メディアンフィルタ

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線形フィルタと畳み込み積分
マスクによる画像のフィルタリング
1.入力画像中の関心の画素のまわりの画素値
の重みつき合計を計算して,出力画像の画素
値とする.
(但し,毎回の計算を行うとき,前回と同じ重み
係数を用いる.)
2.これらの係数のことをマスクと呼ぶ。
3.異なるマスクを用いると、さまざまな処理効
果をもたらす.
線形フィルタと畳み込み積分
マスク関数の定義
数学的に表現しやすいために、マス
クを2次元離散関数として定義する。
 0 | x | msize, | y | msize
mask ( x, y)  
k
|
x
|

msize
,
|
y
|

msize
xy

例1:3x3の移動平均フィルタ
 0 | x | 1, | y | 1

mask ( x, y )   1
| x | 1, | y | 1
 9
0000000
00kkk00
00kkk00
00kkk00
0000000
k=1/9
マスク関数による画像処理
=入力画像とマスク関数との畳み込み積
分
I o ( x, y ) 
I o ( x, y ) 
  I ( j, i)  mask ( j  x, i  y)
j画像 i画像
i
I
(
j
,
i
)
mask
(
j

x
,
i

y
)
djdi
i

j ,i画像
このような処理は,線形フィルタリングという.
平滑化とぼかし
● 一般的な画像には,隣同士の画素は似た画素
値を持つ特徴がある.
● ノイズがのった画像も上記の特性が保存されて
いると考えられることが多い.例えば,故障した
画素,あるいは画素値に平均値が0のランダム
数値が足された場合.
● この場合,各画素をその周りの画素の重みつき
平均値に置き換えることにより,ノイズを除去す
ることができる.この処理は平滑化(smothing)あ
るいはぼかし(blurring)と呼ばれる.
移動平均フィルタ
ある画素を中心とした近傍領域内の濃度値
の平均を出力する処理をすべての画素につ
いて行えば、濃度値の変化が滑らかになり、
平滑化の効果がある
移動平均フィルタでは、フィルタの重み係数
がすべて等しい
Gaussian平滑フィルタ
平滑化による画像のボケを少しでも防ぐために、注目
画素 近傍の重みを大きくした加重平均フィルタもよく用
いられ,その代表はGaussianフィルタである.
Gaussianフィルタの核は下記のGaussian関数である.
 x y
G ( x, y) 
exp  
2
2
2
2

1
2
2



平滑フィルタの応用1
ノイズ除去
平滑フィルタの応用2
新聞などの印刷物にある白黒写真の処理
平滑フィルタの応用3
縮小画像をきれいに
非線形フィルタによる平滑化
移動平均や加重平均フィルタは一種のローパ
スフィルタであるため、高周波成分の情報が
失われエッジが鈍るなどの問題がある
メディアンフィルタおよびエッジ保存フィルタは
非線形フィルタであるが、上記のような問題が
生じにくいためよく用いられる
メディアンフィルタ
・n*nの局所領域における濃度値を小さい
順に並べ、真ん中の濃度値を領域中央の
画素の出力濃度とするフィルタをメディアン
フィルタ(Median Filtering)または中央値フィ
ルタ
・この処理を移動しながら全画素にわたって
行えば、メディアンフィルタによる出力結果
が得られる
メディアンフィルタ
3*3のメディアンフィルタの処理例
フィルタによるノイズ除去
エッジ保存フィルタ
(Edge-Preserving Filter)
・近傍領域を図に示すような小領域に分割し、
それぞれの領域ごとに濃度の分散を計算する
・エッジが含まれる領域では分散が大きくなる
という性質があるため、それぞれの小領域の
分散が最も小さくなる小領域の平均値を出力値
とする
エッジ保存フィルタに
おける領域の分割例
・これによりエッジをぼかすことなく雑音が取り
除かれ、エッジ自体も鮮鋭化される
・ただし、メディアンフィルタよりもさらに計算量
が多いという欠点がある。
フィルタによるノイズ除去
・図より、ゴマ塩ノイズのようなスパイク状のノ
イズは加重平均フィルタでは取り除くことは難
しいが、メディアンフィルタでは良好に除去で
きることが分かる
・だたし、メディアンフィルタはデータの並び替
え(ソーティング)の処理に時間がかかるため、
線形平滑化フィルタに比べて一般的に計算時
間は長くなる
鮮鋭化
・画像の濃度値が本来は急変しているべき
輪郭の部分などで濃度値の変化がゆるや
かになっている場合、図形の輪郭がぼやけ
た画像となる
・このような画像に対しては、濃度値の変化
を強調することで鮮明な画像が得られる
・この処理を画像の鮮鋭化(Sharpening)(また
は鮮明化)という
ラプラシアンフィルタ
(Laplacian Filter)
鮮鋭化の手法の一つに、原画像の2次微分であるラプラシアン
フィルタによる結果を原画像から差し引く方法がある
ラプラシアンフィルタ(続)
・図より、原画像にはないくぼみ(アンダーシュート)と
こぶ(オーバーシュート)が生じており、また、エッジ
の傾斜も大きくなっている
・これにより、エッジ部分の濃度値の変化が強調さ
れ、鮮明な画像となる
f x2(if,(ij,) j) f (if xx (1i,, jj)) ff (yyi,(ij,) j )  f (i, j  1)  f (i  1, j )  4 f (i, j )  f (i  1, j )  f (i, j  1)

