(治水ダム)の詳細耐震点検(揺れ・液状化)

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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
箕面川ダム(ロックフィルダム)
箕面川ダム
狭山池ダム(アースダム)
狭山池ダム
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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
■ダム本体の耐震性能の照査(フィルダム)
≪点検の考え方≫
○治水ダムは震度法による耐震設計を実施しているが、レベル2
地震動に対して、所要の耐震性能が確保されていることを確認
照査に用いるレベル2
する。
地震動の設定
⇒治水ダムすべて(箕面川ダム、狭山池ダム)を対象とする。
≪求める耐震性能≫
○貯水機能が維持されること
⇒変形に伴う沈下が貯水の越流を生じるおそれがないほど小さく、
かつ地震後において浸透破壊を生じるおそれがないこと。
○点検手法
■参考基準:大規模地震に対するダム耐震性能照査指針
(案)・同解説(平成17年3月 国交省河川局)
➢等価線形法等による動的解析を行い、地震時にすべり破壊が生じ
ないと判断される場合は、ダム本体の損傷が生じるおそれはない
ため、所要の耐震性能は確保されるとする。
➢上記の検討でダム本体の損傷が生じるおそれがある場合は、さら
に解析結果を用いた塑性変形解析により、すべり等の変形を推定
する。
➢上記の検討の結果、変形に伴う沈下が貯水の越流を生じるおそれ
がないほどに小さく、かつ地震後において浸透破壊を生じるおそ
れがない場合には、ダムの貯水機能は維持されるとし、かつ修復
可能な範囲にとどまる場合には、所要の耐震性能は確保されると
する。
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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
≪南海トラフ巨大地震による影響≫
■南海トラフ巨大地震による地震動(工学的基盤面)
➢箕面川ダム(RT1ゾーン;①No.52352327)
・最大加速度
NS成分;133.3gal、EW成分;185.4gal
⇒合成成分(ダム堤体上下流方向);151.0gal
・地震動波形(合成成分)
400
Max: 1.30E+02(cm/s2) 8.36E+01(Sec)
Min:-1.51E+02(cm/s2) 8.25E+01(Sec)
波形1
①
300
入力波(cm/s2)
200
100
0
-100
-200
-300
-400
0
100
200
300
400
時刻(Sec)
➢狭山池ダム(DT2ゾーン;②No.51356422)
・最大加速度
NS成分;403.4gal、EW成分;438.8gal
⇒合成成分(ダム堤体上下流方向);382.3gal
・地震動波形(合成成分)
400
②
Max: 2.74E+02(cm/s2) 8.07E+01(Sec)
Min:-3.82E+02(cm/s2) 5.83E+01(Sec)
波形1
300
入力波(cm/s2)
200
100
0
-100
-200
-300
-400
0
100
200
時刻(Sec)
300
400
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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
箕面川ダム
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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
≪南海トラフ巨大地震による影響≫
■箕面川ダムの構造
■箕面川ダムの耐震検討
➢入力地震動波形(工学的基盤面=基礎地盤)
・最大加速度151.0gal(合成成分)
400
常時満水位 EL.317.60m
計画堆砂位 EL.311.00m
Max: 1.30E+02(cm/s2) 8.36E+01(Sec)
Min:-1.51E+02(cm/s2) 8.25E+01(Sec)
波形1
300
入力波(cm/s2)
200
100
0
-100
-200
B地点
-300
加速度時刻歴波形
-400
0
100
200
300
加速度フーリエ
t
400
時刻(Sec)
➢加速度応答スペクトル(工学的基盤面=基礎地盤)
1.00E+04
波形1(h=0.050)
ω
■検討モデル及び地震動入力イメージ
B地点
伝達関数=A/B
1.00E+03
加速度応答スペクトル
ω
1.00E+02
A地点
加速度時刻歴波形
加速度フーリエ
t
1.00E+01
1.00E+00
0.01
A地点
0.1
1
周期(Sec)
10
工学的基盤面(Vs=1000m/s)
における入力地震動
ω
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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
≪南海トラフ巨大地震による影響≫
■箕面川ダムの耐震検討結果
逐次非線形動的解析による堤体の最大せん断ひずみ応答分布
発生するせん断ひずみ 最大値 6.08×10-4(ロック材部分)
⇓
10-3オーダー以下であれば、
すべりは想定されず、
浸透破壊のおそれなし
サーチャージ水位 T.P.+332.60 m
常時満水位
T.P.+317.60 m
【参 考】ひずみの大きさによる土の性質の変化
ひずみの大きさ
現 象
力学的特性
10-6
10-5
10-4
10-3
10-2
波動、振動
き裂、不等沈下
弾
弾
性
塑
性
10-1
すべり、
締固め、液状化
破
壊
「石原研而:土質動力学の基礎,昭和53年1月,鹿島出版会」より抜粋
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2-2 河川構造物(治水ダム)の詳細耐震点検について
≪南海トラフ巨大地震による影響≫
■箕面川ダムの耐震検討結果
ダム高
47.00 m
逐次非線形動的解析による堤体の最大鉛直変位分布
サーチャージ水位 T.P.+332.60 m
ダム天端標高(現況) T.P.+337.00 m
地震による変位
鉛直変位 0.001 m(下方向)
(水平変位 0.012 m(右方向))
⇓
越流のおそれなし
常時満水位
T.P.+317.60 m
浸透破壊及び越流のおそれなし
⇓
所要の耐震性能は確保されている
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