
目標設定「 ~ができる」
この講義で私は
~を指導する
~について取り上げる
~の知識
~の方法
訓練の内容
訓練の概要
この講義を終えると訓練
生は、
~ができる
~を判断できる
~を計画できる
~を改善できる
訓練目標
作業分解
作業手順が中心の個別の能力に適用し
やすい
指導すべき内容の決定
「げんのうによる釘打ち」という作業には、
どのような指導項目が含まれるだろう。
作業分解
ステップ
作業手順
げんのうを持つ
くぎを持つ
構える
打ちやすい位置に立つ
くぎを材料に
固定する
急所とその理由
げんのうの柄の端を持つ(板の厚さやくぎの太さで調整す
る)←やりやすく
頭の平らな面で打てるように持つ←やりやすく
2本又は3本の指で持つ(なるべく 3 本指で 安定するか
ら)←安全
くぎの先に近いところを持つ←安全・やりやすく
腕を振りやすい位置に半身に構える←やりやすく
体の正面ではなく右腕の正面の位置←やりやすく
柄がくぎの頭に直角にあたるようにしたときに腕、手首が
苦しくない高さに膝、腰で調整する←成否・やりやすく
くぎを所定の位置にあて くぎの先を、くぎを打つ位置に合わせてから、板に対して
る
くぎを垂直にする←やりやすく
くぎを押さえる手が、くぎの頭より出ていないことを確認
する←安全
周囲に人やものが居ないことを確認する←安全
げんのうで軽く打つ
手首の力だけで軽く打つ←安全・やりやすく
くぎが材料に入り込むのを感じている←成否
くぎから手を離す
くぎが固定されていることを確認する←安全・成否
指導上のポイント
安全に作業する手順
(初め軽く釘を固定→強く打つ)
●仕上げを美しくする手順と適切な操作
(正確に釘打ち位置を決める左手の使い方、
平面と丸面の使い分け)
●正確に・力強く・安全に打つ
(強く←手首のスナップ、
正確に←手の高さ、肘の位置、立ち位置)
●
目標分析
さまざまな種類(知的・感覚的・作業手順・
態度)の能力それぞれに適用できる
指導すべき内容の決定
「テーブルをぬれ布巾で拭く」という作業に
は、どのような指導項目が含まれるだろう。
指導する順序の決定
どのような固まり・順序で
「テーブルを布巾でふく」
作業を教えるか。
演習
演習
演習
6
5
1
3
4
2
布巾による机の水拭き
布巾の準備(1)
机の拭き作業(2)
いろいろな拭きかた(3)
効率の良い拭き作業(4)
■机拭き演習(1)(2)(3)(4)
布巾の後始末(5)
■布巾の扱い演習(1)(5)
拭く場所と汚れの性質の見極め(6)
■机拭き総合演習(1)~(6)
教材研究
どう教えればわかりやすいだろう
クド・クド・クド
こう考えるとわかりやす
いですよ
職場での重要さ
まあ重要である
重要である
非常に重要であ
る
非常に困難であ
る
困難である
容易である
学習の難しさ
頻繁に使う
使う
たまに使う
職場での頻度
3-3 知的管理系技能の指導方法
基礎看護技術の例 (注射の援助)
●A
●B
●C
●D
●E
注射器・注射針の種類と構造
皮下注射
筋肉注射
皮内注射
静脈注射
皮下注射
●B 皮下注射
・注射実施組織と部位
・実施方法
-準備(手洗・注射器)
-アンプル/バイアル
-実施
-あとかたづけ
皮下注射
●実施
(1) 説明
(2) スクリーン
(3) 消毒
(4) 注射
(5) 注射針挿入
(6) 薬液注入
(7) マッサージ
(8) 衣服戻し
(9) 異常の観察
(10) あとかたづけ
皮下注射 指導例
(3) 消毒
(4) 空気確認
演習 (3)~(4)
(5) 注射針挿入
演習 (3)
(6) 薬液注入
(7) マッサージ
演習 (3)~(7)
(1) 説明
(2) スクリーン
(8) 衣服戻し
(9) 異常の観察
演習(1)(2)(8)(9)
演習(1)~(9)
(10) あとかたづけ
皮下注射 指導例
5
3
4
1
2
指導順序計画の練習 (静脈注射)
●実施
(1) 説明
(2) スクリーン
(3) 薬液準備
(4) 注射部位の怒張
(5) 医師への注射器渡し
(6) 消毒
(7) 患者の身体の固定/注射針挿入
(8) 薬液注入
(9) 針抜/止血
(10) 注射器あと始末
(11) 衣服戻し
(12) 異常の観察
(13) あとかたづけ
静脈注射指導例
(3) 薬液準備
(5) 医師への注射器渡し
(7) 患者の身体の固定/
演習(3)(5)(7)
(4) 注射部位の怒張
(6) 消毒
(9) /止血
演習 (4) (6)(9)
(7) /注射針挿入
(9) 針抜/
演習(7)(9)
(8) 薬液注入
(10) 注射器あと始末
演習(4)(6)(7)(8)(9)(10)
(1) 説明
(2) スクリーン
(11) 衣服戻し
(12) 異常の観察
(13) あとかたづけ
演習(1)~(13)