f y (i, j )  f (i, j  1)  f (i, j )
ラプラシアンフィルタ(続)
以下にその具体的な計算法について述べる。ディジタル画像
においては、微分は差分により代用される。いま、x方向および
y方向の一次微分をそれぞれ次式のように計算される:
f x (i, j )  f (i  1, j )  f (i, j )
f y (i, j )  f (i, j  1)  f (i, j )
2次微分について、もう一度差分を取れば次式のように求まる:
f xx (i, j )  { f (i  1, j )  f (i, j )}  { f (i, j )  f (i  1, j )}  f (i  1, j )  2 f (i, j )  f (i  1, j )
f yy (i, j )  { f (i, j  1)  f (i, j )}  { f (i, j )  f (i, j  1)}  f (i, j  1)  2 f (i, j )  f (i, j  1)
ラプラシアンは、以下のように定義される:
 2 f (i, j )  f xx (i, j )  f yy (i, j )  f (i, j  1)  f (i  1, j )  4 f (i, j )  f (i  1, j )  f (i, j  1)
原画像からラプラシアンを差し引けば、鮮鋭化された画像が得
られる:
g (i, j )  f (i, j )   2 f (i, j )   f (i, j  1)  f (i  1, j )  5 f (i, j )  f (i  1, j )  f (i, j  1)
ラプラシアンフィルタ(続)
上式の重み係数に注目すれば、本フィルタのオペレータは(a)
のように得られる。これは隣接する上下左右の4画素につい
ての2次微分を用いた場合のオペレータ(4近傍鮮鋭化フィル
タ)であるが、斜め方向に隣接する画素を含む8画素におけ
る鮮鋭化フィルタ(8近傍鮮鋭化フィルタ)は(b)のようになる。
0 -1 0
-1 -1 -1
-1 5 -1
-1 9 -1
0 -1 0
-1 -1 -1
(a) 4近傍鮮鋭化フィルタ
(b) 8近傍鮮鋭化フィルタ
8近傍鮮鋭化フィルタにより鮮鋭化を行った例
8近傍鮮鋭化フィルタにより鮮鋭化を行った例
宿題
1.下記の濃淡画像に対して、3x3の移動平均フィルタを用いて処
理しなさい。
2310224212302
2245647463412
1125456825222
2325525357232
1245575465122
2126535654212
3212511232122
結果画像
2.上記の濃淡画像に対して、3x3のメディアンフィルタを用いて処
理しなさい。